第1186号 守りたくなるルール
こんばんは。パピーいしがみです。
今日のタイトルは「守りたくなるルール」としました。
もし子供が守りたくなるルール作りができたら、親は楽ですよね。
誰もが知りたい内容だと思います。
私も今まで、これだけストレートなご質問を頂いたことが無かったので、お話しすることが無かったのですが、
お返事しているうちに「これって話したことなかったな~」と思って、急遽、メルマガの内容を差し替えさせて頂きました。
きっと参考になると思いますので、ご覧くださいね。
ご相談頂いたのはハナさん。ハナさんからは、こんなメールを頂きました。
(ちなみに娘さんは5歳です)
ココから・・・
パピーいしがみさん
こんにちは、ハナです。
今回は、娘の「ワガママ」にどのように対応すべきか、ご相談したく連絡いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
相談したい内容は『娘の「ワガママ」への対応』です。
娘が守りたくなるようなルールの作り方が知りたいです。
我が家には
1.お菓子は1日1個まで
(理由: お菓子を食べ過ぎて、夜ご飯を残したことが何度もある)
2.テレビやタブレットなどのスクリーンタイムは2時間まで
(理由: 視力測定で1.0を下回ってしまった)
3.20時までにベッドに入って、21時までには寝る
(理由: 平気で22~23時まで起きていて、学校に行く支度が間に合わない。朝ごはんを食べる時間がないときもある)
というルールがあります。
ルールを決めた時に、なぜなのか説明したのですが、娘は納得していません。
お菓子を1つ食べた後、「もう1個食べたい!我慢できない!」と騒いだり、友だちの家でお菓子をねだってこっそり食べたり、
テレビの時間が終わっても「このお話が終わってから!」と言いながらずーっと観ていたり(消すと怒りますが、強制終了します)、
「寝たくない、寝るの嫌い!」と言って家事をしている私の周りで踊っていたりします。
親が勝手に決めたルールではありますが、今の娘の現状が「お菓子を1日中食べてる」「テレビに釘付け」「朝ごはんを食べない習慣がつきそう」なので、何とか娘にルールを守ってもらいたいのです。
今回決めたルールも、言ってしまえば親の都合です。
それを押し付けても、子供が聞きたがらないのは、自分の経験からも分かっています。
(「(親の)言うこと聞きなさい」と言われて、理不尽だなぁと思って育っているので・・・)
5歳の娘が、守りたくなるようなルールはどのように作ればよいでしょうか?
よろしくお願いいたします。
ココまで・・・
なるほど・・・。
今の娘さんの状況が「お菓子を1日中食べてる」「テレビに釘付け」「早起きができなくて朝ごはんを食べない習慣がつきそう」という事で、
これはできるだけ早くこの習慣を改善しなければなりません。
特に「お菓子」「テレビ」「寝ない」は、きっと多くの方がお悩みだと思います。
もし子供が守りたくなるルール作りができたらいいですよね~(^^)。
でも、結論を言ってしまうと「子供が守りたくなるルール」ってありません。
ただ「強制ではなくルールを守らせるのは、案外簡単」なんです。
ハナさんにはこのようにお返事をさせて頂きました。
ココから・・・
ハナさん、おはようございます。
今回のご相談は娘さんの「ワガママ」ですね。
それでハナさんのご希望として「娘が守りたくなるようなルールの作り方が知りたい」とありましたが、
「守りたくなるようなルール」それはありえないと思います。
なぜならルールは、自分が思う「やりたいこと」をセーブしたり辞めさせたりすること。
“ 欲求 ⇔ 制御 ”
と相反する事を教える事になるからです。
ですが間違ってはいけないのですが、「欲求を持つ」事はとても大切な事です。
「私はこれをやりたい」という気持ち。「もっと長く楽しみたい」という思い。 それが子供の向上心や積極性に繋がります。
片や制御(自分の気持ちを抑える)もすごく重要で、どんなに大好きな事でも、 自分で「もうやめよう」と思える事が、大きな失敗から自分を守る事ができます。
相反する事ですから「必ず抵抗がある」って事をご理解いただきたいのですね。
両方大事な事なので“欲求”を持たせながら、自分で“制御(自律)”させる事が、とても難しい事なんです。
でも、頂いた問題。改善するのは難しくないので、そこのお話をしますね。
まず「1.お菓子の食べ過ぎ」ですが、
これはとても簡単で(お菓子を食べ続けるってことは)きっとハナさんのお宅にはお菓子の買い置きがあると思います。
1番にしてほしいのは、この買い置きをやめる事です。
そしてもし親もお菓子が好きなら、親も我慢をなさってくださいね。ルールを守らせる前に「まずは自分から」が鉄則ですからね。
そしてお菓子の事ですが、お菓子は特用袋に入っているものの方がお得ですよね。
でも大きな袋に入っていると、一度封を開けてしまえば、「もうちょっと」ができてしまいます。
(この「もうちょっと」がどこまでも続く元凶になります)
これがもし小袋になっているものであれば、一つだけは今日の分、でもこれは明日、これは明後日・・・と、一つずつに分ける事ができますし、
小分けしているお菓子であれば、その数分だけが日数で決められます。
もし親の目を盗んで明日の分のお菓子を食べてしまったら、明日の分は「ありません」で結構です。
当然、子供は癇癪を起したり、荒れたりします。
でもここが“ 欲求 ⇔ 制御 ”が葛藤する部分で、とても大切なところなので、ここで絶対に折れてはいけないのです。(折れれば、何度も繰り返されますから)
「今日の分はあなたが食べちゃったんでしょ。だったら今日の分はもうないよ。 泣いても喚いても無いものはありません」
と親の姿勢を絶対に崩さず「どうぞ好きなだけ泣いてください。どうぞいくらでも癇癪を起してください」と毅然とした態度で、絶対に親の姿勢を変えないでください。
子供がどんなに泣いても、喚いても(子供も善悪が分かるので)、時間の経過で子供は諦めますし、
一度、そうやって我慢ができれば、次第に癇癪の時間は減り、癇癪を起す頻度も減っていきます。
でも親が折れていると、どんどん癇癪は強くなり、癇癪の時間は長くなり、要求はエスカレートします。
親としては辛い時間ですが、ここが今後を左右しますからね。いかに“親の姿勢を保つか”が重要なところです。
次の「2.テレビやタブレットなどの時間制限」ですが、
これは今、強制終了をなさっている、という事ですが、もし何をやっても言う事を聞かなければ、それでもかまわないと思います。
ですが、まだその前にできる事もあって、例えばボール紙などで手作りの(アナログ)時計を作って、
どれだけテレビやタブレットを見て、残りの時間がどれだけあるか?を目で見て分かるようにするのです。
例えば2時間がリミットなら、テレビやタブレットを見始めたら0時00分からスタートをして、
見た時間が30分であれば「今、これだけ見たよ」と0時30分に時計の針を動かし、
それから15分、30分、と追加した度に時計の針を動かして、リミットが2時間ならあと「30分で終わりだからね」と言って、
子供が常に時間を気にするように声掛けをしていきます。
そして5分前になったら「あと5分だからこの砂時計が全部落ちたら終わりだよ」と言って、砂時計を渡します。
子供は、砂時計の砂が少しずつ減っていくことで「時間は減っていく」という事が視覚的に意識できますし、
本人も「あとこれだけでテレビ、消されちゃうな」 と予想ができればそれでいいのです。
それが自分で消せるかどうか?は、先ほどの“ 欲求 ⇔ 制御 ”の問題となるので、できない場合もあると思いますが、
少なくとも、こういう「目で分かるようにする」事で意識はさせる事ができます。
そして時間が終わっても見続けるのなら「時間が来ましたよ。自分で切れますか?」と聞いてみて、自分で切れないのであれば、強制終了で構いません。
ここでも強制終了させられて怒ったり喚いたりするかもしれません。
でも、怒ろうが喚こうが相手にしなくて結構です。説得も説明もいりません。
(「終わりの時間を先に言ってますよね」で結構です)
最後に「3.眠る時間について」ですが、
これも案外簡単で、20時に眠るのであれば、「はい、寝る時間です」と家の電気を全部消して、親も一緒に横になればいいのです。
それで子供が「眠たくない」と言うのなら、親だけ寝室に行って、相手にしない。
テレビなどのリモコンも隠してしまい、タブレットなども分からない所にしまって、電気もつかないようにして、
「真っ暗なところでよかったら、どうぞ起きていてください」のスタンスで、好き勝手にさせてみてください。
誰もいない真っ暗な場所では、1人で遊ぶなんて事はできません。必ず諦めて 「一緒に寝る」と言ってきます。
そうやって考えてみると、どうでしょう?
まずハナさんの求めておられた「守りたくなるようなルール」は無い、とお考えいただくこと。
そして子供にだけさせるのではなく、親も一緒に・・・と考えれば、そのハードルは相当下がります。
ちょうど5歳という事でもあるので、“ 欲求 ⇔ 制御 ”を教えるには最適だと思います。
是非、頑張ってやってみてくださいね。
あ、ちなみに友達の家でお菓子をねだることがあるようなら、友達の家に行くときには、先方のお母さんに
「今、こういう取り組みをしているから、ねだってもあげないでください」とお願いしておくと良いと思います。
(かっこ悪いですが、それだけ“ 欲求 ⇔ 制御 ”を子供に教えるのは難しいんです)
でも今後を左右するぐらい大事な事ですからね。頑張ってくださいね♪
ココまで・・・
このようにお返事したら、すぐにハナさんからお返事を頂きました。結果はすぐに現れたみたいですよ♪
ココから・・・
パピーいしがみさん
こんばんは。
アドバイスありがとうございます。
「守りたくなるようなルール」は存在しないんですね。
ルールは欲求の正反対にある、“制御”。
『どんなに好きなことでも、自分でやめようと判断ができることが、大きな失敗から身を守る』から大事。
欲求は『向上心や積極性に繋がる』と、こちらも重要。
『相反することだから抵抗が必ずある』
今まで考えたこともなかったので、目から鱗です。
1.お菓子の食べすぎ
2.テレビの時間
3.就寝時間
全て「やってみせ、言ってきかせて~」に通じますね。
親ができていないのに、子供にやらせるなんて・・・ですよね。
それぞれ、具体的な対策もご教示いただけて、感激です。
また、毅然とした態度で、ルールを守らせなければ、制御の効かない子供になってしまう可能性があるので、気を付けます!
お菓子はパピーさんの言う通り、買い置きでたくさん家にあります。
大容量のものを買ってしまうので、今度から、お菓子を買う時は、小分けにできるものを購入します。
(私も、脱お菓子ができるように、頑張ります。)
お菓子をあげちゃうママ友にも遊ぶとき伝えようと思います。
早速20時に電気を全て消して、私も寝る作戦を決行しました。
初めは体の上に乗ってきて、遊んだり、話したり、歌ったりしていましたが、飽きたようで、21時を回ってしまいましたが、いつもより早くおとなしくなりました。
時計はちょうど、おもちゃの時計があるので、それを使おうと思います!
現段階でお伺いできて、本当に良かったです!ありがとうございました!
ココまで・・・
早速「早寝作戦」を実行されて、いつもは22時~23時睡眠だったのが21時ちょっと過ぎに眠る事ができたようです。
これが習慣になれば、朝も早く起きるようになるし、そうなると早く眠くなります。
お続けになることで、必ず成果が出ると思います。
そしてハナさんも言われていましたが、
“全て「やってみせ、言ってきかせて~」に通じますね。親ができていないのに、子供にやらせるなんて・・・ですよね”
はい、ルールを作る時には、まずここが大前提で「守りたくなるルール」はなくても、そのルールのハードルをグーンと下げるのは可能です。
あ、それから・・・ちゃんとルールを守れた時、きちんと褒めてくださいね。
そこでお母さんが笑顔を見せたり、褒めてあげる事で「ルールを守ると嬉しいことがあるな」って分かりますからね♪
是非、この調子でお続けくださいね。
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。