第1211号 「死ね!」と言う子
こんばんは。パピーいしがみです。
早いもので、今年もあと1週間を切りました。「今年の漢字」が発表されると、その後はあっという間、っていつも思っていますが、今年の漢字は「戦」でした。
あなたの「今年の漢字」は何でしたか?
多分私達の住んでいる静岡県では多くの方が「水」と答えるだろうな~と思います。
リニア新幹線も水の問題でなかなか進まないし、静岡県裾野市ではオーケストラの練習時に消火用スプリンクラーが作動して楽器が全滅。そして何より9月にあった水災害は50年ぶりに大変な被害をもたらしました。
また、今年の後半、静岡では悲しい事件がいくつも連続して起きました。
3歳の女の子が通園バスで置き去りにされて亡くなったのが9月。場所は牧之原市(静岡県西部)でしたし、
1歳児の足をもって“逆さづり”したり暴言や倉庫に閉じ込めたりの虐待が行われていた報道は裾野市(静岡県東部)。
そして勤務していた看護師が入院患者に殴る蹴るの暴行をしたのが沼津市(静岡県東部)。
どれも全国ニュースで大きく報道されて、弱者が被害を被るニュースはどれも静岡・・・で悲しくなります。
来年はこんなことがなくなってほしいです。
あ、そうでした。本日のメルマガの内容ですが“「死ね!」という子”という題名にしました。すご~くショッキングですよね。
ですが、今、ものすごく増えている相談でもあります。
以前、ちょっと前にサッカーの合宿で同部屋の子に「今すぐ死ね」と言われた、とメルマガでも紹介しましたが、そこでも私は「この言葉は看過できない(見すごせない)」と言いいました。
基本、私はケンカ奨励派です。トラブルが起きたら我慢してるんじゃなくて、主張しなくちゃダメだと考えています。もちろん口ゲンカだってしてほしいです。
「てめえ」とか「このやろう」とか「ばかやろう!」とか「ぶんなぐってやる!」なんて使ってほしくない言葉も多々あります。
でも「死ね!」とか「殺してやる!」って、それらの言葉とは次元が違い、一線を越えてしまっているのです。
それはやはり、あまりにも強烈な「否定」であり、たった一度の失敗でも、二度と取り返せなくなってしまう「命」に関わっている言葉だからです。
それに私が最も重要と考えている根幹『生の肯定』を踏みにじる行為ですから、個人的にも「絶対に許せない!」という気持ちがあります。
今、法律も整備されてきて「殺してやる」や「死ね」という言葉は“脅迫”とされるようにもなりました。
実際の判決でも「脅迫罪・自殺教唆」などで判決が下っています。
プロレスラーの木村花さんは、テレビ番組の内容からSNSで誹謗中傷され亡くなりましたよね。この時も「死ね」という言葉が多用されていました。
この「死ね」と言う言葉は、現実に人の死に直結しているのです。
でも残念ながら今、簡単に「死ね」という言葉を使うシチュエーションが増えていて、大人でも表面では「使っちゃいけない」と知りながらも、ゲーム実況やユーチューブなどでは、かなり口にしているし、子供たちの目や耳も入るようになっています。
問題になるのはその低年齢化です。「使っちゃいけない」って分かっていればまだしも、善悪をこれから学んでいく年齢で使う子が増えているのです。
年の離れたお兄ちゃんやお姉ちゃんの言葉をまねることもあるし、兄姉がいる子が保育園や幼稚園で使うことで3歳4歳の子に広がる・・・。そんなことも起きています。
成人した、屈強なプロレスラーでもあった木村花さんも、心は一般人と同じです。
やはり誹謗中傷には傷つきますし、「死ね」の言葉は深く心に刺さったことと思います。
でもそんな鋭い刃物のような言葉が、そこら中に転がっています。小さい子達にも容赦なく同様に。
そこであなたには後悔する前に2つのケースで考えてほしいと思っています。
一つは「ご自分の子供が誰かに言われたらどうするか?」です。
そしてもう一つは「自分の子供が人に言っていたらどうするか?」。
一つは被害者となった時。そして一つは加害者になってしまった時です。相談は、この両面で届いています。
さあ、あなたはどうなさいますか?
これ、すごく大事な事なので、ただ私の話を取り入れるのではなく、じっくり考えてみてほしいのです。そして覚悟を持ってほしいのです。
学校の責任、保育園や幼稚園が何とかしてくれるなんて思ったらとんでもありません。(不登校やリストカットに繋がる問題が起きているのに、うやむやにされている例はいくつもあります)
学校や保育園や幼稚園が何とかしてくれるまでに、ご自分の子供は傷つき、傷けられ、もしくは傷つける側になり他人の人生を奪う事もありうるのです。
(ですからできたらこの先は、いったん読まず、自分ならどうするかを考えて、その答えが出た段階で、読み直してほしい気持ちもありますが・・・)
まず「ご自分の子供が誰かに言われたらどうするか?」ですが、
子供からその話があった時、子供が親に相談してくれた時、初めてそんなことがあったと知った時は、真剣にその話を聞き、憤慨してほしいと思います。
「誰が、どこで、いつ」など詳細を聞く必要はまだありませんが、「それはとんでもないことだ。それは先生は知っているの?もし自分だったら言われたらすごく傷つく」と、
犯人捜しをしないまでも、親が怒っている姿を見せれば、子供が「あ、これって言ったらいけない言葉なんだな」って気づきます。
そしてその後も何度も言われるようであれば(その時、子供が「その言葉ね。うちのお母さんがすごく怒ってたよ!」と言ってくれたら抑止力にもなるのですが)その子の名前を聞き、
幼稚園・保育園・学校の担任に実名をあげて「今まで何度も(できれば日付も明確にして)こんな風に言われている」「幼稚園・保育園・学校ではご存じでしたか?」(もしくは「放っておくのですか?」)と抗議をしてほしいのですね。
まずは起きているその場所で「先生の管理下でそんなことが起きています」と進言し、先生に対して注意喚起をすること。(多くの場合、先生が危機感を持てば、クラスで注意をしてくださいます)
ただ年齢が高い子や、口癖になっているようであれば、幼稚園・学校への進言だけで終わらせず、
(相手の親への了解も取りながら)直接その本人とも話をし「あなたのやっていることは、脅迫であり犯罪行為です!私は許しません!」と真剣に叱ってほしいのです。
絶対に我慢したり「そのうちなくなるだろう」なんて思わないでください。
その間に、自分の子供が大きな傷を負ったり、命を落としてしまうということもあり得る、という事を肝に銘じてください。
ですから他人の子が「死ね」や「殺してやる」を連発し、しっかり叱っても直そうとしない、学校もしかるべき対処もない、その子の親も問題意識を持っていない・・・のであれば、
私は法的に対処してもいいし、「そんな学校には行かない」という結論を出してもいいと思います。
では次「自分の子供が人に言っていたら」はどうしましょうか?
これは親としては相当ショックだと思います。
家では親にはそんなそぶりを見せたことなかったのに、友達やクラスメートに「死ね」とか「殺してやる」などと言い放っていて、学校から連絡が来て、そのご家庭の親御さんからも「伺って話したい」と連絡がきた。
さあ・・・どうしましょうね?
もちろんそこまで「知らなかった」としたら、事の真相を子供に問いただし、本当に「死ね」とか「殺してやる」とか言っているのか、を確認してほしいし、
相手の親御さんがご立腹されている様子も、本人に立ち会わせ話に参加させ、どれだけ自分が相手に悪いことをしたのか分からせる必要がありますが、
幼少期の善悪も把握できていない時に使う「殺してやる」や「死ね」でしたら、外で使う前に家庭でも言っているはずですから、気づいた時にきっちり話をしてあげてください。
それはただきつく叱ればいいのではありません。
冷静に、声のトーンを落として、笑顔なく真剣に、ゆっくり話をしてください。(それが緊張感を高めます)
まずは事実の確認です。「幼稚園からこう言われているけど、ほんとうですか?」という感じで構いません。(です・ます調で話をすると、より緊張感が高まり、事の重大さが感じられます)
それが事実であったとしたら次に「どうして“殺す”とか“死ね”とか言ったのですか?」と聞いてください。
子供にも理由があるかもしれないので、それを聞いてから・・・
「そう。あなたの気持ちは分かった。でもそれで〇〇君がもし死んだら、あなたはこれからずっと責め続けられるよ。大人になってもずっと。それでウチの家族がバラバラになるかもしれないし、そうなったらお母さんもあなたを許さない」
真剣な顔で冷徹に伝えてください。
そして「なぜ”死ね”とか“殺してやる”は使っちゃいけない言葉かわかる?」と聞いてください。
子供が自分で考えて答えを出すかもしれませんから、その時はちゃんと話を聞いてあげて「そうだね」と賛同しながら、それにプラスして、こんな話をしてほしいのです。
「人はみんなね。赤ちゃんで生まれてきたんだよ。あなたもそう。大事なあなたを育てるためにお父さんは一生懸命に働いて、お母さんは寝る間も惜しんでミルクをあげて、おむつも変えて、毎日ご飯を作り、やっとここまで育ててきた。
それであなたが「死ね」とか「殺してやる」と言ったら、その友達はもちろん。そのお父さん、お母さんはどう思うかね?
もしウチで、あなたの事をよその子から「殺す」なんて言われたら、お父さんもお母さんもすごく怒るし、もし何度も言われるようだったら、その家に乗り込んでその子を直接叱ると思う。
そのくらいいけない言葉なんだよ。だから絶対使ってはならないんだ!」
と、こんな感じでしょうか?
ただ、口癖になってしまっていたり、興奮した時、どうしても口をついてしまう事もあるかもしれません。
なのでこれでガラッと変わる、とは断定はできませんが、少なくとも「まずいことした」との意識と「お母さんはこんな風に考えているんだ」という親の気持ちは伝えられると思います。
それで、ここで大事な事をお伝えするのですが、
上記のような話をして子供が神妙に聞いていると、他にも「こんな言葉もダメ」と、「てめえ」だとか「××してやる」なども禁止したくなりますが、それは絶対にやめてください。
なぜならいくつも教えると「殺す」や「死ね」がどれだけ悪い言葉かがぼけてしまうからです。
“大事なことを教える時は一つだけ”なのです。
最後に「ぶっ殺してやる」を言っていたお子さんにどうやって説明したらよいか、相談を受けていた方から、ご報告を頂いたので記載しますね。
ココから・・・
昨夜、子供達に早速、なぜ「殺す」や「死ね」が良くないかを、パピーさんが送ってくれた内容を使わせて頂いたのですが、心を込めて話しました。
お腹にいる時から、どんなに大切に育ててきたかや、その子が亡くなってしまうってどれだけ悲しいか、逆に言われたらどれだけ嫌か。
子供達は、とても真剣に聞いてくれて、他の人にそれを言われたら、お父さんやお母さんが相手の子に怒ると話したら、びっくりして、重みが分かったようでした。
長男のクラスの女の子も「殺す」って言ってる!と言っていました。
次男がすかさず、「お前って言うのも悪いよね」と言ったので(伝えるのは一つだと教えて頂いたので、どうしよう?と)焦りましたが・・・。
ココまで・・・
はい、こうやって「〇〇もいけないことだよね」と言うのは、本人がちゃんと感じ取ってくれた証だと思います。
でもそこで他の言葉も一緒に・・・ではなく、あえて何も言わない。
それで「殺す」や「死ね」が何よりも使ってはいけない言葉なのだ!と印象が強まります。
「殺す」や「死ね」は、絶対に口にする言葉ではない、もちろん言われた時にも絶対に許さない!そんな意識をお持ち頂きたいな、と思います。
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。