第1177号 登校拒否のパターン
こんばんは。パピーいしがみです。
いよいよゴールデンウィークが始まりましたね。4月28日は、高速道路でも久しぶりに渋滞が起きていていました。
コロナを気にしながら車での移動をされる方が多いようです。
3年ぶりですものね。きっと少なからず感染は広がるとは思いますが、どうぞ気を付けてお過ごしくださいね。
そして前回、このゴールデンウィークの後、不登校になってしまうケースが多い、とちょっとだけお話しをしましたが、
「小学校に入って初めての連休なので、ゴールデンウィーク明けが心配です。もう少し詳しくお話を聞かせてほしい」というご要望がありましたので、
今回は「学校に行きたくない」のパターンと対処法を少しまとめてみたいと思います。
ちなみにこれは子供が“初めて”「学校行きたくない」と言った時の対処です。
“初めて”言い出した時の親の対処。
実はこれが“とても・とても”重要で、子供に「親はこんなリアクションを取るのか?」と強い印象を付ける事にもなります。
「不登校」とか「登校(園)拒否」が始まると、私たちはオロオロしてしまいますよね。
そして「ダメ!行きなさい」と叱る方もいれば、「頑張っているんだから1日ぐらい休んでも・・・」と即休ませる方もいます。
でもこれってどちらも「なぜそう思うのか?」という子供の気持ちを無視していますよね。
理由があいまいなのに、適当に対処をしていれば、それが正しいことはまずありえません(ギャンブルみたいなものです)。
ですから子供が「学校に行きたくない」と言ったら、まずしてほしいのは「そうなんだ。何かあるの?」と聞いてみてほしいのです。
まずは本人の行きたくない、その理由を聞いてもらいたのです。
でもここで「なぜ行きたくないの?」と威圧的な言い方ですと子供も本心が言えなくなってしまうので、
(行きたくない時もあるよね)と共感をしながら「行きたくない理由」を聞き出してもらいたいのですね。
仕事をしている方はもしかしたら「そんな事をしていたら仕事に遅れちゃう」と思うかもしれません。
でも、ここで失敗すると本当に不登校になってしまって、仕事をやめなけれならないようなことにもなる。
大きな大きな分岐点であることを理解してもらいたいんですね。
「少々仕事に遅れても、ここの対処が大事!」だとご認識頂き、時間を掛けてでも話を聞いて欲しいのです。
そして子供の行きたくないパターンですが、大きく3つあると思います。
【パターン1】
まずパターン1として、長期休みで学校に行かない事が普通になってしまい「できれば楽したい」というケースです。
簡単に言ってしまうと「怠惰」ですが、大人だって休みが続くと仕事に行きたくないように、
子供にだってその気持ちは起きて当たり前で、決して悪い事とは捉えないで下さい。
そしてこれは明るい子や元気な子にも多いのですが「もっと連休が続いていたらいいのにな~」という思いから、
ちょっと演技しながら「学校・・・行きたくないんだよね」なんて言ってみたりします。
ゴールデンウィーク明けや、夏休みなど長期のお休みの後によくあるのですが、
今、子供が「学校に行きたくない」と言ったら『無理に行かせないで』と言う精神科医や、世間の言葉が増えてきて、版で押したように『行かなくていい』と選択をする方が多いです。
しかし怠惰な気持ちで「もっと休めたらラッキー」と考えている子供に「じゃあ、休みなさい」と安易に休ませてしまえば、
翌日はもっと行きたくない気持ちになりますし、それが続くとさらに行きにくくなってしまい、数日休んで「今さら行けない」と本当の不登校になってしまいます。
又、友達が不登校だったり、クラスで学校に来ていない子がいると「自分も休みたいな~」と思うのもこのグループに入りますが、
話を聞いてみて「あ~、こりゃ怠惰な気持ちが強いんだな」と感じたら、
休み明けなら「誰でも連休明けは行きたくない気持ちが強くなるんだよ。でも体調が悪くないのならとりあえず学校に行ってみよう」のように、
『とりあえず学校に行く』と、友達と会ったり、遊んだりしているうちに「行きたくない」気持ちは薄れてしまいます。
それに学校に行ってみると「みんな来ている」事実も分かるので、自分の考えは正しくなかったという事も分かります。
誰もが持っている「行きたくない」という気持ちは、当日が最も払拭しやすいのですから、怠惰な気持ちからの「行きたくない」のであれば『とりあえず行ってみる』をしてみてほしいと思います。
(でも、きちんと時間を掛けて理由を聞いてくださいね)
【パターン2】
そしてパターン2として、「嫌がらせ」や「意地悪」「いじめ」がある場合です。
実はこのパターンは今、すごく減っています。
というのは学校でも気を付けているし、それぞれの親も子供に加害者にさせたくないので、注意をしているからです。
でも完全になくなったわけではありませんし、いろんな親がいるように、いろんな子供もいるのです。
このパターンでも子供が「行きたくない」と言い出したら、じっくり話を聞くことは同じです。
そして「どうやら意地悪やいやがらせがあるみたいだな」と感じてもすぐに「休ませる」という結論付けをするのではなく、
「あなたを守る」という事や「先生に連絡する」事を約束して、「相手が悪いんだから、あなたが我慢する事はない」と話してあげて欲しいと思うのです。
そして「どんな事があってもあなたを守るよ!」と約束してほしいのです。
実はこれって、私も経験しています。
私の娘がヤンチャな男の子にからかわれて、それがすごく嫌だから学校に行きたくない!という事がありました。
その時に「そうなんだ。じゃあさ、〇〇君に『お父さんすごく怒ってるからね!』って言える?」と聞いたら「うん」と。
そして学校でからかわれた時に「お父さんすごく怒ってるよ。うちのお父さん怖いからね」と言ったそうです。
そうしたらピタッとからかいがおさまった、と言っていました。
先生に頼るよりも、相手の親に連絡するよりも、このように「親の影をちらつかせる」方が効果がある場合もあります。
もちろん私はそれでも嫌がらせが終わらなければ、相手の親に連絡して、先生にも断りを入れ、本人(からかっている相手)と直接対決するつもりではいました。
(それで私が後ろ指をさされても)子供を守る為なら何でもする覚悟でした。
でもこの【パターン2】の場合、連休明けに子供が口にするとしたら、ちょっと親子の会話が少ないかもしれないと思っていただきたいと思います。
「嫌がらせ」「意地悪」「いじめ」がある場合、子供との会話がちゃんとできていたり、様子を見ていれば「なんかこの頃おかしいな」と感じますし、
日ごろからあまり学校が楽しそうじゃない雰囲気は出しているはずですから。
【パターン3】
そして今、不登校になりやすいパターンで、相談も多いのがこれです。
それは「他の子が怒られている姿を見るのが怖い」とか「先生の声が怖い」「周りの子が騒がしくてイヤ」のようなケースです。
これはお子さんの特性やHSCなど敏感な子・繊細な子に多い事でもあるのですが、本人の気質の問題なので、非常に対処が難しくもあります。
特徴はやはり怯えているような様子。強い不安や恐怖を感じているような表情です。
こんな状態の時に「なんでイヤなの!」と頭ごなしに叱ったり、無理やり連れて行くなどは逆効果だとご理解いただけると思います。
対処の仕方はやはり同じで「学校に行きたくない」と言った子供の気持ちをじっくり聞いてもらいたいのですね。
そして「怖い」という気持ちを払拭するのは難しいのですが、ゆっくり話を聞いてあげて気持ちを分かってあげる事で、
本人の不安な気持ちを吐き出せたこと、聞いてもらえた、理解してもらえたとで、楽になれる事もあります。
私たちからすると「自分が言われているんじゃないんだから」とか「そんなこと気にしなくていいんだよ」と言いたくなりますが、それは全く本人の気持ちの解決にはなりません。
なかなか話をしない口の重い子であれば「話してくれえてよかった♪」と言ってあげる事や、「わかった。先生にも伝えてみるよ」と言ってあげる事が本人の気持ちを軽くしてくれる場合も多いです。
そういう気質である事を親が理解して、先生にもご理解・ご協力いただくことで「我慢できない」状態から「なんとか我慢できる」ようになる場合もあります。
もちろんどうしても難しいのであれば保健室登校、という方法もありますし、今、校長先生の部屋で勉強させてもらう・・・なんて学校も増えてきています。
ただ、この「連休明け」で多いのは、やはり【パターン1】の傾向が圧倒的に多いのと、
そこに【パターン2・3】がくっついている複合型もあるかな?と思います。
どちらにしても「ここがすごく重要な時」というご認識と、適当にあしらわず「時間を掛けて聞いてあげる」事を心がけてほしいです。
ですからこの連休、完全にオフモードにするのではなく、学校が始まる日が近づくにつれて、早起きをしたり、時間のけじめをつけたり、生活習慣を戻してほしいのですね。
それで・・・過去のメルマガで、小学校のサポーターとして不登校や支援の必要な子のお手伝いをされている方の報告をご紹介させて頂きます。
なかなか学校に入れない子の気持ちを簡単に考えている校長先生と、ゆっくり少しずつ歩み寄るはぴままさん。
その違いはとても参考になりますし、はぴままさんのお子さんも不登校経験者。
“初めて”「学校に行きたくない」と言った時の対応も書かれていて、きっと参考になると思いますので、ご覧くださいね♪
第862号子供の不登校から学んだ事
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。