第1179号 愛情不足
こんばんは。パピーいしがみです。
先週の渡辺浩之さんに続き、今週はダチョウ倶楽部の上島竜兵さんがお亡くなりになったことは、すでに皆さん、ご存知だと思います。
お二人も相当にお悩みになり、苦しまれた結果だとは思いますが、
その後の、残された方の様子やコメントなどを見ると、どれだけ大事な存在だったかが分かります。
特に上島竜兵さんと仲の良かった出川哲郎さんや、一時は全く仕事が無くて生活できない時期を支えてもらっていた有吉弘行さんは、
毒舌を吐きながらも、上島さんの事を慕っている事が画面でも伝わってきましたので、どれだけショックだったかその気持ちを考えると、胸が痛いです。
(有吉さんは、まだコメントを発表されていません)
もしかしたら亡くなる方は、自分に存在価値が無いとか、「死んだ方がまし」と思う事があるかもしれませんが、
自分の命は決して自分だけのものではなく、悲しむ人は必ずいるんですね。(存在価値のない人なんていないのです)
突然、自ら終わりを選ぶことは、深い悲しみを多くの人にもたらすんだ、と知って頂き、
それが、最後の一線を越えない抑止力になってほしいな~と願わずにはいられません。
ご遺族や残された方の心が早く癒えますように。
さて、今日のメルマガの題材は「愛情不足」としました。
「愛情不足」ってよく耳にすると思いますが、私は「あ~、それは愛情不足だね~」などと、何でも簡単に結びつけることに疑問を持っています。
でも実際に愛情不足でいろんな不具合やトラブルが表れている子もいます。
今日、ご紹介するKIKIさんは、学校から「〇〇君、愛情不足ではないですか?」と言われて、勉強を始めてくださった方です。
その「愛情不足」という言葉を保育園からも小学校からも聞いて、いろいろ調べているうちに私のホームページにたどり着いたとの事でした。
でもKIKIさんご自身も、ご両親には厳しく育てられた方で、ご自身の対応は普通だと思っていたそうです。
ですが3人兄弟の長男さんは、兄弟げんかを頻繁に起し、叱れば癇癪を起し、親のいう事は聞かないのに、あれこれ要求が多く、ワガママばかり言う・・・との事でした。
ちなみにKIKIさんにはお子さんが3人おられて、その都度育児休暇は取っては来たけれど、
毎日が忙しく、子供と接する時間は、やっぱり少なかったようですし、無駄に話をしたり笑ったりするよりも、
「早くして」「もうやめて!」などと怒鳴っている事が多かったとの事でした。
そして5章の目標を作ってメールを送っていただく宿題の時、こんなメールも一緒に頂いていました。
ココから・・・
パピーさん、初めまして。これからお世話になりますKIKIと申します。
私がパピーさんの勉強を始めたのは、保育園・小学校からも「(長男が)愛情不足ではないですか?」と言われたからです。
長男は小さいころから物欲や、独占欲が強くて、はっきり言ってワガママでした。
又、デパートのおもちゃ売り場に行けば「あれ買って」「これ買って」とフロアで寝っ転がって大騒ぎをするような子でした。
でも保育園でも友達とケンカしたり、先生に唾を吐いたりして、その度に「愛情不足では?」と言われてきました。
確かに両親ともに仕事を持っていますし、子供は3人いて、上の子一人に十分に相対する事はしていませんでしたが、
私が育った時も兄弟は3人で、両親は共働き。結構厳しく育てられたし、それでも今の長男ほどワガママではなかったのに・・・、
長男は保育園に続いて小学校に入っても、又、先生から「愛情不足では?」と言われてしまいました。
保育園でも、小学校でも指摘されたのなら、きっとそうなのだろう。私の態度を変える事で子供の様子が変わるのなら?と勉強する事にしました。
どうぞよろしくお願いします。
ココまで・・・
という内容でした。
私がその文面を見て、ちょっと感じたのは
(KIKIさんは、愛情不足とは言われても、それがなぜか?先生はどこから愛情不足と感じたのか、それはお聞きになっていないみたいだな)と思ったのと、
KIKIさんご自身も(そうは言われても、これ以上、1人の子に時間は割けられないし)という気持ちがあるように感じたので、
まずは「先生にはなぜ愛情不足と感じたのか聞いてみましたか?」とお聞きしてみたら「聞いていません」との返事。
なので「先生が気づいてくださったのには理由があるはずなので、早い段階で聞いてみてください」とお願いしました。
そうしたらこのようにお返事くださいました。
ココから・・・
パピーさん、先日は私のメールにわざわざお返事を下さってありがとうございます。
先生がなぜ愛情不足と感じたのか聞いてみましたか?とお返事を頂いて「え、そんな事、聞いていいんだ!」とちょっと驚きでしたが、
『早い段階で』とも書かれていたので、聞いてみました。
そうしたら、理由は2つあって、一つは、担任の先生にベタベタしてくるのだそうです。
先生は教師生活は10年弱ぐらいの男性ですが、体をすりよせたり、先生にまとわりついてくる子って、
家ではお父さんお母さんに構ってもらえていない子が多いので・・・と言われていました。
もう一つは、学童保育の先生にも「〇〇君はもしかしたら愛情不足かもしれません」と言われたから、との事でした。
先生はその時「あ、やっぱり」と思ったらしく、なぜ学童の先生がそう思ったか?については聞かなかったそうですが、
その後、学童の先生に聞いてくださって、電話でご連絡を下さいました。
学童の先生は「〇〇君、すごく絆創膏を貼ってほしい」って言ってくるんです、との事でした。
学童の先生は、長年子供達と接していて、絆創膏に執着している子は、愛情に飢えている子が多いので・・・という理由でした。
「えっ?絆創膏?」と思いましたが、でも家では絆創膏を貼ってほしいなんて言わないし、何か関係があるんでしょうか?
ココまで・・・
このお返事を聞いて「あ、そういう事か・・・」と私は納得し、このようにお返事しました。
ココから・・・
KIKIさん、お返事ありがとうございます。
まず私が「早い段階でお聞きになってほしい」とお願いしたのは、「鉄は熱いうちに打て」ではないですが、
小学校に入ったばかりで担任になった先生がそう忠告してくれたとしたら、そこには必ずそれなりの理由があるはずで、
その理由を知っておくと、KIKIさんが今後、勉強をする為にも、それがモチベーションになるはずだからです。
そして「そんな事、聞いていいのかな?」という疑問を持たれたようですが、学校の事は親には分かりませんから、
先生から指摘を受けたり、アドバイスをもらった時など「詳しく教えて欲しい」や「それは何故でしょうか?」などどんどん質問をなさっていいのです。
先生も子供を直すには家庭の力が必要、と考えてアドバイスを下さっていますし、それについて聞くことをイヤだとかメンドクサイとかは絶対に思いません。
せっかく「愛情不足かもしれない」と言ってくださったのですから「どうしてそう思われますか?」と聞くのは全然大丈夫なんですね。
そして絆創膏の件ですが、実はこれ、ものすごく関係あるんです。
もともと「子供達は絆創膏好き」でもあるのですが、それこそ小さな擦り傷でも「怪我しちゃった」自分に対して、
「手当」をしてもらう事で、誰もが「自分を大事にしてもらった」という気持ちになります。
(たった一枚、絆創膏を貼ってもらう事で「大事にされている自分」を感じられるのです)
特にその「大事にしてもらう」という経験が少ない子の場合、“絆創膏を貼ってもらう”という行為が、とても嬉しく満たされた気持ちになるのですね。
本来「傷を早く治すためのもの」なので傷がないのならつける意味はないのですが、
あまり「大事にしてもらう」経験が少ない子や、それこそ家庭で満たされることが少ない子の場合、
傷もないのに「ここが痛いから絆創膏貼って」とか、すでに直っている傷にも「又、ここが痛くなっちゃった」などと訴えてくるケースもあるんです。
でも絆創膏なんて、安くてたくさん入っているものもありまよね。
なので学童や保健室などで、そういう子がいたら、要求に応じて絆創膏を貼ってあげることで、気持ちが満たされて帰っていく、という子も多いと聞きます。
それらを総合して考えてみると、長男さん小さいころから物欲や、独占欲が強くて、親から見てもワガママだった。と書かれていましたね。
又、3人兄弟のお兄ちゃんという事でもあるようなので、もしかしたら生まれたばかり(一人だけ)の時には、十分満たされていたのが、
下の子達が生まれ、兄弟が増えるに従って、だんだん自分への関心が薄くなっている、と感じていたかもしれませんし、
実際、上の子は叱られる頻度も増えますからね。
今、兄弟げんかが多かったり、酷い癇癪、親の言う事は聞かないのに、あれこれ要求が多い・・・なども
本当はもっと自分をみてほしい、自分の事を大事にしてほしい、という思いがあるかもしれません。
どちらにしても、今回、子供達に(特に長男さんに)どうしたらいいかの方向性が分かったと思いますので、是非、意識して関りを増やしてあげてみてくださいね。
良い関係を作っていけば、きっと変化があると思います。
ココまで・・・
その後、KIKIさんは、勉強を始めてくださったのですが、変化はすぐに現れたようです。
約3ヶ月後に、こんなメールを頂きました。
ココから・・・
先日は、私の書いた何気ない文面に気づいていただいて、ありがとうございました。
「絆創膏を貼ってほしい」という子供の気持ち。とても理解できました。
私は仕事が好き、というわけではなかったのですが、子供も増えて収入も減らしたくなかったので、
つい仕事を優先し、子供達には「協力してよ」「邪魔をしないで」という思いでした。
でも、子供達を育てるために収入を得ているのですから、私の考え方はいつしか逆になっていたことを思い知らされました。
幸い、会社では一時、パートタイムにして勤務時間を減らしてもいいと言ってもらったので、
主人と話し合って、私はもう少し子供達との時間を増やすことにしました。
最も喜んだのは長男でした。
あれだけ毎日叱られて、私ともいがみ合っていたのに、驚きました。でもそれだけ本人には不足していたのだと思います。
私に時間ができた事で長男の宿題(本読み)も、今までは洗い物や料理など作業しながらでしたが、
作業を止めて、子供の前に私が座って目をつぶり「全身であなたの声を聴きますよ」という姿勢で聞こうとすると、
その読み方はとても丁寧で、心を込めて(抑揚をつけて)読んでくれます。
私が拍手すると、次男も三男も一緒に拍手をしてくれて、長男がはにかみながら「じゃあ、もう一度、読んであげようか?」と嬉しそうに聞いてきます。
「うれしいな~。もう一回読んで!」と言うと「しょうがないな~。じゃあ」とまんざらでもない顔で読み始めます。
他にも私の膝に座ってくるので、後ろから手をまわしてあげると、本当に嬉しそうに体を預けてきます。
私も「この子、こんなに可愛かったんだ」と思い出しました。
パピーさんからお返事を頂いて、まだたった2ヶ月とちょっとぐらいですが、兄弟ケンカもすごく減りましたし、
「反抗期か」と思うような理不尽な要求も、酷い癇癪もワガママもほとんど見なくなりました。
とりあえず、経過報告として、変化をお伝えしたいと思ってメールしました。
これからも頑張って勉強続けます。よろしくお願いします。
ココまで・・・
KIKIさんがお仕事までセーブされた、とは思い切ったと思いますが、でもその価値はあったと思います。
お母さんの時間が増えた事で、一番喜んだのは長男さんだった・・・。
子「じゃあ、もう一度、読んであげようか?」
母「うれしいな~。もう一回読んで!」
子「しょうがないな~。じゃあ・・・」
とても微笑ましいやり取りですよね♪
そしてこんな「何気ない時間」が大事なんですね。
今回、この件をメルマガでご紹介したい旨をKIKIさんにお伝えしたところ、
以前「絆創膏を付けたがる」と言われていた学童の先生から
「この頃すごく成長してくれたみたいで、とても気持ちが落ち着ています」
「そう言えば、いつからか絆創膏を欲しがらなくなりました」「みんな(学童の先生同士で)〇〇君、変わったね~って言っていたところなんですよ」とお話しいただいたそうです。
うれしいですね~(^^)。
これからもこの“いい感じ”お続けくださいね♪
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。