第1010号 怒ってばかりいる子
こんばんは。パピーいしがみです。
ちょっとしたニュースなのですが、前回のメルマガ「スキップができない」が、まぐまぐさんの目に留まり、まぐまぐニュースに掲載されました。
内容は同じなのですが、タイトルやデザインなどがちょっと違っているので、ご紹介させて頂きますね。よろしかったらご覧ください♪
https://www.mag2.com/p/news/385511
さて、毎日寒い日が続いていますが2月も中旬に差しかかかろうとしています。新入学、新入園、新学期もすぐ目の前です。
そんな中、今日はユンボさんから頂いたご相談と、お返事した内容をご紹介したいと思います。
ユンボさんは、5歳の息子さん、3歳の娘さんがいらっしゃるお母さんですが、この5歳の息子さんの「いつも怒ってばかりいる」事に悩んでおられました。
ご相談の内容はこうでした。
ココから・・・
長男について、
1、すぐ怒ること
2、乱暴で強い口調
3、人のせいにすること
4、嘘をつくこと
5、交換条件にすること
これらについて、どうしたらいいのか、私が怒ってしまうことが原因ではないか、ご意見、アドバイスいただきたいです。
息子は、何かにつけて怒っています。朝、起こすと、「まだ寝るの!」と言い、ご飯を食べるときにテレビを消すと「まだ見てる!」と。
妹におもちゃを使われると「◯◯の!!なんでそうするんだよぉ!直せよ!早く!直せ!」
とにかく、小さなことでも気に入らない事、思い通りにならない事、自分優先にならない事で怒ります。
そのときの口調がすごくキツく、言われたこちらもイラッとしてしまうし、妹は強い口調で攻められて泣いてしまうこともあります。 幼稚園でも女の子が泣いてしまったことがあるようです。
年中組のときに、お友達に「◯◯くんはいつも怒ってるよ~」と言われてしまったこともありました。
年中の11月にスムーズに登園できず、その後も怒り続け、「今後が心配だから話がしたい」と園長先生から電話をいただき、すぐに園に行き、園長先生に言われたのが“自分が一番偉くなっている”とのことでした。“ダメなものはダメと怒ることも必要だ”と。
人のせいについては、何かと「かーちゃんが◯◯したから、こーなった!」と、失敗やできないこと、思い通りにならないことを私のせいにしてきます。
先日泊まりに来た私の妹が「ずっとこんなんじゃ、かーちゃんがかわいそうだよ」と言ってくれました。
嘘をつくことについては、兄弟喧嘩をしているのを聞いている限り、お兄ちゃんが一方的に手を出したときに、お兄ちゃんにも言い分があるとは思うのですが「妹が先にかじった、叩いた、だからやった」と言うのです。
本当に妹が先にやることもあるのですが、そうではないときも、先に妹がやったからやったんだと言うのです。
交換条件については、例えば、私が着替えてね~と言うと「アイス食べていいなら着替えるよ!」とか、くもんの宿題やろうと言うと「おたまじゃくし捕まえに行っていいならやる!」と言ったかんじです。
こんな息子なんですが、私がイライラしてしまったり、怒ると強く怒ってしまったりすることが、色々なことの原因ではないかな、と思ったりもします。それから、夫婦喧嘩もしてしまうので、それらも原因かな、と思うところもあります。
最近上記1~5がひどかったので、相談にのっていただきたいと思い、思い切ってメールしました。
ココまで・・・
ユンボママさんのメールにもかかれていましたが、幼稚園の園長先生が“自分が一番偉くなっている”と言われたように、私もそれを強く感じました。それは家庭での親の接し方に理由があるのですが、
ユンボママさんが、ご自分のイライラや、ご自分の怒った時の口調、夫婦喧嘩が原因では?と書かれていたので「そうではない」という意味でこのようなお返事をしました。
ココから・・・
ユンボさん、こんにちは。パピーいしがみです。
メール拝見しました。
長男さんについてのご相談でしたね。
1、すぐ怒ること。2、乱暴で強い口調。3、人のせいにすること。4、嘘をつくこと。5、交換条件にすること。
と5つあって「嘘をつく」については、メールを読む限り「嘘」というよりも「人のせいにする」の3に近いのではないかな?と感じました。
それで1~5までの内容をお聞きすると・・・これって、秩序の乱れが起しているのでは?と私には感じました。
なぜ、私がそう感じたか?と言いますと、こうありましたね。
“年中の11月にスムーズに登園できず、その後も怒り続け、園長先生から電話をいただき、今後が心配だから話がしたいと・・・
すぐに園に行き、園長先生に言われたのが「自分が一番偉くなっている」とのことでした。“ダメなものはダメと怒ることも必要だ”と。”
その後はユンボさんも「ダメなものはダメ」としてくださったようですが、それまでは子供中心の生活で、叱られることが少なく、子供に「自分が一番偉い」と錯覚させる事になってしまっていたでは?と思うのです。
そして、その時に育まれた感覚が、いまだに残っていると私には感じるのですね。
期間的にも、園長先生に指摘されたのが年中の頃だとすると、ユンボさんが姿勢を改めてからよりも、その前の年月の方がずっと長いはずです。
それを考えると、子供の考え方を変えるにはまだまだ時間が掛かると思います。
すぐに怒る・・・というのも、自分が怒ったり、癇癪を起すと、周りの大人が動いてくれる・・・という経験をしていると、周りを動かそうとして癇癪を起したり、自分の感情をぶつける様になりますし、当然その時の言葉は乱暴で強い口調になります。
そして何かを失敗すると、自分で認めたくないので人のせいにします。交換条件についても同じで、根本に「やってやる」という姿勢があるのですね。
本来は親が上に立ち、子供に対して教える立場のはずなのに、子供は「これをくれたらやってやる」「これをしてくれたら応じてやる」のように、立場が逆転しています。(子供が主導権を握ってしまっています)
これって完全に秩序がおかしくなっていて、ここを正さないと治らないと思うのです。
ユンボさんとしては、この原因は、ご自身のイライラや、強く怒ってしまうこと。もしくは夫婦喧嘩だとお考えのようですが、問題はそこではなく、もっともっと根幹となる秩序が正しくない現状にあると思うのです。
それは、園長先生に言われたこともそうですが、メールにこうも書かれていましたね。
“先日泊まりに来た私の妹が「ずっとこんなんじゃ、かーちゃんがかわいそうだよ」と言ってくれました”
「かわいそう」という言葉自体が、上下の差(かーちゃんが下の存在)を感じますし、
妹さんに「かわいそう」と言われる前に、毅然とした態度で「人のせいにするんじゃない!」「自分がやったことだろう!」と凜とした態度で接しなければならないと私は思うのです。
この秩序の乱れはとても重要な事で、どこの組織にも秩序があって、その秩序を守れない人は、どの組織にも所属できません。(小さなグループから会社まで、全ては組織です)
当然ですが、秩序が理解できない人は、社会では通用しませんので、周りと馴染めなかったり、つまはじきにされたりしてしまいます。
息子さんの場合、その秩序の理解がちゃんとなされていないのでは?と私は感じるのですね。園長先生が危機感を持たれたのも同じことだと思います。
交換条件も、どう対処されているか分かりませんが、今は「アイス食べていいのなら」や「おたまじゃくし捕まえに行っていいのなら」ぐらいですが、
年齢が高まると「おもちゃを買ってくれたら」とか「小遣いをくれたら」になり、どんどんエスカレートし、見返りが無いとやらない・・・という状態になってしまいます。
ですから、まずは、家庭内で秩序を見直す事。
お父さん→お母さん→お兄ちゃん→妹
この関係をしっかりさせて、ユンボさんの態度としては、ご主人は家庭の長として扱い、子供たちには、毅然とした態度で接する、という事です。
ただ、急激に親の姿勢が変わると子供も混乱し、不安になりますから、いきなりガラッと変えるのはやめてほしいのですが、
すぐに怒る事や乱暴で強い口調については目をつぶるとしても、まずは「かあちゃんのせいだ」と言うような事があったら「それは違う」とはっきり毅然とした態度で言い、
交換条件を言うのなら「そんな約束はしない」「やりたくないのならやらなくていい」と突っぱねたり、揺るぎない親の姿勢を見せるべきだと思います。
家庭の主導権はあくまでも親にある、という姿勢をお持ちいただくこと。それが重要では?と私は思いますが、いかがでしょうか?
ココまで・・・
ユンボさんは、すぐに行動に移してくださり、親の姿勢を明確にする事や、かあちゃんのせいだと言うのなら「それは違う!」交換条件を言いだして来たら「それならやらなくていい」とはっきり言うことで、子供の姿勢は明確に変わってきて、
担任の先生からも「すごく良くなっています。昨年とは比べ物になりません」と言って頂けたそうです。
ただ、朝の登園時「ママがいい~」と泣くようになってしまった。と言うのですね。
もともと長男さんは、1歳ごろから園に預け、スムーズに登園したことが少なかった様だったのですが、やっと年中・年長・・・と時間を掛けてなんとか泣かなくなりスムーズに行き始めた矢先の事だったそうです。
それを聞いて、私は「なるほど、それでか・・・」と思いました。
というのは、親子分離がすんなりできなかった事もあり、どうしてもユンボさんは長男さんの言い分を聞いてあげる事が多く、長男さんは「自分の願望や願い通りになる」と錯覚してしまい、怒ったり暴言を吐いたり、威張るようになったのだろう・・・と。
今回、お母さんに厳しく(本当は厳しくなんてないのですが、今までから比べると子供にとっては厳しく感じてます)扱われたことに、お母さんに甘えたり、駄々コネをしたりして、お母さんを試しているんだろうな・・・と思ったのですね。
ユンボさんは「私の言い方がキツイのでは?」「意地悪を言っているようだ」とも感じておられたのですが、ここで親が折れてしまっては又、元に戻ってしまいますから、
「感情的に言っているのなら修正した方が良いけれど、“ダメなものはダメ” “違うものは違う”というスタンスは続けて頂くようにお願いしました。
ただ、“ダメなものはダメ”というスタンスは、間違いなく「否定」ですから、それが子供の自尊心を削いでしまったり、やる気を失わせる、という事は有りえます。
そこでユンボさんは、“ダメなものはダメ”で貫くと同時に、眠る前に子供たちを褒める「ホメホメタイム」を取り入れ、一緒に「褒め日記」(子供の良いところを発見したら記入するノート)を始めてくださったようです。
そしたらこんな事があったみたいです。
ココから・・・
今日の息子のいいところを寝る前に布団に入って話していると「そんなこと言うと涙が出ちゃう」と言って、ポロポロ泣き出したんです。
そしてしばらく抱っこして「ママ~ママ~」って泣き続けたんです。なんで泣くの?と聞いても「ママ~」としか言わないので、涙の真相はわかりません。胸が痛くなりました。
ただ、ダメなものはダメなどに関しては、息子もすごく変わってきていて、ダメなものはダメ!!とすると、あれこれ言いながらも諦めてくれたり、
ダメ!と一言言って放っておくと自分の中で処理して諦めてくれるようになっています。
ココまで・・・
“ダメなものはダメ”をしながらも“褒めるべきは褒める”。これって要は「メリハリをつける」ってことだと思います。
そうやってメリハリをつけて子供に接して行かれたユンボさん。
長男さんには、しっかりそれが伝わったみたいです。先日頂いたご報告にはこんな風にありました。
ココから・・・
パピーさん、お世話になっております。いつも息子のことで相談にのっていただき、ありがとうございます。
息子は、一番初め、秩序の乱れを教えていただき、「かーちゃんのせい」→「そうじゃない」、交換条件→「それならやらなくていい」そんな対応を教えていただき、
冷静に接することを意識し、ビシッとする分、褒めることも意識し、ほめ日記をはじめ、続けています。
すると、子どもたち(3歳の娘も)は、ほめ日記に書いてほしくて、良いことをたくさんしてくれるようになり、
以前は私がどうしたらこの怒った態度はなくなるかと息子の気持ちをアレコレ探っていたのですが、
ビシッと言うことで、息子は自分で処理してくれ、今では私が言うことに対して、『はーい』と返事をしてくれるようになりました。
主人や実家の母や妹も「すごいね、変わったね、お兄さんになったね♪」と誰もが認めてくれます。
そして、1歳の頃からほとんど泣いて登園、泣かないで登園できても担任の先生に受け渡してなんとかといった登園も、泣かずに担任の先生がいなくても、玄関でバイバイできるようになりました。
就学前健診がありましたが、行ってすぐに母子は別々に。息子は6年生のお兄さんと行動しました。
息子は嫌がることもなく、その後も問題なく健診を受けることができたそうです。
ココまで・・・
お母さんと離れるのが難しい子だったユンボさんの息子さん。小学校の検診で、親と離れて6年生のお兄さんと行動ができたら一安心ですね♪
それにあれだけ「怒ってばかりいる」「人のせいにする」「交換条件」など問題があった部分もきちんとメリハリをつけることで、ずいぶん変化があったみたいです。
“主人や実家の母や妹も「すごいね、変わったね、お兄さんになったね♪」と誰もが認めてくれます”とあった一文に、「よかった~♪」と胸をなでおろしました。
さあ、今年は1年生として、新しいステージが始まるんですね。きっと今までにない成長も見られるでしょうから、楽しい学校生活を送ってほしく思います(^^)
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