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第1222号 メンタルを強くする

こんばんは。パピーいしがみです。

今日のメルマガは「メンタルを強くする」という題でお送りしたいと思います。

実はこの希望。けっこう多くのお母さんがお持ちなんです。

特に「私自身がメンタルが弱いので、私みたいにならないでほしい」という訴えや「子供のメンタルはどうしたら強くなるんでしょうか?」とよくご相談を頂いたりします。

希望とするところはわかります。

きっと、いつまでも拗ねた状態が続いたり、「どうせ自分は」と自虐の言葉を吐いたり、すぐに逃げたり諦めたり・・・そんな風になってほしくない、という事だと思うのですが、

それが=「メンタルを強くする」・・・ではないと私は思うのですね。

ただ「それに代わる良い言い方が無いな~何かないかな~?」とは思っていました。

ちなみに「メンタルが強い」って、どんなイメージを持たれるでしょうか?嫌なことがあっても気にしないとか、辛いことがあっても跳ね返す!とか、

硬くて、傷が付かずに跳ね返す・・・。強い気持ち、負けない姿勢・・・。そんなイメージがあると思いますが、誰みたい?と聞かれると、

あの2ちゃんねるのひろゆきさんだとか、ホリエモンさんだとか、メンタリストのDaiGoさんとか、N党の立花孝志さんだとか、令和新選組の山本太郎さんとか、女性では三浦瑠璃さんとか・・・?

そんなイメージないですか?

彼らは誰に何を言われようと、自分の考えを変えませんよね。アンチコメントもへっちゃらです。あの強靭な精神力はすごいと思います。とっても私なんか太刀打ちできません。

ただ彼らのようになりたいか?と言ったら・・・私はなりたいとは思いませんし、自分の子供をあんなふうにしたいか?と聞かれても・・・私だったらNOって答えます。

多分「メンタルが強い子になってほしい」とお考えの親御さんも、あそこまでは望んでいないと思うのです。

でも彼らはメンタル強いですよ~!!

ひろゆきさんも、ホリエモンさんも、DaiGoさんも、三浦さんも、とてつもない知識の量からでしょう。「議論をしたら絶対負けない!」という強い闘志を感じますし、立花孝志さんも、山本太郎さんも自分の考え方に一点の揺らぎもないって感じます。

でもそこにあるのは相手に対する軽蔑や偏見のように思うのです。

口癖は「あいつらバカだから」とか「~する奴は頭が悪い」とか・・・。みなさん頭脳明晰なのはわかりますが、いつも攻撃・軽蔑・敵対心・・・ですよね。動画や発言を見ていてもモヤモヤします。

でも私たちがそれを望んではいないとしたら「メンタルを強くしたい」とは言うものの、求めているのはそこじゃないと思うのです。

だから私も「強いメンタル」という言葉に、違和感を感じていたし、もっとぴったりくる言葉ってないのかな?と探してもいました。

そして・・・見つけました。今、関連の文献などを読み込んでいます。

その言葉とは「レジリエンス」と言います。(聞いたことがある方もおられるかもしれません)

レジリエンスって一言で言ってしまうと「困難をしなやかに乗り越え回復する力」という意味です。

どうでしょう?私達が子供たちに求めるぴったりの言葉だとは思いませんか?とくにこの「しなやかに」という表現がグッときます(^^)

辛いことや困難はやってくる。だからその時は落ち込みもするでしょう。でも一旦は落ち込んでも、時期が来たら切り替えて、また前を向いて歩きだしてほしい!

そう書くと、「それそれ!それを求めているんだよ!」って思いませんか?

実はこの「レジリエンス」という言葉、もともとは工学や物理学の世界で使われていた言葉だそうです。

例えば、物質や物体に何らかの力が加わると、形が変わります。凹んだり傷ついたりってことですね。

でもそれをどのくらい吸収できるか、または、元の形に戻ろうとすることができるか?が、その物質や物体が持つ「レジリエンス」と言ったのだそうです。

例えば、ガラスコップにボールをぶつけると粉々に割れてしまいます。それが粘土だったらボールがぶつかるとボコッって凹みますが形が戻りはしませんね。

でもスポンジにボールをぶつけても何もなかったようにすぐに元通りです。それが「復元力」や「回復力」という意味で使われて、今に至るのだそうです。

その『しなやか』に吸収し回復できることを「レジリエンスが高い」と言ったりします。

ではなぜ、その「レジリエンス」という言葉が、一般的になってきたのか、ですが・・・。

もう私達にも耳慣れた言葉として「PTSD」ってありますよね。

心的外傷後ストレス障害って日本語では言いますが、何か命の安全を脅かされるような出来事で強いストレスがかかって、苦痛や生活全般に障害をもたらしてしまう、という症状です。

アメリカ人の50~60%の人はなんらかの外傷的体験をしているけれど、その全ての人がPTSDになるわけではなく、PTSDを発症するのは14%程度であり、同じ体験をしてもPTSDを発症する人としない人がいる。

PTSDを発症する人としない人の差は何か、というと、このレジリエンスなんだ、という事なんですね。

そう聞くと「ああ、なるほど」と感じるところがあると思うのです。

例えば、昨年静岡で起きて、私も体験しました約1週間続いた断水ですが、あれで心を病んでしまう人もいれば、「まあ不便だけど全然平気!」な人もいました。

そう。同じことが起きても、人によって感じ方が違っていたのでした。

じゃあ、その違いは何から起きるの?というと、その人のそれまでの経験や、自己肯定感や、考え方・・・という事のようです。(あれ?今まで私が言ってきたことと同じですね)

多くの文献や書籍は大人用で、例えば仕事上いやな事があると、すぐに辞めたくなってしまったり、社会生活面でも落ち込んで立ち直れない・・・。「そんな時は、このレジリエンスの高め方を知って対処しましょうね」というものが多かったです。

成長時期の子供用について書かれているものはあまりないですが、この3つに集約されるのではないかな?と思いました。

1.いろんな失敗を経験する。(ただし失敗で終わらずに努力や継続、練習などで乗り越える経験し、いくつかの方法を取得する)

2.嫌だったこと、つらかったことをやりきる・乗り越える経験をする。

3.うまくいかなかったとき、誰かに「助けて」と言えるようになる。

これ、とても大事なのは「ただうまくいく」のが大事なのではない、って事なんですね。(「ただうまくいく」のが良くない理由は後に出てきます)

ちょっと上記3つをご説明しますと1の「失敗をするが、失敗で終わらずに乗り越えるいくつかの方法を取得する」のはもうお分かりですよね。

失敗もするけど乗り越える経験『も』するんですね。この「も」がミソです。(決して諦めなくてもいいんだ、って知るってことです)

そして乗り越えるための方法もいくつかあり、「こんな風にやってみたらどうだろう?」って自分で考えたり試行錯誤できるようになるってことです。

試行錯誤をして「できた!」となったら、当然、自己肯定感は上がりますし、いろんなやり方があることを知れば、諦めるより前にいろいろ試せるわけです。

うまくいかない時、克服の方法をいくつか知っていれば「じゃあ、こんな風にやってみたらどうだろう?」と、自分で考えだしたり、簡単には諦める結論は出さないのです。

そして2の「嫌だったこと、つらかったことをやりきる経験」ですが、これって辛かった部活や、厳しい環境に置かれ、それでも何とかやり切った経験があると、

辛いことがあっても「あの時に比べたら屁でもない」のように過去の辛かった時との比較で「今感じている辛さもそれほどじゃない」って思えるからなんですね。

ですから芸能界でも政財界でもトップになる方は、スポーツ強豪校の出身だったり、何かでタイトルをとっていたりします。厳しい練習に耐えてきている人が多いんですね。

私も「この人すごいな~」と思う人が、有名なラグビー部の出身者だったり、サッカーでベスト8に入った人だったり、「ヨットでインターハイに出ました」なんて方がおられます。そんな方はほんとうにこの「レジリエンス」が高いです。

きっと、あなたのお知り合いの中でも「あの人、すごいよね」と感じた人が、厳しい環境を耐え抜いてきた経験があった、って知ったことは少なからずあると思うのです。

ちなみに私の知っているある社長は、地元の強い野球部出身者を積極的に採用していましたが、その理由は「彼らは辞めない。へこたれない。諦めない」からだそうです。

少々頭の回転が遅くても続けりゃ誰でも上手になるから「そんなの関係ない」って言っていました。諦めず何度もチャレンジできる能力こそが最大の武器だって。

でも念の為に言っておきますが、だから「子供を厳しい環境におけ」と言っているわけではありませんよ。

親が簡単に諦めることをしなければ、子供は「イヤだけどもうちょっとやってみるか」と続けることになります。そうなると「イヤだったけどやり切った」という経験ができるのです。

そして次の山に来た時、親に相談があったとしても「イヤなの?じゃあやめれば」とすぐに諦める事をさせなければ、そのうち、その次の山も乗り越えるのです。

こうやって「親が諦めた態度を見せない」でいると、子供は次の山、次の山、とだんだん高い山も乗り越えられて、その経験が積みあがった時「あんなことあったけど、何とかやり切ったな~」って思えるようになるのですね。

なのでこれって、私は「親の姿勢」だとも思っています。

そして、この1「失敗をするが、失敗で終わらずに乗り越える経験もする」と2「嫌だったこと、つらかったことをやりきる経験」は、個人の能力を高める事でした。

でも、私が特に感動したのは3の「うまくいかなかったとき、誰かに「助けて」と言えるようになる」です。

私たち日本人は「大丈夫ですか?」と聞かれると、大丈夫じゃないのに「あ、大丈夫です」なんて言いがちですが、これってせっかくの助けも拒否していますよね。

私たちにとってはそれが普通だし「人に迷惑を掛けられない」と言う思いもありますし、頼ることが恥ずかしかったり、できれば自分だけで何とかしようと思います。

でも実際、大変な時、苦しい時、どうしても自分でできなかったら「ごめん、ちょっと助けて」と言えることで、すごく楽になったりしますし、簡単に抜け出せたりすることは多いです。

さすがにこの「レジリエンス」という言葉が海外でできたこともあり、そこにはこんな例が書かれていました。(私も新しい考え方にちょっと感動しました)

ある会社で新人の課長が付いたとたん、すばらしい成績を出した部署があったのですが、赴任したばかりの時に課長が部下の一人一人と面接して「必ず守ってほしい事がある」と言ったそうです。

その言葉は「仕事で困ったことがあったら、自分だけで抱え込まず、躊躇しないで私の助けを求めること」そして「助けが欲しい時にはメールの件名に『I need your help』と書いてほしい。そしたら最優先に対応するから」でした。(アメリカ人でも「助けて」は簡単には言わないのかな?と思いました)

こうして「助けて」と言えることができるようになった職場は、周りの協力を得ながら、どんどん業績を上げていったという事でした。もちろん一人の脱落者も出さずに。

これらを子供に教える一番いい方法は、「親の姿を子供に見せる」ことです。

もしご自分が「助けて」や「手伝って」が言えない人だったら、積極的にご主人や子供達にも言ってみるといいと思います。

「ちょっと助けて。〇〇お願い」と言われれば、私も喜んで手伝うような気がします。

それを見て子供達も「人に助けを求めるってそんなに恥ずかしいことじゃないんだな」って分かりますよね♪

こうやって考えると、強靭なメンタルってそれほど必要ないのでは?って思いませんか?

それより「レジリエンス」を高めることで『しなやか』に乗り越え回復していけるとしたら、そちらの方がずっといいように感じます。

今、デジタル時代になって、子供たち(当時の子供だった大人も含め)は、試行錯誤をして失敗することがとても少ないのだそうです。

というのも、スマホでちょっと調べれば上手にできる方法がいくつも出てくるからです。

自分で考えたり、失敗の中で見つけたり、試行錯誤をすることもなく、便利で答えがすぐに分かる日常にあるから「失敗する機会さえも減っている」のだそうです。

でもそれこそが「自分で何とかしよう」という思いを強くさせ、もちろん、自分で何とか出来るだけのスキルも培っていないので、簡単に壊れてしまう結果に向かうという事でした。

結果「メンタルが弱い」と言われたりします。

今、そういう方が多いからこそ、『しなやか』に乗り越え回復できる事が強みにもなるし、生き抜く力にもなっていくと思うのです。

ね。大事なのは「強いメンタル」ではなく「高いレジリエンス」です♪そして「強いメンタル」を作るのは難しくても「レジリエンス」なら誰でも高められそうです。

『強いメンタルなんていらない!しなやかに乗り越え回復できればいい!!』私はそう思いますが、いかがでしょうか?

今日のメルマガが参考になったら嬉しいです(^^)。

過去にご紹介した記事で、親が無意識に子供の失敗を減らしてしまう事もお話ししています。よろしかったらこちらもご覧くださいね。

第196号 子供がスポーツカーになる?
https://www.age18.jp/back196.html

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パピーいしがみ 人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。

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