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第108号 自分から直したくなる

今日は、小学校4年生の子供さんをお持ちのお母さんの「子供さんが喧嘩っ早い」というお悩みに対するご相談です。

お母さんとしては、「もっとおとなしければいいのに・・・?」ってお思いだったようです。その気持ちよく分かります。でもね。「喧嘩っ早い」には理由があったんです。

それでは始めましょう。

ココから・・・

パピーさん。こんにちは。Mです。
( 中 略 )

小学3年の時、近所のやんちゃで有名な友だちに、「○○しないと、ぶん殴る!」と言われ、嫌なことを強制させられそうになったそうです。

その時は、恐いながらも、「じゃあ、俺もぶん殴る!」と言い返したそうです。この件に関しては、息子に対し、よく言ったと思いました。ところが、最近、こんなことがありました。

長い時間をかけてみんなで作ったかまくらを、後から来た子が、みんなが止めるのも聞かず壊してしまい、それをみんなが怒ったところ、逆ギレして雪を投げて来て、それが息子に当たったというのです。

それで、息子はもの凄く怒って(相手の子はかなり体格のいい子でした)が、その子に向かって殴り(蹴り)に行ったそうです。

一方、他の友だち(A君、B君)は、同じように怒りながらも雪を投げ返しただけだったそうです。結果、その子は、泣いて逃げて行き、一緒にいたA君の妹に「○君(息子)がやり返してくれて嬉しかった」と言われました。

それを聞いた主人と私は、『雪を投げられたら、投げ返すのはいいけど、殴られてもないのに、殴り(蹴り)に行くな』と注意しました。

息子は、『みんなで頑張って作ったかまくらを壊され、さらに、謝らずに雪を投げてきたので腹が立った!』と言いましたが、一応納得したようです。

正直に書かせて頂きますと、私は、息子の怒りっぽい性格がずっと嫌でした。息子のせいで、これまで何度も謝って来ました。

『子どものために謝るのは親の役目』と、どっしり構えていられるのが、子どもにとって理想の母親なのかもしれません。でも、私はそうは思えず、『損だ・・・』とばかり思っていました。

穏和な子のお母さんを、羨ましく思っていました。

先日相談させて頂いた件でも、もし息子が穏和な性格であれば、息子も私も嫌な思いをせずに済んだはずです。また、息子にとっても、将来、このままでは困ることがあるのではないか?という気持ちもあります。

ところが、パピーさんの『喧嘩、必要ならヤル派』的考えを読み、このような『やられたらやり返す』という息子の性格も、まんざら悪いものではないのかも・・と思えて来ました。

私は、間違って解釈していますか?

ココまで・・・

このご質問に私はこうお返事したのです。

ココから・・・

Mさん。こんにちは。パピーいしがみです。

かまくらの件ですが、私は、息子さん。立派だと思いますよ。相手が体格が大きい子なのに、体を張って抗議したんですよね。私は読みながら応援していましたよ。

これって「怒りっぽい」のではなく、「正義感が強い」のですよ。なかなかいないですよ。これだけ信念を持っている子は。

Mさんのメールの文章に「損だ・・・」とありましたが、とんでもない。素晴らしい心の持ち主です。

ただ、Mさんがそう思われていると言う事は、お子さんにも「そんな事をしないで」「喧嘩なんかやめて!」と言っているのではないでしょうか?

もしそうだとすると、お子さんは「自分の行為がどうして悪いのか?」「それならこういう場合、どうすればいいのか?」「ただ泣き寝入りしろというのか?」という理不尽に感じる疑問があると思うのですね。

そして、「どうしてお母さんもお父さんも僕の事を分かってくれないのか?」「どうせ僕なんて理解してもらえないんだ」と発展する事もありえます。⇒より乱暴になります。(自暴自棄)

それならどうしたらいいの?とMさんに聞かれそうなので先にお答えします。

もし私だったら、子供の良いところを先に褒めます。このかまくらの件だったら、「正義感」です。

「大きい子に立ち向かっていったその正義感は素晴らしい。『勇気』にも拍手。あなたは正しい事をした。誰もができる事じゃない。その正しい考え方を持っている子が私の子だと思うと鼻が高い。」

でも、エスカレートしないように軽く注意します。

「だけど、喧嘩をすると、あなたの体が心配。今回は何も無かったけど、上級生や危ない子だったら、武器を使われたり大怪我をする事もある。だから自分から喧嘩を吹っかけるのではなく、やむを得ない場合だけにしてほしい。お母さん。とっても心配だから。 」

というような感じです。テキストの中にこんな言葉があります。

『かわいくば、五つ教えて三つ褒め、二つ叱って良き人とせよ』これは、褒めると叱るの比率です。絶対に『褒める』=『叱る』又は『褒める』<『叱る』になってはいけません。

希望を持ちながら教える。又は悪いところを良くしたいと思ったら、『褒める』>『叱る』を守らないと、「行為」を否定された事が、自分自身を否定されたと感じてしまうのです。

そこからは、前向きな考え方はありません。「どうせ俺は・・・」と思うと全てに悪影響を及ぼすようになります。

それからね。子供さんに理由を聞いているところがありましたね。その時、頷いたり、子供さんが言ったことを繰り返してください。

例えば、“「みんなで頑張って作ったかまくらを壊され、さらに、謝らずに雪を投げてきたので腹が立った!」”と言ったら、それについて答えるのではなく、

「そう。あなたは『みんなで頑張って作ったかまくらを壊されて、さらに、謝らずに雪を投げてきたので腹がたった』んだね。」「うん。わかるよ。その気持ち」と言う感じです。

こう言うと、子供は「分かってくれた」と思います。(「子供は」と書きましたが、これは大人も同じです)『話をキチンと聞いてくれる』と相手が感じる要素は『相槌を打る』『頷く』『話の内容をもう一度繰り返す』なのですね。

すると、話し手と聞き手の距離がぐんと縮まります。(理解してくれると感じるのです。)もう一つ。お母さんが謝りに行くときは絶対に子供を連れて行ってくださいね。子供に親が謝っているところを見せるのは、とてもいい勉強になります。

ココまで・・・

そうしたらこのようなお返事を頂きました。

ココから・・・

パピー様、こんにちは。早速のお返事を、どうもありがとうございました。

息子のこと、立派だと言って下さり、とても嬉しかったです。あの事件から、だいぶ日にちが経ってしまっているので、今さら、急に褒めるのもなーと思い、正直に、

「子育てのことで相談をさせて頂いている先生に、あのことを話したんだけど、今日返事が返ってきて、あなたのしたこと、凄く褒めていらっしゃったよ」という風に話し、メールの内容をかいつまんで読んであげました。最後の注意の部分も忘れずに・・。

そしたら、照れながらも、息子はとても嬉しそうでした。あの時、すぐに、こういう風に言ってあげればよかったんですね。

これからは、お友達と喧嘩をするようなことがあっても、理由に関わらず、「暴力はだめ!」と叱るのではなく、理由を確かめた上で、その勇気に関しては、自信を持って褒めることが出来そうです。

これまで、私の息子に対する接し方は、叱る:褒めるが9:1という感じでした(^_^;一日中、息子の名前を叫んで怒ってる感じ。

やんちゃな息子ですので、なかなか、すぐには「褒める>叱る」には出来そうにないですが、少なくとも、これでほんの少し、褒めるが増え、叱るが減ります。

それから、第104章の”覚悟”のメルマガ、すごく嬉しかったです。

実は、私も、『もう○ヶ月過ぎてしまった・・。』『後、○ヶ月・・。』と、寂しい気持ちになったり、焦ったりしていました。ずっと、パピーさんが側にいて下さるなんて・・

本当に感激です。心強いです。これからも、弱音を吐いて、メールをしてしまうと思いますが、よろしくお願いいたします。

ココまで・・・

Mさん。メルマガへの紹介をご了解頂きましてありがとうございます。

本文中に『かわいくば、五つ教えて三つ褒め、二つ叱って良き人とせよ』とありますが、これは、自分の存在価値を認めながら、もっと向上したいと思わせる為にはとってもいいやり方なのですね。

ほとんどの方は悪い事に対して直接的にそれだけを注意しますよね。

でも、悪いところだけを注意する。否定すると自分自身が否定されたように感じるのです。すると、反感が生まれます。「どうせ」とか「うるせーや」という意識ですね。

ところが、「あなたにはこんなに良いところがある。ココのほんのちょっとの悪いところを治せばもっと素晴らしいよ。」と言ってあげる事ができれば、

自分自身で考えて、その『あとちょっと』の部分を自分自身で直そうと努力するのです。「お母さんだって認めてくれている」「ようしココを気をつけよう!」って自分で我慢するのです。(子供だけじゃなくみんなそうなんですよ)

そして、「今日ね。俺、めちゃめちゃ頭にきた事があったけど、我慢できたよ」と子供が報告してくれたら、「偉いね!」「この前の約束、守ってくれたんだね」

「自分の感情を抑える事ができたなんて立派だよ!」などと褒めてあげれば、子供は自分の努力(結果)を正当に評価されて、又、自分の存在価値が高い事をを感じる(自覚する)のですね。

すると、だんだんに喧嘩っ早いのがなくなるはずですよ。お試しください。

ご興味のある方はこちらをお読みください。

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