第1181号 プレゼン力
こんばんは。パピーいしがみです。
今日はその学校の先生からあったご相談を紹介したいと思います。
小学校の先生、幼稚園の先生も、家庭に帰れば普通のお母さん。
普通にある問題が普通に起きますし、分からない事も当然ありますし、もちろん普通に悩みます。
ひまわりさんのお悩みは小学3年生の男の子の「反抗期のような態度」でした。こんなご質問を頂きました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。ひまわりです。
まだ息子が保育園の時「幼稚園行きたくない」が酷く、癇癪を起して大変だったのですが、
相談させて頂いた後、数か月で保育園にも慣れ、今は職場に復帰して、又、小学校教諭として頑張っています。
あの時の息子ももう3年生になりました。
そこでちょっとご質問をさせて頂きたいのですが、パピーさんは、先生の子供としてプレッシャーとかありましたか?
実は、私の息子が2年生の頃から態度や口答えが酷く「反抗期なのかな~」と思いつつも、まだ早いような気もしています。
でも学校ではとてもいい子らしいのです。
担任の先生も知り合いですが「実は家庭では・・・」と話をすると(え~?〇〇君が?!)と驚かれます。
両親が先生という職業も関連しているのかもしれないし、子供自身にプレッシャーがあったり、のびのびできていないのかな?と考えたりしています。
ですが親の職業が原因としたら、これは変える事はできないし、どうしたらいいんだろう?とも思うのですが、
まずは子供の気持ちをパピーさんに聞いてみようと思ってご質問させて頂きました。
ココまで・・・
とこんなごご質問でした。
具体的にどんな態度で、どんな風に口答えがあったりするのか、詳細は書かれてはいなかったのですが、
まずは「子供自身のプレッシャー」という事でお返事しました。
ココから・・・
ひまわりさん、こんにちは。メール拝見しました。
小学3年生のお子さんが、態度や口答えが酷く「反抗期かな」と感じておられるようです。
そこでお子さん自身にプレッシャーがあるのでは?というご想像で、当時の私の気持ちをお聞きいただいたと思うのですが、
結論から言うと、私は親の仕事に対するプレッシャーは全くありませんでした。
というのも我が家には、私が幼いころから学校の先生が訪れたりして“先生の普段の姿”を見ていましたし、
「先生だって普通の人間だな」とか「この人たち全然立派じゃない」という見方があったからだとも思います。
ただ、親には「周りからは先生のお子さんと見られている」という意識はあったと思います。
今は、もしプレッシャーがあるのなら、子供よりも親自身では?と思っています。
やはり先生の子供が『大変な問題児』だとしたら、噂話のネタにはなりやすいですし、陰では笑われていそうに感じます。
私がもし学校の先生だったら「子供には間違いを起させない」と、当時の知識だけでかなり高圧的に命令したり厳しく叱責しながら育てただろうな、とは思います。
実際、父は相当に厳しかったし、朝から晩まで叱られっぱなし。父としては『それが正しい育て方』だという信念があったのだと思います。
でも親の思惑とは違い、私はどんどん悪くなっていくし、怒られれば怒られるほど反発して、私は親への復讐のように悪さをするようになりました。
ですが私だけでく、人の上に立ち教える仕事をされている方。後ろ指をさされたくない方のお子さんに、問題を起すケースは多いな~とは思っています。
私が知っている中では、やはり皆さん。叱りつける。怒鳴る・・・そんな「恐怖で言い聞かせようとする」育てられ方をしていました。
今回のご質問が「子供自身のプレッシャー」という質問だったので、私の事はこのぐらいにしておきますが、
問題は今の息子さんの『反抗的な態度』だと思うのです。
詳しいことは書かれていませんでしたが、私は反抗期ではないと思うのですね。
反抗期になるのは、親に反抗できるだけの力をつけてきた時で、
2・3年生のお子さんが反抗するのであれば、何か別の理由があると思います。
ただ、この時期に反抗できるのは、私は悪いことだとは思っていません。
というのは「反抗できる」「自分の意見を言える」という家庭環境にあるからです。
私の時は力でねじ伏せられていたので、2・3年生の時には、怖くて反抗なんかできなくて、じっと耐えるだけでした。(そして数年後、爆発しました)
なので「反抗期」と捉えるより、自分の考えを持ち始めて、「僕の話を聞いてほしい」とお考えになった方がいいんのでは?と思うのです。
もし、心当たりがあるようでしたら、お返事頂ければ、もう少し深くお返事できるかもしれません。
ココまで・・・
このようにお返事したところ、ひまわりさんにも「先生として」という思いがある、とお返事頂きました。
そして講座を勉強することで褒める事も、甘える事も増やしたつもりではいたけど、子供にそれを聞いてみると、
「褒めてもらったことなどない」との返事。
そして、今の子供の反抗的な態度が、反抗期ではないとしたら、どう対処していったらいいでしょう?と改めてご相談頂きました。
私はこうお返事しました。
ココから・・・
ひまわりさん。こんにちは。
まずお子さんに「褒めてもらったことなどない」と言われてしまった、との事でしたが、
ひまわりさんとしてはショックかもしれませんが、今、それを聞けて、本当に良かったと思いますよ(^^)。
というのもこれで、子供の不満のガス抜きができるからです。
前回もちょっとお話しましたが、私はずっと我慢して、中学校で爆発しました。
それはやはり上から押さえつけられていて、ガス抜きをさせてもらえなかったからでもあります。
そして今、息子さんが不満を表しているのであれば、きちんとテーブルについて、要望を聞いて下されば良いのですね。
「要望を聞く」というと、何でも思い通りにしてあげる、と捉えられがちですが、そうではなく、
「聞く」だけでいいんです。まずは子供の言いたいことに耳を傾けて、文字通り「聞いて」下さい。
子供が言いたいことを言ったら、その中で「これは受け入れられる」「でもこれはできない」と分類してあげて欲しいのです。
自分の意見を持った子供にとって「意見を聞いてさえもくれない」という事に最も憤りを感じます。
でもそれは、私たちも同じじゃないですか?
「こうした方が良いと思う」という意見があっても、話を聞かず却下されたり、
「お前ごときが何を言うか!」なんて態度をされたら、要望が通る通らないではなく、そんな言動に腹が立ちます。
当然、まだ8歳・9歳の子供の考えですから、大人からすると検討に値しない事もあります。
でもだからと言って頭ごなしに否定したり、聞く耳も持たなかったりすれば、ただ単に『感情的に腹が立つ』状況を作ってしまうのですね。
だからポーズでもいいのです。言いたいことを全部聞いてあげてください。
そうやってスッキリさせたところで、「そう、あなたの気持ちは分かった。でも〇〇はできないよ。なぜなら・・・」とできない理由を話してあげたり、
「これについては全部を聞き入れる事はできないけど、双方の意見を取り入れて・・」と落としどころを作ることはできますよね。
ただ正直に申し上げて、現実的には簡単ではありません。
子供が納得するだけの理由を考え、話すのは頭も使いますし、苦労もすると思います。
でもこのディスカッションも子供の勉強の為なのです。
子供が自分の親を説得する、そのプロセスも成長の一つですし、今後、人に説明したり、理解させたりする上で、非常に大事な力になります。
その力って、私たちがよく聞く言い方で言うと、「プレゼン力(プレゼンテーション能力)」という事です。
今、「プレゼン力」って注目されつつあるのはご存知でしょうか?(ネットで調べて頂くとワンサカ出てきます)
インターネットが発達して、しゃべることもせずにライン等で気持ちを伝える事が普通になって、自分の気持ちを話せない・伝えられない人が増えています。
また、そんな時代だからこそ、プレゼン力のある人が求められ、又、重宝されているんですね。
でも、それが『家庭で育つ』と理解されている方は少ないように思います。
特別な力なのではありません。家庭でちゃんと教える事ができるのです。
今の息子さんの状態も、コミュニケーション力・プレゼンテーション力を高める、最高のタイミングでもあるのです。
それを考えたらどうですか?
「反抗期?」と思うより、これを機に才能を伸ばしてあげられる絶好の機会、と捉える事ができますよね?
そうすると、いかに子供を説得させるか、言い聞かせるか?ではなく、子供がどうやって親を説得させようとするか、その最適な練習にもなるわけです。
当然、親が納得できない説明に折れる必要はありません。でも、話を聞いてもらって説得できることがあったり、少なくとも話をちゃんと話を聞いてもらえれば、
今後も子供は子供なりに「こんな風に説得したら、親の気持ちを変えられるかもしれない」といろいろ考えながら、試行錯誤をして話の組み立てができるようになるのです。
その結果、子供に折衝する力(コミュニケーション力・プレゼンテーション力)が身に付き、その上、不満や憤りが解消されるとしたら、最高ですよね。
息子さんにも思うところがあるようですから、まず時間を取って、話を聞いてみてください。
きっと「この子、こんなに考えられるようになったんだ」と驚くと思います(^^)。
そしてこれからもきっと、子供からの交渉もあるでしょう。
それを続けていき、成長していくと、必要なコミュニケーション力・プレゼンテーション力をもった大人になっていくと思います。
常に子供は学びの場にいますからね。めんどくさい事もありますが、このチャンス。是非、生かしてほしいです(^^)。
ココまで・・・
このようにお返事したら、ひまわりさんからお返事を頂きました。
ココから・・・
パピーさん。お話聞けて良かったです。とても分かり易いお話でした。
プレゼン力。考えた事もありませんでした。
以前、子供が保育園に行かないと騒いだ時に、酷い癇癪を起して暴れまわった時の事が思い出され、
3年生になった息子が又、以前のように暴れるのか?と思うと怖くて、どうやったら説得できるだろう?納得させられるだろう?とそればかり考えていました。
学校では、絶対に頭ごなしに叱らず、生徒の話を聞くように努めていたのに、自分の子となるとダメですね。
そして「プレゼン力を伸ばす絶好のタイミング」と言われて、気持ちが180度変わりました。
今までは“困った子”“どうしたらいいんだろう?”が、“交渉できるまでに成長したんだ”“これからはプレゼン力を高める時期だ”になりました。
そして「プレゼン力」と聞いてすぐ、スティーブ・ジョブズの事を思い出しました。
アップル社が新しい製品を紹介する時にスティーブ・ジョブズが壇上で、その魅力を淡々と語っていく・・・あの姿が思い出されて、
息子もあんなふうになったらすごいな~と思ったら、「困った」が「ワクワク」に変わりました。
そして「時間を作って、しっかり聞いて、しっかり意見交換をしよう!」とガラッと考え方が変わったのが驚きでした。
早速、「前にあなたが言っていた、ゲームの時間についてルールを変えたいのなら、どんな風にするのか話して」と言ってみました。
その後、息子はなんと言ったと思いますか?
息子は「じゃあ、意見をまとめるから待って」と言って、自分で紙に書き出したのでした。
これって、それこそプレゼンテーションの準備ですよね。
まあ、内容は「ゲーム時間を(今、1日30分)15分延長と、土日は1時間にしてほしい」という事だったのですが、
その理由に「他の友達は際限がない」とか「ウチだけルールが厳しすぎる」とか、本人が考える理由も書きだしていて、
「なるほど、ちゃんと聞こうとすれば、こういう準備ができるんだな」と感心しました。
でも「他の友達が・・」とかは、関係ない事です。
その場で「それは違う・・・」と言いそうになったのですが、全部話を聞いて、
「なるほど、分かりました」
「ただ他の友達の家庭と、今のあなたの家庭とは違う家庭なので、比較をしてもそれを理由に変更はしないけど」
「あなたが、テレビの時間や、ゲームの時間をきちんと終われて、時間のメリハリが付けられるのなら、15分の延長も、土日の1時間も変更しても構いません」
と言って二人で「1日のゲーム時間、平日は45分。土日は1時間に変更する」と紙に書いて壁に貼りました。
そして(パピーさんが以前、お話しくださっていたように)「もしできなかったらどうする?」と聞いてみたら、
上記の約束の下に「もし約束を破ったら、3日間ゲームはできません」と自ら提案し書き入れました。
(もし約束を破ったら、私がゲーム用コンセントを没収することになりました)
驚いたことに、それからはテレビも自分で消すし、言われなくても宿題を始めたり、そして不機嫌な態度や、口答えなどもなくなりました。
これも話を聞き、本人に提案させ、自分が決めたから、という結果だと思います。
そしてパピーさんが言われたように、「この子、こんなに成長していたんだ」と驚きました。
いつまでも小さい子のように扱っていましたが、自分の意見を持ち、コミュニケーション力・プレゼン力を高める事ができるのなら、しっかり時間を作って話し合っていこうと思います。
とてもとても貴重なお話をありがとうございます。
(「プレゼン力」について、学級通信でもお伝えしたいと思いますがよろしいでしょうか?)
ココまで・・・
とお返事を頂きました。お力になれてよかったです。
最後に(「プレゼン力」を学級通信に・・・)とありましたが、もちろん私のオリジナルではないので、どうぞ紹介して頂ければ・・・と思います。
ひまわりさんのお返事を頂いて私も「そうだな~」と思ったのですが、
今でこそ、車や商品、新しいシステムなど、大きな会場でたくさんの人に対してプレゼンするのは普通になりましたが、
最初にやったのはスティーブ・ジョブズでしたね。
私も初めて見た時(アイフォンだったと思いますが)カッコいい!と衝撃でした。
コミュニケーション力・プレゼン力が落ちてきている現代。
だからこそその力を持っている人が貴重な存在になってきます。
是非是非、今後さらに重要視される、それらの力が付くように、会話やディスカッションを増やしてくださいね。
あくまでもその発掘場所・最適な練習場所は『家庭』ですからね♪
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。