第1198号 これって「包む」?
こんばんは。パピーいしがみです。
台風15号、すごい雨でしたね。被害はなかったですか?
全国版のニュースにも出ていましたが、私の住む静岡では、1か月半分の雨が1日で降り、広範囲でさまざまな被害がありました。
橋が流され、送電線の鉄塔が倒壊し、中心市街は床上浸水。街中は水浸しで壊れた車も何台あるか分からないようです。でもいまだに全貌が掴めていません。
私の住む区では断水になって、スーパーもコンビニも、水はもちろん、パンや総菜、カップ麺などの棚が空っぽになりました。
(断水になってなぜパンや総菜が売れるのか?と思ったら、洗い物を極力減らすためなんだそうです。なるほど♪)
どうやら水道の給水場所に土砂や木材等がつまって取水できなくなり、5万5千世帯に影響がでているそうです。(我が家もその一戸)
電気の問題ではなく取水場所そのものが壊れてしまった為、復旧の目途が立っていないと。
でもでも、我が家では何かが壊れた事もなく、水はないけど電気はあるので「それだけも有難い」と思っている所です。
中には井戸水を提供してくださる方、浴場を無料開放してくれるスポーツジムもあり、親切な方の心遣いに心温まります。
断水が何日続くか分かりませんが、一杯の水の大切さをひしひしと感じ、大事に使っています。
ちなみに我が家は隣の区(そちらは水が出てます)の親類に水を分けてもらいに行けているので、ご心配頂かなくても大丈夫です(^^)。
さて、今日は「包む」について、ちょっと違った見方をご紹介したいと思います。
この「包む」については「いまいち分かりにくい」と言われる方も多く、私もどうやって説明したら分かってもらえるかな?と悩むこともあるのですが、
ホームページにも書いてあるように「安心できる環境を作る」って事が『包む』の大まかな意味になります。
ただ私の考える『包む』は慰めや同情ではなく、マイナスに向かっている気持ちをプラスにしてあげたい、という思いがあります
例えば分かり易いのが、失敗して落ち込んでしまっている時。
「次はしないようにすればいいんだよ」と言うより、
「そうなんだ~(^^)。お母さんも子供の頃は失敗ばっかりしてたよ♪」と笑い飛ばしてくださった方が、本人の気持ちは楽になりますね。
落ち込んでいた気持ちが「そうか~、そんなに気にしなくてもいいのかな?」なんて前向きに捉えてくれそうです。
また子供が夜に「眠れない~(涙)」なんて訴えてきた時には、是非手を握って添い寝をしてあげて♪とお願いします。
これって子供にとって、すごい安心感(包まれた感)を感じるのですね。
あ、余談になりますが、私の真ん中の娘は、4~7歳ぐらいまで、とても癇が強い子で、たびたび泣きながら「眠れない~」と訴えてくることがありました。
そんな時、私は「じゃあ、一緒に寝よう!」といって手を握って添い寝をします。するとものの5分で寝息を立ててくれました。
私もそうでしたが、子供の頃ってこんな風に「眠いはずなのに眠れない、なんで眠れないの?!って思うとさらに眠れなくなる」ってよくあります。
そんな時の“手を握って眠る”って、私にとっては当たり前のことで、3人の子供達、誰が訴えてきてもそうするつもりでいましたし、決して特別な事ではなかったのですが、
私が還暦の誕生日。3人の子供達が手紙と一緒にプレゼントをくれて、真ん中の子の手紙には、
「お父さんは覚えていないかもしれませんが、私が小さい時、なかなか眠れなくて、お父さんに手を握ってもらう事がよくありました。
私はその時のお父さんの大きな手や、とても安心した気持ちを今でもすごく覚えています」
と書かれていました。覚えていてくれたんだ~と、ちょっとウルっときました。
もう20年以上も前のことなのに、思い出にまでなっているなんて、きっと強く心に残ったのだと思います。
でもそのぐらい、眠れない時に安心させてもらえるって嬉しいんですね。そして「包まれた感」を感じるのです。
ではこんな場合はどうでしょう?MFさんからこんなご相談を頂いていました。
MFさんには5歳の娘さんがおられて、ぐずぐずすることにとても困っておられました。
ココから・・・
(前略)
ぐずぐず言っているとき、頭の中で「まだ5歳なんだよなぁ、眠くて頭の中がたいへんになってるなぁ」と考えて、
実際の対応はどうしよう・・・といつも立ち止まってしまいます。
気をそらそうと思い「〇〇ちゃん、おてておおきくなったね」と手をさすりながら言ったことがありますが
「おおきくなってへんし!小さくなったし!」とぷんぷんはおさまらず・・・、
またある時は「そうだね~」というような共感の言葉をかけてみても延々とそのやりとりがつづき、
またある時には聞こえないふりをして、私は私のしたいこと(先にお風呂に入るとか)をすると、いつのまにか娘は寝ていたり・・・。
どういう対応がよいのでしょうか?聞こえないふりをするのは無視することになるのでよくないでしょうか?
先日のメルマガにあったように「イライラする気持ちを自分でやっつけることができたらギューッとするから教えてね」と5歳の子が眠くてぐずぐずいう時もそういう対応がよいでしょうか?
眠たい時は、どうやったら30分でもいいから眠ってくれるのだろう?と思ったりもしています。
(後略)
ココまで・・・
子供のぐずぐずって、甘えだったり、うまく行かない訴えだったり、不満を親にぶつけていたりするのですが、
どちらにしても自分で収拾を付けることができず、不機嫌さをアピールしているんですね。
これって、自分で解決できるようになると、その不機嫌さから解放されるのです。
なので私はこんな風にお返事しました。
ココから・・・
MFさん、こんにちは。
メール拝見しました。
まず「ぐずぐず言っている時」の親の対応ですが、これは親がなんとかしてあげようとすればするほど、ぐずぐず言う様になります。
というのは、自分の気分が悪い時になだめてもらうのが当たり前になるからなんですね。
例えば、書かれていた内容に
「気をそらそうと思い「〇〇ちゃんおてておおきくなったね」と手をさすりながら言ったことがあるが・・・」
とありましたが、その時は怒りをぶつけるような言動があったみたいですね。
又「ある時は「そうだね~」と共感の言葉をかけてみても延々とそのやりとりがつづき・・・」ともありましたし、
「聞こえないふりをして、私は私のしたいこと(先にお風呂に入るとか)をするといつのまにか娘は寝ていたり・・・」
と書かれていて、どれが最も良いのか?というご質問でしたが、
まず、気をそらそうとしても、子供はもう不機嫌一直線ですから、気をそらすことは難しいです。
そして適当に返事をしても、きっと「ちゃんと聞いて!」「もっとちゃんと返事して」のような様子が続くと思います。
なので私は、5歳であっても、そろそろ(眠たいグズグズ:乳幼児のしぐさ)から 卒業させてほしいな~と思います。
MFさんは「聞こえないふりをするのは無視することになるのでよくないでしょうか」と書かれていましたが、
無視するのではなく「眠かったら眠ってもいいんだよ」とか「泣きたかったら泣いてもいいんだよ」と言って、後はあまり関わらず(機嫌を取る事はしない)で、
親は「ぐずぐずしてもいいし、泣いてもいいし、眠ってもいい」という態度でおられたら?と思うのです。
もちろん騒ぐかもしれませんが、それをさせないようにするのではなく「一度泣いたら落ち着くから泣いてもいい」という態度で接して下されば、
子供は「ぐずぐず言ってもあんまり相手してくれないや」と、ぐずぐずの頻度は減っていくと思います。
眠くてぐずぐずするのは、乳幼児の行動ですから、親がなんとかしてあげようとしなければ、自分で落ち着けるようになると思いますよ。
ちなみに「イライラする気持ちを自分でやっつけることができたら~」は、まだ理解できないのでは?と思います。
ココまで・・・
実はいくつかあった相談の中の一つだったので、ちょっと尻切れトンボ風ではありますが、
「ぐずぐずしてもいいし、泣いてもいいし、眠ってもいい」や「一度泣いたら落ち着くから泣いてもいい」は、
MFさん自身、いろんな方に相談しても、そんな対処の仕方を聞いたのは初めてだった、と言われていました。
そして実際にやってみたそうです。以下はそのご報告です。
ココから・・・
昨日パピーさんからの返信を拝読した直後に、子供をお風呂に入れて私が先にあがり、
子供は引き続きお風呂にのこり、石鹸で泡を出す遊びをしたいというので、自由にさせておりました。
お風呂から泣きグズリのような声で呼ばれたので行ってみると
「泡が全部なくなっちゃった、泡がなくなったら嫌だ」と桶にためようとした泡が消えてることに怒って同じことを何回も何回も泣き声で言っていました。
パピーさんのアドバイスを早速思い出し、
「そうか~。泡はきえちゃうものだからまた作る?」「もう眠いしお風呂あがる? 」
「ぐずぐず言いたいのだったらぐずぐず言ってもいいからね、ママはあっちにいるね」
と穏やかめに言って立ち去りました。
すると数分で声は聞こえなくなり「おふろあがる~」と普通の声で呼ばれました。
これにはびっくりしました!今までの毎日の格闘がウソのよう、魔法のようでした。
今までいろいろなところに相談しましたが、パピーさんのようなアドバイスは初めてでした。
同じようにすんなりとはいかないこともあるかもしれないですが、
「ぐずぐずしてもいいし、泣いてもいいし、眠ってもいい」という接し方を続けて行こうと思います。
これは、「認める・褒める・包む」の「包む」ということにつながっているでしょうか。
本当にありがとうございます。
ココまで・・・
これって冒頭でお話した“「失敗した」と落胆している時”や“眠れなくなっちゃって不安な時”の対処のように直接的な『包む』ではありません。
でもこれらが本人の不安や葛藤を払拭し、ちょっと気持ちを高めてあげる事ができたと思いませんか?
「ぐずぐずしてもいいし、泣いてもいいし、眠ってもいい」や
「一度泣いたら落ち着くから泣いてもいい」は、今までMFさんはなるべく“させたくない”ことでした。
(多くのお母さんは、ぐずりや癇癪はお嫌いですよね?(^^))
でも今までの「させたくない」(親の気持ち)は、子供にとって「いけないこと」という印象にもなっていますので、
「あ、そうじゃなかったんだ、泣いてもいいんだ」と知ると、
今まで葛藤していたのは何だったんだろう?って、ちょっと新しい扉を開いたような感覚を感じます。
MFさんのお子さんは、「いいんだよ」と言った時にも『大声で泣き出す』ことはしなかったようですが
子供が大声で泣いたり、一旦は騒がしかったり、耳障りな事があるかもしれません。
でも実際に泣いてみて「あ~、すっきりした」と、切り替えできている自分を感じたり
「あ、いいのか・・・」と考えたりすることで、葛藤や苛立ちから解放されて機嫌よくなったりすることも多いのですね。
・・・と考えると、これも『包む』になるんです。
その後も、MFさんは「泣いてもいい」「叫んでもいい」と子供に言って、
子供も早い段階でぐずぐずから解放されたり、その後がスッキリして機嫌よくいたり・・・という事が多いみたいです。
あ、それから「包む」が上手になるには、「包む」を意識した接し方、言葉の使い方をしていく事です。
そして「こんな言い方の方がよかったかな?」と考えながら次に生かしていくと、どんどんアップデートできますからね。
是非、ご参考になさってみてください。
ちなみに『包む』について、こんなお話もしています。ご参考になったら嬉しいです。
第902号 「慰め」と「包む」
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。