第1058号 幼稚園からの指摘
こんばんは。パピーいしがみです。
今日は、幼稚園から指摘されたことで、とても不安になってしまったblue-moonさんのご相談の例をお話ししたいと思います。
かつてblue-moonさんは、年長さんの息子さんがまだ小さい妹さんの遊んでいるおもちゃを横取りしたり、嫌がるのを無理やり抱っこしたり、
食卓の上に登ったり、ご飯中に立ち歩いたり、妹さんにとって良くない手本になってしまう事に「やめて」とか「やめなさい」と叱ることが多くなってしまっている・・・とお感じでした。
「△△(娘)が嫌がってるでしょ」「○○(息子)がやると△△も真似するでしょ」「○○がお手本にならないと」と叱ることも多くて「上手に叱れない」「どのように叱ったらよいか分からない」とのご相談を頂いていました。
私はそのお話を聞いて「叱りかた」が重要なのではなく、親としてはどうしても妹主体で考えがちなところを、お兄ちゃんのプライドも高めてあげる事を考えてみて・・・とお返事しました。
例えばご飯の食べ方などはお兄ちゃんの方が上手でしょうから、妹さんには「お兄ちゃん、食べ方が上手だね。きれいに食べてるから真似しようね」と言ってみたり、
きちんと挨拶ができたら「上手に挨拶ができていたね」と下の子のいる前で褒めたり・・・など、妹さんの前でカッコいいお兄ちゃんを褒めてあげてお兄ちゃんの自尊心を高めてあげる事などです。
その後、blue-moonさんからはこんなお返事を頂いていました。
ココから・・・
先日はありがとうございました。
息子に注意する頻度が多くなってしまい、どういう叱り方をしたら良いか分からないと、ご相談させていただいたblue-moonです。
今必要なのは、息子の自尊心を高めることだと言っていただき、少しずつ息子への接し方を変えているところです。
まずはとにかく否定を減らすこと、妹の味方につくような言い方をしないこと、家でも外でも息子に笑顔を向けること、から始めました。
そして、何か自信をつけることをと思い、その頃、降園後の公園で大縄とびが流行っていたのですが、
経験のない息子は入ることができずにいたので、週末に家族で秘密の練習をしました。見事跳べるようになってからは、誰よりも楽しく参加するようになりました。
その後は、7月のお泊まり保育に向けて、1人でお風呂に入って洗って出てくる練習を自分からしたり、
マンションの大家さんに「こんにちは~」と自然に挨拶して親をビックリさせたり、義両親と一緒に行ったお墓参りでは率先して雑草取りをしたり墓石を磨いたり・・・と、最近ちょっと良いよね♪と夫婦で息子の様子を喜んでいました。
ここまでは良い方向に向いていたのですが・・・
1歩か2歩進んだかなと思っていたところに、幼稚園から息子のことで指摘があり、5歩ぐらい下がってしまったような状況で、今は私もかなり落ち込み、これからどうしようと不安でいっぱいです。
今の年長さん(息子の代)は、やんちゃで仲良しで、面白いことがあるとそっちに流されやすく、先生方の指示が通りにくいようなのです。
息子を含む数人が最近トラブルを起こしやすく、その場で注意されたり、揃って別室で叱られるということもあったようです。
そのようなトラブルの報告を受けては、後で本人に事実を確認し注意する、「もうしない」と約束させる、というようなことが最近何度か重なりました。
そんな中、先生から息子のことで気になることとして「集団活動の時に落ち着きがない」という指摘がありました。
先生の話を聞く時に、両腕を前後に揺らしていたり、体育座りをしていても後ろへ倒れたり、寝そべってみたり、
教室を移動する時などに、何度言っても走ってしまう、など、日頃見ていて気になる行動がいくつかあるというお話でした。
一度、どこかへ相談に行かれても良いかもしれないと言われ、まさか息子が園でそんな態度をとっているとは知らず、本当にショックで落ち込みました。
ただ、日頃丁寧に息子の様子を見て下さっている先生が、あえて言って下さったのだから真摯に受け止めよう、と主人とも話し合い、
まずは市の相談室に出向き、事情をお伝えして面談の申し込みをしてきたところです(必要があれば発達検査もあり)。
来年から小学校に上がるのに、集団生活を送るのが難しいということになったらどうしようと、不安でいっぱいです。
そして追い討ちをかけるように、今までは楽しそうに通っていた息子が、ここ最近は「幼稚園行きたくない」「今日は嫌な日だ」と言ったり、
楽しみにしていたお泊まり保育も、突然「お泊まり保育行かない」「ママと長く離れるから嫌だ」と頻繁に言うようになり、こちらも心配しています。
私が冷静にどっしり構えていないと、息子にも不安が伝わって良くないと分かってはいるのですが、何から手をつければ良いのか、息子にどう接したら良いのか分からなくなってしまいました。
長くなってしまい恐縮ですが、何かアドバイスいただけましたら幸いです。
ココまで・・・
blue-moonさんとしては幼稚園からの指摘がまさに青天の霹靂で、とても驚かれたわけですが、
幼稚園からの指摘はあったとしても、まずは親であるblue-moonさんが、幼稚園の指摘された事を認識されているかどうか?が大事です。
幼稚園からの指摘にもちょっと疑問がありましたが、私はこのようにお返事しました。
ココから・・・
(前略)
今、市の相談に申し込みをされて、発達の検査も視野に入れている、との事でしたね。
「来年から小学校に上がるのに、集団生活を送るのが難しいということになったらどうしようと、不安でいっぱいです。」とも書かれていましたが、
せっかく申し込みをされたのですから、検査をしてみてよいと思いますが、私は、今の状況を親がちゃんとその目でみて確認なさったら?と思うのです。
例えば、
先生の話を聞く時に、両腕を前後に揺らしていたり、体育座りをしていても後ろへ倒れたり、寝そべってみたり、教室を移動する時などに、何度言っても走ってしまう、
とあったこれらは、幼稚園からの指摘で、本当に親が見ている訳ではないですよね。
とすると「両腕を前後に揺らしている」「体育座りをしていても後ろへ倒れる」「寝そべる」「何度言っても走ってしまう」など、
それを長男さんが率先してやっていて、他の子が真似ているのか、又、別の子がやっていて、他の子が真似をしているのか、先生がそれに対して注意ができないのか、などなど、現場を見なければなんとも言えない事なんですね。
そうやって考えてみると「検査」とか「相談」よりも前に、まずは現状把握が必要で、幼稚園での子供たちの様子を、それぞれの親がちゃんと見る、という事が必要に思うのですね。
今、年長さんの数人で叱られている、という状況の中で「幼稚園に行っても怒られてばっかり」だとしたら「幼稚園行きたくない」という気持も強くなるでしょうし「お泊り保育も楽しみじゃない」と思うでしょう。
なので「幼稚園行きたくない」「今日は嫌な日だ」「お泊まり保育行かない」などの言動も理解できます。
でも、まずは親の行動として、先生が言われているように、指摘されている事柄がどういう状況下で起きているのか、それを把握なさる事だと私は思います。
現実にそれが起きているとしたら、担任の先生と園長先生とも話し合って、補助の先生を付けてもらうなど、幼稚園の事は幼稚園で対処してもらうよう、お願いしていく事だと思います。
まずは何より現状把握をなさり、その後、それぞれの親が集まり話し合うなどをして、対策をしていく事だと思いますが、いかがでしょうか?
特に発達障害や、何らかの問題があったとしたら、幼稚園だけではなく自宅でも不具合や異常な行動があるはずです。
家庭でそれらが見られなくて、幼稚園だけで起きているとしたら、それは原因が幼稚園に有る、とも言えるのですね。
どちらにしても、まずは現状把握で、先生が言われていることがどんな状況下で起きているのか?それを確認して頂く事だと思いますが、いかがでしょうか?
ココまで・・・
このようなお返事をして約半年。blue-moonさんからはこんなお返事を頂きました。
ココから・・・
息子が集団活動の時に落ち着きがないことを園から指摘され、ご相談させていただいたblue-moonと申します。
気が動転したような不安いっぱいのメールに対し、すぐにお返事をいただきありがとうございました。
その後、ご報告もせずに気づけば半年も経ってしまい、大変失礼致しました。
当初は、園から相談機関を勧められたこともあり、発達障害を疑い、ショックで落ち込みましたが、半年経った今は私の気持ちも落ち着き、小学校入学を前向きに考えられるようになりました。
遅くなりましたが、ここまでの経緯をご報告させていただきたいと思います。
パピーさんからのお返事の中で「発達障害や何らかの問題があれば、幼稚園以外でも不具合や異常な行動があるはず」「検査や相談よりも現状把握が大事」とありました。
実はこのお返事をいただいた日の午前中に、すでに申込みしてあった市の相談室で、1回目の面談があったのですが、パピーさん?と思うほど同じようなお話をされたのです。
これまでの成育歴や現状での問題点等を聞き取りしていただき、その心理士さん(年配の女性で温かく包みこんでくださる方でした)がおっしゃられたのは、
「発達障害がある場合、どこか1箇所だけでその症状が出ることはなく、小さい頃から何らかの育てにくさをお母さんが感じていたり、家や外でも困った行動、違和感のある行動が見られることがほとんど。
成育歴や現状を聞く限り、発達障害とは考えにくく、すぐの検査も必要ないと思われる」ということでした。
そして「園の中での行動、友達同士の相互作用としての行動として見ていく方が自然」「誰かが面白いことをやっていたら自分も!と思うのが普通。むしろ健全な発達」という見方をされ、
「まずは環境調整が大事。先生が注意し、家でも注意しても効かないのであれば、そのやり方では子どもに 入っていかないということ。一度仕切り直しをし、できている時に褒める、ことを意識した方が良い」というアドバイスをいただきました。
この面談を終え、パピーさんからのお返事をいただいた翌日、早速園に行き、園での様子を見学させていただきました。自分の目できちんと見ようと思いました。
息子の様子を見た私の感想としては「思ったよりちゃんとできてるかも?」というものでした。
確かに、じっと座らないといけない場面で身体を動かしたりはありましたが、他の園児も同じような感じで、息子だけが目立つということはなかったのです。
その後も、参観日等には欠かさず行って息子の様子を見たり、行事の打合せで親が集まる時もチラッと息子の様子をチェックしたりし、
半年間何度も見学しましたが、話を聞く場面で常に落ち着きのない行動が出るわけではなく、自分が興味ある話の時はきちんと聞けているし、立ち歩いたりすることは一度もありませんでした。
ただ、飽きてきた時や順番を待たないといけない時等に、足裏でパタパタ床を蹴ったり椅子をガタガタさせたりという行動はやはりあり、
しっかりした女の子なんかと比べると、見ていて注意したくなるような場面はありました。(落ち着きのない行動もその時々によって違いました)
先生方のほうでも、否定ではなく肯定での声かけを増やして下さったり、お話しの時間を短くしたりといった工夫をして頂いたようで、
よく注意されていた男子数人も随分と落ち着き、園全体の雰囲気がまとまってきたというご報告をいただきました。
私自身も、園から指摘を受けて発達障害を疑ってからは、家や外でちょっと落ち着きない行動が出ると、これもそうかもと過敏になり、以前より注意することが増えてしまったり、
講座の勉強そっちのけで発達障害の本を読み漁ったりしていましたが、パピーさんのお返事と相談室の心理士さんの言葉で一度立ち止まり、息子の園での様子を自分の目で確かめることで徐々に冷静さを取り戻すことができました。
メルマガのバックナンバーも沢山読ませて頂き、発達障害かどうかに関わらず、褒めること、自信をつけることは大事だと改めて思い直し、まずはほめほめ日記を始めてみました。
そして1ヶ月間、鉄棒の練習を主人と一緒に頑張り、見事逆上がりに成功しました。
また、息子はボール遊びが苦手で好きじゃないと思っていましたが(発達障害の本にキャッチボールが苦手と書いてあった影響もありますが)、
家の中でのキャッチボールを遊びの一つに取り入れてみると、やればやるほど上達することが分かり、本人も楽しそうで自分からやりたがるようになりました。
今ではサッカーや野球、ラグビー等、いろいろな球技スポーツに興味をもつようになりました。
私が発達障害の不安から離れ、一緒に楽しみながら息子の自信をつけることに目を向けるようになってから、「幼稚園に行きたくない」「今日は最悪な日だ」 というようなことは言わなくなりました。
ちょっと心配していた就学前健診も無事に終わり、何も異常なしということでした。
半年分のご報告を溜めこんでしまったため、長文にて失礼しました。また行き詰ってしまった時は、ご相談させてください。今後とも宜しくお願い致します。
ココまで・・・
blue-moonさん、ご連絡、ありがとうございました。
幼稚園からだけの指摘でなく、ご自身でちゃんと子供の様子をご覧になり「思ったよりちゃんとできてる」と感じたこと。これが大事なんですね♪
又、鉄棒で逆上がりができるようになったり、キャッチボールが上手になったり、スポーツに興味を持ったり、いい感じです(^^)
就学前検診も「なにも異常なし」という事で良かったですね♪
これで元気に新一年生です(^^)これからますます成長してくれると思います。楽しみです。
※ご興味がありましたら、ご覧ください。
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。