第1000号 HSCをご存知ですか?
こんばんは。パピーいしがみです。
このメルマガも今日で1000回となりました。当初、ここまで続くとは思ってもなかったのですが、多くの方にお読みいただき、又、楽しみにしてくださった方々のおかげだと思っています。ありがとうございます。
それで、今日のメルマガですが、このメルマガでは多分始めての言葉だと思いますがHSCについてお話しさせて頂こうと思っています。
まずHSCとは何か?ですが、これは(Higly Sensitive Child)の頭文字をとったもので、日本語の言葉としては「ひといちばい敏感な子」と訳されています。
どなたが言い始めた言葉か?と言うとアメリカの心理学者「エレイン・アーロン」という方で、その方の書かれた本を「子育てハッピーアドバイス」で有名な明橋大二先生が翻訳をされ日本に紹介されたのが初めてだと思います。
明橋大二先生は精神科医ですので、ご自身の病院で仕事をしながら、スクールカウンセラーや、児童相談所の嘱託医として、多くの子供たちと出会ってきて、次第にそんな子供たちの中で、感覚的にも、人の気持ちにも、とても敏感な子供たちがいる事に気づくようになられたそうです。
そんな時、この「エレイン・アーロン」さんの著書と出会い少なからずいる「ひといちばい敏感な子(HSC)」について、世に知らしめることになったんですね。
私も明橋先生ほどではないにしても、とても敏感な子でお悩みになっておられる方からの相談も沢山頂き、その都度お返事してきたのですが、このHSCと言われる特徴に照らし合わせてみると、非常に理解しやすい事を感じています。
HSCの特徴としては、例えば幼少期、なかなか眠ってくれなくて、抱っこの時にはうとうとしても布団に降ろすとパッと目を覚まし泣き始める・・・とか、大きな音にとても敏感だったり、いつもと違う味に「これ食べたくない」と言ったり。
気に入った服ばかりを着て、首回り・袖などが窮屈だったり、服の素材が「イヤ」だと着なかったり・・・。強いこだわりがあったり、自分の思い通りにならない時の癇癪が酷かったり・・・。
幼稚園でも、運動会や発表会など、いつもと違った場所では、非常に緊張して固まってしまったり、先生が誰かに怒られるのを見ると、自分が怒られているように感じてしまったり・・・。
幼稚園から小学校などの新しい環境になかなか慣れない、とか、クラス替えをするとしばらく落ち着かない・・・などもあるようです。
親からすると「どうしてそんなことが気になるの?」と子供の様子に理解ができない、という事になるのですが、子供はもともと「ひといちばい敏感」なために、いろんな変化や刺激が人よりも強めに受け入れてしまうのですね。
又、そんな「ひといちばい敏感な子」は、学校で疲れてしまって、家でほんの小さなことでも癇癪を起してしまったり、文句を言ってお母さんとぶつかったり、わがままが激しかったりして、ちょっと注意しただけで逆切れしたり、過度に落ち込んだりしてフォローがとても大変・・・という事もあるようです。
激しい癇癪や、逆切れをして「手が付けられない」と、発達障害を懸念され、実際に検査を受けてみて「自閉症スペクトラム」などと診察される場合もあるようですが、HSCという言葉が、ここ数年で表れてきたものでもあるので、それを理解されていないお医者さんも少なくないのが現状のようです。
そして発達障害と明らかに違う事は、自閉症スペクトラムなどの場合、“人の気持ちを考えることが苦手”なのですがHSCの場合は“人の気持ちを感じようとする力が強い”という事なんですね。
ころころと自分の興味が移り、自分の興味を追求したい、その為には誰がどのように感じていてもそこまで考えが及ばない・・・という発達障害に対して、とても感受性が強く、優しさもあり、人を思いやる気持ちも強い。
ですから、HSCには、敏感で扱いにくい・・・と感じる部分もあるかもしれませんが、ひといちばい優しさを持っていたり、相手の気持ちが分かったり、お母さんが大変そうな時には助けてくれようとしたり・・・又、他の人が気付かない面に気づいたり、とても芸術的センスが高い・・・という面があったりするんですね。
今、このHSCについて、明橋先生の著書だけでなく、非常に多くの本が出回っていますし、パソコンやスマホで検索してみると、とてもたくさんの記事を読む事も出来ます。
それだけこのHSC の傾向を持っているお子さんが多く、又、それについて共感している親御さんも多い、という事なのだろうと思います。HSCの言葉の生みの親である「エレイン・アーロン」さんは、子供の5人に1人はHSCである・・・とも言われています。
私もこのHSCを勉強してみて「なるほどな~」と感じた事。そして私のお返事も間違っていなかったな・・・と安心もしたのですが、もし「ウチの子もHSCかもしれない」と感じた方には是非、意識してもらいたいことがあります。
それは、子供が強く嫌がる事や、親が理解できない事でも「この子は本当に辛いのかもしれない」「強い刺激を感じているのかもしれない」と子供の不安を分かってあげて欲しいのです。
今まで私はHSCという言葉を使わず「不安になりやすい子」とお話ししてきたのですが、不安になりやすい子の場合、親が「そのくらい大丈夫だよ!」とか「いい加減にしなさい!」と怒っても、それが解決に結びつく事はほぼありません。
それより「何が嫌だったの?」「どこが嫌なのかな?」のように、子供の気持ちを聞き出して「そうか~そうだったんだね」と理解したり共感してあげることで子供が安心して、又、一歩、歩き出せる・・・という事が非常に多いのですね。
これって「安心できる環境に整える」=包むの部分です。
そしてもう一つ。HSCのお子さんをお持ちのお母さんは「どうしてこの子はこんなに手がかかるんだろう?私の育て方が悪かったのだろうか?」とお考えになる方が少なからずいらっしゃいます。
でも、HSCは、もともともって生まれた資質であり、お母さんの育て方が悪かった訳ではないのですね。
子供の事を良く知らない人は「甘やかせているからこうなった」とか「親のしつけが悪いからだ」のように言う人も多く、それを聞いてたくさんのお母さんが辛い思い、苦しい思いをされています。
でも、それは決してお母さんのせいではなく、子供が持って生まれた特徴なんだ、と理解して、これからもサポートしながら接してほしいな、と思います。
アーロンさんの調査では、虐待など過酷な環境で育てられたHSCの子は、成長してからうつ症状や不安症になりやすいようですが、よい幼少期を過ごしたHSCの子の場合、病気やけがになりにくく、心も身体も健康である、という研究結果も報告されているそうです。
初めて聞いたかもしれない“HSC”。
もしご自分のお子さんに当てはまるようでしたら、是非意識して見てくださいね。
ちなみに過去のメルマガでもこんなご紹介をしていますので、ご覧いただけると参考になるかもしれません。
繊細な子ほど褒めてあげて
https://www.age18.jp/back370.html
繊細な子ほど褒めてあげて2
https://www.age18.jp/back371.html
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