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第1218号 ≪超重要≫不登校時の初動

こんばんは。パピーいしがみです。

今回のメルマガですが、題名は「不登校の初動」としました。タイトルの前に『超重要』と書きましたが、この情報は多分、ネットでも目にしないと思います。でも『超重要』です。

不登校については、今までもお話してきましたが、「不登校になってしまった」というショックからか、それこそ超重要な部分を確認されていない方が少なくない(というか、とても多い)ようで、

現時点で「3学期から行けていない」という方もおられますし、新年度が始まってから言い出すこともあるので、皆さんには事前にお知らせしておきたいと思って、今回お話しすることにしました。

ここで、一度お考えいただきたいのですが、息子さん、娘さんが突然「学校行きたくない」と言ったら、あなたならどうされますか?

「寝耳に水」「青天のへきれき」「突然の発言にショック」ですよね。わかります。すごくよくわかります。

でも、放っておくわけにはいきません。その日、その声を聞いたとき、まずあなたは何をするでしょうか?考えたことはありますか?

まさか「1日休めば、次の日は行くだろう」なんて安易に考えてはいませんよね。先に言っておきますが、そんなことは絶対にありません。

多くの方は「そ・そう・・・。じゃあ、今日は休みなさい」と言うかもしれません。そしてドキドキしてネットで検索するのではないでしょうか?「子供が不登校になったら」とか「不登校になった時、親は何するべきか」とか。

そして本屋に走って、不登校の本を何冊か仕入れて勉強するかもしれません。

「あまり『学校へ行け』って言っちゃいけないんだよね」「何があったのか聞いてもダメなのか?」「でもまずは学校に連絡すべきか?」「先生に普段の様子を聞こうか?」なんて頭はさまざま思いめぐらすでしょう。

ネットでは本当に懇切丁寧に「その子の気持ちを思いやって、できるだけ傷つけないように。親ができることを考えましょう」と、とてつもなく大きな腫れ物に触るかのように書かれています。

「じゃあ、今日は休みなさい」もネットでの検索も本を購入されても良いと思います。いろいろ悩んでくださるのも結構です。

でも私はいつも言ってますよね。「まずは状況判断です」って。

ネットで見つかる不登校の情報はほぼ100%「行けなくなってしまった」というケースです。

ほとんどの情報が悩みに悩んで、苦しみぬいて「学校に行けない」気持ちをやっと口にした子供への対応なのです。

いえ、確かに以前は「学校に行きたいけど行けない」「行かなくちゃいけないのは分かるけど体が動かない」「学校が怖い、先生やクラスメートが怖い」という子が多かったです。

ですが不登校の子への過剰な対応や無制限のゲーム、なんの不自由もなく何でも許される毎日。学校は行かなくても友達とは遊ぶ。不登校を謳歌している少年の動画など。

そんな状況の中で「行かなくていいなら、学校さぼりたい」という子が、今すごく増えています。

これは、私が不登校で受ける相談で感じている比率なのですが、子供が「学校に行きたくない」と言った時、「ちょっとさぼってみたい」という気持ちからの言動は30%を超えてきているような気がするのですね。

いえ、本当に苦しんでいる子、学校がつらい子、体が動かない、学校に行こうとすると涙が出てしまう、という子の方が割合は多いです。

そういう子にはケアは絶対に必要です。できるだけ安心させてあげることはとても大事です。

ですが、あなたにまずやってほしいのは、それが「学校に行けない」のか「(怠惰で)行きたくない」のか、の『見極め』です。

何よりも『「学校に行きたくない」と言い出した子のすべてが、精神不安や、いじめや辛い思いから吐露しているのではない!』と知っていただくことが重要です。

ネットの情報はそこが抜けてしまっているし、それを指摘する人もいないので「ちょっとさぼりたい」「楽したい」「学校に行かなくてもいいならそうしたい」「勉強も宿題からも解放されたい」子供たちが急増しているのです。

それこそ毎日が日曜日で、テレビに飽きたらゲーム、ゲームに疲れたらYouTubeや漫画、学校に行っている友達にも「お前も不登校になれば?」なんて誘い、二人で不登校になり昼間っから対戦ゲームで楽しむ・・・。

あり得ないと思いますか?いえ。あるんです。それも結構多いんです。

もし、私が今の時代に小学生、中学生だったらさまざまな手を使って「学校に行けない子」のように振舞います。

当然仮病も使うでしょうし、原因不明の何かがあるように見せたり、何とかして親の目を欺こうとします。

学校で先生に叱られたり、宿題をやり忘れていたり、友達とちょっと喧嘩した・・・ぐらいでも「明日学校に行きたくないな~」と思う事は私達にもありましたよね。

ところが「今日は休みたい」なんて親に言っても(我が家の場合は)額に手を当てて「はい、熱は無し。大丈夫!」ってポンと背中を押され、玄関から出されました。

ですが現在、子育てをなさっている方はとても不登校に敏感です。

そして情報もあふれているので「強制しちゃいけない」「まずは共感してあげなくちゃ」なんて、本当に寛容でいらっしゃる方が多いんですね。

でも成長過程にある子は、「自分がこう言ったら親はどうリアクションするかな?」なんて考えたりもするんです。ちょっとした嘘や演技で親は騙されたりして・・・なんていたずら心ですることもあるんです。

そして本当にコロッと騙されちゃったりします。
なので『不登校時の初動』が超重要なのです。

では具体的にどうするか?ですが、まずお仕事をされている方は、その時はお休みしてほしいです。どうしても外せない用事があるのでしたら、とりあえず出勤して早めのご帰宅でも結構ですが、

とにかく「子供だけ」にしない事。

子供の「今日は休みたい」が本当に精神的に苦しんでのこともありますから、やみくもに「行きなさい」と命令をしたり、理由が分からないのに怒るのはやめてくださいね。

子供の顔を真剣に見て「何か理由はあるの?」とだけ聞いてください。

答えてくれたら聞いて頂きたいですが、答えなくても結構。「行きたくない」という気持ちを口にしたのですから「わかった」で休ませても構いません。

ですが、テレビのリモコンはしまってください。コンセントも外し縛っておいてください。もちろんゲームもコンセントを機械から外して遊べないようにしておいてください。(電源がないだけで動きませんから)

そして携帯電話を与えているのなら携帯電話も「預かっておくよ」と、一旦は親の管理下に戻してください。(誰かにそそのかされている場合は連絡が入ります)

子供に「なぜ?」と言われたら「他の子は学校に行っているのに、あなただけテレビを見たり、ゲームをしてたらおかしいでしょ」と答えてください。

本当は、学校の授業と同じようなカリキュラムで勉強もさせたいですが、まだ「学校に行けない」のか「(怠惰で)行きたくない」のかが明確でないので、1日目はとりあえず体を休ませて様子をご覧になられたらいいと思います。

【不登校時の初動】として、この親の姿勢は厳しすぎると思いますか?

きっと普段このメルマガをお読みでない方が目にしたら「なんてことするんだ!」と思う人が大半だと思います。(そのくらい、皆さん不登校には超過敏です)

ですが、本当につらくて学校に行けなくなってしまった子にとっては、ゲームやテレビがなくたって「学校に行かなくて済む」それだけで心が安らぎます。心からほっとします。血色が良くなり、顔つきがみるみる柔和になるでしょう。

もしこの初動をしてみて、子供が安心した顔に変わったら、「あ、何か相当辛いことがあったんだな」と思ってくださって良いと思います。(そうなったら時間をかけてゆっくりと、理由を聞き出すことをしてほしいです)

ですが「(怠惰で)行きたくない」子の場合は、自分の思っていた予想(勉強からも学校からも解放されて、ゲームし放題、遊び放題の天国)からの落差で不満が噴出します。「こんなはずじゃなかった!」って。

なので、この【不登校時の初動】をやってみると、子供の本当の狙いが見えてくるのです。

キーワードは「家を子供の楽園にしない」ってことです。

家は安全な場所であるべきです。それは何も間違っていません。ですが両親ともに働いておられる家は、昼間は誰もおらず、子供が自分一人になった時「何をやっても許される空間・パラダイス」になってしまいます。

ものわかりの良すぎるお母さんがいらっしゃるご家庭も同じです。

子供がテレビ・YouTube見放題でも、ゲームし放題でも、マンガ読み放題でも、「不登校だからしょうがない」とお考えでしたら、子供はそこから脱却することはありません。

私がご相談を頂く時は、もう何らかの問題が起きている時で、この不登校の件でご相談を頂く際には、すでに不登校になって数日~数週間経っています。

ですが様子をお聞きしたりいろいろご質問をしてみて「あれ?これは確認した方が良いな」と思う時には、

「他の子たちが学校に行っている時間は、学校のカリキュラムに沿って、勉強をさせてくださいね。その時間は、テレビやゲームはやめてください。子供にスマホを渡している場合は、スマホも預かってください」とお願いします。

理由は一つ。「家を子供の楽園にしない」為です。

それに対して子供が反発するのなら「みんなは学校に行って勉強しているのに、同じ時間に遊んでいるのはおかしいって思わない?って聞いてください」とお願いします。

体調も悪くなく、普段は活動的なお子さんでしたら、何日も家の中にいる事はけっこう苦痛です。

それでもゲームやスマホがあれば時間潰しができますが、それらがなければ退屈で「これなら学校に行ってた方がまし」となります。それは「家庭が楽園ではない」という事が分かった瞬間です。

家庭は安全な場所であってほしいですが、旅行先のリゾートのように楽園を満喫する場所ではないのですね。

このようにお返事して、3週間学校を休んでいた小学5年生の子が、お母さんが実行した2日後に学校に行きました。学校に行った翌日にこんな風にご報告くださいました。

ココから・・・

パピーさん。お返事を頂いて驚きました。というのもそんな情報はどこにもなかったからです。

日々実際に相談に乗っておられるからこそ、最新の状況がお分かりなんだと、心から敬服いたしました。本当に救われた思いです。

パピーさんの言われたように、私はしばらく仕事を休ませてもらうべく上司に許可を取り、長男にその旨伝えました。

「あなたが学校に行かないのなら、お母さんだって仕事に行かないよ。でもこれでお母さんも時間ができたから、学校に行っているみんなと同じ授業の内容を勉強しよう」

たったそれを言っただけで子供の顔色が変わり「いいよ。おかあさんに迷惑はかけられないよ。仕事行ってよ!俺大丈夫だから!!」と焦りだしました。

その様子を見て「パピーさんが言ったとおりだ。私がいると不都合なんだ」と直感しました。

そして「学校は行かなくてもいいけど、勉強は必要。だから義務教育として法律でも決まっているんだからね。学校に行っている子と同じように、その時間はゲームも、テレビも見ないよ。お昼休みだってみんなはゲームはできないしテレビも見れないんだから同じようにするからね」と言いました。

あれだけ饒舌だった長男は急に無口になりました。

そして翌日。息子としては「本当にやるのかな?」という様子見もあったのだと思います。ですが私は有言実行!と、学校で朝の会をする時間にスケジュールを作って、

1時間目から、マンツーマンで向かい合って勉強をしました。(思えばこんな風に子供と勉強をしたことはもう何年もなかったことを思い出しました)

おかげで子供の学力が低下している事や、読解力、集中力が足りないことなど、「今、こういう状態なんだ」とよくわかりました。

長男も何週間ぶりの勉強だったのでしょう。頑張って1日目はなんとか終わりましたが、相当疲れたようでした。

ちょっとハードだったかな?とも思って「はい、お疲れさん。じゃあテレビもゲームも約束通り使えるよ。でも決まり(両方とも毎日1時間までです)は守ってよ」と渡しました。

その日の夜、就寝前に長男が「オレ、明日から学校行くから」とぼそっと言いました。

私が「なんで?」と言いましたら、「もう体調が良くなったからだよ」と憮然と吐き捨てました。

そして本当にその翌朝、以前と同じ時間に、以前と同じように家を出ました。そして今、パピーさんにご報告すべく、このメールを書いています。

思えば私はナーバスになりすぎて「刺激しないように」と気を使ってばかりいました。そして子供から逃げていました。

どう対処したらわからないながらも「このまま中学も行けなくなってしまうのか?」とか「あの子の人生、これからどうしていけばいいんだろう?」と通勤電車の中で涙する事もありました。

でも「そっと見守る」以外にはできることがなく、それこそネットの情報で「友達からのいじめ?先生がきびしい?家庭での問題?」など考えれば考えるほど思い当たる事もあって、家に帰っても「腫れ物に触る」ように接していました。

ですからパピーさんからのご提案には「そんなことして大丈夫?」という思いもありましたが、「本当につらい子は昼間の勉強やゲーム禁止よりも学校へ行くことの方が苦しいはず」の言葉で行動できました。

私も正直に言うと「一緒にいれば気が滅入る」の理由もあり、向き合う事から逃げていた自分がいたのもあって、もう不安でおろおろするよりはっきりしようと。

で・・・行動してみたら、こんなにあっさり解決です。

パピーさんからも「どれだけ長引くかは、子供の理由次第です」と言われていたので、私も長期の覚悟をしていましたが、子供は「(怠惰で)行きたくない」だったんだ、とよくわかりました。

でも、まだ安心はできませんよね。会社にはとりあえずは1週間のお休みを頂いたので、この1週間は、途中で帰って来たりしないか?も含め、様子を見るようにします。

今回は本当にありがとうございました。心から心から感謝申し上げます。

ココまで・・・

今回は子供に宣言してから2日。行動を起こした翌日には解決し、その理由は予想通り「(怠惰で)行きたくない」ではありましたが、毎回そうなのではありません。

なので不登校の子に、この対応が良いという事では絶対になく、その子、その子で対応は変える必要があるのですが、

『「学校に行きたくない」と言い出した子のすべてが、精神不安や、いじめや辛い思いから吐露しているのではない!』と知っていただきたいのです。

そのために【不登校時の初動】で、確認し、親が間違った思い込みをしないことが重要なのです。

もし子供のスマホを預かるとき、強い抵抗を示すようでしたら、それはもしかしたらSNSなどで悪口を書かれていて、本人が時々チェックしたいからかもしれません。

そういう時も、ゆっくり丁寧に理由を聞いてあげて、原因を突き止めてあげてくださいね。責めず、怒らず、丁寧に。

ちなみに先の5年生の男の子、あれから「学校行かない」とは言わないようです。途中で帰って来ることもなかったそうです。

今は「平日、家にいても楽しいことなんて一つもない」と笑いながら言うのだそうです。(そりゃそうです。家は楽園ではないですから)。

でもそれでいいんです。学校には友達もいるし、ふざけたり、運動したり、グラウンドで走り回ったり。その方が楽しいのは、何より自然ですからね。

不登校の過去の記事は「行けない」ケースでのお話しが多いですが、1度だけこの「(怠惰で)行きたくない」についてご説明しています。

こちらも是非、参考にしていただきたいと思います。

第1177号 登校拒否のパターン
https://www.age18.jp/back1177.html

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パピーいしがみ 人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。

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