第1225号 初めての挫折
こんばんは。パピーいしがみです。
桜の様子はどうですか?静岡ではもう桜吹雪が始まり、葉っぱの方が目立つようになりました。すごく短い桜の季節。だからこその美しさがあるのかもしれません。
さて、今日のメルマガは「初めての挫折」としました。
まあ、挫折は誰にでもあるし、今日ご紹介するりりんさんの次男さんも「初めて」ではないのかもしれませんが、結構大きな挫折を経験して、いつもは自信もやる気もある子なのに、すごく凹んだそうなのです。
りりんさんも「どうしましょう?」という感じでご相談のメールをくださいました。
では早速ご紹介します。こんなメールを頂きました。
ココから・・・
おはようございます。いつもお世話になっております。
今回は、はじめて次男の事で相談です。いつもは自信満々、やる気たっぷりの子です。
小学校に入ってから始めたプール。
けのびからはじめ、バタフライ(4泳法マスター)の最後の試験まで連続合格。(一つの泳ぎに3段階試験があり、合格すると次の泳ぎ方へうつります。)
先日のバタフライ25mの最終試験があり、足もつかなかったしスピードもあって私も子供も、受かるだろうと思っていました。
しかし細かい部分を忘れていた様でそこを指摘され、不合格になってしまいました。(普段はできていたそうですが、本番忘れてしまったそうです)
次男は泣くのを我慢しながらプールを出て、車の中で今まで見たことない位、号泣していました。
「今まで連続で合格できたのはすごい事、失敗する事は大人になって必ず役に立つ事、きちんとマスターした方が、タイムの級へ上がった時タイムが伸びる事」など話し、泣きたいだけ泣かせてあげたら少し落ち着きました。
でも次の日の夜も思い出してまた泣いていました。
次のプールの日、辛いのでは?と心配しています。同じ級ですごく気のあった友達は合格しています。
同じフロアで自分より一つ上の級の色の帽子をかぶった友達と会うのも、負けず嫌いの息子にとってキツいでしょうし、
いつもやる気満々で張り切り、先生とも気軽に話していましたが、これからもそのようにやる気に満ちて楽しく練習できるのか?
「もっと良い声がけがあるのでは?」と悩んでいます。
何か良い声がけはありますか?教えていただけると嬉しいです。
これからも楽しく続けてほしいのが本音です。
ココまで・・・
りりんさんの次男さん、スイミングで一度も落ちることなく、ずっと合格し続けたんだそうです。すごいですよね!!(うちの長男は何カ月も進級できずに後から入った子に抜かれていました)
でもだからこそ今回の挫折は結構大きくて、「車の中で今まで見たことない位、号泣していた」「翌日も思い出すと涙を流してた」と書かれていましたから、
りりんさんは、今回のショックで「もしかしたら辞めちゃうかも?」と感じているんだろうな~と思いました。
でもりりんさんの声掛けはとても良かったし、すでに声掛けをなさっているのだから「今後はこんな風に・・・」と言う意味でお返事しました。
ココから・・・
りりんさん、こんにちは。メール拝読しました。
皆さん、すばらしく成長してくれていますね♪私もうれしいです。(注:先にお子さん達のご報告があったので)
今回のご相談は、次男さんのバタフライの最終試験で失敗してしまって「何かいい声掛けがないか・・・」とのことでしたが、
まずは今の状況として
「小学校に入ってから始めたスイミング、バタフライ(4泳法マスター)の最後の試験まで連続合格」
というこの実績がとてつもなくすごいことで、私は今回、失敗してくれてよかったな。と思っているのです。
というのは、やはり「挫折」は早い段階で経験した方が傷が浅いからです。
とは言っても、今まで連続の合格をして今の学年まで一度も失敗なし・・・としたらかなり自信もあったでしょうし、これが初めての挫折だとしたら、結構な落胆や、相当な落ち込みもあるかもしれません。
泣くのを我慢しながらプールを出て、車の中で今まで見たことない位、号泣していた、そんな次男さんに、
「今まで連続で合格できたのはすごい事、失敗する事は大人になって必ず役に立つ事、きちんとマスターした方が、タイムの級へ上がった時タイムが伸びる事など話し、泣きたいだけ泣かせてあげた」というのはベストの対処だったと思います。
りりんさんとしては「もっといい言い方があったのでは?」とお考えでメールをくださったのだとは思いますが、
すでに第一の矢を放ち、今後、この結末で最高なのは、
『再度、親が声掛けをして子供が頑張る気になるのではなく、自分で「もう一度頑張ろう!」と思ってくれること』です。
ですから、まずは次男さんの様子をしばらく見て、もしそれ(自分で立ち上がる)が自分でできるのなら、それを選択するために、少し静観してほしいのですね。
でも次回のプールの時「今日は行きたくない」とか「辛い」と言って行き渋ったら・・・その時、どんな声掛けをしようか?とは考えておいてほしいのです。
その時に、行くのをやめたら、これでぷっつり終わる可能性が高いです。(それは本人の為によくない「逃げ方」を教えることになります)
なので、そうなった時、りりんさんとしてどう言ってあげるのが、その子にとって一番価値があるか?という事を考えておいてほしいのですが、
私だったらこんな風に言うかな?と思います。(第二の矢:後ろ向きな発言をしたとき)
『あなたの行きたくない気持ちわかるよ。今までの連続合格記録が途絶えたんだもんね。
でもね。いい?今まで連続合格した子なんて、めちゃめちゃ少ないと思うよ。
それをあなたはやり遂げたんだからすごいよ。これはあなたの今までの評価ね。本当に今までよく頑張ったと思う。おかあさんも誇らしいよ。
でも、今後の評価は、今のあなたの行動で決まるんだよ。
確かに合格できなくて残念だった。失敗して後悔している部分もあるだろうし、投げてしまいたいという気持ちもあると思う。
だけどね、今のあなたと同じクラスにいる子たちは、みんなもっと早く挫折したり、不合格を経験していて、それでも投げ出したりはしなかったんだよ。
あなたの今までは素晴らしかった。すごくカッコよかった。でもこのたった1回の失敗で投げ出したり、いつまでも落胆していたらカッコ悪いよね。
それにもし嫌がるあなたを親が無理やりプールに連れて行ったら、それもカッコ悪いでしょ。
じゃあ、どういうのがカッコいいと思う?
(もし本人が考えるようでしたら時間を与えてください)
お母さんは「1回の失敗なんて屁でもねえ」って堂々としているのがカッコいいと思う。それも「よっしゃー!もう一度チャレンジだ!」って自分で決めたらもっとカッコいいよね。
お母さんは、あなたに今までのようにカッコよくいてほしい。
さあどうする?よく考えて、あなたの気持ちを聞かせて』
と言って、あとは本人がどうするかの返事を待つかな?と思います。
私は、多分、次男さんここを乗り越えてくれると思いますが、親はそれだけを望んではならないと思うのですね。
もしかしたら「辞める」という選択をするかもしれません。でももしその選択をしたのだとしても、それに異論は唱えないでください。(子供の意志ですから)
(第三の矢:「辞める」ことを本人が決めた時)
もし「やめる」になったとしても、「今年度の最後までは行きなさい。辞める時にはキリのいいところまでやって、きちんと今まで教えてくれたコーチにお礼を言ってやめなさい。あなたが辞めるのは構わない。でもおかしな辞め方は私は許さない!」
とそこは威厳をもって接してほしいのですね。
はっきりと親が口に出すことで、子供はイヤイヤでも行かざるを得ないでしょう。でもそうやって通ってみると、また、友達とわちゃわちゃしたり、自分の能力の高さを再確認したり、「これで辞めちゃうのはもったいない」と思うかもしれません。
そうなると結果的に「まだ続けようかな?」となったります。
大事なのは、今、結論付けないことです。
第一の矢は放ちました。次は第二の矢。そして第三の矢ぐらいまでは用意して、それでも響かなかったら、
その時は「では次の何かを目指してみよう」でも良いと思います。
まだまだ、次男さんは自分で解決する可能性も残っていますからね。しばらく楽しみに見ていてほしいです♪
あ、よろしかったら、次回の結果など教えてくださいますか?私もどうなるか?とっても楽しみなので(^^)
ココまで・・・
とお送りして、様子を見て頂きました。
そしてその結果のご報告を頂きました。どうなったでしょうか?
ココから・・・
パピーさん。こんにちは。
2ヶ月前子供がプールの試験に落ちた事を相談した時、丁寧で分かりやすい返事をいただきありがとうございます♪
おかげさまで、プールの試験合格しました^ ^
また試験中一つ下の級の子に先生が「ああやってやるんだよ」と次男を指して教えていました^^すごく嬉しかったです。
プールの試験に落ちてからの経緯ですが
1週目→今まではケラケラ笑って関係ない事を話していたけど今回は真剣。友達と一緒に次泳ぐまでバタフライの手の練習
2週目→プール練習帰りに「オレの課題は3つだな。あれとこれと‥」と私に伝え、頭で復習
4週目→「ママの用事があるからプール休むよ」と1週間前に言っていましたが、その用事がなくなり「用事なくなったから4週目プールいけるよ」と言いました。
「えー!!行くのヤダ」と言うかと思ったら、「やったー!練習できる!今課題はこれとこれで‥」と楽しそうに話しはじめました。
その後少しして「オレ持久走の為にプール続けてたけど、今は試験に受かる事が目標!」と言っていました。
7週目で担当の先生がやめる事になり、きちんと「ありがとうございました」と伝える。
8週目 試験合格^ ^
という感じです。
受かった時、一緒に喜びましたし、たくさん褒めました。次の級のメドレーもやる気満々です^ – ^
今回の挫折の経験で、次男がどんどん成長していくのを感じました。
パピーさんに「挫折は早い段階で経験した方が傷が浅い」と返事いただいた事で心が落ち着き冷静に対応できました。本当にありがとうございました。
もう一つ嬉しい報告です。
中学生の長男が3学期の学期末テスト三教科と五教科で驚く成績をとりました。
「勉強めんどくさい」と言いながらも、自ら努力している姿をみて、たくましく成長してくれてるなと感じています。
長男も次男もどんどんたくましくなっているのを実感しています。
いつも長文の相談にもかかわらず丁寧にお返事いただきありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します^ ^
ココまで・・・
りりんさんは、第一の矢(声掛け)を放ち、第二、第三の準備もしていましたが、結局、それを使わずとも、次男さんは乗り越えてくれました。
落ちたことで、ちょっと舐めていた?雰囲気が引き締まって、真剣になってくれたみたいです。
これが一番いい形ですよね。第一の矢だけを放った後、「やめるって言わないで」って祈っていても、親は不安になるばかりです。
でも第二、第三の準備をしておいて、それでだめなら・・・って覚悟をしておけば、親は落ち着いて堂々としていられます。
(「人事を尽くして天命を待つ」の尽くす『人事』があれば天命も待てるわけです)
その結果「第二、第三の矢は、準備はしてたけど要らなかった」となれば、「あ~。よかった♪」で終われますからね。最高の結末になりました。
退職される先生にもきちんとお礼が言えて、他の子の試験の時のお手本にもしてもらい、もちろん失敗した試験には合格し、次のステップへの新たな挑戦に燃えている。
いいじゃないですか~(^^)。上手にステップが踏めました。
最後に、お兄ちゃんの事もご報告いただいていましたが、りりんさんも最初おっしゃっていたように、今までの相談の多くは、このお兄ちゃんの事でした。
ところがどうです?
「勉強めんどくさい」と言いながらも、自ら努力している姿をみて、たくましく成長してくれてるなと感じています・・・って、
本当にうれしく思います。もちろんお兄ちゃんも弟さんも、これからいろいろあるでしょう。
でもきっと、強く、逞しく、ぬかるみ・山道・土砂降りさえも乗り越えて行ってくれると思います。
りりんさん、貴重なご報告、ありがとうございました♪
今回の件、きっと多くの方の力になると思います(^^)。
※乗り越えていくことの重要さ。以前お送りした「レジリエンスを高めること」に繋がります。
とても評判の良かった記事ですので、まだお読みでなかったらお読みくださいね。
第1222号 メンタルを強くする
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。