第1134号 幸せってなに?
パピーいしがみです。
オリンピックまで約1ヵ月。こちら静岡でも聖火リレーが行われました。
静岡ゆかりの有名人って結構おられて、別所哲也さん、ももクロの百田夏菜子さん、そして広瀬アリスさん。
アスリートでは、サッカーの中山雅史さん、水泳の岩崎恭子さん、そして、お母さんが静岡出身という事で荒川静香さんも走られました。
オリンピックの開催については、今まで見えなかったことがいろいろ見えてきて、複雑な思いもありますが、
出場するアスリートは一人残らず、多くの犠牲を払い人生を掛けて、いくつもの戦いをくぐり抜けて出場の機会を得ています。
「開催する」と決定したからには、選手が安心して競技に打ち込める環境を作ってほしいと心から願います。
さて、今日のタイトルは「幸せってなに?」とお子さんから聞かれた葵さんからのご相談を紹介します。
葵さんには6歳の女の子がおられます。
ココから・・・
パピーさん、すごく小さいな事かもしれませんが、なんだか分からなくなってしまって、教えて頂けたらと思います。
以前、お返事を頂いてから少しずつ良い方向に向かっているかな?と思っていたのですが、又、悩んでいます。
娘から「ママ、しあわせってなに?」と聞かれたのでしばらく考えて「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれることだよ」と返事をしました。
その時には「じゃあ、〇〇ちゃん、今すっごく幸せ!」と言って抱き着いてきました。
子供から「幸せ」って言われることは本当に嬉しくて「ママも幸せだよ~♪」って二人で抱き合いっこをして、
一日に一度は「幸せ~」「ママも幸せ~」とやっていたのですが、ある日、仕事から帰ってくると「私、幸せじゃない!」と言ってむくれているのです。
「何があったの?」と言っても話してくれず、迎えに行ってくれた母(実家が近くなので母が幼稚園のお迎えに行ってくれています)も
「帰ってきてからずっとこんな調子なんだよ。“私は幸せじゃない”なんて言いだしてびっくりした」と言っていました。
幼稚園に問い合わせてみると、どうやら同学年の強い女の子と口ゲンカして、それが続いているようなのですが、
その後「幸せ~」「ママも幸せ~」の時間もありますが、少し叱ったり、自分の思い通りにならないと「私は幸せじゃない」と言ったりします。
この「幸せじゃない」という言葉がとても気になるし、あんまり「私は幸せじゃない」を連発するので
「いい加減にしなさい!その言い方がイライラするんだよ!」と怒鳴ってしまいました。
それまではいい方向に向かっていると感じていたのに、又、以前のようなお互いにギスギスした関係になってしまって、なんでこうなっちゃうんだろう?と悩んでいます。
「しあわせってなに?」って聞かれて、私の説明が悪かったのでしょうか?
だとしたらなんと教えてあげたらよかったでしょうか?今後、娘とどう話をしていったらいいでしょう?
又、パピーさんは幸せってどんな風にお考えですか?
教えて頂けたら嬉しいです。
ココまで・・・
私はまずこのご相談を頂いて「幸せ」について自分で考えて説明されたんだな、すごいじゃん、と素直にそう感じました。
というのは「幸せ」って人によって違うし、それを上手に説明するのもとても難しいです。
そしてグーグルや辞書で調べて見ても頭をひねるような解答も多く、ちょっと納得しにくいです。
あなたにとっての「幸せ」とは何か、ご自分でも考えてみてほしいのですが、葵さんのご相談に私はこんな風にお返事しました。
ココから・・・
葵さん、メール拝見しました。
まず6歳の娘さんへの「幸せ」の説明ですが「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれること」って、とても上手にお話されたと思います。
と言いますのも「幸せ」について調べてみると、ネットでも辞書でも「え?そうかなぁ?」と思うようなことが書いてあります。
例えば、辞書では「運が良いこと」とか「うまい具合にいくこと」とか、「不満がないこと」とありますが、どれも「う~ん」ですよね。
それにこれを子供に話そうとは・・・思いませんよね。
それからすると葵さんの「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれること」は、とても的を得ているし、
伝わりにくい“気持ち”を上手に分かり易く、そして簡潔に説明されていると思います。
ですから「私の説明が悪かったのでしょうか?」とのご心配ですが、決して説明が悪かったとは思いません。
ただ、娘さんの感じた「幸せ」と、葵さんが感じている「幸せ」って、その大きさがちょっと違うと思うのですね。
葵さんが、娘さんに「私、幸せだよ~♪」と言われた時、とてもうれしかったように、私たちが受け取る時には「今の状態に安心して満足してくれている」と感じます。
きっと嫌な事もあるし、思い通りにならない事もあるけど、それも全部ひっくるめて「でも私は今、とっても毎日が充実している」(そんな気持ちなんだろうな~)と感じるんですね。
ですから「幸せじゃない」なんて言われれば、それを聞けば「辛いことが毎日繰り返されているのかな?毎日苦しいんだろうか?」と心配になってしまいます。
でも娘さんは、イヤな事があるとその嫌な事に対して、その一瞬だけを切り取って「幸せじゃない」と言っている。
とっても狭い意味に「幸せ」の言葉を使っているのだと感じるのです。
なので「幸せじゃない」と言った時、その理由が分かったら「その使い方はちょっと違うよ」と言って教えてあげるだけで良かったのではないかな?と思うのですがどうでしょう?
例えば「その使い方は違うよ」と言った後、
「そうか~、そんな事があったんだね。何でも思い通りになる事ばかりじゃないし、イヤな事も起きる事は有るんだね」
「それに、良いことばかりが起きる事が『幸せ』なのではないから、そんな時は“こんな事があったんだ”ってママに話してくれればスッキリするかもよ」みたいな感じでどうでしょう?
娘さんと葵さんの「幸せ」の捉え方が違っただけ、と考えて頂くと、冷静になれるのではないかな?と思いますがいかがでしょうね?
それと「パピーさんは幸せってどんな風にお考えですか?」と書かれていた件ですが、
私は、2つの側面があると思っています。
一つは、「いいな♪」と感じる瞬間と、それを積み上げていくこと。
そしてもう一つ。「いいな♪」って感じる事ができる自分に成長していくこと。
そう。「幸せ」って、何かの現象が起きる事だけではなく、感じ取れる自分になっていく事でもあって、
特に2つ目の“「いいな♪」って感じる事ができる自分に成長していく”と、何気ない普段の生活からも「幸せ」を感じ取れるようになりますし、
そうなると一つ目の“「いいな♪」と感じる瞬間”も増えて、当然“それを積み上げていく”ことも増えて、
「いいな♪」とか「うれしいな♪」という気持ちに満たされていきます。
ですからこの二つは相互に関係しあっているんですね。
でも残念ながら多くの方は「幸せが訪れますように」と、何かとっても良いことが降ってくるかのように思ったり、願っているのですが、
それだけだと気づけない事が多く、せっかくすぐ近くにある「幸せ」も、ないがしろにしてしまっている事ってよくあるんです。
もちろんこれは私なりの考え方なので、これが幸せの定義だとも思わないし、これが正しい解答だとは思っていません。
それに、子供にお話しするのはちょっと難しいので「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれること」で、全然良いと思いますし、
一つの参考として頭の隅にでも置いておかれたらいいかな~と思います。
ココまで・・・
その後、葵さんからはこんなお返事を頂きました。
ココから・・・
パピーさん、お返事ありがとうございました。
こんな小さなことで・・・と躊躇していたのですが、思い切ってご相談してみてよかったです。
特に「幸せ」には二つの側面がある・・・とのお返事は、私には考え付きもしなかったことで、とても納得しました。
実は、パピーさんに相談する前に、この「幸せ」についてネットでも調べてみたのですが、
そこに書かれていた言葉は(パピーさんがおっしゃるように)なんか違うと思っていたし、今回、
「二つの側面があって、それが互いに関係している」なんて考えはどこにもありませんでした。
でも、本当にその通りだと思います。
パピーさんからのお返事を頂いて、真っ先に思い出したのが、娘が生まれるまでが大変だったこと。(流産を繰り返し何度も落胆し、たくさん泣きました)
そして娘は生まれてしばらくはNICUに入れられ、おっぱいも上げられなかったのです。涙を流しながら搾乳した事もありました。
あの時、神様に「命だけは取り上げないで」と何度願ったかしれません。
やっと退院しても、本当に弱々しくて、その後も病院通いが続いたのに、
今では、それらをすっかり忘れ、いたずらをする娘を怒鳴ってばかりいましたが、あの時、もし命を落としていたら、今はなかったんだな・・・と思い出されました。
あの頃、先生から「もう大丈夫」と言われて退院できた時に、心からの幸せを感じたはずなのに、
「命だけは・・・」の気持ちが「元気でさえいてくれたら・・・」になり「皆と同じように・・・」に変化し、
そして今では「いい加減にしなさい!」となってしまっています。
今気づきましたが、あまりにも感謝が足りませんよね。
それで「幸せって何でしょうか?」なんてパピーさんに聞いているのですから、ホント、恥ずかしくなります。
幸せとは“「いいな♪」と感じる瞬間とそれを積み上げていくこと”+“「いいな♪」って感じる事ができる自分に成長していくこと”
これをしっかり忘れずに、そんな私になれるように頑張ります。
そして・・・ご相談させて頂いた娘の「幸せじゃない」も、言葉の使い方を直してあげるだけでいいのでは?と言っていただいて「あ、それでいいんだ・・」と安心しました。
昔の辛かったことを思い出し、元気でいてくれる今が、何より私の幸せだと思ったら、
少々いたずらでも、ケンカをしても「そんなのどうでもいい」と思えるようになりました。
それからは娘にイライラすることもなく「幸せじゃない」の言い方についても「その使い方は違うよ」と冷静に話ができました。
こちらが落ち着いて話をしたらわかってくれて、私の態度で子供の聞き方は全然違うんだ、とこれも新しい発見でした。
小さな相談だったかもしれませんが、丁寧にお返事頂いて嬉しかったです。今後もどうぞよろしくお願いします。
ココまで・・・
なるほど。娘さんが生まれるまでにはたくさんの苦労があり、生まれてからも大変だったんですね。
でも今、お母さんがそれを忘れるほどいたずらをしたり、他の子とケンカができるのであれば、きっととっても元気になってくれたのだと思います♪
葵さんも言われていましたが、過去の辛かったことを思い出せば、少々の問題も「そんなのどうでもいい」ですよね♪
葵さんは「小さなこと」と言われていましたが、この「幸せ」は決して小さなことではありません。
もしかしたら、みんながそれを求めているのに、明確な考えが見つからない事からも、とても大きなテーマと言えるのでは?と思います。
特に今までこの「幸せ」について、私の考えをお話したこともなかったので、今回、メルマガへのご紹介をさせて頂きました。
人によって、その方が思う価値が違う様に、誰にでも当てはまる「幸せの定義」なんてないのですが、
私はこんな風に考えているという事で、ご理解いただけたらと思います(^^)
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。