第1099号 お小遣い
こんばんは。パピーいしがみです。
今日は「お小遣い」についてお話ししたいと思います。
お小遣い・・・
・いくら与えたらいいんだろう?
・いつから与えたらいいんだろう?
・どのように(毎日?週一?月一?)あげたらいいんだろう?
・そもそもあげる事が必要なのか?など、いろんな疑問があると思います。
例えば、りんごさんのご主人は「お小遣いなんてあげなくていい。欲しいものがあるのなら、お手伝いでもして報酬として得るようにすればいいんだ」というお考えだったそうです。
さて、あなたはどうお考えになるでしょうね?りんごさんからは、こんなご相談を頂いていました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。
先日、軽い気持ちで旦那に「子供の頃、いつぐらいからお小遣いもらってた?」と聞きましたら
「何?小遣いあげるの?いまどき小遣いって考え古くない?今やキャッシュレスの時代だよ!」
「アメリカでは子供がレモネードを売って小遣い稼ぎをしているし、労働の対価としてお金を与える方がいいんじゃない?」
「大人になれば黙っててもお金が入る、ってことはないんだから小さいうちから、お金を稼ぐって事を教えた方がいいと思うんだよね」
と言われました。「じゃあ例えば〇〇(小学1年生・男子)だったら何をさせていくらあげるの?」と言うと、
「お風呂洗いで100円とか、ごみ捨てで20円とか、テストで100点とったら100円とか・・・そんな風にしたら勉強も頑張るかもな(笑)」と。
ものすごく適当な返事です・・・。
「お小遣いを上げるにしても、報酬を与えるにしても、きちんと決めておかなければならないんじゃないの?適当に決めたら子供だってお金の印象が適当になっちゃうんじゃないの?」と言うと、
「固く考えすぎなんだよ。金は天下の周りもの、どうにかなるって考えも必要だよ」と言います。
最終的に「この人にお金の事を聞いた私がバカだった」と思って相談するのを止めました。
ちなみに旦那はお金にだらしなく、結婚前はカードでお金を借りて無駄遣いをしたり、リボ払いで贅沢品を買ったり、車にお金を掛けたりと、結構な借金があって、
何百万も親に補填してもらった過去があります。
今は、家計は私が握っていて、旦那には1ヵ月の小遣いを渡していますが、お金を持っているだけ使ってしまい、足りなくなると私に小遣いの前借をしたり、実家から援助したりしてもらっている(よう)です。
「どうにかなる」のは、周りの人が何とかしてあげているからで、使いたい放題使っていれば、絶対に困るようになります。
間違いなく言えることは『この旦那のようには育ててはいけない』という事で、子供にはきちんと金銭感覚を身につけさせなければ!と強く思いました。
子供にお金の事を教える為にも、お小遣いの件は、きちんとしておきたいと思うのですが、確かに今はキャッシュレスに移行しつつありますし、どのように考えたらよいか悩んでいます。
よろしくお願いします。
ココまで・・・
と、こんなご相談でした。
当時、りんごさんは、まだ勉強を始めて数か月だったので、このお小遣いについての章は読んでおられなかったようですが、
テキストには「お金について」という事で、私がお小遣いをどのように考え、どのように与えていたか?も記載しています。
なのでまずは、その章をご覧になっていただきたいことと、それにプラスしてこのようなお返事をしました。
ココから・・・
りんごさん、こんにちは。
お小遣いの事、悩みますよね(^^)わかります。
私もこれについてはとても考えました。そしてその詳細についてはテキストの34章に書いてありますので、是非、読んでみてください。
それとせっかくですから、少し詳しく「お金」についてお返事させて頂きますね。
まずりんごさんがお考えのように、お金ってすごく大事なもので、お金がないと生活もできませんし、食べ物も買えません。
でもその「大事なもの」という意識がりんごさんにある事。これがとても重要です。
それで、お小遣いの件ですが、まずは「子供にお金について何を教えたいか?」を考えてみてほしいのですが、
ご主人のご意見は「お金を得る方法」でしたね。これはこれで大事な事です。
でもお金について教えるべきは「得る方法」だけではないですよね。
というか、「得る方法」を教える前に「お金って、こんな風に使われている」と、お金が私たちの周りでどのように使われているか?を教えなければならないと思います。
例えば、子供がスーパーマーケットでお菓子を店内で食べてしまった・・・という経験をされているお母さんは結構おられると思います。
もちろん何も教えてもらっていない子供なので、それがいけない事かどうかはわかりません。
だから「スーパーに置いてあるものは、勝手に食べたらいけないよ。お金を払うことで、自分のものになるんだから、そうしたらお家で食べようね」のように教えると思います。
そうやってスーパーでお金を払う=購入(お金を払うことで自分のものになる)と教える方がとても多いですし、
よくスーパーやコンビニのレジで、子供に小銭を持たせ、自分でお金を払わせて「お金の使い方」を教える多くのお母さんがおられますが、そのやり方は、とても理にかなっていると私は思っています。
このように「お金と物との交換」は、比較的早く教えることができて、子供が3・4歳になり、レジ係の方と話ができるようになればOKです。
ですが、まだそのぐらいの年齢では自分で管理したり、貯金したり・・・という事ができません。
ですから「お金と物との交換」を教えている時期には「お小遣い」ではなく、その都度与えるやり方で良いと思います。
ですが年齢が上がってきて、自分で計算がができるようになったら、お財布を与えるようにします。
「返してもらったお釣りは、お財布に入れておくんだよ。次の買い物でも使えるからね」と教えることで「貯める」という、もう一つ新しい事を教えられます。
お財布を与えられると「自分のお金」という意識も生まれますし「大事にする」と言う事も教えらえますよね。
たぶん、幼稚園~小学校1年生がその辺りだと思いますが、子供がそのぐらいのレベルになった時、もう一つのステップアップとして、お小遣いを与えてもいいと思うのですね。
今、りんごさんのお子さんが小学校1年生だとありましたので、もし「お金の使い方」が分かっていて、お金の計算ができるようでしたら、お小遣いを与えても良い時期だと思います。
もちろん最初は短い期間で、1日10円の計算で、1週間に70円ぐらいから始めてみたらどうでしょう?
10日で100円でも結構ですが、こうやって決まった期間で、決まった金額を与えられることで、
「今まで、買ってもらっていたお菓子、こんなに高かかったんだ!」とか「ポンポン買える金額じゃなかった!」って知った時に“お金の価値”が分かるようになります。
こうやって“お金の価値”が分かる事が、お金を教えるうえでは一番大切で、それ以降は、「お金を使わずとっておくことでもっと高いものが買える」という事も教えられます。
そしてこの「お小遣い」を与えるときに、一緒に渡してほしいのが「お小遣い帳」です。
いくらお金が入って、いくら使って、残りはいくらあるのか。
それをお金が動いた都度(できれば毎日)子供と一緒に付けるようにしてほしいんですね。それが「管理」になります。
この「管理」の意識がきちんとつくと、今、どのくらいのお金があって、欲しいものが買える、買えないがわかり「欲しいものを我慢する」事にもつながっていきます。
キャッシュレスにするのは、これができるようになってからです。
私の所にも「親が知らない所で、Suicaでコンビニ決済をしていて、友達に沢山おごってあげていた」など、支払い明細書が届いて初めて分かった・・・なんて教えていただく場合があります。
カードで物が買える、スマホでピッと何でも買える・・・ってすごく魅力的ですが、そこには、お金を補充する人がいて、確実にそれが減っていく、という事が分からなければいけないのですね。
「お金の使われ方」が分かり「お金の価値」と「管理」そして「貯蓄」を知る事。まずはそこまでは必須として知らなければなりません。
でも、そこまでになってくると、今のお小遣いでは足りなかったり、お金を貯めても欲しいものを買うまでには時間が掛かり過ぎる・・・と分かってきます。
そうなったら、ご主人の言われていた「お金の得る方法」として「おだちん」を与えてもいいかと思います。
が、ここで注意が必要なのが「労働の対価としてお金を渡す」を安易にやってしまうと、
子供が「これしたらいくらくれる?」とか「お金をくれないんだったらやらない」のような考えになってしまいがちなことです。
ご主人の「報酬として得る」のは、とても理にかなっているのですが、それが先行してしまうと「人に喜んでもらう」とか「人の役に立つ」事に喜びを感じなくなってしまい、
常に代償を求めたり、自分の利益ばかりを考えるようになってしまい、そんな考えが「思いやり」の気持ちを育むことにブレーキをかけてしまう懸念があるんですね。
なので私として「労働の対価」としてお金を与えるよりも、最初は親が関与しながら、少しずつ子供に教えていく方法をお勧めしたいと思いますし、
「労働の対価」は、子供が強く要望した時などに限定をして、基本は“お金の勉強代”として、お小遣いをあげるようになさったら?と考えています。
それも高校生まででいいと思います。大学生以上になればアルバイトもできますし、就職して働いて「お金を得る」こともできますしね。
ちなみにご主人の言われた「アメリカでは子供がレモネードを売って・・・」の件ですが、
実はこれって「お小遣い稼ぎ」が主たる目的ではなく、集めたお金を小児がんの治療の為に寄付をする、いわば社会貢献活動として広がっているのです。
特に、レモネードスタンドは「夏」の風物詩で、いつでもこうやってお小遣いを稼いでいるわけではありません。
又、アメリカだけでなく、ヨーロッパでもどこの国でも、やはり子供への小遣いは渡していて、その中からやりくりをしながらお金の使い方、貯め方、管理の仕方を学ばせているようです。
何が正解、とは言えないと思いますが、是非、ご自分でも「どんな学びができるかな」と考えながらお金との付き合いを教えてくださったら?と思います。
ココまで・・・
とお返事しましたが、すぐにりんごさんからお返事頂きました。
ココから・・・
パピーさん、早速のお返事、ありがとうございます。
テキストを全部読んでから相談をすればパピーさんにお手間を取らせないで済んだのですが、丁寧にお返事頂けて、とてもうれしかったです。
今回のお返事を頂いて「使い方」「保管」「管理」「貯蓄」など、細かく説明をして頂いて胸のつかえがとれてすっきりした感じです。
そして義父母から聞いたのですが、旦那は子供のころから金遣いが荒く、必要な時に親に要求し、そのたび1000円単位でもらっていたのだそうです。
商売をしていた事もあり、比較的裕福で、義父母もあまり子供のお小遣い事情には感知せず、旦那は「あるだけ使う」「無くなったらもらう」という事を繰り返し、
それが40歳になっても、いまだに残っています。
お金に余裕がなかった私の子供時代からすると驚きですが、育てられ方や環境が大人になっても影響していると考えると恐ろしいです。
でも、今、こうやって聞くことができたので、我が家の子供たちはきちんとやろうと思っています。
ご相談した子供へのお小遣いですが、まだあまりお金に執着もなく要望もありません。
たぶん、今、お小遣いを上げても、その価値が分からないと思って、お小遣いはやめました。
その代わり、お金の付き合い方はしっかり教えていこうとは思います。まずは自分の欲しいものは、自分で買わせるところからですね。
パピーさんも言われていましたが「常に代償を求めたり、自分の利益ばかりを考えて、思いやりの気持ちがなくなる」のが最も嫌だったので、今の段階で知る事ができて良かったです。
ありがとうございました。又、ご報告させて頂きます。
ココまで・・・
そんなお返事を頂いたりんごさんでしたが、子供に買い物をさせ、お釣りをいれる“自分用のお財布”に入れるようにしたら、思わぬメリットがあったようです。
こんな風に言われていました。
“自分の財布をあげたら、驚くような変化がありました。それは数字の計算がとても速くなったことです。
今までも(勉強として)おもちゃのお金で計算をするようにしていましたが、ほとんど興味を示さず算数でも指を折るような状態でした。
ですが、本物のお金(それも自分のお金)を使った計算はとても早く、10円・1円の足し算はもちろんの事。複数の50円、5円の計算もできるようになり、
今は「両替」に興味があって「10円10枚と100円を交換して」とか「100円を50円1枚と10円を3枚と5円を4枚にして」など。
同じ金額が、いろんな組み合わせでできて、又、同じ価値があることが面白いようです。お金を身近に感じることで、こんなメリットもあるんですね”と。
いいですね~(^^)。
「自分のお金だと計算が早い」って、すごく面白いな~と思いますが、プラスチックのおもちゃではなく、重量感のある本物を使うことで興味がわいたんですね♪
「興味」や「楽しい」「面白い」が、どんどん新しいことを取り入れていきます。
特に5円を4枚で・・・って、五進法や掛け算の基礎になりますし、10円10枚で100円になる・・・って、単位の概念を学んでいるってことですね。
これはキャッシュレスでは絶対にあり得ない事だと思います。
子供が「面白い」と感じる事。これからも是非、取り入れてみてくださいね♪貴重なご報告、ありがとうございました。
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。