第1018号 留守番ができない
こんばんは。パピーいしがみです。
新しい年号も決まり、入学式も終え、新年度が始まったみたいですね。
今年から新入園、もしくは新1年生となる子は、新しい場所に緊張してしまうとは思いますが、早く慣れて楽しい毎日を送れるようになって欲しいと思います。
さて、今日はそんな中、留守番ができない子に留守番を教えるにはどうしたらいいか?というご相談を頂いた件についてご紹介したいと思います。
頂いたのは豆柴さん。お子さんは娘さんが一人で、ご相談当時は2年生でした。このようなご相談を頂いていました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。いつもお世話になりましてありがとうございます。
怖がりの娘ですが、新しいクラスにも慣れて今は元気に登校できています。
そして今回のご相談なのですが、娘を一人で留守番ができるようにするにはどうしたいいか?です。
今まで何度もご相談をしてきたのですが、娘は一人っ子でかなり怖がりです。その為、今まで留守番をさせる事もありませんでした。
ですが娘が4年生になったら、学童では預かってくれませんので、それまでに何とか一人でも留守番ができるようにしたいのです。
何人かのママ友に聞いてみたら、すでに数時間の留守番であればできる子ばかりで焦ってしまいます。
普通の子より怖がりでもあるし、時間がかかる事は理解していますが、4年生になるまでに留守番ができるようになる良い方法があったら教えてほしく思います。よろしくお願いします。
ココまで・・・
豆柴さんからは「4年生になったら学童で預かってくれない」と言われていたのですが、2015年に児童福祉法が改正されて、それまでは「おおむね10歳未満」とされていた対象児童が「小学6年生まで」に変わりました。
が、すべての学童が新しい基準に変わることができた訳ではなく、定員の問題で過去の基準のままのところもありますし、学童でも待機児童が出ている・・・という地域もあるようです。
ですから豆柴さんにはこのようにお返事しました。
ココから・・・
豆柴さん、こんにちは。パピーいしがみです。メール拝見しました。
なるほど、4年生までに留守番ができるようにしたい、との事でしたね。確かに小学校も高学年になりましたら、そろそろ留守番もできるようになって欲しいです。
ただ、学童の件は児童福祉法の改正で、それまでは3年生までだった預かり限度も「6年生まで」になっています。
ですから「4年生になったら預かってくれない」という事はないと思いますので、その近くになったら学童の責任者の方とご相談されると良いと思います。
又、もしダメでも民間の学童を探してみたり、ファミリーサポートと言って、地域の個人宅で預かってくれるシステムもあるので、あまり深刻に考えず「4年生までに」との目標を持ちながら留守番ができるように練習していく・・・
そんなゆるい感じで進めて行かれたら?と思います。(あんまり必死になると娘さんが必要以上に怖がると思いますから)
娘さんは以前から怖がりな部分もあったので、ご心配されているのだと思いますが、周りと比べたり焦って無理をしたり・・・という事は良い方向には向かないので『ゆっくり少しずつ』を念頭に、
まずは、ごく短期間で留守番を経験し、それを少しずつ時間を増やす、という事をなさってみたら?と思います。
ただ、たった5分でも、一番最初の「一人になる」という事に強い抵抗を示すと思いますので、そのハードルを越えることが最初のネックになると思います。
また娘さんに内緒にして留守番の練習をするのではなく、お母さんの気持ちをちゃんと伝え、本人が留守番にチャレンジできるように、子供に納得してもらう、という事も必要だと思います。
例えば「○ちゃんは、今まだ2年生だけど、4年生になったら学童をやめて家でお留守番ができるようになって欲しいんだ。だから今から少しずつ練習していきたいんだけどどう?」のような感じです。
もちろん「無理だよ、怖いよ!できないよ!」のように言うかもしれませんが、その時は「そうだよね。今はまだ怖いよね。だから長い時間じゃなくて短い時間から練習するんだよ。例えば5分とか、10分とか・・・」のように
最初はとことんハードルを低くして、どのレベルなら留守番をスタートできるか?を探ってほしいのですね。
例えば近くのコンビニに何かを買いに行く、その間、ちょっとテレビを見ていてね・・・という感じで「ほんのわずかな時間」で「気がまぎれる状態」であればそれほど抵抗が無くチャレンジできるかもしれません。
そうやってまずは短時間でも「できる」ようにして上げて、その後5分ができたら10分、10分ができたら15分・・・のようにできる時間を増やしていく。
そして10分以上になったら「途中で電話をするからね」と言って「どう?大丈夫?もうすぐ帰るよ」のように連絡入れてあげてほしいのです。
留守番への恐怖を取り除いてあげるのですね。
将来的には「誰かが訪ねて来てもドアを開けない」「電話がかかってきても出ない」と教える必要がありますが、練習を始めたばかりの時には、不安を煽ってしまうのであまり禁止事項を伝えるよりも留守番のハードルを下げることに特化した方がよいと思います。
2年生であれば15分~30分の留守番ができれば良いと思います。
でも豆柴さんのご要望としては、学校から家に帰ってきて、自分で鍵を開け、それから数時間、お母さんが帰宅するまで一人で過ごす・・・という事をしてほしいのですよね。
とすると、それまでにできるようにしておかなければならない事として、鍵の管理と、自分で鍵を開けて家に入る事。そして施錠する事。この3つは絶対に必要です。
特に、鍵の管理については、よく「ポストの中」とか「植木鉢の下」などのように、紛失を恐れて隠し場所を決めておく、という方が多いのですが、これが防犯上非常に危険ですから、
100円ショップなどで売っている、伸び縮みするコイル型のキーホルダーに鍵を付けて、ランドセルに繋げ、通常はランドセルの内側にしまっておいて鍵の管理をしっかりさせると良いと思います。
そして(これも練習として)今、学童に迎えに行って一緒に帰ってきていると思いますが、子供に鍵を持たせておいて、子供に開け締めさせる・・・って事をなさってください。
それとこれはすぐでなくても良いのですが、何かあった時に連絡できる手段を整えておく必要があります。
一番良いのは、使い古しでもいいので、携帯電話を用意しておいて、何かあったらすぐにお母さんの携帯に連絡できるようにしておくことです。
これも子供が感じる「安心感」の一つとして準備されて置くと良いと思います。
でもまずは、留守番をさせる事よりも、子供に鍵を持たせて、親と一緒に出入りする時に(子供の鍵で)施錠・開錠をさせ、それに慣れさせる事。これが1番目。
2番目としては、学童の事も含めて4年生になったら留守番ができるようになって欲しい旨を伝える事。
3番目として、実際に超短時間(5分)から始めて、少しずつ時間を延ばす事。
4番目として、30分以上の留守番ができるようになったら、防犯上の約束(インターホンや電話には出ない)をなさる事。
そして最後5番目に、お母さんに繋がるホットラインを用意する事。
そんな順番でやってみたら?と思いますがどうでしょう?
ココまで・・・
その後、豆柴さんからは「子供に鍵を預けることは考えていなかった」「いつも親が鍵を開け締めしていた」「留守番できるようにするにはどうしたらいいか?ばかり考えていて子供の安全をおろそかにしていた」とお返事頂きました。
留守番ができる事は親としてはありがたいけど、無理してさせるより子供の安全と安心を考えて「“留守番ができなくてもいい、できればもっといい”の気持ちでやってみます」、とご連絡を頂いていました。
そしてまずは鍵を持たせ、一緒に帰宅した時も、子供が開錠・施錠をすることからお始めになったそうです。
そして先日、このようなお返事を頂きました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。
以前、怖がりの娘が留守番できるようになるにはどうしたらよいか?とご相談をさせて頂いた豆柴です。
その時は、とても丁寧に「できなかったら細分化」で具体的な方法を教えて頂いてありがとうございました。
あの時の私は、怖がりの娘に「めんどくさい」と感じていたり、ひとりで留守番してくれたらどんだけ楽か・・・と自分の都合ばかりでした。
ですが、パピーさんからのメールを読んで、私の考えは短絡的で、子供の気持ちや安全を考えていなかったな・・・と反省しました。
特に鍵をポストや植木鉢の下に隠しておくのは危険・・・とあったのを読んで「あ、我が家は植木鉢の下に隠してる。これっていつ誰が入ってきても不思議じゃないってことか・・・」と怖くなりました。
それまでは、鍵の施錠も開錠も親がやっていたので、それでは子供にも防犯の意識が育たないと思って、植木鉢の下のカギはやめて、子供のランドセルの内ポケットに入れ、
学童から帰ってきてからも、自分の鍵を使って開ける、家に入ったら施錠する、そんな風に子供にも施錠をする習慣がつくようにしました。
そしてお父さんの携帯を新しくする時に、古いスマホを格安シムに変えて、いつでも私かお父さんにライン連絡ができるようにしました。
すると「これなら、留守番できるかもしれない」と娘が言いだして、パピーさんが言われたように、5分の留守番練習から始め、少しずつ伸ばして行きました。
パピーさんが仰るように、たった5分の留守番でも、連絡を入れてあげることがかなり本人にとって安心できたようです。
少しずつ留守番ができる時間を増やして、3年生の後半では、自分から「4年生になった時の為に、学童に行かずに直接家に帰ってみる」と言い出して、
学校から一人で帰ってきて、家の鍵を開け、私が帰ってくるまで約3時間。ちゃんと留守番することができました。(もちろん先に学童の先生には連絡済みです)
私はドキドキだったのですが「やってみたら案外大丈夫だった♪」と、それからも何度か3年生の内に練習ができて、4年生からは学童の延長をお願いせずに、学校から直接家に帰り、私が戻るまで留守番をするという事になりました。
たかが留守番・・・と思っていましたが、留守番ができるようになって娘はすごくしっかりしてきたと思います。
本人も自分は怖がりだ、という自覚があって「できない」が口癖だった子でしたが、留守番ができるようになって「できない」とか「怖い」を言わなくなりました。
それまでは学童でも宿題をしたりしなかったり・・・だったのが、家に帰ってからはすぐに宿題をして、今までやらなかった予習や復習をするようになったり、朝、バタバタしていた当日の準備なども前日に済ませるようになりました。
その違いに驚いています。これも「自信」のなせる業なんでしょうか?
おかげで私のイライラやガミガミも減り、寝るまでの時間が充実して、学校の勉強などもできるようになりました。
何かいきなり成長したようで、とても頼もしく思っています。(後略)
ココまで・・・
豆柴さんの娘さんは、小さいころから怖がりで、小学校入学時も「学校が怖い」とか「一人で教室に行けない」と泣くことが良くあった・・・と聞いていましたから、娘さんのこの変身ぶりは、豆柴さんもびっくりだったと思います。
が、やっぱり無理をさせず、自分から「留守番やってみようかな?」って言うまでお待ちになった、その姿勢が良かったんだと思いますよ(^^)。
豆柴さんも「これも自信のなせる業なんでしょうか?」と言われていましたが、今まで自分ができないと思っていた大きなハードルを越えた時“自分自身を見直す”と言いますか、
「私って、なかなかやるじゃん♪」って思えた時、今までやっていなかった事や「できない」と思っていた他の事がいきなりできるようになるって、とてもよくある事で、
まさに娘さんは、この留守番を通じて、自分自身で自分を肯定し、一つステージが上がった、という事だと思うのです。おっしゃる通り「自信のなせる業」なんですね。
年齢的に4年生という時期も良かったと思います。これから小学校も高学年になり、大人と同じような考え方もできるようになりますから、さらに楽しみですね♪
たかが留守番、されど留守番です。自信につながってくれたらこんなに嬉しい事はありません(^^)貴重なご報告、ありがとうございました。
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