第1217号 子の罪と親の責務
こんばんは。パピーいしがみです。
あっと言う間に1月がすぎて、もう2月です。今年の2月は28日しかありませんから、今月もきっと早く過ぎると思います。時間を大切にしないと!ですね(^^)。
あ、それで今回のメルマガの題名。ちょっと不安になりそうな感じですよね。
基本的に私は、世の中は楽しいことであふれている、と思っています。
ですが当然、楽しいことばかりではなく、イヤなこともあるし、イヤな奴もいる。苦しいこと、辛いことだってあります。
でもそれを排除するのではなく、距離を取っていく、自分を守っていく、適当な塩梅で付き合う、そして乗り越えていくことで、
イヤな事で潰されてしまうのではなく、楽しいことの多い日々が送れるようになるし、また、自らがその時々で選択できれば、困ることはとても少ないです。
そして、子供たちの未来は大きく開けているし、多くの子供たちにその事実を知ってほしい、と思っています。
が、子供たちがどうなるか?は親の影響が大きいとも考えています。
そこは全く変わりがないのですが、今「自分の考え方に少し修正が必要かもしれない」とも思っているんですね。
というのは、私の考え方は「性善説(せいぜんせつ)」に寄っているものであるからなんです。
「性善説」というのは簡単に言ってしまうと『人間は本来、善である』という考え方です。「人は本来、善であり、悪は物欲が心を覆う後天的なものなのだ」という考えです。
逆に「性悪説(せいあくせつ)」というものもあって、「性善説」を中国の孟子が唱えたことに対して、同じく中国の荀子が「人の性は悪だ、善があるとしたらそれは偽りだ」と言った事に起因するとされています。
ただ間違ってほしくないので詳細を知っておいてほしいのですが、荀子は「人は本来は弱い存在で、もともとは欲望が強いので間違いを起こすが、後天的な努力(学問や知識)によって自分を律し正すことができる」と言っていて、
荀子は性善説と同様に「教育の重要性」を説いたのでした。私はその考え方にすごく共感しています。
ただ、現在、多くの人が解釈している『性善説』は「人はもともと善である」という考え方で、それに反するように「人はもともと悪である」を『性悪説』として使っている人(メディアも含めて)がほとんどなんですね。
特に日本人の私たちは、大災害があってもみんな順番に待てたり、落とした財布やクレジットカードが戻ってきたり、サッカーワールドカップでは観戦後のスタジアムを掃除したり・・・。
(ご存じのように、これらは海外の方がとても驚かれています)
そんな私たちが誇りに思っていた、日本の風土というか、思いやり、こころくばりなど、親から子に伝えられてきた「人としての姿」がここのところ変わりつつあるみたいだなと感じているんですね。
特に今、ある事件が原因で『性善説の崩壊だ』と言われています。
もうご存じだとは思いますが、回るお寿司のお店で、誰もが使えるようになっているお醤油やお茶の為のコップを舐めまわして戻したり、
故意に自分の指を舐めて、レーンで回っているお寿司を触ったり・・・、という動画が拡散されました。
多分、こういういたずらって、過去にもあったのだとは思います。私もテーブルに備え付けのガリや、お箸に「これに何らかが入っていることも無くはないんだよな~」と考える事もありました。
「でもまさか、そんなことはしないよね・・・」という思いで、回るお寿司屋さんは大好きでよく行っていました。
これってお店もお客も「常識はみんな守ってくれますよね」が大前提なのですね。
かなり前に「グリコ・森永事件」と言って、青酸毒物を入れたお菓子をお店の商品棚に置くという事件がありました。
なので絶対に起こらないとは言わないまでも、それでも「常識的にそんなことする人はいないでしょう」という感覚でした。
ところがです。未成年とは言え、高校生が上記の「共用の醤油やお茶用のコップを舐めまわして戻す」様子を動画に撮って、SNSにアップした。
それを皮切りに、他の回転寿司屋さんでも・・・うどん屋さんでも・・・とぼろぼろ出てきました。同じことをして動画に載せた者もいます。
特に「醤油やコップ」の動画の撮影者は父親?という情報もあり(定かではありませんが)、もしそれが本当だとすると、叱るべき立場の親が(大人が)何やってんだ!って事になります。
重複しますが、これらの飲食店のシステムは「まさかそんなことしないよね」という、お客さんに対しての「性善説」の上に作られています。
だからこそ単価も安く、業界全体で切磋琢磨してくださり『美味しくて、安くて、助かる』という事業形態になっています。
ところが私もそうですが、こういう事件があると「効果的な対策をしてくれるまでは行くのを控えよう」となりますよね。
※ちなみに今、その系列のお店は全国的にガラガラだそうです。
そんな風にお客さんの足が遠のく。それがわずか1パーセントでもこの会社では約10億円の機会損失になるのだそうです。しかし今回の事で行かなくなるお客さんは1パーセントどころではないと言われています。
もし1割。10パーセントのお客さんが減ったとしたら、100億円の被害を被るわけです。一つの会社でこれだけの損失ですから、業界全体ではどのくらいの被害になるかわからないし、もしかしたら倒産してしまう会社もあるかもしれません。
現実にその会社の株の時価総額が1日で約170億円下落したそうです。
いたずらのつもりだった高校生。親と一緒にお詫びに伺ったとのことでしたが、これはもう「謝って済む問題じゃない」と謝罪を拒否され、会社側は刑事・民事で訴訟を起こし、賠償請求をするようです。
当然、未成年の子供が犯した罪は、その保護者である親に賠償命令が下されます。
そして、悪質な不法行為に基づく損害賠償義務は、自己破産をしても支払い義務が残る(非免責債権)ようです。
どんな金額になるかはまだわかりませんが、一生かかっても払えないでしょうし、一家離散、もしくは最悪な結末になるかもしれません。
これがもし、あなたのお子さんだったら・・・と思うとどうでしょう?一瞬で家庭崩壊。恐ろしくなりますよね。
なのでそうならないためにも「教育」が必要になるのですが・・・。
私は今まで「幼少期~10歳ぐらいまで」をきちんとすれば、その後、間違った道に行きそうになっても、周りの大人達も正そうとしてくれるという思いがありました。(性善説に基づいていました)
でも今、そうは言ってられない状況になりつつあります。それが「私の認識に修正が必要」と感じている部分です。
ちょっと話は変わりますが、昨年末に「餃子の無人販売店で商品を持ち去れれる」という事件が結構な頻度でありましたね。
でも私は、先のお寿司屋さんの事件と「餃子の無人販売店での持ち去り」とは同じにしたくないんですね。
確かにどちらも性善説の上に作られているシステムです。
ですが商品を無人の店舗に陳列し、自由に取り出せて「購入するならお金を支払ってね・・・」というやり方は、人の良心に頼りすぎだと思うのです。
「買ったものは払う、そんなの常識でしょう」と思っての形態かもしれませんが、
生活に困窮していたり、仕事がなかったり、しばらく食べ物に困っている人が少なくない今の日本で、誰もいない店舗、自由に商品を持っていけるの環境であれば、魔が差すことはあります。間違いを起こしてしまう人はいます。
なので、このような事業形態は罪を作らせてしまうのです。犯罪者を作ってしまうのですね。
実はこれと同じことが子育てで起きています。
例えば、タンス預金。「常識的に考えて、そこからお金をくすねるようなことはしないだろう」と考えているお父さん、お母さんは沢山います。
でも子供たちは成長過程で、必ず「お金」の魅力を知り、その誘惑にかられるのです。私は子供のほとんどは、その誘惑に負ける経験をすると思っています。
親の財布から小銭を抜く事もあります。親がせっせと貯めているタンス貯金から、お札を数枚抜き取ることだってあるのです。
それは、正しく成長するためには、誰もが通る道で、それを早くに見つけて修正してあげれば何も怖くないことなのですが、
「必ずある事」の認識を持たずして、それが起きた時にすごいショックを抱えてしまって「私の子育てが悪かった」って悩んでしまう方は本当に多いんですね。
ネットを見ると「精神的な不安があるかも」とか「子供の心の問題」とか書かれている記事もありますので、さらに親は悩みます。
逆に、過激に怒りを子供にぶつけ、盗人呼ばわりして蔑み貶めるなんてこともあります。(子どもの心に大きな傷を残します)
どちらも、その対応の悪さで子供の盗み癖が家庭で収まらなくなったり、万引き、窃盗の常習になる危険性をはらんでいるのです。
でも「精神的な不安」とか「盗人呼ばわりして貶める」なんて必要ないんですよ。
そもそも異常でもなんでもない。私から言わせると「それが正しい成長」なんです。
お金はとても魅力的ですもの。必ず興味を持つんです。だから欲しくなるんです。使ってみたくなるのです。
幼少期に、隣の子が持っていた電車のおもちゃを奪うのと何ら変わりません。
そして「必ずこういう事が起きる」と分かっていれば、早い段階で気が付きますし、起きた時もパニックにならず冷静に対処ができます。早い段階で正しい対処ができたら何も心配いりません。
なのに「そんなことはしないよね。常識は分かってるよね」って思い込んでいるから、事が分かった時には、かなり進行してしまっていたり、それを知った親も過剰なショックを受けたり、おろおろしてしまうのです。
先日、中学に入り、お母さんに暴言というか、きつく当たるようになったお子さんがいらっしゃる会員さんから、
「パピーさんが先に教えてくださっていたので、焦らずに『おー来た来た。これね』と冷静に対処できています」と教えていただきました。
そうなんです。「必ず来る」と予想ができていることは、「その時が来たらこうしよう」と事前に考えておくことができます。わかっている事であれば、焦らず、冷静に、ベストの対処ができるのですね。
ただ・・・ここでも私の思い違いが起きています。
今まで、私はこういう実際に起きている事象や問題を20年間。週1回のメルマガでお話してきました。
実際にあった問題を紹介し、ご本人の心の動きや、対処、改善まで、ご本人の了解を頂きながら、詳細にお伝えしてきたつもりでしたが、
そんなメルマガも1200を超えて、多すぎるがために簡単にピックアップできない、という現象も起きていることが分かりました。
なので、「幸せなお母さんになる為の子育て(上級編)」(仮名)という形で、年齢が高くなってからの(8歳・9歳・10歳~中学・高校ぐらい)
“必ず起きる”問題に特化した、新たな冊子を作る必要があるな、と思っているんですね。(まだ構想の段階です)
でも、会員さんには半額ぐらいでご提供しようと思っています。(これは、会員さんへの特典の意味もありますが、一度勉強され、基礎が分かっているので理解スピードが断然速いからです)
そこで、もし「こんなことを加味してほしい」のようなご要望がありましたら、ご連絡いただければ、そこに加えていきたいと思っています。
今、そんな方向で動いていますので、よろしかったらご提案のメールをくださいね。
そして・・・お金についてとても参考になるお話がありますので記載しておきます。必ず参考になると思います。どうぞご覧ください。
第976号 子供と「お金」
https://www.age18.jp/back976.html
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。