第1078号 夢がない
こんばんは。パピーいしがみです。
もうすでに学校や幼稚園が始まっている地域もあると思いますが、いよいよ明日6月1日から全国的に再開されることと思います。
そこでとても起きやすいのが「学校に行きたくない」という子供たちの登校渋りです。
特に幼稚園から小学校に上がった子にとって、小学校に慣れる前に突然、学校が閉鎖になったことや、
今までずっと「家にいるように」と言われていたのに、急に「さあ、明日から学校だ!」と言われても、すぐにその環境の変化に順応できないのは何の不思議もありません。
又、夏休み明けのように、長い休みの後は多くの子供が「学校に行きたくない」と言い出すケースは多いですから、
今回の『コロナ自粛開け』では、かなりの子供たちが登校を渋ることが考えられます。
もし子供が「行きたくない」と言ったら、怒ったりしないで「何か気になることがあるの?」って優しく聞いてあげてくださいね。
もしかしたら話すことで楽になったり、お母さんと一緒に登校すれば行けたりする場合もあります。
1日目になんとか行ければ、2日目からは気持ちもずいぶん楽になりますから、
「こういう事もある」と親が万が一を考えて、心づもりをしてくださると結果は異なってくると思います。
さて、今日のメルマガの題名は「夢がない」としました。
以前、チロさんからはこんなご相談を頂いていました。
ココから・・・
(前略)
今回ご相談させて頂きたいのは、長男(4年生)の作文の事で悩んでしまったからです。
先日、子供の通う学校に行ったところ、担任の先生から長男の事でご報告を頂きました。
というのも授業で「僕の夢・私の夢」という題名で作文を書いたらしいのですが、長男はたった一行「僕には夢がありません」とだけ書いてあった、との事でした。
原稿用紙には、もう少し書いた跡は残っていたそうなので、書こうとはしたようなのですが、
ほとんど消しゴムで消してしまって、最終的にはこの一文だけの提出となったみたいです。
長男は理屈っぽくて「ああ言えばこう言う」というところはありますが、授業をふざけて受ける子ではありませんし、先生への反発でもないと思います。
作文は以前にも書いたことがあるので、書き方が分からない訳ではないと思うのです。
だとしたら「僕には夢がない」と書いたのは、あまりにも私が怒り過ぎるので希望をなくしてしまったからなのでしょうか?
その後、長男には直接聞けずにおりますが、本人は何もなかったようにいたって普通です。
今はその件については触れずにいるのですが「先生に聞いたけど『僕には夢がない』って作文に書いたんだって?」のように聞いた方がいいのか?
それとも大事にせず、そっとしておいてあげるのが良いのか?
パピーさんはどうお感じになりますか?何かお感じになったことがあれば教えていただきたく思います。
ココまで・・・
という内容でした。
なるほど「僕の夢・私の夢」というテーマで作文の課題が出たのですね。
これって、きっと誰もが一度は作文にしたり、寄せ書きに書いたりする定番のものだと思います。
でも「こうなりたい」が明確になっている子なら書けますが、「考えたことない」という子もいますし、「昔はあったけど、そんなの現実的じゃないし・・・」と思う子もいます。
でも「夢がない」事が悪いのではありませんし、誰もが「夢を持っていなければならない」という事でもありません。
なので、チロさんにはこんなお返事をしました。
ココから・・・
チロさん、こんにちは。パピーいしがみです。
メール拝見しました。
長男さん、「僕の夢」の課題に「僕には夢がありません」とだけ書いて提出をしてしまったみたいですね。
チロさんがそれをお聞きになって、とてもびっくりしてしまったのだと思いますが、
チロさんが「私が怒り過ぎてしまって希望をなくしてしまったのでは?」と考えるのはちょっと違うかな?と思います。
子供たちは年齢が低ければ、どの子も「大きくなったこうなりたい」と言いますよね。
疑問を持たずに言える天真爛漫なその姿は、とても微笑ましくて、親も「きっとなれるよ♪がんばって!」と応援したくなります。
ですが年齢が高まってくると、今の状況と自分の力がだんだん分かってきて、今まで持っていた「夢」が、今の自分の将来にありそうか、なさそうか?は大体わかってきます。
そうなると「あなたの夢は何?」と言われても、とっさに出てこないって事があると思うのですね。
もちろん、中には一つのスポーツで華々しい結果を出していて「プロになりたい」「オリンピックで金メダルを取る!」と明確な目標に向かって日々練習する子がいたり、
「宇宙飛行士になりたい」「虫の博士になりたい」と自分のとても好きな事を突き詰めたい!と考えている子もいます。
そんな子は、原稿用紙に向かっても書くことは沢山あるでしょうが、中には「ちょっと今は思い当たらない」と言う子もいるのですね。
又、まだ世の中にどんな職業があるのか、あまり知らないという事もあるでしょうし、今まで考えたことなかった、という場合もあります。
それに本人が今「いたって普通」であれば、過剰に心配なさらなくてもいいと思うのです。
まだまだ中学・高校・・・と考える時間はありますし、「これから自分の将来を少しずつ探していけばよい」とお考えいただければ、と思うのですね。
それに、きっと先生は他のクラスメートの良い作文などを紹介なさると思います。
その時に人の作文を聞いて「A君は〇〇になりたいんだ」とか「へ~Bさんは夢の実現に向けて努力してるんだな」のように、
他の子が自分の将来を現実的なものとして考えていたり、そこに向かって、今、何かを頑張っていたりしている事を知り、それが刺激にもなると思うのです。
まだまだ発展途上です。「これからなんだ♪」とお考えいただければ良いと思いますよ(^^)
ココまで・・・
このようにお返事をした時、長男さんは小学校4年生でしたが、現在は中学3年生になりました。
中学に入ってバスケットを始めたら背がぐんぐん伸びて、今は180cmもあるそうです。
部活ではキャプテンを任され、「高校はバスケットが強い学校に行きたい!」と勉強も頑張っているそうです。
そうそう。テレビで活躍中の「みやぞん」さんが、「僕には夢がない」と悩む後輩にこんな事を言っていました。
「夢は、ないなら自由だね。夢があると夢に不幸にされることってあるから」
「自分もお笑いでテレビに出ることが夢だった」
「でも、それのせいで苦しむ。売れてないのが苦しいってなっちゃう」
「かなうまでが不幸。だから夢を持たなくした。かなわなくていいから目の前の楽しもうと思った」
この言葉がネットで話題になって
「自分には夢がない、目標がない」と悩んでいた人たちから「心が軽くなった」「新しい考え方ができそう」との反響があったそうです。
そんなみやぞんさんも売れっ子になった今、
「最初はお金持ちになったり、モテたりしたかった。でも今は、人の心を軽くしたい。人を明るくしたい。それしかなくなってきた」と言っています。
人の夢や目標って、環境や、成長、年齢、状況などでも変わってくるものだと思います。
小さい時に夢や目標を持ち、そこに向かって努力し続けるのも素晴らしいのですが、
その時、その時に自分が好きな事に夢中になるのも、とてもステキです♪
そういえばアメリカのプロバスケットボールチームと契約した八村塁選手も、中学からバスケットを始めたんでしたね♪
チロさんのお子さんも、もしかしたら思いもよらない「夢」を抱くようになるかもしれませんし、子供たちの可能性は、無限大です(^^)
是非、子供たちの「これから」を応援してあげてくださいね♪
チロさん、メルマガ掲載のご許可をありがとうございました。
※このメルマガ「幸せなお母さんになる為の子育て」では、会員さんからの「子供たちの成長」「家庭内のうれしい変化」などを募集しています。よろしかったらご報告くださいね♪
★★★ 通信講座「幸せなお母さんになる為の子育て」★★★
【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。