第1127号 運動の選び方
パピーいしがみです。
ゴールデンウィークが終わりましたね。もう夏!という日も何日かありましたが、これからさらに熱くなると思います。
コロナの事も心配ですが、どうぞ体調に気を付けてお過ごしくださいね。
さて、子供たちが自信をつけていく上で「運動は大事ですよ~」と常々言っておりますが、それは「運動なら何でもいい」わけではありません。
「じゃあ何ならいいの?」という事になりそうですが、ちょっとそこのところ詳しくお話した方がいいかな?と思って、今日の題材にさせて頂きました。
まず「なぜ自信をつけていく上で運動が良いのか?」ですが、
それは「できた♪」とか「上達した♪」という喜びが分かり易いからです。
「褒める」事が自信をつける・・・とお思いの方も結構おられるのですが、そうではなく、
子供が成長していくうえで自分で経験した『成功体験の積み重ね』が自信になっていくんです。
その成功体験を増やすためには、何より行動が必要で、行動を増やせるように「褒める」や「認める」をしてほしいんですね。
例えば、ハイハイしかできなかった子が立てるようになって、歩けるようになって・・・という時、
それを見てパパやママが喜んでくれる姿を見る事で、子供は嬉しくてどんどん上達します。
トイレトレーニングもそうですよね。「できなかった」事が「できる」ようになることは大きな成功体験です。
他にも「一人で着替えられた」とか「挨拶ができる」とか、成長していくうえで、褒められる機会はとても多いですし、褒められることで子供のモチベーションは高まります。
そのように乳児~幼児になるまでは、さまざまな「できた♪」を経験し、たくさん褒めてもらったり、喜んでもらって、子供はぐんぐん成長していきますが、
幼稚園に入ったぐらいから、なかなか「上達」や「できた♪」が頻繁には起きなくなり、親の喜びの表情を見たり、直接褒めてもらう機会って減っていきます。
又、子供自身もただ褒められるだけでなく、自分の中で「達成感」がなければ納得しなくなっていきます。
「褒められる」受け身の状態だけではなく、自分が「やったぞ!」と感じられる時に喜びを持つようになっていくのですね。
そんな時、達成感を感じられるものとして「運動」はとても分かり易く、自分の変化が自分自身でも感じやすいのです。
そして体が成長する時期ですから筋力もバランス感覚も、そして脳や心肺機能も一緒に上達していく、一石二鳥どころか三鳥も四鳥にもなる取り組みなのです。
それに「運動」って、小学校・中学校・高校・・・と必ず授業に組み込まれていきますし、将来的にも運動能力を高めておくことは子供にとって必ずプラスになります。
それを考えた時、幼少期に多くの方が取り入れられている“スイミング”はとても理にかなっていると思っています。
水泳は全身運動でもありますし、泳ぐことは、実は結構なハードトレーニングでもあり、心肺機能も鍛えられます。
特に今、ほとんどのスイミングスクールで取り入れられている「進級制度」や「バッチ(ワッペン)制度」などもよく考えられていて、子供のやる気を高める事に一役買っています。
逆に、あの進級制度が、子供たちにプレッシャーになっている事もあるのですが、思い通りに進級できなかった時、頑張って受かると、その喜びは格別ですし、
そうやって乗り越えていくと「頑張る=喜びに変わる」という事も経験できます。
かつては10~15級ぐらいだったものも、今は30級ぐらいになっているところもあるようですね。
どうやらより細かくして、誰もが進級しやすくする工夫をされているそうです。
中には帽子の色分けもされているところがあり「あの色の帽子をかぶりたい」って目標にする子供たちも多いと聞きます。
そのように、子供が自分から上達を目指す・・・そうなったら本当に素晴らしいと思うのですね♪
又、私が幼少期にお勧めするもう一つの運動は「体操」です。
こちらは運動の基礎となることを全体的に網羅して高めてくれます。
特にマット運動や鉄棒、跳び箱など、学校でやることを先に教えてもらえるので、とてもメリットがある、と言えます。
そしてどちらにも共通している事は「きちんと指導法を学んだ方々が教えてくれている」という事と、
「子供が楽しみながら上達することに力を注いでいる」という点です。
実は、子供たちの運動もそれを「教える人」に問題があるケースが多くて、指導者にまつわる数々のご相談を頂いています。
幼稚園・保育園の時にはそれほどでもなかったこの指導者にまつわる相談ですが、
小学校に入ったとたんに急激に増えて、その多くがスポーツ少年団でのトラブルなんですね。
以前は学校でのクラブ活動は、主に先生が担ってくださっていました。
ですが、今、先生があまりにも忙しいこともあり、ほとんどのクラブはスポーツ少年団に代わり、
指導者も先生から「子供の親」に移っています。
すると、どうしてもその親の主観や思いが指導に表れてしまうのですね。
例えば、レギュラーの選別、勝ち負けへのこだわり、指導上の恫喝や暴力・・・。
日本でもスポーツ指導における暴力や恫喝が問題になって久しく「今でもあるの?」とお思いになる方も少なくないと思いますが、
今のお父さん世代が、部活での厳しい上下関係や暴力に耐えてきた最後の世代でもあるので、まだまだ今でも残っているのが現状です。
もちろん、すべてではありません。
しっかりした考え方で、1人1人に目を配って、子供たちの成長を考えてくださっている指導者もおられる・・・とは思います。
が、そうでない方も非常に多いのです。
それともう一つ。よく頂くご相談に「子供が好きで始めたのに、やる気を失くす」事があります。
親としては「自分がやりたいと言って始めたのに・・・」とご不満を感じる方も多いのですが、
実は始める動機ってあまり関係なくて、その運動を続ける中で、周りとの実力の差でやる気を失ってしまったり、
指導者からの厳しい叱責や、チームメイトからの「へたくそ」などの罵倒を受け、その運動自体が楽しくなくなってしまう、という事はとても多いです。
そうなってしまうと、せっかく自信をつけたくて運動を始めたのに、それがかえって自信を失わせてしまうことに結びついてしまうのですね。
特にそれはチームプレイの運動に多く見られる傾向で、個人プレイの運動ですとほとんど聞きません。
もちろん叱られたって、「へたくそ」と言われたって、それを「なにくそ!」って思える子でしたら、何の問題もありません。
チームプレイにはチームプレイでしか味わえない良さもあり、一緒に頑張るからこそ自分の限界を超えられる・・・という事もあります。
ですが、運動自体があまり得意ではなかった子や、ちょっと打たれ弱いところがある子、争うのが好きではない子が体力を高める為の運動としては、チームプレイよりも、個人プレイの運動の方がいいのでは?と私は思っています。
ちなみに私の上の娘は、幼稚園の時はスイミングを習っていたものの、小学生になってからはほぼ運動はせず、自宅でするお人形さん遊びが大好きな子でした。
ですが「これではまずい・・・」と思って、4年生になった時点で、陸上クラブに入れました。(もちろん本人の了解も得て)
すると入ったばかりの体力測定では、100m、800m、幅跳びなどすべて、断トツのビリで、
特に800mの時には、一生懸命に走っているのに1人ぽつんと離されて、見ていてかわいそうになるほどでした。
それでも週に2回の練習を1年間続けることで、他の子との差は無くなり、
5・6年生では大会のたびに記録が伸びて、その後の中学の3年間。高校の3年間と陸上に打ち込んでくれました。
運動神経が良かったか?といえば、そんなことはないと思います。
それでも続けられたのは、本人の上達のペースを誰にも邪魔されなかったからだと思うのですね。
個人スポーツですと、友達に恵まれないのでは?とお考えの方もおられるかもしれませんが、
中学の時の陸上部女子部員はたった一人だったのに、たくさんの友達に囲まれていました。
新学期が始まり、新しい運動をさせたい、と思っている方も多いと思います。
本人の希望ももちろん大事ですが、こんな選択の仕方もあるという事を頭に入れて頂いて、
子供たちの成長に上手に運動を取り入れてあげてほしいな、と思います。
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。