第1232号 ≪緊急≫狙われる子供達
こんばんは。パピーいしがみです。
今日、お話しする内容は特殊詐欺に関することがメインです。「子育てに関係ない」と思うかもしれませんが実は密接にかかわっています。
今、特殊詐欺が多いのは、もうニュースでご存じだと思いますが、テレビでやっているニュースは本当に氷山の一角で、多くのご老人が被害にあっています。
が、被害を受けているのは老人だけではなく、沢山の子供達・未成年者も『加害者』としてのターゲットになっているのです。
(2022年のデータでは)1年間に17,520件起きていて、日本のどこかでで1日に48件起きていたという計算になりますし、その数十倍の未遂があったはずで、そこに若者が使われているのです。(決して他山の火事ではありません)
まずは特殊詐欺とは何か?ですが、一般的な詐欺と比較して、特殊な方法や技術を使って犯罪が行われる場合を指します。一例としては、「オレオレ詐欺」や「振り込め詐欺」そして「差し替え(カード)詐欺」などがあります。
詳細を話すと長くなるので割愛しますが、これらの詐欺には「インターネット」や「SNS」、または「テレグラム(履歴の残らない通信手段)」など、今までになかった「特殊」な器具や方法(子供たちが得意なこと)を使っているので「特殊詐欺」なんですね。
ではなぜ私が表題に「子供が狙われる」と書いたのか?ですが、もちろん子供は『子供である今』は特殊詐欺には加担させられません。
でもすでに子供達は子供の時代から、特殊詐欺(の捨て駒)に組み込まれるように育ってしまっている可能性が高いのです。
当初、私は詐欺に加担している若者に「あなたも被害者なんだよね」と思っていました。
ところが違うのです。特殊詐欺に加担してしまう子は、仕事内容と高額な収入のギャップに「あれ?変だぞ」と気づけないし、また少々ダークでも「お金になるのなら」と自分から探したりするのです。
一度加担してしまうと、抜け出せなくなってしまい、最終的に「強盗」や「殺人」までさせられてしまうのですが、そこまでを繋げて考えられない。
親も自分の子育て方で成長している子供たちが、特殊詐欺のターゲットになるかもしれないなんて考えてもいないのです。(無防備な人を狙う事ほど簡単なことはありません)
特殊詐欺の募集って、どうやっているかご存じでしょうか?中には悪い友達からの紹介もありますが、多くは「ツイッター」なのだそうです。
ツイッター利用者は日本国内だけでも「4,500万人(2022年)」います。50齢以上と若年層はあまり使っていないことを考えると、若者のほぼ100%近くに行き渡っているのではないでしょうか?
こんなに若者を網羅している媒体で闇バイトの募集は行われているのです。
例えば誰かが「今月、使いすぎちゃって♯金欠です」と打ったとします。
すると、捨て駒になる人間を欲しがっている首謀者は『#:ハッシュタグ』を見て「あ、この子はお金が欲しいんだな」とすぐに分かります。
するとそこにダイレクトに連絡が来るのです。「簡単で高額なバイトがありますがやってみませんか?」って。お金の欲しい人にピンポイントで勧誘が入ります。
全然知らない人からこんなメールが届けば、普通の感覚だったら「怪しい」と思います。が、ZOZOの前澤さんが100万円を100人に配ったように、本当にお金を撒く人がいる世の中です。
ああいった例もあって「一応返信しておこうか」とか「興味あります。どんなバイトですか?」などと返信したら、もう彼らとの繋がりができてしまうわけです。
そして採用試験もなく「学歴不問・面接不要」と書かれています。当然です。首謀者は顔も見られたくないし、捨て駒が欲しいだけなので面接なんてむしろしたくないのです。
募集内容は「代行」とか「封入作業」とか、当然具体的な内容は書かれていません。(わかりやすく「代行」を説明すると、銀行員や警察官になりすまし訪問する、という意味です)
楽な仕事、高額報酬、採用試験は無し、面接も不要。学歴も問わない、とメリットがたくさん書かれていて、それを読めば「これはおいしい」と思います。
そこで「おいしすぎる」「おかしい」と気づいてくれればいいのですが、お金に困っているとどうしてもその感覚は鈍くなってしまいます。
でも「その代わり、本人確認が必要なので『免許証の写し』と、その『免許証を持っているあなたの写真』を提出してください。そして『連絡先、勤務先(学校名)、住所、氏名』そして『保護者の住所・氏名・勤務先』も教えてください」ときます。
仕事をもらう方からすると、面接が不要だったら本人確認は必要だよな・・・そして未成年だったりすると「一応、親の名前も知りたいだろう」とは思います。
最初の仕事は「携帯電話を1日貸してください」とか「新しい通帳を作って1日貸してくれませんか?」とか。それで1・2万もらったりします。
これってもうお分かりかと思いますが、携帯電話を契約するには今、本人確認や引き落とし口座・重複しない暗証番号・ID・パスワード・・・と、とても大変ですよね。
悪いことに使えない為のセキュリティの意味もありますし、悪用すればすぐに分かってしまいます。だから犯行グループは首謀者までたどり着かない【他人名義】の携帯電話が欲しいのです。
銀行口座も同じです。その銀行口座に振り込めば、必ず履歴が残ります。でも他人の口座に振り込ませて、すぐにそこから現金として下ろしてしまえば、もうそれ以上お金の流れを調べることはできません。
逆にそこまでは簡単に調べられますので、警察にばれて止められることは最初から分かっています。
だから犯罪組織は自分に調査の手が届かない、【他人名義】の「1日使うだけの携帯」「1日使うだけの銀行口座」、そして自分たちの命令で動いてくれる【捨て駒】を大量に欲しがっているのです。
自分名義の携帯を貸したり売ったり、銀行口座を貸したり売ったりすることは犯罪とされていますが、まだ周知徹底はできていませんし、そもそも理由がわからない人がほとんどです。
そんな中、成人年齢が引き下げられ、18歳でさまざまな契約ができるようになりました。まだその危険性、重要性に気づいていない人がたくさんいます。
もしこの時点で「あ、変だ。すぐにやめなきゃ」と気づいて「もうこれ以上やりません」とか「辞めます」と言えば、相手は豹変して急に顔つきや声色が変わり、
「なにいっとんじゃ。お前のやったことは立派な犯罪だぞ。お前の顔写真と動画、住所氏名すべてツイッターでさらしてやるからな」と脅されます(ガーシー以上の怖さがあると思います)
だから・・・仕方なく次の命令に従わねばならなくなるのです。
※ここで注釈ですが、気づいた時は、どんなに脅されても、そこで逃げた方が良いそうです。
やってしまったことは残りますし、ツイッターでさらされるかもしれません。でもこの後のもっと恐ろしいことになる未来よりもずっと軽い罪で済みます。(更生だってできますから)※
『犯罪だ』と認識させて引き留めに成功したら、次にやらせるのが犯罪の肝となる「電話を掛ける係(掛け子)」や「お金やカードを預かる係(受け子)」です。
もちろんこれらの人たちも捕まる割合が高いので、あくまで「捨て駒」です。とにかく実行するのは「捨て駒」の人たちなので、できるだけ人数を確保しておきたいです。
捕まった「捨て駒」は切り捨てられますが、成功した「捨て駒」には、次の仕事は・・・と徐々に刑が重い犯罪をさせ、その最終形態が「強盗」です。
「強盗なんてできない」「絶対にやりません」と言うと、今度は「じゃあ、親がどうなってもいいんだな?」と脅されます。
そう。最初に自分の個人情報と一緒に親の住所氏名、勤務先まで情報提供させていたのはこの為です。
子供たちは、親にまで迷惑は掛けられない・・・と誰にも相談もできず、従わざるを得ない。結果「やる」一択になってしまいます。
※何度も言いますが、ここでも「こんなことできない」と思ったら、親に相談するか、自首するか、組織から離れるべきだそうです。
「親がどうなってもいいんだな」と脅しはしますが、犯罪組織にとってお金にならない傷害や殺人事件を起こしても、利益にはならないし、もしそこから足が付いたらかえって仕事に不都合だからだそうです。
もちろん「絶対ない」とは言えません。それでもすべてを警察に話して、もし何かあった時には力になってもらった方が自分や家族の身を守りやすくなります。※
「親がどうなってもいいんだな」と言われて、抜けられなくなった若者は、首謀者からハンズフリーイヤホンを買えと命令され、その指示に従って店を襲い金品を奪います。その時もし邪魔な人がいれば・・・脅すための凶器で殺してしまう事もあり得ます。(強盗殺人は無期懲役です)
そうやって奪った金品は、次の捨て駒「運び屋」に渡す。うまく行ったら次の仕事・次の仕事・・・と命令と脅迫で罪を重ねさせられ、捕まったら数年間は収監されて、犯罪者のレッテルは一生外すことはできません。
警察は必死に捕まえようとしますが、もし捕まっても「捨て駒(若い人たち)」ばかりで首謀者までは届かない。首謀者は大金を手に入れ、のうのうと指示だけ出す。それが延々と続いていく。という仕組みです。
ココまでの内容は、『ルポ・特殊詐欺(田崎基・著)』という本で詳しく書かれていますし、中田敦彦さんがそれをユーチューブで紹介しています。
特に本は実行犯へのインタビューと、実際に起きた事件のドキュメンタリーですから、その実態は本当に恐ろしく、読んでいて鳥肌が立つほどです。(是非、実態を知る為にも読んでほしいです)
では、なぜ私がそれと子育てに結びつけたか?と言いますと、先日NHKで放送していた「子供たちのお金の使い方」で紹介されていた状況を見たからです。
それ以前にも「子供が貧乏になるか、そうでないか?」は家庭で決まる、と何かの本で読んでいたからです。それは貧乏な家で育った子には、金持ちになる可能性がない、という事ではなく、
貧乏な家では(全てではありません)収入よりも支出が多い生活の仕方をしている場合が多く、親がわざわざそれを子供に見せ『無言で教えている』のだ・・・ということでした。
実は、お金に苦労するか否かは、すごく簡単な事で、浪費や、借金、ギャンブルなどの「支出」が働いて得られる「収入」を上回れば、簡単にお金に困るようになります。
もう一度書きます。これがお金に関するもっとも『基本』で、もっとも『単純』な原理です。
※【支出(払うお金)】が【収入(入ってくるお金)】を上回ると「貧乏になる」のです。
これはどんなにお金を稼いでいる人でも同じで、年間、何千万もの給料(収入)があっても、それ以上に使うお金(支出)が多ければ、必ずマイナスになるのです。
(そりゃそうだ・・・ですよね)
ですが、大きな車を買って、海外旅行に行って、高級なレストランでおいしいものを食べ、素敵な服、ブランドのバック、高級なアクセサリーに身を包む・・・。
男性であれば、ギャンブルしたり、パチンコで使いすぎたり、飲みに行って後輩におごったり。月の小遣いの前借りしたり、子供の為の貯蓄に手を出したり・・・って。
本当に多いのです。私がご相談を受けるご主人の相談の1・2・3は、借金・ギャンブル・アルコールです。浮気なんてそんなにありません。お金関係の相談がすごく多いのです。
これが「たまのご褒美」だったり「使った翌月は我慢する」など計画的だったりすれば問題はありません。ですが欲しいものをどんどんローンを組んで買ったり、クレジットカードでリボ払いを多用していたり、お金を借りてギャンブルしたり・・・。
一般的だと思っている人が多い「ペイペイ後払い」だって、あれって借金ですからね。支払いが遅れると14.6%の金利が発生します。当然複利で。
親に金銭的な考えのない家では、収入以上の支出(浪費・借金・ギャンブルなど)を毎日の生活の中で子供に見せているのだ、という事なのです。
浪費・借金等の生活が当たり前だと見て育った子供は「そういう生活をするようになり」結果的に「お金に困る」のです。
NHKの番組ではこの「浪費・借金・ギャンブルの子供版」を紹介していて、「えっ、子供たちの今って、こんな異常な状況なんだ!」と驚いたのです。
今の子供たちは、すでにデジタルマネーで払う事が普通になっていて、私が数年前に心配したことが現実になっている姿をまざまざと見せつけられました。
メルマガでは駄菓子屋のお話もしましたね。子供たちが自分のお小遣いの中で何がどれだけ買えるか、その組み合わせを必死になって考える。それが大事なんだとお話ししました。
が・・・テレビに出てきた(今の大多数だと思いますが)子供は「お婆ちゃんにGoogle playカードをコンビニで買ってもらって、それでゲームに課金する」とか、
お年玉をペイペイでもらって、自由に使う(課金やゲーム内のガチャ)とか。
女の子も「推し活にはまっていて、お母さんからお小遣いの前借をして・・・今、借金が20万円かな?」とか言っているのです。(推し活はゲームにもありますし、ユーチューブの生配信では「投げ銭」などもあります)小学生ですよ。
ゲーム課金だって、安くないです。1回で2000円とか・・・。それもゲームの中のキャラクターに着せる服だったり、武器だったり、架空のアイテムなのです。手元には何も残らない。
でも今、そういうゲームを作る会社が儲かっていて、どんどん大きくなっているのです。そりゃ儲かるよ。元手0円だもの。
お母さんにインタビューすると「推し活、私もしていましたから、何も言えません」って。推し活もいいけど「お母さん、そのお金、どうやって返させるつもりなの?」「今、教えるのは借金ではなく、お金の価値だよ!」と思います。
私は前々から「少額のお小遣い(現金)で、お金の使われ方、管理、貯蓄、そしてお金の価値を教えて・・・」と言っていますし、
メルマガでも何度か、お金の事、実際に小銭を使って自分で考えさせるようにお願いしています。
そこでお金の魅力とともに、なかなか貯まらない事や、使う時は一瞬でなくなる事を知ってほしいし、できれば実際に汗して働いてお金を得る経験もしてほしい、と思っているのですが、
まだお金について勉強しなければならない時期に、こんなに簡単に使う事だけ、簡単に借りる事ばかりをさせていたら、お金の価値なんか絶対に身につきません。
以前も、女子中学生が推し活をして、お店に数十万の借金(シャンパン)をし「払えなければ仕事してこい」と言われて、繁華街で客引きをした・・・というニュースをやっていましたが、
お金の価値が分からず成長してしまったり、収入よりも支出が上回ればお金に困ることを知らないで育った子は、「いかに簡単にお金が稼げるか?」に目が向かってしまうのです。
女の子の場合は、大切な体を売ることになるかもしれないし、男の子の場合
は、今回説明したような「少しダークでも、儲かる仕事をしよう」と思ってしまうのです。
そこに「あれ?変だぞ」「これってやっちゃだめだよな」と思わなくなってしまうのです。
私がメルマガで「小銭で教えて」とお願いしてきたものが時間を経て「子供達の先々が心配」になり、さらに時間が経過して今「やっぱりこんなことになっちゃってる」になっています。
だから子供がまだ小さいうちに、少額の現金を持たせること。お小遣いから始める事。お金は大事だと教えるところからやってほしいのです。
お金の仕組みと理解ができれば、その先にデジタルマネーがあっても構いません。
でも、実際にご相談頂く中で、10円、100円の価値がわからない子がたくさんいるのです。その子たちの未来は・・・本当に心配です。
私は断言します。今、起きている強盗やそれにまつわる傷害、殺人、など凶悪事件は必ず増えます。そして使われる捨て駒(若者)はどんどん低年齢化します。
そして犠牲になる若者が驚くほど増えていきます。お金について軽く考えている子、親からお金の重要性を教えてもらっていない若者を、彼ら(犯罪組織)は狙っているのです。それも捨て駒として。
あなたのお子さんは、そうならないように、お金の教育を始めてほしいのです。(小学校高学年以上なら、このメルマガの内容を読ませてもいいです)
特殊詐欺で被害にあうのは老人だと思われていますが、老人はその後も年金が振り込まれます。ですが、若者たちは今後の一生を犠牲にするのです。
子供達のこれからの人生は、お金の何倍も貴重です。なのにこんなに簡単に、まるで紙屑のように捨てられているのが【今】なのです。
だからこそ『家庭でお金について教えてほしい』のですね。学校では決して教えてくれませんし「家庭の状態」は他人では変えられません。
私ができる事なんて、本当に一握り。このメルマガを読んでいる人も、全体の一握りにすぎません。
でもその一握りでもいいから、このメルマガを読んでいる方のお子さんだけは、紙屑のように捨てられない人生を過ごせるように準備をし、教えていってあげてほしいです。
本当に…心から願います。
お金について読んでおいてほしい記事は下記のようなものがあります。
第976号 子供と「お金」
https://www.age18.jp/back976.html
第1162号 魔法のカード
https://www.age18.jp/back1162.html
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。