第1102号 ガチャガチャ
こんばんは。パピーいしがみです。
さて、今日のお話は「ガチャガチャ」についてです。
今は最低でも200円。中には300円、500円のガチャガチャもあるようです。
とてもマニアックなものもあるみたいですが、親の悩みはみな同じ。
子供たちって、ガチャガチャをやりたがりますよね。「もういい加減にして」と思いますが、なぜあんなにやりたいのでしょうね?
マニマニさんからご相談を頂いたのは、まだ息子さんが年中さんの頃。
マニマニさんからのメールはこうでした。
ココから・・・
私が悩んでいるのは、年中の息子がガチャガチャに酷く執着している事です。
保育園のお迎えの後、スーパーに寄るのですが、そこにはたくさんのガチャガチャがあって、駐車場で降りると、一目散にそこに向かいます。
年少の頃から、小学生くらいの子供がガチャガチャのハンドルを回して出てくるカプセルをうらやましそうに見ていて、のぞき込んだり、もちろん「やりたい」とも言っていました。
でも私は「あれはお小遣いをもらうようになったらやるものだよ」とか
「今日は夕飯のお買い物だからおもちゃは買わないよ」と言って、見るのは良いとしてもやらせることはしませんでした。
が、あまりにも執着があって、人がやっていると近寄って、うらやましそうに見たり、お金を入れていない機械のハンドルを無理やり回そうとしたり、
それを見ている私は、なんかみじめったらしくて「周りの人はどう見てるだろう?」「1回ぐらいやらせてあげれば気が済むのかな?」と考えたりしていました。
そんな風に執着がある子なので、その子を連れて店内で買い物をしても「買い物、早く終わって!」「早くガチャガチャ見たい」と言うので落ち着かず、
子供にはガチャガチャを見させておいて、その間に買い物をする、と言う風にしていました。
年少の頃はそれでなんとかなっていたのです。
ところがある時、同じクラスのA君がママからお金をもらってガチャガチャをするところを見ることになって、
「いいな~」「いいな~」と言っていると、そのお母さんがお金を出してくれて、息子にもやらせてくれたのでした。
私が買い物を終えて、子供の所に行った時には、ベンチに座ってカプセルを開けて、嬉しそうに中身を見ているところでした。
驚いて「それどうしたの?!」と聞いてみると「A君のママにガチャやらしてもらった」と満面の笑みで答えるのです。
きっとあまりにもうらやましそうにしていたので、A君ママが出してくれたのだとは思いますが、これに味をしめて人にたかるようになってはならないと思い、
息子には「人にお金をもらったらいけません」「どうしてもやりたかったらママに言いなさい」と言って叱りました。
A君ママにはすぐに電話して、翌日にはお金をお返しできたのですが、問題はその後でした。
翌日からは「ママ、ガチャガチャやるからお金ちょうだい」と言うようになりました。
以前のように「やらないよ」「今日は買い物に来ているからダメだよ」と言っても
「じゃあ、いつならいいの?」「ママはやりたい時には、ママに言いなさいって言ったじゃん!」と言い、(もちろん私の言い方が悪かったと後悔しています)
「やりたい」「やりたい」とガチャガチャの前で、大声で騒いだり、泣き叫んだりするようになってしまいました。
他に騒いでいる子はいません。あまりにも恥ずかしくて「今日だけだよ」と言ってガチャガチャをやらせてしまいました。
それからは毎日、ガチャガチャの前で「やりたい」「やりたい」と騒ぎ、押し問答が続いて、とても恥ずかしい思いでした。
主人に相談したら「1回200円なら、何かお菓子を買ったと思って出してあげたら?その時間を考えたら200円で早く帰ってきた方が効率的でしょ」と言うので、
そうなのかな・・・と思いつつ、子供の要求に応じて、ガチャをやらせていたのですが、しだいに買い物に行くたびに毎回ガチャガチャをやることが当たり前みたいになってきて、
今は「ママ、お金」とだけ言って手を出し、ガチャガチャをやっても「こんなのが欲しかったんじゃない!」と言って、出てきたおもちゃも大事にしません。
こんな状態では、お金を出すのももったいないと思いますし、何より子供の為によくないと思います。
ガチャガチャへの執着を止めたいのですが、いい方法が見つからずもう1年も悩んでいます。
何か、よい対処法がありましたら、教えていただけませんでしょうか?
ココまで・・・
という内容でした。
マニマニさんが困っているお顔が見えるようですが、このガチャガチャ、実はある時期になると、嘘のように解決する事があります。
それは、子供がお金の価値を理解した時です。
ガチャガチャをする時って、何が出てくるかワクワクしながらハンドルを回します。
でも出てくるものは、だいたい残念なものや、自分が望んでいないものです。
200円あれば、チョコレート+小さなスナック菓子も買えますよね。
5回我慢すると1000円のおもちゃを買うこともできます。
その「チョコレート+スナック菓子」と「このカプセルに入ったおもちゃ」が同じ価値?「こんなものが200円?」と子供が疑問を持ってくれたら
「これにお金を使うのはもったいない」と分かるのです。
ですから小学生でも高学年のお子さんが夢中になっている姿はあまり見ないと思います。
又、今までのご相談の中で、解決した方法があったので、それも一緒にこうお返事しました。
ココから・・・
マニマニさん、こんにちは。メール拝見しました。
息子さん、ガチャガチャにはまっているみたいですね。
私の息子もガチャガチャに夢中になっていた時期がありますので、今のお悩み、とても良くわかります。
ガチャガチャって、何が出てくるかわからない期待感(ギャンブル性)と、ハンドルを回して出てくるメカニカル的な要素があるので、男の子がはまりやすいんですね。
そして今、マニマニさんは息子さんにガチャガチャを止めさせたいとお考えだと思いますが、
それよりも今は、お金の価値を教えながら、息子さんが成長するのをお待ちになってみたらどうでしょう?
と言いますのは、ガチャガチャって、子供がお金の価値が分かるようになると、突然興味が薄れるものでもあるのです。
ご存じのように、ガチャガチャから出てくるおもちゃは、ほとんどが期待外れで、子供もすぐに飽きてしまいます。
その物の価値よりも、何が入っているかわからない・・・という期待感が「欲しい」「お金を使いたい」という思いにさせるだけなんですね。
なので「やっても無駄だ」「大した価値がない」と分かれば、執着も薄くなるのです。
ただ・・・ガチャガチャがある場所って、スーパーマーケットだったり、ショッピングセンターだったり、共通点があると思いませんか?
実はガチャガチャは、子供にとって“退屈な場所”に置かれているのです。
買い物はどうしてもしなければならない必要な事です。
でも子供にとっては退屈な場所で、そこで見つけた「面白そうなゲーム」は、どうしても魅力的に見えてしまうのです。
そこでどうでしょう?
息子さんを保育園に『迎えに行った“後に”買い物をする』のではなく、保育園に『迎えに行く“前に”買い物を済ます』という事は難しいでしょうか?
子供を買い物に付き合わせることなく、お迎えに行かれたら家に直行するのです。
もしくは土曜日や日曜日などにまとめ買いをして頂いて、子供と一緒にスーパーに行くのをできるだけ避けるのですね。
もちろん仕事の関係もあるでしょうし、保育園での預かり時間の事もあるでしょうから、それができるかどうか?はわかりませんが、いつものルーティーンを変えてみるのも一つの方法だと思います。
それと・・・これは、今までご相談を頂いた方の「解決策」ですが2つご報告を頂いています。
1つは“ガチャガチャをやっていい日を作る”です。
すでに毎日、ガチャガチャをする形になっているマニマニさんのケースではうまく行かないかもしれませんが、
『ガチャガチャができるのは特別な日』と決めて、“パパと一緒にいる時”とか、“カレンダーで〇が付く日(10日・20日・30日)”のように、
「この日はガチャガチャをしてもいい」という日を作ることで「今日はできる日じゃないよ」と子供を我慢させる事ができたそうです。
やらせない、やめさせるのは、大変でも「〇日にはできるからそれまでは・・・」とすることで、ガチャガチャだけでなく我慢ができるようになったそうです。
そしてもう1つは、ガチャガチャで使ったおもちゃやカプセルを全部取っておいて、子供が他のおもちゃを欲しがった時に、
そのカプセルやガチャガチャのおもちゃを全部見せて「これが今まであなたが使ったガチャガチャのおもちゃだけど、これにお金を使わなかったら、このおもちゃは買えていたんだよ」と説明したら、
改めてそのカプセルやおもちゃの価値のなさを感じ、「もうガチャガチャやめる」と、子供はすっぱりとそこで止めた・・・というご報告も頂きました。
どちらにしても今の時期、まだお金の価値もわからない状態だと「止めさせる」事は難しいので、
子供がそこに気づくまで「ガチャガチャに関わる機会を減らす」作戦でやってみたらどうでしょう?
ココまで・・・
今、マニマニさんの息子さんは年長になりました。
別の件でご連絡を頂いた時「そういえば、ガチャガチャの問題はどうなりましたか?」とお聞きしたら、こんな風にお返事頂きました。
ココから・・・
ガチャガチャの件、ご連絡をせずにすみません。
パピーさんからお返事を頂いて「今すぐに直そうとしなくていいんだ」と思ったら気持ちが楽になって、
一緒に頂いた「ガチャガチャのおもちゃやカプセルを貯めておいて、何か欲しがった時に比較させる」をやってみよう。
今は、買い物の順番を変えて、ガチャガチャの機会を減らしてみよう、と思ってためしてみました。
入園したばかりの時に「早く迎えに来て」とめそめそしていたことがあって、できるだけ早く迎えにいくようにしていましたが、
少々遅れても構わないので“退社→お迎え→買い物→帰宅”を止め、“退社→買い物→帰宅→お迎え→帰宅”としました。
ちょっと手間はかかりますが、これでどれだけ変わるかな?とちょっと楽しみでもありました。
そうしたら子供は「あれ?今日は買い物行かないの?」と言うので「うん。今日はもう終わった」と言いましたら、
「ふうん」と言って、驚くほどあっさりとやり過ごすことができました。
私としては「え~!うっそ~!!」「あれだけ困らせたくせに」と驚きでした。
2・3日そうやって行かなくても、ガチャガチャの事は言い出さないので、
もうガチャガチャは飽きたのかな?と思って、又“退社→お迎え→買い物→帰宅”に戻してみたら、やっぱり「やりたい!やりたい!」です。
この時に、パピーさんが言われていた“退屈な場所で見つけた「面白そうなゲーム」は、どうしても魅力的に見えてしまう”の意味が解りました。
それからはできるだけ先に買い物を済ませ、子供と一緒にスーパーには寄らないようにしています。
まだ、お金の価値が分かって克服できたわけではないと思いますが、私の大きな悩みが一つ減りました。ありがとうございました。
ココまで・・・
というお返事でした。
「驚くほどあっさりとやり過ごすことができた」は、マニマニさんにとってもびっくりだったみたいですが、
私たちもお祭りに行ったり、旅行に行ったりすると、お金を使いたくなりますよね。
それと同じことだと思うのです。
何か問題があると、どうしてもそれを「直したい」と思いがちですが、ちょっと見方を変えてみることで改善することもあるんですね。
もしガチャガチャで悩んでおられたら、ご参考になさってみてください(^^)
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。