第1204号 急な意地悪
こんばんは。パピーいしがみです。
さて今日は、「つい先日まで仲良く遊んでいた友達なのに、急に意地悪をするようになった。謝っても許してくれない。訳を聞いても教えてくれない」というご相談に対するお返事を紹介します。
実はこれ、珍しいことでもなんでもなく、仲良く遊ぶ同年代の友達にとてもよくあることなんです。
ご相談くださったのはellyさん。こんな内容でした。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。ellyと申します。
パピーさんのホームぺージは勉強する前から参考にさせていただいて、
特に勉強を始めてからは、私も怒ることが減り、娘のいじけもなくなり、勉強に運動にいい成果が出ています。
ですが友達とのことで困っておりまして、初めてのご相談をさせていただきます。よろしくお願いします。
まず・・・娘は今、小学校2年生で、幼稚園からの仲の良い友達がいます。(Aちゃんとします)
Aちゃん宅とは家族ぐるみで仲良くしてもらっていて、一緒に遊園地に行ったり、バーベキューをしたり、時々娘はお泊りもしていました。
我が家ではまだ1歳の弟もいるので、Aちゃん宅の存在はとてもありがたく、
Aちゃんママも「下の子に手がかかるだろうから、いつでも言って」と助けてもらっています。(Aちゃん宅はAちゃん一人っ子です)
私は、友達作りが下手だったので、娘には「いい友達がいていいね」「友達(Aちゃん)を大事にするんだよ」などと常に言っていました。
ところがいつからか娘が「Aちゃん、すごく怒ってくる。ごめんねって言っても“イヤ”って言って、許してくれない」と言い出しました。
私は「何かAちゃんの気に障ることを言ったりしていない?相手が怒るのは何か理由があると思うよ。思い当たらないなら直接聞いてもいいんじゃない?」と言っていました。
その後、何も言ってこないので、解決したのかな?と思っていましたら、2か月ぐらいしたある日、Aちゃんのランドセルを娘が抱えて帰ってくる様子を見ました。
私は「ジャンケンでもして遊びながら順番に持っているんだな?」なんてお気楽に考えていて、
「今日、Aちゃんのランドセルを持ってたね。じゅんばんこでやってるの?ジャンケンしたりして~♪」と言いましたら
「違う」「私ばっかり持たされる」としょんぼりして言うのです。
「え?学校からずっと?」と聞くと、力なくうなづきます。(学校への道のりは1キロほどあります)
理由を聞くと、Aちゃんがずっと怒ってるので、「どうしたら許してくれるの?」と聞くと「それなら〇〇して」と言うそうで、その日は「家までランドセルを持って」と言われたそうです。
この「〇〇して」は頻繁にあって、「提出物を先生に持ってって」とか「私の代わりにクラス係やって」など要望が続くのだそうです。
Aちゃんの言う事を聞いていると機嫌がいいようです。
今回は「ランドセル持って」でしたが、小さな要望がだんだん大きくなり、学校では「〇ちゃんと話しちゃだめ」とか弊害も出てきているそうです。
学校に行くときはAちゃんの家に寄るのですが「ちょっと待ってて」と、5分~10分ほど待たされることはざらで、
Aちゃんママも「人を待たしてるんだから早くしなさい!」と言ってくれているようですが、Aちゃんは「いいんだよ」と怒ったように言うのだそうです。
Aちゃんは小さいころから知っていますが、とても素直で意地悪をするような子ではありません。なのでそれを聞いて信じられなかったのですが、
現実に、娘が受けている意地悪や命令?の内容を聞くと、Aちゃんと友達でいていいのかな?と考えたりして、どう対処したらいいか頭の中がぐるぐるしています。
Aちゃん宅とはこれからもいいお付き合いをしていきたいし、助けてもらっているのでクレームも言いたくありません。
でも今の状況を見ると、そんなことで躊躇していてはいけないとも思います。
私は子供にどう話をしたらいいでしょうか?小さな悩みかもしれませんが、答えが出ずにとても悩んでいます。
ご返事いただけましたら、本当にうれしいです。よろしくお願いします。
ここまで・・・
という内容でした。
実はこの「仲の良かった子が突然変わる」って、けっこう「あるある」なんです。
そしてellyさんは、Aちゃんママさんにクレームというか、事実をお話ししようか?とお考えのようですが、実は私はちょっと違った印象を持っていて、
まずはellyさんの考え方と、娘さんの態度が正しかったかな?と思ってこんなお返事をしました。
ココから・・・
ellyさん、こんにちは。メール拝見しました。
Aちゃん、性格が変わったみたい?ですか?なんか娘さんとの関係がAちゃん=主、娘さん=従の主従関係になってしまっているようです。
ellyさんとしては、Aちゃんママに相談というか、現状を伝えたいと思いながらも「お世話になっているし、家族ぐるみでのお付き合いもあるし、大事(おおごと)にしたくない」とお考えみたいですね。
それでまず現状からお話しすると「今まで仲良かった(はず)の子が、突然、意地悪になる」とか「突然、仲間外れにされた」とか「無視しだす」って、実は結構多くあるのです。
(私の子供も経験しています)
理由はどうでしょう?3つぐらいかな?と思います。箇条書きにしていきますと、
1、まず一つ目は、ellyさんも心配されていた「何か気に障ることをしたり、言ったりした場合」です。
何気ない一言が、相手の子を傷つけたり、怒らせるっていうことはたまにあります。
本人に悪気はなくても、相手は深く傷つく・・・というケースです。
でもこの場合、「ごめんね」が言えたり、自分で何が悪かったかわからない場合は「どうして怒ってるの?」と聞けば解決することでもあります。
その原因がわかって、それについてきちんと謝罪ができれば、問題解決に向かいます。(多くの関係悪化やトラブルはこれで解決します)
ただ、2つ目、3つ目はちょっと複雑です。
2、2つ目は、女の子によくありがちな『嫉妬』です。
例えば、成績が急に良くなって、先生から褒められたり、スポーツで目立ち始めたり、クラスのみんなから人気が出たり・・・。
自分の近くにいた友達が、そうやって急に輝いていく姿を見て、そこに嫉妬して『おもしろくない』と不機嫌になるケースです。
“女の子によくありがち”とは言いましたが、最近は男の子にもこの傾向が増えてきています。
“自分が”面白くないので、仲の良いその子に“当たる”んですね。
でも原因が『自分と相手との差』なので、なかなか改善はしません。
なので、もし相手がこの『嫉妬』で機嫌が悪くなったり、態度が冷たくなったのでしたら、距離を取っていくのが一番です。
妬む相手には「勝手に妬んでろ!私はもっと手の届かないところに行ってやる!」と相手にしないでいると、
その友達との距離が開き、開けば開くほど関りが減っていき、トラブルがなくなります。
もし家族ぐるみの良いお付き合いをしていたとしたら、その関係が無くなるは残念ですが、その子の『嫉妬』に付き合っていたら、子供の成長はありません。
友達は子供の成長によって変わっていくものですから「今まで仲良くしてくれてありがとう」という思いで、関りを減らしてくのが良いと思います。
3、そしてこの3つ目が、今回のellyさんの娘さんが体験している事だと思うのですが、それは
『過剰な謝罪や許しを請うことが、相手に誤解をあたえてしまう』です。
これは1番目にも関連してくるのですが、相手が怒っている時、何か原因があるのでは?と考える、それは決して間違っていません。
でもAちゃんは謝っても「イヤ」と言い、許してくれないみたいです。どうやらその怒った理由もよくわかりませんよね。
としたら私は『そこに理由はなかった』のではないかな?と思うのです。
たまたま、不機嫌な態度をしているときに、娘さんが「私何かした?」と気を使って、理由もなく「ごめんね」と言ったり、Aちゃんがわがままを言えば、それを聞いてくれた・・・。
その時「こうやって不機嫌な態度をしていれば、いいなりになってくれるんだ・・・」と思ってしまうのです。
実はこれ、家庭崩壊をする家ではよくあるケースで、子供が不機嫌だからと親が子供の機嫌を取っていると、
子供の要望はどんどんエスカレートして、暴君のようになって、次第に親子の関係が逆転してしまいます。
そのうち、子供は親を動かすべく暴言・暴力を使うようになり、結果は予想通りです。それはまあ判で押したように・・・。
3の例は、これに酷似しています。
確かに1のケースのように、気づかないうちに何かをしてしまったのだとしたら「何かしてたらごめんね」と謝るのは悪いことではありません。
ellyさんも、お世話になっている気持ちがあったり、「Aちゃんを大事にね」と娘さんに伝えていたこともあって、きっと娘さんとしても最大限関係回復に努めたと思うのです。
ですが、それで相手が「許さない」「わけも教えない」のなら「もう付き合ってらんない」と、追い続けないことが大事なのです。
(でも普通の友達関係ならそうなりますよね。小さな喧嘩があることも普通なのです)
でも「良い関係を保ちたい、壊したくない、許してもらおう」とするこちら側の態度が相手を狂わせてしまうのです。
これ、とても似た例を過去のメルマガでご紹介している(後にURLを記載しておきます)ので、読んでみてほしいのですが、
こちらが悪いと思ってへりくだっていると、相手を勘違いさせてしまうのですね。
なので娘さんには「理由を聞いても答えてくれないし、謝っても許してくれないのなら『じゃあ勝手にして』って、関わらなくていいよ」って言ってほしいのです。
そして「自分が悪くないのなら謝る必要もないし、言う事を聞いてあげなくてもいい」という事と、
「それで仲たがいしても良いんだよ。友達なんだから喧嘩することがあったって良いんだ」って話をしてあげてほしいです。
またできれば「言いなりになっていることで、Aちゃん自身に勘違いさせちゃって、Aちゃんにも間違いを気づかせられないから、あなたは毅然としていた方がいいんだよ」と教えてあげてほしいのですね。
先ほども言いましたが、友達は子供の成長によって変わってくるものです。
だから幼稚園の時の友達がずっと大人になっても変わらない、ということはあり得ません。
親としては子供が友達を失ったり、仲たがいをしたりすることは怖いかもしれませんが、それが普通であることを教えてあげてほしいです。
私はそう考えますがいかがでしょうか?
ココまで・・・
このようにお返事しましたら、ellyさんもご理解いただけたようです。
その2週間後ぐらいにこんなメールが届きました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。お返事が遅くなってすみません。頂いたアドバイス、何度も何度も読み直しました。
過去のメルマガの記事もすごくわかりやすかったです。
友達が急に意地悪になるって珍しいことじゃないんですね。
それに、実際に相手を傷つけていなくても『嫉妬』や、『過剰なへりくだり』からもそうなることがあるって驚きでした。
実はお送りしたメールにも書きましたが、私自身、子供時代に仲の良い友達がいなかったので、どう付き合うのが普通なのか、その「普通」がわからずにいました。
そして娘にできた友達の存在が本当にありがたかったし、娘のおかげでママ友ができたこともうれしくて、娘にはなんとか「いい関係でいてほしい」と思い過ぎていたと思います。
今回教えて頂いた過去のメルマガで「あれやって」「これやって」と言われてやってあげている、というお子さんの例がありましたが、そこに
“きっと○○ちゃんにとっては「嫌われないように」とか「好きになって欲しい」と思っているからやってあげているんだと思うけど、相手は「○○ちゃん、私の言いなりでいやだな」って感じているんだよ。
友達は、友達だからこそ、自分の気持をはっきり言ってほしいんだよ。いやな時には「嫌だ」っていってほしいんだ”
とあったのを読んでガーンでした。私はそれでいいと思っていたからです。
でもそうですよね。気を使われていると感じたら、一緒にいて楽しくないです。もしかしたら私に仲良しの友達ができなかったのも、それが原因だったかもしれません。
パピーさんから教えていただいたメルマガの内容をしっかり読んで、娘に
「自分が悪くないのなら謝る必要もないし、言う事を聞いてあげなくてもいい」
「それで仲たがいしても良いんだよ。友達なんだから喧嘩することがあったっていいんだ」
と話しました。すぐには行動できなかった娘も、いよいよ「じゃあ、もう勝手にして」と怒ってもう関わらないようにしたそうです。
そしたらその次の日に、Aちゃんから手紙をもらって、そこには「わがまま言ってごめんね。またあそびたいのでなかよくしてください」って書いてありました。
なんと、こちらの態度を改めた翌日に、問題は解決したのです。
びっくりですが「友達って、こういう事なんだな」と私も娘も理解しました。
結構長い期間悩んでいたことが、相談し行動した次の日に解決してしまって、パピーさん依存になりそうな気持ですが、依存ではだめですよね。
ちゃんとその判断が自分でできるように、勉強頑張ります。
ただ、どうしても解決できないときにはまた、お力になってください。
今回はありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
ココまで・・・
娘さん、勇気を出して「じゃあ、もう勝手にして」と言ったのですね♪すばらしい!!
そして翌日にはAちゃんの方から「ごめんね」って手紙にしてきたって、やっぱりAちゃん、ellyさんが言われたようにいい子なんですよ(^^)。
ちなみにあの「ランドセルを持つ」のも、今はジャンケンをして、持ったり持たせたりしながら帰宅しているそうです。
登校時、Aちゃんの家で待つときも、あまり遅いと「先行くよー!」って自然に言えていて、
Aちゃんからも「ランドセルおもーい!」とか「待って~」なんて言葉も出て、主従関係は完全になくなったと分かるそうです。
良い関係になりました♪
ellyさんにご紹介した過去のメルマガの記事は下記の2つになります。よろしければご参考になさってくださいね。
821号 友達との関り(1対1の場合)
https://www.age18.jp/back821.html
694号 友達との力関係(1対2の場合)
https://www.age18.jp/back694.html
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。