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第110号 褒めると叱るの比率

こんばんは。パピーいしがみです。

前回、『叱る』をちょっとお話しましたが、タイミングよく、とてもいいご質問を頂いていましたのでご紹介します。

褒められると前向きになります。

でも、叱られると、後ろ向きになってしまいます。

それを、前向きな気持ちをそのままに「いけない事はキチンと叱る」のやり方です。どうぞご参考になさってください。

ココから・・・

パピーさん、こんにちは。

昨日、レストランで食事をしていた時、2歳9ヶ月の娘が騒ぎ出したので、外に連れていったり、静かにするように言って聞かせたりしましたが、

いっこうによくならず、御飯もなかなか食べないし、体をくねくねさせてふざけてばかりいるので、

最後は結局私と娘と下の6ヶ月の娘と車に戻り、そこで他の人の食事が終わるのを待つ事にしました。

この日は31日から主人の両親と兄夫婦(子供一人)と旅行に行っており、帰ってきた日だったので興奮しているのと、疲れもあったのだと思うのですが、

誰があやしても注意してもダメで、車に戻って娘に『みんなが食事をしているところで騒いだら他の人の迷惑になるんだよ、わかる?』と言っても

『わかんなぁ~い』と車の中で跳ね回って遊んで、何か言えば『だってさ~、楽しいんだもぉ~ん』と、おちゃらけて人の話を全く聞いていない感じです。

ちょっとムッとしたけど、

『こっち見て!○○(娘の名前)が騒いだりうろうろしたら、他の人が嫌な気分になるの。お話が聞こえなくなっちゃうんだよ。わかった?』

と言ったら『わかった。』と言ったので怒るのはそこでやめました。

でも、そのあとも『もうっ、おこっちやうもんね~』などとおどけて

・・・本当にわかってるんだか?

私も小さいころ叱られてばかりで、何か自分のすることは、認められないというか、何をしても怒られるので、

親に聞いてからでないと何もできないようなところがあって・・・

そんな自分がいやだったので、子供には「自分の思った事ができる」ように「自分で考えて行動できる」ように、のびのびと育ってほしくて、

できるだけ子供の言い分とか聞くように、でも、やったらいけない事とか話して聞かせてきたつもりなんですが、

こんなおちゃらけて人の話も聞いてるんだか聞いてないんだか、という態度をとられると

今までやってきた事が間違ってるんじゃないか...と不安になります。

もう少し厳しくしたほうがいいのかとか。

主人は大丈夫だよとおおらかにかまえています。

もっと、公共の場で騒ぐのがいけないと、子供にも分かるようにはなせれば良いのでしょうが昨日はうまくいえなくて。

こんな時パピーさんならどうされますか?

何かアドバイスをいただけたら...と思います。

ともっち

ココまで・・・

そして私はこのようにお返事したのです。

ココから・・・

ともっちさん。こんにちは。パピーいしがみです。

メール拝見しました。

まず、ともっちさんの対処が良かったですね。

レストラン内で叱ったりするのではなく、子供さんを連れて車へ戻られた。これはとてもいいですね。

よく公共の場で叱り付けて子供がギャンギャン泣く光景を見ますが、

お母さんもイライラしているのが分かりますし、子供ももう手に負えない状態で見ているのが辛い時があります。

そうなってしまうと、もう収拾が付かないんですね。

でも、事が大きくなる前にさっと席を外され対処された。これはとてもスマートだし、子供のためにも良かったですね。

でも、ともっちさんとしては、子供が静かになってくれて、もう一度楽しく食事をしたかったのですよね。分かります。

(ちなみに食事はとれましたか? おなか一杯になりました?)

メールを頂いたのが1月4日。

その日の《昨日》との事でしたので、これがあったのが1月3日ですね。

そして12月31日から旅行に出かけられたという事でしたので、4日間も旅行をされて帰りの日の昼食?夕食?でのひとこまだと思います。

そう考えると、2歳の子供さんが今までよく我慢をしてくれていましたね。

違う環境で、車での移動も長かったでしょう。わがままも言いたかったんじゃないかな?と思います。

今日のメルマガにちょうど乳幼児の「認める」についてお話していますので是非お読みいただきたいのですが、もう一つ面白い話をします。

テキストの中に「かわいくば5つ教えて3つ褒め、2つ叱ってよき人とせよ」ってあったのはお読みになりましたか?

これは、前向きな気持ちを削ぐことなく『自分自身が改善しよう』と思わせる為の叱り方の秘訣なのですが、

『褒める比率と叱る比率は3対2なんですよ。』という意味なんです。

例えば、今回の場合、車に連れて行って、「○○ちゃん。こんなことしてはいけないよ」「○○してよ」「みんなこまるからね」と言われていますよね。

もしかして、褒めるは0、叱るは5だったかもしれません。

そうすると、叱られた人の「話を聞こうとする気持ち」は下がってしまうのですね。

「私って悪い子なんだ」と思ってしまうのです。すると「どうせ・・・」という気持ちが芽生えるのです。

「もうっ、おこっちゃうもんね」の辺りにそれを感じますね。

ところが、「○○ちゃん。あなたはこの4日間ほんとうに偉かったね。」

「あなたはまだ2歳なのに、わがままも言わず楽しく旅行できてお母さんとってもうれしかったよ」「ありがとね」

なんて、抱っこしながら、目を見ながら、笑顔で言ってくれたら子供さんの自尊心は満たされます。

そして「ちょっと車で気分転換したらもう一度レストランに行かない?」「お母さんももうちょっとご飯食べたいな?」と言うと、素直に聞いてくれると思いますよ。

もし、ともっちさんがお子さんで、お母さんがこんな風にしてくれたらどうでしょう?気持ちも落ち着きますよね。

そして子供さんは、おかあさんがもっと好きになるのではないでしょうか?

又、「大好きなお母さんの為に、もっといい子でいよう!」と思うのではないでしょうか?

ココまで・・・

そうしたらこんなお返事を頂きました。

ココから・・・

お返事ありがとうございました。

パピーさんのメールを読んで気持ちがらくになりました。

お店で騒いでいるところをビシッとやるほうがよかったのか・・・

と考えていたので対処がよかったといわれホッとした気持ちです。

ほめると叱る比率3対2というのも、ぱ~っと読んだだけだったので、ちゃんと理解していませんでした。

私はなるべく出来た事に対してはほめていたつもりで、叱るときは叱る事だけしかしていなくて、

ほめる量が多ければいいのかと思っていましたが、叱る時にもほめることを見つけ3対2にするという事なのですね?

私は叱る時(その他の事でも)はひとつの事に集中してしまってどんどん悪い方へ気持ちがいってしまう事が多く、感情的に子供をおこってばかりいました。

でも、物事を広い範囲から見るようにすると、パピーさんのいうように、確かに4日間も車の移動やら、なにやらで疲れていただろうに、文句も言わずえらかった面もあるのですね。

パピーさんにアドバイスを頂けてすっきりしました。

今までは育児の本を読んでわかったつもりでも、実際今回のようなことがあると、自分の対応がこれでよかったのか?

と不安になることも多くてそのたびに落ち込んでしまって・・・

パピーさんの返事はとてもわかりやすく「ああそうか」という気付きもあるし、子供のよかった面も見えてきます。

いつも同じようにはいかないし、育児って毎回いろいろ考えて試行錯誤だけれど、

子供の行動も広い視点で見るようにすれば、その時にあった対応もできるようになるのかなと思います。

こちらの気持ちを押し付けるのではなく、子供の気持ちをまず考えてあげられるようになりたいと思います。

ありがとうございました。

ココまで・・・

ともっちさん。

メルマガ掲載のご許可を頂きましてありがとうございます。

「かわいくば5つ教えて3つ褒め、2つ叱ってよき人とせよ」

この言葉は前々回のメルマガ108章でもお話しましたが、二宮尊徳の言葉なんですね。

ともっちさんも言われていました。

『ほめる量が多ければいいのかと思っていましたが、叱る時にもほめることを見つけ3対2にするという事なのですね?』

そうなんです。

誰でもそうですが、叱られる。又は否定されると気持ちは萎えてしまうんですね。

簡単に言うと「凹む」んです。(もしそう見えなくても凹んでいるんですよ!(^^))

一度凹むと立ち上がるには時間が掛かりますよね。だから、といって「いいわいいわ」にしたくないですよね。

そんな時に、凹ませずに注意を与えるには、

『よくないところもあるけれど、それ以上に良いところがあるんだよ』という事を言ってあげなくてはならない訳です。

その比率が 良い所:悪いところ=3:2という事なんですね。

実際私は、いたるところでこの比率を使いますが、これを知っているのといないのとでは雲泥の差がありますよ。

(特に、叱られた人から感謝されます。教えてくれた・・・って。)

是非、ご参考になさってください。

※ ご興味がありましたら、ご覧ください。

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