第1285号 学習性無力感
こんばんは。パピーいしがみです。
いよいよ6月になりました。今年の上半期の最後の月です。もう今年が始まって半分が過ぎようとしています。早いですね~♪
まずは先週のご報告をします。
先週のYouTubeですが3本配信しました。
絶対、あなたの子はいじめられる
https://youtu.be/08qSMhBoHYk
それでは習慣にはなりません
https://youtu.be/-xBdBNp5xoM
〇〇しないと弱い子になる!
https://youtu.be/48cCQAiwjdQ
の3本です。ちょっとタイトルが厳しめですが、いろいろ試していますのですみません。
そして今、私のプライベートも出してみようと、おまけとして、今までお見せしていなかったものも公開しています。
特に「それでは習慣にはなりません」では、初めてピアノをご披露しいます。(妻の前でも弾かないのに!!)気を使って下さったのか?ありがたいコメントも頂いています♪(それでも嬉しいです^^)
もし、よろしかったらご覧くださいね。
それでは習慣にはなりません
https://youtu.be/-xBdBNp5xoM
コメントも書いてくださった方、ありがとうございます。必ずお返事するようにしていますので、是非、感想なども書き込んでみてくださいね♪
さて今日のタイトルは「学習性無力感」としました。
もしかしたらこの言葉は初めて聞くかもしれませんが、例えば「〇〇をやってみたら?」なんて言うと「どうせ俺なんてできないし・・・」とか、
「自分が何をしたってうまくいくはずない・・・」「努力なんてしてもムダ・・・」のように子供が言う事ってありますよね。
いえ、大人の方でもそう思っている方は少なくありません。
私は今「学習性無力間」と言いましたが、「学習性絶望感」とも言います。
これって、この現象だけを見ると2通りの考え方があって、
一つは、禁止ばかり、命令されてばかりだった子。叱られてばかり育った子が、自分で行動する事さえできなくなってしまうケース(これをプレゾニゼーションと言いますが)
これとは別に「結果が出ない事を繰り返した」その最終地点として「どうせ俺なんて」とか「努力なんてムダ」などと思ってしまうのですね。
この「繰り返した」という反復が「学習性」と付いているゆえんなのです。
この考え方は心理学の中の一つですが、これを提唱した人はマーティン・セリグマンと言います。
マーティン・セリグマンは、犬を使った実験、人を使った実験をしています。
とても興味深いので、お聞きください。
犬を使った実験では、犬をA・B二つのグループに分けました。
どちらにも電気ショックを与えるのですが、Aのグループには、スイッチを押せば電気が止まるようにします。(犬がスイッチを押して電流を止められるのです)
でもBのグループはスイッチがありませんから、泣いても吠えても電気が止まる事はありません。
そうすると、スイッチがあるAのグループの犬は電気ショックがあると、すぐにスイッチを押し、積極的に電流を止めるようになりました。
しかし電流が止まることが無いBのグループは、ただ黙って電気ショックが止まるのを耐え続けるようになったのです。
そして今度は、そのAグループ・Bグループともに低い高さの壁で囲まれた部屋に入れて、電流を流してみると、「電流を止める術」を知っていたAグループの犬たちが、その低い壁を簡単に飛び越えたのに対し、
Bグループの犬は何もせず、じっと電流が止まるまで耐え続けた・・・と言うのです。
Bグループの犬も、飛び越えようと思えば飛び越えられる壁なのに、飛び越える事もせず「何をやっても無理、どうせ何もできない」と思い込み、チャレンジすることも、抵抗することもしなかった、という事なんです。
今のが犬に対して行われた実験でした。
次に「人」に対して行われた実験ですが、人への実験では「大きな音」を使いました。
不快になるほど大きな音が出る部屋にそれぞれ被験者を入れ、同じように
Aにはスイッチが置いてあり、スイッチを押すと音が止まる環境にし、
Bは、何をしても音が止まらない環境にしたのです。
結果は、犬の時と同じで、
音が止まる環境に置かれたAの人達は、積極的にスイッチを押すようになったが、
何をしても止まらないBの人達は、抵抗せずにじっと我慢をするようになった、という事です。
これを子育てで考えてみた時、例えば「思うような結果を得られなかった」事がずっと続いてしまった時、何度やっても失敗ばかりで成功することが無かった場合にこういう事が起きやすく、
そもそも、本来であれば親が傍にいて、少し手伝ってあげたり、一緒にやってみたりすれば違ったわけですが、
それをせずに放任していたり、関心を持たない、又、関わりが少ないと、こういうことが起きやすいのです。
多分、お子さんが幼児~小学生低学年ぐらいまでは、いろいろ手をかけ一緒にやってこられた方も、お子さんが2年生・3年生になって自分でできるようになると、
親がご自分の楽しみを優先するようになったり、お家を建てて、仕事が忙しく、子供との関りが減ってしまった場合・・・
特に2・3年生から達成目標が高度になることもあり「上手くいかない」「また上手く行かない」「今度もダメだ・・・」となると、
結果として「何をやってもどうせダメ」という『学習性無力感』が育ってしまうのですね。
そしてそんな『学習性無力感』が身に付いてしまった子は、「次は上手く行くかもしれない」とか、「別の方法でやってみよう」とか「どうやったらできるだろう」なんて考えません。
「できない」→「あ~、やっぱり無理」「どうせ俺(私)なんかにできるわけないんだ」となってしまうのです。
それも1・2回のチャレンジで「すぐ」に結論付けるのですね。
チャレンジしなければ、失敗もない代わりに成功もない。ですからどんどん「自分って駄目なやつ」とか「生きてる価値もない」まで行ってしまうわけです。
でも、これで終わったら、このメルマガでお話しする意味がありません。
では、そうなってしまった子に対処法はないのか?というと、結論から言えば「ある」のです。
この「学習性無力感」がしみついてしまった子がとても多い場所ってご存じですか?
それは少年(少女)鑑別所です。
まだ年齢が低い子供達が重大な罪を犯す場合、そういう子達は、やはり「学習性無力感」が強いのだそうです。
で、そういう少年鑑別所ではどう対処するか?というと「意識的に関りを増やしながら、小さなことを認め・褒める」のだそうです。
重大な犯罪をおこすような子供達はもともと親からの愛情を受けずに育ったり、褒められた経験があまりありません。
ですから最初「意識的に関りを増やし、小さなことを認め・褒める」をしても、最初は「フン」って感じで「お世辞言いやがって」とか「裏があるんだろう」とも思うようですが、
何度も何度も、関心を持って認め・褒め・・・をしていくうちに、少しずつ表情が柔和になり、褒められると笑顔が出たり、行動も素直になっていく・・・と言うのですね。
そして日本の少年鑑別所の再犯率(又、罪を重ねて罪を犯す率)は10~15%なのだそうです。
という事は、85%~90%は、更生の方向に向かうのですね。
はい。「認める・褒める」って、こんなに威力があるんですね。
今、お子さんが「どうせ俺なんて」とか「努力なんてムダ」のように『学習性無力感』が身に付いてしまっていると感じたら、そしてそれが親の関りが減ったため・・・だとお感じであれば、
是非「意識的に関りを増やし、小さなことを認め・褒める」をしてみてほしい、と思います。
そして大人の方で自分に『学習性無力感』を感じている方は、「褒め日記」を使って、ご自分を客観的に見て、ちょっとでもいいところがあったら「褒める言葉」を使って御自分を褒めて欲しいのですね。
この「誉め言葉を書く」については、とても面白いご報告を頂いていますので、是非お読みください。
第486号「喜び」を伝えよう!
https://www.age18.jp/back486.html
第843号 もう2年前の私ではありません。
https://www.age18.jp/back843.html
「褒め日記」については、こちらになりますので、こちらも、ご参考にしてみてください。
第463号 育自(自分育て)も楽しい!!2
https://www.age18.jp/back463.html
新しく「思春期の悩み」のページができました。
https://www.age18.jp/adolescent.html
上級編が大きくバージョンアップしました。
通信講座『“幸せなお母さん”になる為の子育て(上級編)』
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。