第1105号 フォートナイト問題
こんばんは。パピーいしがみです。
ちょっと異質な題名ですが、この頃ご相談を頂く中でこの「フォートナイト」の事で立て続けにいくつもありました。
多分、コロナ禍で時間を持て余した子供たちがどっぷりはまって、今、その問題が表れてきたのだと思います。
「フォートナイト」とは今、小学生の(主に男の子)の間ではやっているオンラインゲームですが、
米国では2017年の7月にリリースされ、日本では2018年の6月から配信されました。
ゲームの金額は・・・なんと0円。
それもパソコン・PlayStation・Xbox・Nintendo Switchにダウンロードが可能で、ほぼ全てのオンラインゲーム機で使えます。
「無料でダウンロード」と「ほとんどの機材で利用可能」は企業の戦略で、問題の裾野が広がる原因になっています。
(無料であるが為に、子供がダウンロードをしている事を知らない親もいます)
そして短期間(たった2年間)で、これだけ広がったのは、ゲームの面白さを解説するユーチューバーが多く、子供たちがその動画を目にする機会が増えた事。
そして同級生の友達から「一緒にやろう」と誘われたりして急激に広がっていった・・・という事のようです。
そのフォートナイトは、推奨年齢は15歳以上となっていますが、年齢制限があるわけでもないので小学生で拡大し続けています。
基本的には“建築要素が加わったバトルロワイヤル”で、建物を作って防御しながら最終的には敵を倒してたった1人(1チーム)になるまで戦う、というゲームです。
仲間と協力したり、戦略を考えたり、コントローラーを使いこなしテクニックを上達させたりと、様々な楽しみがそこに隠されています。
又、きれいな画像の中で、自分の分身が思い通りに縦横無尽に活躍する姿は感動的でワクワクさせてくれます。
流血したり、グロテスクな表現はありませんので、ちょっと見ただけではそれほどの危険性は感じません。
でもその本質は「殺し合いのゲーム」です。人を殺めて自分だけが生き残ろうとするゲームなのです。
そこで何が問題になっているか?というと、まずは「1、ゲームに没頭してしまい自分をコントールできなくなる」という事。
これは今までのゲームでもあったことですが、ゲームの面白さに魅了されてしまい「ゲームを続けたい」という思いが強すぎて、自分で自分を制御できなくなってしまうのです。
放っておけば10時間以上も続けている子も珍しくなく、親が眠った後起きだして、深夜にゲームをしている子もいます。
それで学校で居眠りをする、体調を崩す、学校に行けなくなる、昼夜逆転の生活になる、という子も非常に多いです。
そして「2、ゲーム内の課金で起きるトラブル」。
当然ですがゲームの開発にはお金がかかっています。そして企業は利益を上げて事業を継続していかなければなりません。
その収益はゲーム内の課金でまかなわれているんですね。
課金の方法は、コンビニなどで売られているプリペイドカードだったりクレジットカードです。
なので親のクレジットカードの番号を無断で入力したり、家庭内でお金をくすねてプリペイドカードを買ったりする子もいます。
他にも、ゲーム内で友達にたかったり「お金払うから代わりに買ってくれ」と言われたり、
友達と仲良くなりたくて親のクレジットカードを使ってどんどん購入し、友達にギフト(あげてしまう)という例もあります。
その次に多い問題は「3、暴言・言葉遣いが極端に悪くなる」です。
これは「ボイスチャット」という機能が付いている事に起因しています。
仲間で会話ができるようになっているので、作戦を話したり、相談したり、助けたり・・・。
リアルタイムでそんなことができれば、1人でやるゲームよりずっと楽しいのは想像できますよね。
又、お互いに協力したり助けあう為・・・と考えるとゲーム上では素晴らしい機能ですが、何しろ「敵と戦うゲーム」です。
子供たちは興奮し、「殺せ!」とか「死ね!」「このザコが!」などの言葉を当たり前のように乱発し、
失敗した友達を愚弄したり「バカヤロウ」「お前なんかやめちまえ!」の言葉が平気で飛び交ったりもします。
そこからいじめが起きたり、リアルな友達同士のトラブルに発展することも多発しています。
又、オンラインで知らない人と繋がって、さらなる暴言を受けたり、嫌がらせをされる・・・なども起きています。
一応、3つの問題点を挙げましたが、実はまだまだ問題はあり、このメルマガでは書ききれないほどです。
そしてそれらが学校で問題になり、注意喚起のプリントが配られたり、フォートナイト禁止になった学校もあります。
私たちが認識しなければならないのは、それだけ危険をはらんでいるものが簡単に手に入る世の中になっているという事。
そして、何が起きているか知らない親がいたり、子供にやりたい放題やらせて関知しない親もいる、という事です。
今までも子供たちを誘惑するものは数多くありましたが、この「フォートナイト」は今までにない大きな危険性があると私は感じています。
基本的に私は『危険なものは何でも禁止』のような風潮には反対ですが、子供が初めてぶつかるトラブルがこの「フォートナイト問題」だとしたら、
子供にとっても親にとっても、ハードルが高すぎると思うのですね。
特に対象年齢が「15歳以上」ともあるように、子供がどんなにせがんでも「今の年齢ではできません」と親の姿勢を明確にしてほしいです。
きっとこの「フォートナイト」だけでなく、今後も次々に現れるだろうとは思いますが、それが危険だと知ったのならやはり早めの対処をお願いしたいのですね。
問題の中に「2、ゲーム内の課金で起きるトラブル」がありました。
多くの親はお金の大切さを教えたい、正しい使い方、お金との付き合い方を教えたいとお考えのはずです。
そしてお金の価値や、貯め方などを、時間を掛けて教えていると思うのですね。
ところがゲーム内で1000円近いお金が「課金」という形で何も残らず消えていく・・・。
ここでお金の価値が教えられるだろうか?と私は思うのです。
もしくは今まで、地道な努力を積み重ね、教えてきた「お金との向き合い方」を簡単に踏みにじられることにはならないか?と思うのですね。
「3、暴言・言葉遣いが極端に悪くなる」についても同じです。
私は今まで「言葉は文化です。子供の世界には子供の言葉がある。子供同士しで良くない言葉を使っても、使い分けることができればいい」と言ってきました。
それはもちろん家庭内では家庭内で使うべき言葉を使い、先生や目上の人がいる時には、それなりの言葉を使う。
その環境下であれば、子供たち同士で少々悪い言葉を使っても、本人たちも状況によって使うべきでないと分かるし、もし間違っても「間違っている」と教えることができます。
でもそれらを学ぶ前に、四六時中、異常な環境の中におかれてしまえば、異常な事さえも分からなくなってしまう懸念があるのです。
ゲームで楽しむ時間があっても良いと思います。ですがあくまでもそれは補助的なもの、余暇、趣味、気分転換であるべきです。
家庭の時間がゲームに侵食されてしまったり、生活のほとんどがゲーム主体となってしまえば・・・問題が起きてくるのは明白です。
ですからまだゲーム機を購入されてない方は「今、こういう事が起きている」という事実を知ってほしいし、
「子供に『オンラインゲームをやりたい』と言われたら何と答えるか?我が家ではどうするのか?を考えておいてほしい」と思います。
そしてすでにオンラインゲーム機を購入してしまったお宅では、子供がどんなゲームをしているのかを把握してもらうことと、約束は守れているか?のチェックを常にしてほしいのですね。
こういうゲームを購入する時って、約束もしないで買い与える親はいないと思います。
ですが「約束をしたから守るだろう」と思っている人も多くて、作った約束もないがしろになってしまっている場合があるのです。
守れていない約束なら作り直して、きちんと守れるようになるまでは見守る事も必要です。
今回は、お小言のようになってしまいましたが、子供たちにとって非常に大事な小学生の時期。
子供を守る意味でも、子供がどんな環境にいるのか、見てあげてほしいし、悪い環境にいるのなら救い出してほしい、と心から願います。
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。