第1184号 ワンオペ育児のその後
こんばんは。パピーいしがみです。
ワンオペというと私たちは「お母さん一人で奮闘している」というイメージですが、
先日、某外食チェーン店で、ワンオペ(ワンオペレーション・一人勤務シフト)の中、体調不良で倒れたのに誰にも気づいてもらえず亡くなった、というニュースがありました。
この外食チェーンは以前にも、労働環境が問題になって、指導が入ったはずなのに、又、同様な事故が起きてしまって。
ただ、そのワンオペ事故で、以前の事を思い出してメールを下さった会員さんがおられます。
今日はちょっとそのご報告を紹介したいと思います。
ココから・・・
パピーさん、とてもご無沙汰しています。
以前、ワンオペの事でご相談をさせて頂いたリボンです。
もう何年か前になるのですが、相談だけしておいて、その後のご連絡もせずすみません。
牛丼店のワンオペ勤務のニュースで思い出し、遅くなりましたが、その後の報告をさせて頂きます。
おかげさまで、あれから我が家はかなり変わりました。私の気持ちが満たされたことが何より大きかったですが、
夫が私の気持ちも理解しようと努力してくれたり、積極的に手伝ってくれたりしています。
もちろん私も「当たり前」とは絶対に思わないように「ありがとう」の言葉とねぎらいの気持ちを表しています
(つもりです)。
もう3年近く前になりますね。もうあの時は3歳の長女と生まれたばかりの次女を抱えて、毎日ブチギレていました。不満ばかりでした。
原因はやはりワンオペ育児。
これはさすがにパピーさんでも、解決方法は難しいだろうな~、と思いながらご相談をさせて頂いたのですが、「私もちょっと考えてみます・・・」とお返事くださって、
その後、メルマガで夫への手紙付きの記事を書いてくださって、とても感激しました。
夫の仕事で田舎から都会に来て、知り合いもいない、親にも頼れない、かといって専業主婦だからベビーシッターさんを頼んだりもしにくい。
四六時中、子供と一緒にいて、子供は可愛くて大好きだけど、イライラして怒っちゃうし、夫にも文句を言ってギスギスしちゃう。
(子供に対して)「〇〇したら××だからね!」とか失敗すると「ほら~、だからダメって言ったでしょ!」とか。
「あんたはわざとお母さんを困らせているんでしょ!そんなにお母さんが嫌いならもういいよ!」なんて長女に言っていました。
そして長女がギャン泣きして「ごめんなさい」と言えば、少し気持ちが楽になるのです。
酷いですよね。叩いたりはしませんでしたが精神的には間違いなく虐待です。
見かねた夫に注意されると「自分はいいよね。逃げ場が有るから。私はずっとこの状況から逃げられへんのよ!」と言ったり、
ケンカを吹っ掛けるチンピラ状態でした。
それを夜になって反省し、私ってこんな人間なんだ・・・って、母親失格だとか、人間失格だみたいな気持ち。
なのに翌日になると、又繰り返していました。
夫もそんな私が鬱陶しかったと思います。
はれものにさわるような雰囲気でしたし、帰りも遅く朝からお互いに口をきかないのが普通になっていました。
自分でも「私が雰囲気を壊しているよな~。良くないな~。分かっているんだけど・・・」と思いながらも冷静な考えができずに悩んでいたところ、
パピーさんから「ワンオペ育児の記事を作りました。その中で“私からのお願い”という事でご主人への手紙を書いたのでご主人に読んでもらって」というメールが届きました。
私のことを気にかけていてくださったんだ、とすごく嬉しかったです。
また、自分の言葉で旦那さんには言うにはとても難しいことを、パピーさんが「個人的なお願い」と書いてくださったこと。
そして旦那さんに「してください」ではなく「協力してほしい」と書いてくださったことなど、夫の心情までを察した深い思いやりを感じました。
そして私にも「だからと言って、ご主人の子育て参加を“当たり前”と思ったらいけません」と書いてくださって、
「当たり前」というその気持ちや、態度がせっかく協力してくれようとしている気持ちを踏みにじるのですよ」と戒めてくださって、
これが男性の立場、女性立場だけで考えるのでなく、父・母としていい方向に向かわせようとお考えのパピーさんならではだな~と、改めてすごいと思いました。
今「夫育て」とか言って「旦那も子育てに参加させて、どれだけ毎日の家事が大変なのか分からせる!」のような、
厳しい言葉をおっしゃるコメンテーターさんや、強制的にでもやらせようとする女性がテレビでもとても増えていると感じますが、
あれって妻が夫に取るマウントになってしまいますよね。
現実的にそれをやったら、受け入れてくれるどころかケンカになると思います。(良い方向に向かうとは思えません)
その中で、パピーさんの文章は、あくまでも読み手(男性)の気持ちを考えながら、上手に「手伝ったほうがいいな」と思わせるような書き方で、
育児に夫が参加するとっかかりにはすごくイイし、夫が子育てに参加してくれたら、次はそれを(2人で分担ぐらいに)夫がやってくれるようにもっていくのは私の頑張りだな~と感じました。
すぐに、パピーさんの作ってくださった手紙(メルマガの切り抜き)を夫に見せよう!と気持ちは決まりました。
が、どうやって見せたらいいか・・・次はそれを悩みました。
ぶっきらぼうに「これ読んで!」とメールで送れば、強制の印象が強くなるだろうし、それだとせっかくのソフトな文章の印象が失われます。
読んでくれるようにプリントアウトして置いておく・・・というのもわざとらしい。
3日ほど悩んで「正直に(手紙部分の切り抜きではなく)全文を送ろう。私も“当たり前だと思わないように”とパピーさんに言われている事も伝えよう」と決めました。
そして、夫が仕事に行っている時に
「実は私は子育ての勉強をしていて、今、子育てが辛い事をその先生に相談していました。
そうしたらご主人が最大の味方であり、理解者であるのだから、不満をぶつけるのではなく、素直に力になってもらえるようにお願いしてみほしい?と言われました。
そして全国のお母さんの為に、記事を書いてくださって、私にも“旦那さんにも読んでもらって”とメールをくれましたので、時間があったら読んでください・・・」
と書いて、メルマガの記事の全文をコピペして夫に送りました。
お昼休みに読んでくれたらしく「そうか・・。気づかなくってゴメン。あまり役に立てないかもしれないけど、少し荷物を持つところから始められるように頑張るよ」と返事をくれました。
(この「少し荷物を持つところから」というのもパピーさんの表現で、夫にとっても敷居が低くなったのだと思います)
そこから私は変わったと思います。
帰ってきて夫に「今日はゴメンね。メール読んでくれてありがとう」と言ったら、
「あ・・・うん。じゃあまずは何をすればいいかな?」と言ってくれて、私はそれだけで今まで背負っていた荷物がすごく軽くなったのを感じました。
そうなんです。
私が求めていたのは夫が何かをしてくれる行動なのではなく、“夫の気持ち”だったのです。
パピーさんも手紙の中で書かれていましたよね。
「奥様が子育てに悩んでいないか、相談したい事は無いか、耳を傾けてほしく思うのです」
手紙を一読した時には、あまり響かなかった部分なのに後になって「私の気持ち。ここに書いてあった!」とビックリした覚えがあります。
「じゃあまずはご飯食べて・・・」と夕食を温めている時、張りつめていた糸が切れたように、涙があふれて、思わずしゃがみこんで泣いていたら
夫が「どうした?」と。
私は「私の事を気にかけてくれて、すごく嬉しかった。気が楽になったら、なんだか涙が出てきて・・・」と鼻をグスグスしながら言うと、
「そうか。ごめんな。分かってあげられなくて」と言ってくれました。
その後は夫が帰宅すると「お疲れさん。今日はどうだった?」と聞いてくれたり、
日曜日には「今日は一人で子供達を連れて遊びに行ってくるよ」と私に時間を作ってくれたりします。
「たまには羽を伸ばしていいんだよ」と言ってくれますが、子供のいない時にやりたいこともたくさんあるので、夫が子供を連れだしてくれる時間に、それらをかたずけます。
一人で子供を見る事の大変さを分かってくれたようで、「オレ、仕事だったら毎日行けるけど、子供の面倒は毎日は無理だ~」と言っています。
それでも子供を連れて遊んでいると、周りのお母さんからは「あ、いいわね~今日はパパと一緒?」と声かけられた・・・など、
本人もまんざらではないみたいです(笑)。
それはそうと一つ。パピーさんに謝らないといけません。
実は私。パピーさんのご指導って古いのでは?ってちょっと思っていました。
年齢的にも大先輩ですし、今どきの子育ての主流とは違うのでは?って。
でも、私が「今の子育て」「正しいやり方」と思っていた方法、考え方は、合理的ではあっても、決して良い結果が現れるわけではありません。
そんな私がどうにも動きが取れなかったのに、今、素直になって勉強をして、パピーさんの考え方に合わせていくと、いろんなことがうまく行くのです。
それもみんなが協力してくれたり、助けてくれたり、そこに喜びも、楽しみも、そして希望もあったりします。(なんというか健全で気持ちがスッキリしています)
もう勉強をし始めて3年になりますが、あの時「古い」と思っていた自分が恥ずかしいです。本当に申し訳ありませんでした。
長女は今年、1年生になりました。
ちょっと引っ込み思案で、緊張しいなところもありますが、1人も友達がいなかったところから、今では何人もの友達ができて、楽しく遊べていますし、
次女も今年から幼稚園で、毎日「早く早く(幼稚園行きたい)」とせかされるほど、幼稚園大好きです。
私といえば、実家から送られてくる野菜をご近所にお分けしたり(今、野菜が高いのでとても喜ばれます)、お返しを頂いたりしながら、
ご近所さんとの関係も良く「いつでも子供を預かるよ」と言ってもらったりして“遠い親戚より近くの他人”で過ごしています。
又、子供の勉強時間に合わせて、何か資格を・・・と思って宅建(宅地建物取引主任者)の勉強を始めました。子供達と一緒に机を囲んで勉強しています。
もし合格したら、不動産関係の会社に再就職しようと私個人の目標もできました。
(パピーさんがご紹介してくださった小倉優子さんの早稲田受験を頑張っている姿から刺激を受けました)
3年前、ボロボロの私。ギスギスの我が家からは、今の状況は信じられませんが、確実に充実した毎日を送れています。
パピーさんには、本当に感謝しかありません。又、時々ご報告(もしかしたらご相談かもしれませんが)させてください。
私の気持ちを保ち続ける為にも、フォローメールをしっかり読んで、勉強は続けます。
今後ともよろしくお願いします。
ココまで・・・
リボンさん、貴重なご報告ありがとうございます。
そうそう。ワンオペについては私たちの努力だけではどうにもならなくて、やっぱり一番近くにいらっしゃるご主人に「二人の子供なんだから」っていう意識を持っていただくのが一番なんですね。
でも(リボンさんも書いておられましたが)その正当性を押し付けて強制しようとすれば、ご主人が怒ってしまうこともあるし、
すんなり受け入れてくださる方ばかりではないと思って、できるだけ読んでいただきやすく・・・と思って、できるだけソフトにしたつもりでした。
でもあの手紙がお力になれたようで、私としては「考えた価値があったな~♪」と嬉しく思います。
ちなみにもう数年前の事なので、ご存じない方もおられると思いますから、一度ご覧になっていただければ・・・と思います。
第1057号 ワンオペ育児
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。