第1004号 イライラを止めたい
こんばんは。パピーいしがみです。
いよいよ2018年もあと1日で終わりですね。このメルマガも今回が今年最後となります。
子供達も冬休みが始まって、やっとゆっくりできる年末年始に「イライラ」することが多くなるかもしれません。
「イライラ」は子育てをされている、ほとんどの方に共通のお悩みですね。
今日はそんな「イライラ」について、今までお話ししていなかったことをご紹介します。
これまでも、いろんな書籍でも対処法が書かれていて、片っ端からやってみた・・・と言われる方も少なくないと思います。
でも「こうすればイライラが治まる」とか「これをやったらイライラしない」という画期的な方法は、なかなかありません。
それは、やはり「イライラ」は結果であり、イライラが起きるまでには、原因とプロセスがあるからなんですね。
ですから「イライラ」という結果だけを何とかしようとしても、元になっている原因が改善されないと、常にいたちごっこになってしまいます。
その“原因”とは多くの場合、イライラする側の「こうするのが当たり前」という考え方だったり「こうしてほしい」もしくは「こうするだろう」という、自分の中で計画や予定を無意識につくってしまう事なんですね。
ですから、イライラした時に「自分で勝手に予定を立てていたな」「この子にはまだ難しいんだな」「ああ、まだ甘えたいんだな」など、冷静になることができればイライラの原因が修正されて、イライラした気持ちから解放されるようになります。
ただ・・・「頭では分かっているけど、そんな気持ちになれない」という思いもよくわかります。
原因が変えられない・・・としたら、プロセスにちょっと工夫をしてみる事もできるかと思います。
今日はそんなプロセスの工夫のご紹介です。のりこさんからは、こんな風にメールを頂いていました。
ココから・・・
一言で言うと、長男が小さい時から、ありのままの長男をずっと受け入れることができず、どうして受け入れられないのかと悩んできました。
前回の相談後、児童相談所、こども発達クリニック、学校のスクールカウンセラー、どこもそれぞれ予約2ヶ月待ちの状況で、時間かかりましたが、いろんなところに長男の相談をしてきました。
検査の結果では、そこまで明らかな数値ではないものの、広汎性発達障害の分類に入るということでした。
もともと気持ちや行動の切り換えが苦手なので、他の人よりもやるべきことをやるのが、ものすごく大変で、いっぱい頑張ってくれているのだと、頭では理解してても、
いざ、学校行く時間になっても、楽しそうにおもちゃで遊び始めたり、本やテレビを見たりしている姿を見ると、どうしてもガッカリ、イライラしてしまい、前向きに考えることができません。
興味のあるものがあると、やらなきゃいけないこと全てを忘れてしまうのも、特徴の一つなので、怒っても無駄だし、仕方ないのもわかります。
わざとやっているわけではなく、本当に忘れてしまうというのも頭で理解はしていても、毎日同じことの繰り返しで、
声かけして動いてくれればいいですが、いろいろな方法で声かけしても全然次の行動に移れないときは絶望的な気持ちになってしまいます。
私は子供達に元気に笑顔で登校、登園して欲しいという願いが強く、長男にも次男にも学校や幼稚園に行きたくないと言われると、とても悲しくて、涙が溢れて止まらなくなるほど、辛いのです。
次男も自己主張は強いですが、私と同じタイプだからか、要求もわかりやすく、まだ受け入れられるのですが、
長男は違うタイプだからか、私の予想を越える行動や要求が多く、要求のタイミングも悪く、長男の要求に応えようとすると、いつもペースを乱されるので、付き合うのが大変で、受け入れたいのに、どうしてもイライラしてしまいます。
そのイライラがたまり、自分の感情をコントロールできず、子供達以外にも、今までたくさんの人を傷つけてしまいました。
結果がわかっていても、感情を抑えきれなくなって、何度も同じことを繰り返してしまいます。
もう子供達や自分の大切な人を傷つけたくないのです。
ココまで・・・
のりこさんの長男さんは、検査の結果、広汎性発達障害の分類に入る、という事が分かりました。
メールにもあったように、のりこさんは「長男さんが、他の人よりもやるべきことをやるのが大変で、いっぱい頑張ってくれているのだ」という事も理解されていますし、
「興味のあるものがあると、すべきことを忘れてしまうのも、特徴の一つだ」と分かっておられます。
でも、頭ではそれらを理解していても、つい子供たちを傷つける言葉を吐いてしまう・・・という事だったのですね。
なので、私は“手首に輪ゴムを付けて、イライラしたらそれを引っぱり、パチンとやってみる”事をお勧めしたのです。
実はこれってたまたま見ていたドラマで、弁護士の先生が自分の感情が乱れた時に手首につけていた輪ゴムを引っ張り離す・・・
その痛みで、気持ちがリセットされ冷静に考え直す事ができる、というシーンを見て、それから調べたものでした。
調べてみると、このやり方は実際にあり「思考停止法」とも言われるそうです。
大学受験に向かう受験生に、メンタル調整法として、ソウル五輪銅メダリストで日本スポーツ心理学会上級メンタルトレーナーとして活躍する、田中ウルヴェ京(みやこ)さんがアドバイスされた方法としてAERAに紹介された記事もありました。
そんな気持ちのリセットのやり方をお伝えしたのりこさん。約1ヵ月後のご報告を頂きました。
ココから・・・
相談するまで、私の一日の気分は朝、子供達がすんなり元気に笑顔で学校や幼稚園に行ってくれるかどうかに大きく左右されていました。
特に長男の登校しぶりが強く、小学生になってからは、どうやったら毎日自分で準備して、時間を守って学校に行けるようになるかが私の課題でした。
今なら、この時点で考え方がマズイのはわかりますが、当時の私は毎日学校に行かせることに必死でした。
そして、なかなか準備をしない、準備ができても玄関から出られない、玄関から出られても「ママと一緒にいたい。」と言い、家に戻ってくる長男を受け入れられず、毎日朝からイライラしていました。
そして、ありのままの長男をどうして受け入れられないのかとずっと悩んできました。
そんな中でも、講座やメルマガのおかげで、子供達との関係もよくなってきてはいたのですが、
どうしても朝の登校、登園のイライラのコントロールが難しく、感情的になってしまい、定期的に大爆発をして、子供達や主人を傷つけ、自己嫌悪の日々でした。
何度も繰り返し、こんなことをしていてはいけないと思い、パピーさんに相談し、輪ゴムでの感情コントロール方法を教えていただきました。
ただ、正直に言うと、初めて輪ゴムの話を知った時はそんな方法があったのか?と思う一方で、本当に輪ゴムひとつで、私のあの激情を抑えられるのか?という気持ちでした。
その位、その時の私の中にはどうしようもない怒りが居座っていました。
でも、藁にもすがる思いで相談して、待ちに待ってもらえたアドバイスだったので、メールを読み終えて、本当にすぐに腕に輪ゴムをつけてみました。
普段、腕時計やブレスレットもつける習慣がないので、腕に輪ゴムがあるだけで、腕に違和感があり、戒めのような第三者に見張られてるような感覚がありました。
輪ゴムをつけた後、もう一度パピーさんのメールを読み直し、ネットで輪ゴム、感情コントロールを検索し、輪ゴムではなく、イライラしたら鏡を見るという方法を紹介している記事に出会いました。
夜、寝ている間は輪ゴムをはずし、朝起きてキッチンに立った時に輪ゴムをつける。
毎朝、朝ごはんをすぐ食べない、食べたらおもちゃで遊び始め、なかなか出掛ける準備をしない、などなど、同じことでイライラしていたので、子供達を見ていてイライラしたら、パチンとやってみました。
痛いです。何回やっても慣れない痛み。痛みのおかげでイライラしているなと客観的に感じることはできるけど、痛いのはやっぱり嫌です。
痛いのが嫌だから、イライラするのをやめれればいいですが、私がイライラする子供達の行動は変わらないので、やっぱりイライラします。
そこで、この方法では私は痛いのが嫌で、イライラしてもパチンとやらなくなるだろうと思いました。
でも、それではせっかく教えてもらった意味がないので、鏡を見ることも一緒にやってみました。
パチンとしてから鏡を見る。当然のことながら怒った恐い顔の自分がいます。
イライラしてるんだから、当然じゃん。と思いながらも見つめ続けると「恐い顔してるな~」から「なんでこんなに恐い顔して怒ってるんだろう」といろんな気持ちがでてきました。
次にイライラしたら、先に鏡を見てからパチンとするようにしてみました。
すると、3日目から輪ゴムは必要なく、鏡を見るだけで、瞬間的な怒りが落ち着き、なぜイライラするのかを考えることができるようになってきました。
鏡を見るだけで、イライラが完全に消えるわけではありませんが、なぜイライラするのかを冷静に考えることで、自分の体や心がどういう状態か、自分に今必要なことは何か、
子供達の気持ちはどうか、子供達の体調はどうか、などいろいろ考えられるようになり、その対処法も思い付くようになりました。
そして、イライラしても対処法をこなせばいいのだと、気持ちを切り変えられるようになってきました。
一番よかったのは、イライラ絶頂の時に落ち着いて考えることで、あれだけイライラした子供達の行動も違った見方ができるようになり、「まぁ、いっか。」と思える頻度が増えてきたことだと思います。
今までは多少イラッとしても、これ位まだ許せるとイライラの種を消化せず、心の中にため込んでいました。
私が悩んでいた定期的な爆発はこのたまった小さなイライラを発散させるために、必要だったことにも気づきました。
イライラが大きくなると、感情も強くなるので、いかに小さなイライラのうちにイライラを消化できるかが勝負だと思います。
鏡を見ても、すぐに冷静になれない時は、あえて笑顔を作って、先に脳をだまし、自分がどうしたら本当に笑顔になれるか、そのためにはどうしたらいいかをひたすら考えるようにしています。
気持ちをうまく切り変えられない時もありますが、以前のように子供達を頭ごなしに怒鳴りつけたり、くどくどお説教をするということはなくなってきています。
輪ゴムと鏡を見るという方法を知ったことで、家の中の雰囲気もすごくよくなり、私も家族みんなの笑顔も増えてきていると思います。
今回、改めて、お母さんは笑顔でいることが大切なんだなと感じました。太陽のように明るく、笑顔の素敵なお母さんになれるよう、これからも頑張ります。
ココまで・・・
のりこさん、貴重なご報告をありがとうございました。
なるほど、輪ゴムと一緒に「鏡を見る」も併用されて、今では輪ゴムは必要ないようです(^^)
「鏡を見る」のもとても良い方法だと思います。
と言いますのも「クレームの多い受付には大きな鏡を付けると良い」と言われています。
それは、激高している自分の姿を鏡を使って見ることで、お客さんが客観的に自分を見て「こんな顔で、こんな態度をしているんだな、恥ずかしい」と思わせる事ができ、
お客さん自らが、落ち着いて、冷静な姿勢になれるからなんだそうです。
のりこさんも、鏡を見ることで同じように「私ってこんな顔をして怒ってるんだ、イヤだな~」と感じたでしょうし、
「鏡を見る」と、違う行動を挟むことで、今までイライラしていた思考を止めるという効果もありそうです。
イライラは、さらに私たちの感情を高ぶらせ、イライラがエスカレートしてしまいます。
鏡でも、輪ゴムでも、又それらを併用しても、その間に一度、冷静になる事ができたら、イライラの爆発やムカムカした気持ちからは解放されるかもしれません。
その後、のりこさんは、こんな風に言われていましたよ♪
ココから・・・
私の最初の悩みメール、長男のやること全てにイライラして、あの時は本当にすごく悩んでいましたが、改めて今見ると、長男のやりたいことではなく、
私のやって欲しいこと、やりたいことを押し付けていたのが一番の原因だったのだと、パピーさんに相談して気づくことができました。
見方を変えられるようになり、あれほどイライラしていた長男の時間の使い方も、時間がないのにどうしていつまでも遊んでいるのかという疑問、イライラから、
こんな短時間でも楽しめたり、いろんなことを思いつく長男はすごいなと思えるようになりました。
これは自分でもびっくりな、ものすごい発見で、なんとも言えない不思議な感覚でした。
仕事が忙しく、子供達との時間が少ない夫への不満も、冷静に私に余裕がなく手伝って欲しいことや子供達との関わり方の見直しをして欲しいことを夫にメールで伝えることで、夫も理解してくれ、
お互い嫌な気持ちにならずに、夫も子供達との時間を大切にしてくれるようになりました。
まだまだ意識しないと感情に流されそうになりますが、この成功体験をお守りに冷静に笑顔になれるようにしたいです。
ココまで・・・
イライラを抑えるのではなく、イライラのプロセスを工夫することで、イライラの原因も修正することができたのりこさん。
感情で子供達やご主人にぶつかるのではなく、冷静になって考え、見方を変えられるようになったり、伝える事ができるようになったなんてすばらしいと思います。
あなたもイライラが止まらなかったり「分かっているんだけどつい・・・」という事が多いとしたら、是非、お試しになってみたらいかがでしょうか?
それでは、今年のメルマガはこれで終了となります。寒い日が続きますが、どうぞお体に気を付けて、良いお年をお迎えくださいね♪1年間、ありがとうございました。
※ご興味がありましたら、ご覧ください。
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