第105号 乳幼児の為の『認める』
こんばんは。パピーいしがみです。前回の『覚悟』には沢山の方の反応を頂きました。ありがとうございます。
又、今回からいつものようにお悩みやご相談に対するお返事や頂いたメールなどをご紹介していきたいと思います。
昨年の末からお正月にかけてこういうご質問、お悩みが多くありました。
「言葉が分からない子(1歳・2歳)の子の場合、イヤイヤが激しい。話しても通じない。言う事を聞いてくれない時はどうすればいいの?」
今日はこれについてお話しましょう。
ココから・・・
まず、どうしてイヤイヤが激しいのか?なのですが、私たちはみんな自分自身を『認めて欲しい』のでしたよね。
自分の存在価値を人にも認めて欲しいし、自分もそれを確認したいのでした。もちろん赤ちゃんや乳幼児も自分の存在価値を認めて欲しいのですよ。
それを本能的にやっているだけなのですね。でも、赤ちゃんや言葉をうまく話せない年齢。言葉が理解できない年齢では、コチラが冷静にお話してもわかってくれません。
では、赤ちゃんや小さい子の場合、どんな時に自分自身の存在価値を認める事ができるのでしょうか?
それは、『甘えられる時』なんだそうです。1歳、2歳の頃の赤ちゃんより少し大きくなった頃、お母さんが手が離せない時、かまっていられない時ほどぐずったり、大泣きしたり、イヤイヤをしたりしませんか?
そんな時でもお母さんが自分の欲求を満たしてくれたら(甘える事ができると)自分自身が自分の存在価値を認めるのだそうです。
でも、ほとんどの場合、「静かにしなさいっていってるでしょ!」「何で分からないの!」なんてやっちゃうんですよね。お母さんだってイライラしちゃって思わず「バシッ!」なんてやっちゃうかもしれません。
そうなんです。忙しい時、手が離せない時、「時間がないんだからスムーズに行かないと困るなぁ。」なんて思うときに、ぐずられたり、イヤイヤが激しいとついつい怒りたくなっちゃうんですよね。言い聞かせても分かってくれないし・・・。
でもね。これって常に満たされている子の場合、あまり無いのだそうです。それなら、どうしたら常に自分の存在価値を認めさせてあげる事ができるのでしょうか?
言葉が分かる子であれば、「お母さん。あなたが大好きよ」という言葉であったり、常に笑顔で接したり、子供の行動を褒めたり、ぎゅっと抱きしめたり「認める」「褒める」「包む」を学ばれているあなたならいろいろな形が考えられますね。(実際にこの形で効果が出ていると報告を頂いています)
でも、言葉が分からないとしたら・・・なかなか難しいですね。ココで、ちょっとシュチュエーションを変えてみましょう。あなたはこんな夢を見ています。その時の気持ちを考えてみましょう。
ココから・・・
あなたは、一人で世界旅行をしています。でも一人では心細いので有能なツアーコンダクターと一緒です。
金額は高かったのですが、あなたのためだけにツアーを企画してくれて、その企画をされたAさんも同行してくれる事になったのです。
Aさんは大変なベテランで何ヶ国語も話せる優秀な方でした。人当たりもよく、温和で、よく気がつき、笑顔が美しい方でした。
Aさんの企画した旅行は素晴らしく、様々な国で素晴らしい経験することができ、とても満足でしたが、帰る途中、トラブルで見知らぬ国から出国できなくなりました。
Aさんは非常に恐縮し、あらゆる手立てを講じてあなたを本国に返そうとしてくれています。ところが、なかなか思うように行きません。
もちろんあなたはその国の言葉はしゃべれませんし、手持ちのお金もその国では全く使えません。その国の人は、珍しい動物を見るような目でコチラを見ています。
その顔は非常に恐ろしく人間とは思えない姿です。何も食べる事ができず、眠るところもなく、二日が過ぎ、三日が過ぎた頃、あなたは我慢の限界を感じ、Aさんにこう言ってしまいました。
「何か方法は無いの?」「私は大金を払っているのよ」あらゆる努力をしてくれているAさんは、非常に残念がって「これだけ私がしている努力を認めてくださらないのならどうぞ、お好きにしてください。頂いたお代金は、全てお返ししますので。」
そう言い残してAさんは、消えてしまいました。残されたあなたは現地の人に取り囲まれてしまいました。
現地の人は何かあなたに向かって強い口調で叫んでいます。その形相は恐ろしく、何を言っているのかも全く分かりません。Aさんがいなくなってしまってもう数時間。
これからどうしたら良いのだろうか?私はどうなってしまうんだろうか?「Aさん。帰ってきて!」「Aさ~ん!」寂しくて、怖くて泣いてしまいますよね。
猛烈に不安ですよね。どうして良いか分かりませんよね。それが、言葉が分からない赤ちゃんの気持ちなのです。
実はAさんとは、あなた。お母さんなのです。赤ちゃんにとってたった一人の頼みの綱なのです。そのAさんがいなくなった時のあなた。そのあなたの気持ちが赤ちゃんが抱いている気持ちなのです。
夢はまだ続きます。現地の人に囲まれているあなた。どうする事もできなくてただただ涙が流れます。怖くて寂しくて大声で泣き叫んでいます。
そこへAさんが戻って来てくれました。「食べ物あったよ~!」満面の笑顔です。食料を探して持ってきてくれたのです。その時のあなたのお気持ちはどうですか?その時の安心感。
Aさんが帰ってきてくれた。私の所に戻ってきてくれた。それが、赤ちゃんが満たされた時の気持ちなのです。
ココまで・・・
「甘える」というと『いけない事』と感じる方も多いようです。「甘える」=「甘やかす」と感じるからのようです。
でもね。私たちも常に誰かに甘えているのですよ。必ず誰かに何かを依頼しているのです。必ず誰かを頼っているし、必ず誰かに協力をしてもらっている。
迷惑を掛けた時には許しを請うし、どうしてもして欲しいときにはお願いもします。でも「そんな事はない。私は甘えは一切無い」と豪語する人もいます。
しかし、そんな方も、自分でできない事は必ずあります。自分でできない事は代金を払うなりして、誰かにやってもらっているはずです。
その「代償としてお金を支払う行為」で、やってもらっている事を「あたりまえ」と錯覚しているのです。お願いしているのに、そのお願いを「忘れてしまう」のです。
そして、自分は人に依存していないと錯覚するのですね。「やってもらっている」のに、自分は「やらせてあげている」と思っている。これこそ独りよがりの「甘え」だと私は思います。(ちなみに私は「お金さえ払えば」の方の依頼は一切受けません(笑))
そうなんです。みんな「甘え」ているんですよ。そして、「甘えられる」事は決して嫌な事ではないのです。
「信頼」しているからこそ「甘え」、「甘えられる」からこそ可愛いと感じるのですね。だから、そんな「甘えたい」というサインを見つけたら、是非「甘えさせて」あげて欲しいのです。
それが、小さい子供さんを「認める」事になるのです。もし、イヤイヤが激しかったり、泣きわめいて手が付けられなかったりといったお悩みがある方は「甘えたい」サインの時に「甘えさせて」あげてないという事はありませんか?
だから、とっても不安なのかもしれません。でもね。気をつけなければならないのは、「このごろ泣く事がなくなった」「従順で手の掛からない良い子になったなぁ」と感じた頃なのだそうです。
犬のしつけをする時、どんなに吠えても犬の要求どおりには絶対にさせないのだそうですね。
これは、「吠えたら希望通りに叶う」と学習させない為らしいのですが、どんなに吠えても無視をされ続けると、犬は自らの欲望に蓋をするのだそうです。吠えなくなるのですね。どうせ吠えても無駄だから・・・と。
ペットとして調教する為にはこれで良いのかもしれませんが、「人」にも全く同じ事が起きるのだそうです。
自らの主張をしない、要求をしない、泣く事もしない。自分の殻に閉じこもり硬く蓋を閉めるのだそうです。親の都合を無理強いすると・・・怖いですね。
PS.「甘やかす」=「甘える」ではない。というところについては次回、お話しますね。
ご興味のある方はこちらをお読みください。
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