第1194号 勉強へのきっかけ
こんばんは。パピーいしがみです。
前回のメルマガ「勉強なんてしたくない」は、かなりの方が驚かれたようで、反響も大きかったです。
ご感想メールを下さった方、改めてありがとうございました。
(まだご覧になっていない方は、最後にURLを記載しておきますので読んでみてくださいね)
そうですよね~。子供達の生涯年収が勉学の結果であんなに違うのですから、それは親も、勉強する本人もびっくりします。
ただ前回のメルマガは勉強を強いられ続け、勉強嫌いになってしまった子に対してのお話でしたから、
聞いた本人にインパクトがあるような内容になりましたが、
子供の勉強は生涯年収だけでなく、さまざまなものに影響します。
その「さまざまなもの」のひとつ。例をあげれば、転職です。
今、新卒して入社した社会人の離職率って30%以上と言われています。3人に1人は就職した会社を辞めているんですね。
という事は、新卒者が辞めてしまう会社は、中途で採用しなければなりません。
それが証拠にテレビでもリクルートとかインディードとか、ビズリーチとか、バンバンCM打っていますよね。
中途採用者って、それだけ需要があるのです。
(終身雇用とか、会社への忠誠心など言っている時代ではありません)
今まで再就職するときは、1、冊子やハローワークで企業を探して → 2、会社に応募して → 3、面接等試験を受ける → 4、合否判定、という流れだったのですが、
今は「エージェント」が企業と就職希望者の間に入って、希望にそった仕事内容や給与面などを加味して、企業側に斡旋してくれたりするんです。
また、面接試験ではズームを使い、面接会場に行く事もなく、自宅のパソコンでできてしまいます。(そのぐらい気軽なものになっています)
「エージェント」と聞くと、プロスポーツ選手が移籍する時にできるだけ有利な条件で契約をしてくれる斡旋業者というイメージですが、
それと同じことを今は希望する一般の人にもやってくれます。
就職希望者に、自分に合っている企業を紹介してくれたり、その企業に希望者の経験や資格、人となりまで説明してくれたり、
合格まで相談に乗ってくれて、アドバイスやサポート、応援までしてくれるのですね。(超強力なアシストです)
それも優秀な人材を斡旋できれば企業としてもメリットがあるので、
就職希望者がエージェントに料金を支払うのではなく、企業がエージェントに費用を払ってくれます。
この時の評価の対象は「経験」「実績」「資格」。でもそのベースになっているのが『最終学歴』なのです。
あ、そうそう。もう一つ。「そうなんだ~(涙)」と思ったことがありました。
前回、私は会社に勤めながら夜学にも通った、とさらっと記載しましたが、実はこれ『税理士の資格を取ろう!』と思ったからでした。
でも税理士の試験を受けるには「誰でも」というわけにはいきません。
もちろん受かるだけの力が必要ですが、その前に「受験資格」があるのです。
今は少し軽減されたとはいえ、その受験資格はいくつかあります。
例えば「大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学または経済学を1科目以上履修した者」とか
「大学3年次以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上を取得した者」
要はこれって法学部や経済学部を出てさえいれば、どこの大学であっても受けられるってことです。
もちろんそれに合致しなくても「法人又は事業行う個人の会計に関する事務に2年以上従事した者」のように
職歴で得られる資格もあるのですが、私は結局、それら資格が無い場合の「日商簿記検定1級」を取ることにしたのです。
日商簿記1級を取るには、その基礎となる3級、2級の知識が必要です。
結果的に、日商簿記2級までは合格しましたが、1級の試験(4教科を一度に受けます)を2回受けたものの不合格で、税理士の目標は断念しました。
後に担当の先生から「実は社会人で仕事をしながらの受験は相当難しいんですよ。でもよく頑張られましたね」となぐさめられましたが、
「資格を得るための試験がダメって・・・大学行ってればな~」と思ったものでした。
(ちなみに税理士試験は5科目受けますが、期限がないので1科目ずつ数年かけて受けることが可能です)
このように学生時代の勉強って、後々、とても大きな影響力を持っていて、
それらを一言で言ってしまうと「勉強すれば可能性が広がる」ってことなんですが、
子供に「可能性が広がるから勉強しようよ」って言ったって、どう可能性が広がるのか、どう自分の役に立つのか、想像することさえもできません。
想像することさえもできないのなら、当然“やる気にはならない”のですね。
だから「本人が食いつきそうなポイント」に絞って(年齢や性別もあると思います)話してあげる事が必要になるのです。
でも間違わないでくださいね。“ムリして”“いい学校”に行かせる必要は無いのです。
その子の学力に合わせて、過ごせる学校で十分です。
もちろん「親の言っている事に従えばいい」とか「分からなくてもいいから勉強をさせる」のではなく、
いつだって「本人が判断できるようにする」「決めるのは本人」ってことなんです。
ただ、前回の生涯年収も、今回の転職も、もしくは税理士試験も、年齢の低い子にはちんぷんかんぷんですよね。
そこで小さい子にも分かる、というか「勉強って大事だな」とか「面白いんだな」「必要だな」って、
「どうやったら分かってもらえるかな~」というのがここ数年の私の課題だったのですが、
興味があって経過を見ていたことがありますので、それをご紹介したいと思います。
このごろテレビでも取り上げられることが多いのでご存知の方もおられるかもしれませんが「探求学舎(たんきゅうがくしゃ)」って聞いたことがありますか?
もともとは「学習塾」で、その学長は“宝槻泰伸(ほうつきやすのぶ)さん”といいます。
3人兄弟のご長男だったそうですが、1年で高校を中退して、大検(現在は高卒認定試験)を取り、京都大学を卒業しています。
また、なんともその3兄弟の3人ともが高校を退学し、それぞれ大検を受けたのち、京都大学に合格しています。
どうやらお父さんに教育に対する強いポリシーがあり「探究心に火が付けば子どもは自ら学び始める」の考えの元、育てられたそうです。
「探求学舎」では、いわゆる受験や成績アップの為の「問題の解き方」は一切教えません。
そして探求学舎の求めるところは「子供の好きな事・やりたい事が見つかる“学習における感動や驚き”」を伝える事を軸としていて、それ以外はしないのです。
「方法を教える」のではなく、「学びは面白い」と感じる体験をさせているのですね。
私が良く見ているテレビ番組に「博士ちゃん」があります。
この「博士ちゃん」は漫才師のサンドイッチマンと芦田愛菜さんがMCをしているのですが、毎週、驚くほどの知識を持った子供達が出てきます。
本物の博士が驚くほどの博識で、その道のプロや、博士と高いレベルの話ができています。
その子供達がどうしてそうなったのか?
私はそれを知りたくて毎週欠かさず見るのですが、共通するのは本人が「好き」でどんどん学び続けること。
でも親が何かをしたり、何かをさせたという事はなく「なんでこの子たちはこんなに喜々として学びに没頭するのだろう?」と疑問でした。
ですがこの「探求学舎」で学んでいる子供達を見て「あ。共通する事は“学びへの感動”なんだ!」と分かったのでした。
探求学舎も、もともとは普通の学習塾で、問題の解き方や、勉強の仕方を教えていたのですが、
時々、子供が食いついてくれる為に(宝槻先生は歴史が得意でした)歴史の面白い話を深く踏み込んで話すことがあったそうです。
(それを授業では「探求」と言っていました)
ある時、子供達が「先生、今日は算数いいから探求やろう!」と言い出して、
宝槻先生は「いやいや、僕も月謝をもらっているからちゃんとした授業もしないと・・・」と
45分は普通の学習をして、45分だけ探求の授業(半分半分)に・・・としていたところ、
徐々に子供達から「もう90分、探求の授業をしたいんだ」という要望が多くなってきて、宝槻先生も「じゃあ・・・」という事で、
歴史や宇宙、生物学、原子の話、世界の偉人など子供たちがワクワクするような深い話をするようにしたら、
子供達が家に帰って、目を輝かせて授業の内容を親に話すのだそうです。
例えば「お母さん、コペルニクスってね~」とか、「アインシュタインの相対性理論はさ~」なんて・・・小学生ですよ(^^)。
その目を輝かせた子供の姿を見て、ご両親も「一見、学習には繋がりそうもないけれど、学ぶことに興味を持つのは良い事なのでは?」とお考えになっている事が分かり、
「じゃあ、勉強を教えない塾をやってみようか」と探求に振り切ったところ、これが当たり、コロナ禍もあって今、爆発的に伸びているのです。
中には「勉強大っ嫌い」で不登校になってしまった子が、この探求学舎に行き始めてから、その分野に興味が出てきて、
毎日家で、好きな事を調べて自由研究みたいなことをしていたところ、
それを学校で紹介したら、学校では人気者になって、不登校児だった子が、今や嬉々として学校に行っている、という子がいたり、
宇宙の授業から原子に興味が湧いて、自分で原子模型を作ってしまい(小学生です)「自分は将来科学者になりたい!」という子もでてきたり。
「探求」の授業から“博士ちゃん”が現れつつあるんです。
「探求学舎」を知らなかった方は、ユーチューブで是非、その授業の様子、子供達の様子を見て欲しいのですが、
そこでは普段、学校では見る事のない(もちろん家庭でも見る事は少ない)目を輝かせて先生の話を聴く子供達。
授業に集中し、没頭して、どんどん手をあげて意見を言う子供達。
文字通り『前のめり』になって授業に参加する子供達の姿があるのです。
まるで夏フェスの観客のように、子供達が「学び」に熱狂しているのですね。
それも参加している子供たち全員が、学ぶことに夢中になっているのですから驚きです。
ご自分の子がそうなったら・・・と思うと、ちょっと興味がわきませんか?
そしてこの探求学舎がある、東京都三鷹市では、この授業内容を学校の授業にも取り入れようと動き出しています。
もちろん、この時代ですからオンラインでの授業もあります。
ただコンテンツとして探求学舎の授業を見せるようとするのなら、私は子供の興味はそこまで高まらないのでは?と思っています。
というのも、すでに勉強に嫌気を感じている子にとって、もう「動画で勉強する」それ自体に珍しさが無く、
見始めてすぐに「なんだ、勉強か・・・」と冷めてしまうからです。
宝槻先生も言われていますが「伸びていく子には、一つの傾向があって、それは“親子の対話がアツい”こと」なのだそうです。
例えば吉田松陰の授業を受けて、子供が吉田松陰に興味を持ったら、
そこで親が「じゃあ、今週末、松陰神社行っちゃう?」みたいになると、実際に行くまでの間に、自分で調べたり、又、行きも帰りも吉田松陰で盛り上がる。
それがある家と、無い家では、同じ内容の授業を受けても子供の意欲や熱意に大きな差が生じる、と言うのです。
宝槻先生は「教育のすぐれたコンテンツを手に入れるのも重要だけれども、そのコンテンツをきっかけに、いかに家庭内、兄弟間、もしくは友達同士で『学びあう風土を醸成できるか』が全て」と言われています。
ここでやっぱり出てきました。「家庭」の重要性です。やはりここは外せない所なのですね。
ですがもし子供達が勉強嫌い、学校嫌いだったとしたら、この情報は、とても価値のあるものですから、
子供達の勉強に対する意欲があまりないとお感じでしたら(今のところ探求学舎の授業もユーチューブで無料で見れますから)是非、一つでも見てみて欲しいと思います。
(大人も「面白いな」と思ったら、子供にも「見てごらん。面白いよ♪」って紹介できますし、そこで子供が興味を持ってくれたらもうけものです)
さて、今日も長くなりましたので、この辺で終わりにしますね。
ちなみに、これだけは伝えておきたいと思うのですが、高卒でも中卒でも、そこで諦めなくてもいいのです。
これは私が一番最初に就職した時、会社の上司に言われた言葉です。(まだ10代でした)
「会社の方針がイヤなら、辞めて他の会社に行くか、自分で創り出すしかない」
私はその時、強い衝撃を受けました。そして私は後者の“自分で創り出す”方を選びました。
新しい仕事を創ったり、新しい事業を始めたりすると学歴関係ない生き方ができます。
私にはそれが合っていたと思いますが、当然うまく行かない事もあるかもしれません。
その時に困らないよう第二・第三の矢を持っておく、これも生き抜くための処世術でもあるんですね。
学歴は必須ではありません。でも有効な矢になってくれる、という事です。
どんな状況でも間違いなく言える事は“「諦める」なんて必要ない!”だと思っていますし、その思いさえあれば必ず答えって出てくると思います(^^)。
冒頭でお話した、前回のメルマガ「勉強なんてしたくない」は下記になります。
まだご覧になっておられなかったら、お読みくださいね♪
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。