第1150号 卑怯はダメ!を教えたい
パピーいしがみです。
「卑怯(ひきょう)」って言葉、このごろあまり聞かなくないですか?
でもそれはもしかしたら「卑怯」という言葉自体があまり使われなくなってしまったからなのかな?って思っています。
例えば、以前ちびまる子ちゃんで藤木君が卑怯者と言われていました。
もしクラスで「〇〇君は卑怯者だ!」なんて言ったら、その子をいじめる事になってしまうこともあり、そんな言い回しが少なくなったのかもしれません。
昔の戦隊ものや、アニメでは卑劣な悪役に対して、ヒーローが一人で立ち向かい勝つことで、「カッコいい!」「やっぱり卑怯ってダメだよな」と子供も自然に学べたのですが、
今は、正義の味方が数人で協力をしながら悪役をやっつけたり、武器や刀を持って相手を切りつけたりと、
相手を倒すためには何でもアリの風潮もあって、子供たちに「卑怯」が分かりにくくなっているのかもしれません。
これでいいのかな~?という疑問を私も持っていましたところ、スッキリママさんから「子供に卑怯を教えたい」というご相談を頂きました。
スッキリママさんとしては、子供たちに「卑怯な事は止めなさい」と言いたかったけど上手く説明できなかったそうです。
きっとあなたもご自分のお子さんには「卑怯な子」になって欲しくはないと思います。
では子供に卑怯を教えるには?又、子供を卑怯な子にしない為にはどうしたらいいでしょうか?
まずスッキリママさんからのご相談をご覧ください。
ココから・・・
パピーさん。今回はご相談の機会をありがとうございます。
私がお聞きしたかったのは「子供に卑怯を教えるにはどうしたらいいか?」という事です。
我が家には小学校1年生と2年生(年子)の男の子がいます。二人とも元気で学校に行っていますし、
運動にも積極的に参加するし、一番になりたい!と負けず嫌いな面があります。
元気すぎるので母は大変ですが、それでも一生懸命に頑張ろう!としている姿がいいなと思っていて、ついていくのは大変ですが何とか毎日過ごしています。
それで、今日は「卑怯な事をやめさせたい」と気になってご相談をさせて頂きました。
事の始まりは兄弟げんかでした。
パピーさんから『兄弟げんかは自分を守る最大の練習、自分の意思を貫こうとする良い機会』とお聞きして、今まで逐一介入していたのをやめて、そろそろ1年になります。
年子でもある為か、兄弟ゲンカは日常茶飯事でした。
でも介入するのをやめたら、「お兄ちゃんが××・・・」「弟が××・・・」と何でも訴えてくるようなことはなくなりました。
今は、基本的には仲が良いですし、ケンカをしても自分たちで仲直りをしたり、時にはケンカになる前にじゃんけんで決めるなど、二人ともすごく成長したな~と感じています。
もちろんケンカがまったく無くなったわけではなく、先日、こんな事が起きました。
私がベランダで洗濯物を干している時に下の子がプラスチックの刀(鬼滅のおもちゃ)を持ち出して、上の子に向かっていったようです。
刀を振り回している時にたまたま兄の鼻に当たったらしく、私がリビングに戻った時には兄が鼻を押さえ下を向いている所でした。
床にも血が落ち、押さえていた手をどけると掌は鼻血で真っ赤で、Tシャツにも垂れていました。
今まで鼻血を出す子ではなかったので気が動転しましたが、刃物で切ったわけではなく、プラスチックの刀が鼻に当たっただけ(突いたみたいです)のようなので、
とりあえずティッシュペーパーを詰めて上を向いて寝かせました。
きっと初めて血を見たのだろうと思いますが、あぜんとしていた弟に「刀で叩いたの?それはダメだって言ったよね!」とキツメに言ったら
ショボンとして「ごめんなさい」とは言ったものの、これはきちんと話をしなくちゃ・・・と思って、
鼻血が止まったころあいを見計らって、なぜこんな事になったのか聞いたところ、弟が刀を持った時に兄が「やれるもんならやってみろ」とあおったそうです。
刀を持った弟も悪いのですが、それをあおった兄にも非があります。なので
「男の子だからケンカになっちゃうこともある。ケンカをするなとは言わないけど、武器や物を使ったらダメだ!って言ってるよね」
「その理由はもう解ったと思うけど、こんな風に怪我したり、もしこれが鼻じゃなくて目に当たっていたら、目が見えなくなってしまうこともあるからなんだよ」
「今回は刀を持った弟が悪いけど、それをあおったお兄ちゃんも悪い!今度こんな風に刀を使ってケンカしたら捨てちゃうからね!」
と言ったのですが、後々「この叱り方でよかったんだろうか?」
プラスチックとはいえ、ケンカに刀を持ち出すなんて、これは卑怯なやり方で「卑怯はダメな事」をしっかり教えるチャンスだったのではないか?
「卑怯」を教えるとしたら武器を持つ以外にも、自分より小さい子や弱い子をいじめたり、複数で一人を攻撃したり、
今のSNS問題のように、自分の名前を伏せて相手の傷つく言葉を発したり、子供にやめさせたい「卑怯」を考えるとたくさんあります。
一応、「卑怯」を教える為にはどう説明したらいいんだろう?とネットで調べてみたのですが見当たりませんでした。
そこでパピーさんならどう説明されるだろう?と思ってメールさせて頂きました。
よろしければご意見をお伺いしたいと思います。
ココまで・・・
という内容でした。
「卑怯な事はダメ!」これはしっかり教えていきたいと思いますよね。
でも、私は「さまざまな卑怯」を教えなくてもいいのでは?と思っています。
というのは、いろいろと教える事で今、しっかり釘を刺しておきたい「ケンカに武器はダメ」という事がぼけてしまうと思うからなんですね。
なのでスッキリママさんにはこのようにお返事しました。
ココから・・・
スッキリママさん、こんにちは。メール拝見しました。
まずはお兄ちゃん、大事にならずよかったです。
血が出るとびっくりはしますが、もしそれこそ少し外れて目に入っていたら?と思うと、失明もあり得る事なので、ケンカで物を使うのは絶対に避けなければなりません。
それで、今回「卑怯はダメ!を教えたい」という事で「もっと良い説明の仕方はなかったか?」とのご相談だったのですが、
私は今回のトラブルで教えるのは「ケンカで物を使ったらダメ!」という事だけで良いと思うのです。
確かに、おっしゃるように、自分より小さい子をいじめたり、多人数で一人をやっつけたりなど「卑怯」だと思う事はたくさんあります。
が、衝撃的な事が起きた時って、そこに集中して話をした方が、聞く側にとっては深く刻み込まれます。
もしその時に「自分より小さい子や弱い子をいじめるのもダメ」「多人数で一人をやっつけるのもダメ」など他の例も挙げてしまうと、せっかく深く刻み込める印象がぼやけてしまうんですね。
又、その上(まだ経験していない)SNSの事まで話してしまうと、すでにいくつかは頭に残らなくなってしまいます。
でも今回のように「ケンカにおもちゃの刀を振り回してケガをした」という事実があるのですから、
「こういうケンカを“卑怯”っていうんだよ」「“卑怯”な事はお母さん、嫌い!」って言うだけで、
子供の理解できる範囲で「卑怯ってズルっていう事なのかな?」とイメージができます。
後は子供が成長していくなかで「これってズルいよな」「こんな事はしちゃいけないな」って本人が様々なケースで感じて行けばいいと思うのですね。
それにメールを読んでもう一つ。子供達偉いなと思ったのは、弟さんに叱った時、
「だってお兄ちゃんが・・・」のように言い訳も人のせいにもせず「ごめんなさい」と言えていますよね。お兄ちゃんも煽った自分の非を感じています。
これって逃げも隠れもせず自分の非を認めているわけです。
だとしたら子供たちはすでに「卑怯はダメ」を理解しているのではないかな?と思うのです。
それにスッキリママさんの今回の叱り方。
「男の子だからケンカになっちゃうこともある。ケンカをするなとは言わないけど、武器や物を使ったらダメだ!って言ってるよね」
「その理由はもう解ったと思うけど、こんな風に怪我したり、もしこれが鼻じゃなくて目に当たっていたら、目が見えなくなってしまうこともあるからなんだよ」
と言われていましたね。
これでかなり「ケンカした時、物を使ったらダメなんだ」という印象は深く刻み付ける事が出来たと思いますし、私は必要にして十分だったと感じました。
それでももし「もう少し話したい」と思われるのなら「卑怯」を説明するのではなく、その反対である「正々堂々」を教えてあげたらどうかな?と思います。
それもあまりこまごま言わずに
「“正々堂々”って言葉知ってる?これはね、インチキしない、ズルもしないでルールを守るっ、てことだよ。その方がずっとかっこいいよね」など短い言葉で簡単に説明してあげればいいと思います。
今回は「卑怯な事をやめさせたい」とのご相談だったのですが、これは一度言ってすべてを網羅することはできません。
それこそ時間を掛けて子供に教えていくことだと私は思うのです。
子供達はまだ2年生と1年生ですね。
だとしたらきっとこの先、運動会や何らかのスポーツをする時に「スポーツマンシップ」を学ぶこともあるでしょうし、様々な場面で「正々堂々」を体感していくと思います。
もちろん、その機会だけではなく、家庭の中で気づいた都度教えていく、そんな風にしていってほしいと思いますがいかがでしょうか?
ココまで・・・
とこんな風にお返事しました。
そしてスッキリママさんから頂いたお返事はこうでした。
ココから・・・
パピーさん、お返事ありがとうございます。
「これは時間を掛けて子供に教えていくこと」とあって、すぐに結果を求める私の悪い癖がでてしまった、と反省しました。
今回のアクシデントで「これを最大限に生かさなきゃ」と思っていましたが、あれもこれも話をされたら大事な事がぼけてしまいますよね。
そして私は気づいていなかったのですが、すぐに「ごめんなさい」と言えた次男の事。
「逃げも隠れもせず自分の非を認めている」と言っていただいてとても嬉しかったです。
足りないものばかりが気になり、出来ている事に気づかない私ですが、今回については「必要にして十分だった」との事でしたので、
今回、これ以上の追及は止めて、感じたその都度注意したり「正々堂々」も一緒に教えて行こうと思います。
ちなみにその後の弟ですが、兄の出血に驚いたのかあれだけ刀に執着していたのがあまり触らなくなりました。
(後略)
ココまで・・・
今回「卑怯はダメ!を教える」についてのお話しでしたが、いかがだったでしょうか?
スッキリママさんの言葉にもありましたが、ネット上では匿名で誹謗中傷をしたり、学校で配布したタブレットで人のアカウントを使ってチャット内で攻撃したり・・・
私たちが知っている「卑怯」の形もかなり変わってきていますよね。
個人でそれを防ぐことは難しいし、学校も政府もそんなスピードについていけなくなっていますが、大事なのは日々の家庭環境だと思うのです。
「お母さんは正々堂々とした姿が好き」「ズルやインチキは嫌だよ」と子供たちに見せ、又、話してあげて下さい。
子供達が直面する、その時々の問題に対処するためには、子供が今、どんな環境にいるのかを知っておくことですからね♪
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。