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第1014号 叱らない子育て

こんばんは。パピーいしがみです。

今日のメルマガの題名は「叱らない子育て」としました。

一時期、尾木ママさんの「叱らない子育て論」とか、アドラーの「怒らない子育て」という本がとても注目されたことがありました。

タイトルがとても斬新でもあったので、タイトルだけが独り歩きして、何でも子供のしたいようにさせ、親は関与しない・・・それが「のびのび育てる」という事だ・・・のように間違った解釈をされたのですね。

それは数年前の出来事でもあるのですが、今から数十年前にも同じような事がありました。

当時、私がまだ子供の頃、「放任主義」という呼び方で、親が子供に関わらず好き勝手やらせる・・・という芸能人がいて、テレビなどでも「独特な子育て法」として紹介されたりもしていました。

まだ子供の私でも「それはダメでしょう」と思っていたのですが、その当時の子供が成長して大人になると、飲酒で暴れたり、何度も覚せい剤で捕まったり、テレビのニュースを賑わしては、親が謝罪会見をする・・・という事になりました。

でも又、同じように「叱らない子育て」という名目で、子供との関わろうとしない、そんな子育てをする人が多くなっているようなのです。

私の耳にも届くことが多くなってきているのですが、先日、神楽さんからこんなメールを頂きました。

ココから・・・

パピーさん、こんにちは。神楽です。子供たちは長女が10歳、次女が8歳になりました。

1年間しっかり勉強したおかげで、子供たちはとても明るく目標を持って頑張る子になりました。

毎日の言葉掛けだったり、親の関わり方だったり、こんなに違うもんなんだな~と改めて感じています。

私の気持ちも以前とは全く違い、イライラも減って子供たちへの小言も減ったせいか、ケンカをしても自分たちで解決して、その後はケロッと一緒に遊びだす事が多く、色んな面でパピーメソッドが役立っています。

それで、今日メールをさせて頂いたのは、私の子供の事ではなく、他の子の注意をしたことで、そのお母さんの態度など、ちょっと納得のいかない事があったからです。

それは、ある雨の日の事なのですが、4・5歳のお子さんが電車に乗ってきて、座席はいっぱいだったのに、少しの隙間に割り込んで、土足のままシートに足を乗せ、外を見るように座ったのです。

濡れている靴で座席は汚れるし、横にいた年配の男性も「なんだこの子は?」のような顔をしてその子を見つめ、隣のご婦人は迷惑そうな顔をしながら、服が汚れるのを気にして立ち上がり座席が空きました。

すると、子供が大きな声で「ママ~、空いたよ~!ここ座って~」と言ったのです。

するとママは、平然とその空いたスペースに腰をおろし、おもむろにスマホを取り出して無言でゲームを始めました。

子供ははしゃいで、行きかう電車に夢中ですが、ママは一切子供に注意をする事も、会話することもなく数分が過ぎました。

私もそのうちお母さんが気付いて子供を注意するだろう、もしくは隣の男性が何か言うかな?と見ていたのですが、隣の男性も関わり合いになりたくないようで何も言わず、お母さんもいつまでも気づかない・・・という様子だったので、

私は勇気を出して「僕、靴であがると汚れるから、靴だけ脱ごうか?」と子供に声を掛けて、靴を脱がし椅子の下に置きました。

私は、その親から「気づかなくてすみません」とか言葉があるかと思いましたが、全く無視。でも子供がみんなの迷惑になると分かってくれたらそれでいいか、と思っていました。

数駅過ぎて、そのお母さんがスマホをしまい子供に「さあ、降りるよ」「靴を履いて」と言い、降り際に「チッ」と舌打ちをして、小さい声で「人の子育てにウザいんだよ」と言ったのが聞こえました。

それを聞いて、私は本当にショックで、空いた口がふさがりませんでした。

その時は我慢しましたが時間が経つうちに「あれがあなたの子育て?」「あなたの子供が非常識だから注意したんだよ!」「本当はあなたが注意すべきでしょう」という気持がふつふつと湧き上がり、文句の一つでも言ってやればよかった・・・と、ムカムカしながら家に帰りました。

その晩に主人に今日あったことを話しをすると「非常識な親もいるもんだな。でもよく注意したね。勇気あるな~(笑)」と言われてしまいました。

パピーさん、私がやった事は間違っていたのでしょうか?今後、こんな時はどうすべきなのでしょう?

ココまで・・・

このお話を聞いてまず、神楽さんが勇気をもって、知らないお子さんにも「迷惑になるよ、やめようね」って言えたこと。これって素晴らしいな♪と思いました。

それも子供の事を否定せず「靴だけ脱ごうね」と脱がしてあげたこと。対処としては、本当に満点だったと思うのです。

神楽さんも言われていたのですが、本来だったら親が気付いて、靴を履いていると汚れるし、みんなの迷惑になる、という事を教えてほしい。

それを他人に指摘されたら「ありがとうございます」なり「気づかなくてすみません」と言うべきところなのに、自分はスマホでゲームをしていて「気づかない」振りをしていた。

そして帰り際に「チッ」と舌打ちをして、その上「人の子育てにウザいんだよ」と聞こえるか聞こえないかの小声で吐き捨てて行った・・・なんて、本当に驚きです。

ですから、神楽さんには「神楽さんは間違っていませんよ。そして言葉の選択も良かったと思います。今回の事はあまりにも常識のない方に関わって嫌な思いをされたと思いますが、そんな人ばかりではないと思いますので、あまり気になさらないでくださいね」とお返事しましたが、

そこで思い出したのが、冒頭に記載しました「叱らない子育て」と「放任主義」だったのでした。

尾木ママさんの言われている「叱らない子育て」も、アドラーの「怒らない子育て」も、「怒ったり、叱ったりするな」というのではなく、怒ったり叱ったりしている“その言葉を変えましょう”と言っているにすぎないのです。

でもそれを「叱らない」=「関わらない」になってしまっていて、育児放棄と同じことになってしまってるんですね。育児放棄がどんな結末になるのか大体予想がつきます。

ためしに「叱らない子育て」で検索してみました。すると本当に多くの結果がネット上にあふれていました。特に目立つのは「失敗した」という文言。

幼稚園や小学校などでも問題だらけで、トラブルメーカーになってしまっているという例がほとんどです。

私も「叱る」については注意が必要だと考えています。

「頭ごなしに叱る」事や、「叱りすぎ」が原因で、子供が自尊心を失ってしまうケースが多く、特に叱り方は勉強してほしいと思いますが、決して「叱ってはいけない」と言うのではありません。

やはり「ダメなものはダメ」と言わなければならないし、様々な場面で、それが良い事か、いけない事かを逐一教えていく事は親の仕事としてしなければならないと考えます。

でも、それは「教える」事であって、叱りつけたり、怒鳴りつける事ではないのですね。

全く何も分からないまっさらな状態で生まれてくる子供達ですから、さまざまな場面で○なのか×なのかを教えてもらい、子供は、その言葉を、親の姿勢も見ながら自分の中で善悪を判断するようになります。

そう。大事な事は “親の姿勢も見ながら”という部分なのです。

どんなに親が偉そうなことを言っても、言っている事とやっていることが違っていたら、子供は親の信用しませんし、親の言葉も子供の耳には届きません。

だから「お手本」としての親の姿勢がとても重要なんですね。

子供は毎日、いつでも親の姿勢や姿を見て学び真似ていますから、叱ったり怒ったりするより、まず親が「自分から」という認識を持つことが何よりも大事なんです。

ですから「叱らない子育て」を初めて聞いた時“大事なのはそこじゃないんだけど・・・”と私も不安な思いがありました。

それを考えた時、神楽さんが会った電車での親子。お子さんはどんな風に育つのだろう?と思うと、他人事ながら心配になります。

最後に、ご質問を頂いた神楽さんからのお返事を紹介したいと思います。神楽さんから、こんな風にメールを頂きました。

ココから・・・

パピーさん、お返事ありがとうございました。

余計な事をしたのかな?と思いながらも納得できない部分でムカムカしていた私ですが、パピーさんから「神楽さんは間違っていません。言葉の選択も良かったと思います」と言って頂けて、安心しました。

今回の件は、主人だけでなく、友人にも愚痴を聞いてもらっていたのですが、その中でもう10年以上保育園の先生をしている友達に話したところ、

「でも珍しい事じゃないんだよ。今、本当に非常識な親がいて驚く」という話を聞きました。

一つの例として「うちの子が家で言うことを聞かなくて困る。保育園ではきちんと躾をしているんですか?!」と怒鳴り込んできた親がいた、と言うのです。

最終的に園長先生が対応されたようですが、保育園の先生方も呆れてしまう非常識な親って少なくないらしく、友人からは「親を見て声を掛けた方が良いかもしれないね」と言われました。

その友人もパピーさんと同じように「あの子がこれからどんな風に育っていくのか心配になる」と言っていました。

ココまで・・・

「うちの子が家で言うことを聞かなくて困る。保育園ではきちんと躾をしているんですか?!」って保育園にクレームを言う親がいる・・・

かつては「ありえない」事だと思うのですが、今、そういう親もいるんですね。

保育園や幼稚園は、家庭の延長であり、子供に一番影響を与えているのは、親ですからね。家での問題を保育園のせいにする、その考え方に驚きます。

又、家で子供が言うことを聞かない、という事も、多くの子供がそうであるように、決して珍しい事ではなく、そんな時期もありながら親も一緒に成長していくんですね。

でも正直、世の中にはいろんな人がいて、考え方もみんな違います。

それはそれでいいのだけれども“一人の子供を育てる”という大仕事に置いては、その親の姿勢しだい、そしてご家庭の在り方次第だ、という事を忘れないでほしいと思うのです。

このメルマガをお読みの方は是非、子供たちの未来の為に、子供たちと関わりを増やし、良い関係を作って、子供が安心して成長できるようにご努力下さいね♪

「難しい」「うまく行かない」と感じる事もあると思いますが、親が悩み考え、努力することが必ず子供にも伝わりますからね(^^)

※ご興味がありましたら、ご覧ください。

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