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第1158号 計算カード、難しい

パピーいしがみです。

今日のメルマガは「計算カード、難しい」としました。

計算カードって小学校で足し算、引き算を習った時に、基本の足し算、引き算をカードにして、

繰り返し何度も練習して、タイムを測ったり、クラスで競争したりします。

単純な計算に慣れて、すらすらできる事が目的ではあるのですが、

これが、子供にとっては結構なプレッシャーで、なかなか上手にならなくて「もうやだ」と投げ出してしまうこともあります。

計算カードでは、同じように多くのお母さんが悩んでおられます。

今日、ご紹介するのは、シリトンさん。

シリトンさんの息子さんも小学1年生ですが、算数が苦手で「どうしたらいいんだろう?」とお悩みでした。

こんな内容です。

ココから・・・

パピーさんおはようございます(*^-^*)

小学一年生の息子が算数が苦手のようで、親としてどうにかしてあげたいと焦っています。

毎日、足し算と引き算の計算カードが宿題で出るのですが、どうしてこんな簡単な問題が分からないのか分かりません。

5+2や5-3など、5までの計算はどうにか分かるようですが、6+3や9-4など6以上の計算になるとパッと答えられないので

考えもせずに「はい、分かりませ~ん」と言います。

今はとにかく数字に慣れさせようと、1~100までの数字を練習中です。ちなみに今は30です。

計算カードは好きじゃないようですが、この数字を書く。と言うのは結構好きなようで、毎日喜んで書いています。

図工や水泳は大好きで、先生にも手先が器用ですね。と褒められました。「そこは伸ばしていきましょう」と。

でも、親としては算数をどうにかしたい。

最初のいくつといくつで既につまずき、最初の頃よりは分かるようになりましたがまだまだです。

先生にも「夏休みの間に、足し算と引き算の計算カードをスラスラと言えるようにしといて下さい」と言われました。

これから繰り上がり繰り下がりの計算も出てくるので、本当に心配です。

保育園の頃は、やりたがることは何でもやらせて、息子の「出来た!」を増やしてきました。

ひらがなは興味を持った時に少しずつ教えて、数字は全く興味を示さなかったので、遊びの中で人形を数える程度でした。

特にお勉強をさせるわけでもなく、外で思いっきり遊んで、大好きな虫や魚とり、自転車等のびのびと育ったと思います。

私自身も毎日楽しそうな息子を見て、これでいいんだと思ってきましたが、入学して3ヶ月経った今、

勉強でつまずいている息子を見て、今までの育て方で良かったのだろうか?と不安になってきました。

勉強に遅れないように、もっと小学校に上がる前に勉強させていた方が良かったのではないか?

毎日宿題の度に「全然分からん!わぁーん、わぁーん!」と泣きながら計算に答えている息子を見ると、先が思いやられます(^^;)

パピーさんは小学校低学年の時は、授業中先生の話をキチンと聞いて、家では宿題をすれば大丈夫だとおっしゃっていましたが、息子のように理解できない子は、どうすればいいでしょうか?

これ以上無理やり勉強させると、勉強自体がイヤになってしまってしまいそうなので、今は勉強が嫌いにならないように気を付けています。

ちなみに、サイコロを二つ転がして目の数を数えさせたりしましたが、最終的にはサイコロを回す遊びしかしなくなりました(笑)

すごろくも嫌がりますし、こちらがさせようとする意図を敏感に感じ取ります。

世間一般の方たちが「うちはこうしたら上手く行きましたよ~」という方法を色々と試してみましたが、うちの息子はしませんでした。

100玉そろばんも、玉の上で車を走らせる始末。。。一筋縄じゃいきません(^^;)

よろしくお願い致します。

ココまで・・・

頂いたメールを読んで、あ、この子は「数字の概念ができていないんだな」と感じました。

でも「5まで」はわかっている、という事は、それが「10まで」、そして「10以上」と広げるだけで、分かるようになるだろうな・・・とも。

ただ今は“6以上の計算になると、考えもせずに「はい、分かりませ~ん」と言う”とあったように、

そこで「分かんなくてもいいや」「やりたくない」のように諦めちゃってるのがまずいな・・・と感じたのですね。

だとしたら強制したり無理をさせたりするより、まずは少しだけ理解を深める事。「できた」を感じる事が大事だと思いました。

そしてこんな風にお返事したのでした。

ココから・・・

シリトンさん、おはようございます。メール拝見しました。

小学校1年生の息子さんが算数が苦手のようですね。

> 毎日足し算と引き算の計算カードが宿題で出るのですが、どうしてこんな簡単な問題が分からないのか分かりません。

とありましたが、もしかして数字の概念ができていない、という事はないでしょうか?

例えば、5+2や5-3など、5までの計算はできる、との事ですから、5までの数字は分かると思うのです。

でも6や7・8・9・・・と増えてくると、それがどいう事なのか分からないのかもしれない、と感じました。

計算カードが5までは分かる、との事ですから、5までのものは計算カードでどんどん慣れてもらって、

それ以上が出てくる数字では、計算カードの数字の下にシールを個数分貼ってみると、

考えもせず「分からない」との結論を出すのではなく、数を数えれば答えが出ると思うのです。

(もし計算カードが一つしかないのであれば、オリジナルで作ってほしいと思います)

最初は足す数と引く数の色を変えてみた方がいいかもしれませんが、まずは「できない」を改善してあげたいのですね。

そんな風に「ヒントがあれば分かる」となれば計算カードにも嫌悪感を感じなくなるでしょうから、

シールがあれば分かる、となれば、足す・引くのシールをはがして(数字に置き換えてできるようにして)みたり、

それもできるのであれば、大きな数字もシールの個数ではなく、数字に置き換えてもできると思うのです。

もちろん「1~100までの数字を書く」も喜んでやっていれば続けてほしいと思います。

「これ以上無理やり勉強させると、勉強自体がイヤになってしまうのでは・・・?」とも書かれていましたが、

それは分からないものを分からないままやらせた場合です。

今まで苦手なものであっても「これなら分かる!」となれば楽しくなっていくんですね。

周りからするとちょっと時間が掛かるかもしれませんが、まずは「分かる」を目指してほしいと思います。

ココまで・・・

シリトンさんは、オリジナルで計算カードを作って、「よ~し、子供と頑張るぞ!」と始めてくださったそうです。

そしてその結果をご報告頂きました。

ココから・・・

パピーさん、ご無沙汰しております。

以前7月に算数が苦手でどうしましょう。と相談させて頂きました。

今日はそのご報告です。

あれから早速オリジナルの計算カードを作って、息子と頑張ろうと喜び勇んで見せたのですが、

「お母さんが作った計算カードは置いといていいよ。僕はこっちでするから(*^^*)」とあっさり断られ・・・

私の努力は一体何だったんだ。。。という感じで終わりました(笑)

結局学校の計算カードを毎日することになり、夏休みが終わるころにはスラスラと言えるようになってきました。

あぁ、やっと毎日のギャーギャーから解放される♪と喜んだのも束の間、次は繰り上がり繰り下がりの計算が始まりました。

・・・注釈・・・

ココで繰り上がり、繰り下がりの計算が始まった・・・と書かれていましたが、

今、学校での繰り上げり、繰り下がりの計算で必要な「さくらんぼ計算」ってご存知でしょうか?

どうやら平成17年ぐらいから始まったやり方のようで、多くの親がその考え方を知らずに、子供が1年生になった時に驚くそうです。

例えば7+6でしたら、6は3と3に分ける事が出来て、6を分けた1つの3と7を合わせて10、残った3を足して『13』と答えを導きます。

(暗算で答えだけわかっても正解とはなりません)

この2つに分けるその形がサクランボの姿に似ているので「さくらんぼ計算」と言われているのですが、

お父さん、お母さんからは「なんでこんなめんどくさいことをするの?」とかなり不評を買っています。

が、6を3と3に分けるだけでなく、7を4と3に分ける事もできて『計算方法は一つではない』という事や『確かめができる』というメリットもあるそうです。

引き算の時も12-7だとしたら、7を2と5に分けて、12から2を引いて10、そこから5を引いて答えは5と、

一旦10にしてから・・・というのがさくらんぼ計算のキモのようです。

シリトンさんは、せっかくオリジナルで作った計算カードを子供が使ってくれなかったので、がっかり・・・だったのですが、

それでも「お母さんが作った計算カードは置いといて。僕はこっちでするから」と今までの計算カードに取り組み始めた、というのは、

「簡単にあきらめる」「わかんなくてもいい」という考え方からは脱却させることができて大成功だったと思うのですね。

簡単な足し算、引き算が終わると、さくらんぼ計算を含む繰り上がり、繰り下がりがありますが、その段階もクリアしたみたいです。

・・・ご報告は続きます・・・

そして、昨日のことです。

今まで頑なにさくらんぼ計算をしたがらなかった息子ですが、急に宿題の時に「先生に教えてもらった」と言って解いているではないですか!

いつまでも学校のやり方に従わない息子に業を煮やした先生が、個人的に教えて下さったのでしょう(笑)

息子がさくらんぼ計算をしたがらないので、色々と試行錯誤していたのですが、あっさり解決しました。

息子の理解が追いついたんだな。と感じた瞬間でした。

このさくらんぼ計算のこと以前にも、『子どもの成長を待つ』ということに気付いた出来事があました。焦る必要はないなと思いました。

息子は息子のペースで成長しているんだな、と。

(後略)

ココまで・・・

その後、つい先日、シリトンさんからこの頃の息子さんの様子をご報告頂きました。

ココから・・・

パピーさん、こんにちは。

第53章が終わりました。もう1年経ったなんて信じられません。あっという間でした。

子どもが小学校に上がって、色々と不安なこともありましたが、おかげ様で乗り越えることができました。ありがとうございます。

あれからの息子はと言いますと、毎日頑張って登校して、学童や週2回の公文、帰ってからは宿題、と頑張っています。

苦手そうだった算数の計算も、公文で算数も始めたので毎日裏表10枚のプリントをバリバリこなしていますよ(*^^*)自信に繋がっているようです。

勉強だけではなく、今週持久走大会があるのですが、授業の度に毎回順位を上げてきています♪本番が楽しみです( *´艸`)

そして、この前2回目の授業参観があったので行って来ました。

相変わらず手は挙げてくれなかったのですが、きちんと授業は受けていました。

学級懇談会の後、担任の先生にお話を伺ったところ、「日頃の授業でも手は挙げないけど、きちんと聞いていますよ」とのこと。

一番気になっていた、指示が通っているか?という質問にも「指示は通ってます(^^♪」とおっしゃって頂き、

あろうことか「○○くんは落ち着き払ってますよ」と言われ、本当にうちの息子の話だろうかと耳を疑ったほどです(笑)

そして「一学期と比べると、こんなにも成長するものかと思いました」との言葉を頂き、本当に嬉しく思いました(*^-^*)

息子は他の子と比べると成長はゆっくりですが、確実に成長しているんだなと感じられて、何回も先生に言われた言葉を頭の中で反芻しました。

今年一番嬉しい出来事でした。

何かを成し遂げたとか、そんな大層なお話ではないのですが、パピーさんにお知らせしたくてメールしました(*^^*)

ココまで・・・

シリトンさんの息子さん。

計算カードの時には6以上の計算は考えもせず「はい、分かりませ~ん」と言うお子さんでした。

その難しかった6以上の計算も、さくらんぼ計算も、繰り上がりも繰り下がりも、一つ一つ乗り越え、又、持久走もどんどん早くなって、

「僕ってやるな~」とか「頑張ればできる!」という自信がみなぎっているんだろうな♪と思います。

先生の「こんなにも成長するものかと思いました」の言葉も本当に嬉しいですね♪

思えば最初の計算カード。躓きはしましたが、そこで諦めず乗り越えた事が、次々につながっていると思います。

シリトンさんも頑張りましたが、息子さんも頑張りました。

これから、どんな事を乗り越えて行ってくれるのか、とても楽しみです(^^)

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パピーいしがみ 人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。

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