第182号 『叱る』比重と『褒める』比重
あなたが子供さんに注意したり、叱ったり、怒ったりするのは、『褒める』とくらべるとどのくらいですか?
同じくらいですか?それとも半分くらい?もしかしたら2倍くらい多いでしょうか?
「何とかしなくちゃ!」「このままでは・・・?!」という気もちがあると、どうしても『叱る』や『注意』比重の方が多くなりますね。
でもね、『叱る』や『注意』の比重が上回ると、いろいろな弊害が起きるのです。
今日ご紹介する内容は、そんな比重を意識して調整するようになったら心配だった事柄が減ってきたよ!というご報告です。
ココから・・・
パピーさん、こんばんは。ma-mi.mamaです。とーってもお久し振りです。
最近、とても悩んでいる事があります。それは7歳の長女の事です。
長女らしい、親になにもかもやってもらっていたのんびりやの娘です。
小学2年生になったというのに、人が目の前で話しをしていても・・・
終わってから「何を話したか分かる?」と聞くと「分からない、忘れた」と言います。
いつも周りを伺い、自分の気持ちを閉じ込めている気がします。
のんびりやの娘の周りには、大人顔負けの口をきく友達がいて、彼女は日々我慢をしている状況。
唯一吐き出せるのが家で、外では見せない気性の激しさを見せたり、反発したり・・・
その標的は4歳の妹に向いてきて、暴言を吐いたり、手を出したりして、毎日が悩みです。
手を出して怒るのではなく、言葉で教えようと話をするのですが、前にも述べた様に、人の話をしっかり聞くことが出来ません。
なので、毎日の様に同じ様なことが繰り返されている状態です。
あまりに理解出来ないので、少し理解力が年齢より衰えるのでは?と心配になります。
友達に対して不満を感じつつ、口に出す事が出来ず・・・幼稚園時代は、嫌な事があると腹痛や発熱を起こし、一週間単位でお休みをしていました。
「今週は休もうね」というと、別人の様に明るくなったので、無理せず休ませていました。
なので、毎日彼女の言動が気になり「何かあったらすぐに気付かなきゃ!!」という気持ちも多いです。
「2年生という年を考えても、口で話して理解をさせるべき!!」と思うのですが、毎日同じ事の繰り返しなので、ついつい言葉がきつくなってしまいます。
とはいえ、黙っていれば、妹が標的になってしまいます。
最近は、「無理、出来ない、わからない、面倒くさい」を連発します。
大好きなゲームでは別人の様ですが、それ以外にはまるでやる気無し!!という感じです。
妹は要領よく何でもこなしてしまうので、どうしても褒めてしまう場面が、長女には映っていて「怒られているのは自分だけ!!」という意識になるのかもしれません。
日々、「あなた達は私の宝物、何があっても必ず守るよ」と話しているのですが、最近、あまりに叱りすぎて・・・「可愛い」と思える時間が極端に減ってきている気がします。
そんな状態で子育てをしている自分にも、とても怖さを感じてしまいます。「こんな親に育てられて良いのか?」と不安になります。
思ったことを口にだせず、最近は挨拶すらしっかり出来ない始末。
友達に自分から声を掛ける事も出来ないし、担任とも向かい合って話しをする事が出来ません。
妹にはとても厳しいですが、友達にはとても心が広く、大声を上げる様な事もなければ、泣いている子の側にずっとついていて上げられる様なやさしい子です。
やさしさはずっと持ち続けて欲しいのですが、いい子でいて欲しいとは思っていません。
「自分の気持ちを吐き出し・・・楽しんでくれたらな~」と日々願っています。
私は、何をすれば良いのでしょうか?長女の事を考えると、悩みばかりで・・・・
パピーさんの講座も、第2段階に進めていません。
夏休みも終わるので、子供達の居ない時間を有効的に使って、勉強を再開したいと思っています。
気持ちだけが焦って、変な文章になってしまい、申し訳ありません。
宝物が宝物として見えなくなっている自分が怖く・・・何とか長女を他の子と仲良くできる様にしたいなーという必死な思いだけ、理解してもらえたら・・・と思います。
可能であれば、ぜひ、アドバイスを下さい。よろしくお願いします!!
ココまで・・・
そして、私はこのようにお返事しました。
ココから・・・
こんにちは。パピーいしがみです。
娘さんの件、心配ですね。
ご心配の内容はわかりました。そして今の問題もわかりました。ただ、1つ教えて欲しいのは、今、どんな風に注意しているのか?です。
メールをお読みすると、娘さん、かなり自信を喪失してますね。
「無理、出来ない、わからない、面倒くさい」は、逃避に走る寸前のように感じます。
でも、これって、「私をもっと見て」のサインのように私には感じます。
たとえば、注意をして、「何を言ったか分かる?」と聞き、「わからない、わすれた」と言った娘さんへのリアクションはどうですか?
落胆したお母さんが「あんたはほんとうにダメね」という顔をしていませんか?
気になれば気になるほど、沢山のことを言いたくなります。
「こうしなさい」「ああしなさい」いくつもいくつも言われると、最初の方は・・・絶対に忘れます。
そして、何か言われるたびに、「どうせ私はバカだから・・・」とか「また、しかられた・・・やっぱり私は・・・」となってしまうのですね。
注意を受けていても、「はやく終わってくれないかなぁ」そればかり考えてしまうのですね。
お母さんの「どうにかしたい」という気持ち。あせるが為にたくさんの言葉を投げてしまう。
受ける方は「聞きたくない」という気持ち。結局、何も頭には残っていない。そんな気がします。
メール本文にもありました。
“妹は要領よく何でもこなしてしまうので、どうしても褒めてしまう場面が、長女には映っていて、怒られているのは自分だけ!!という意識になるのかもしれません”
まさにその通り!だと感じます。
きっとお母さんも、かなりあせっておられると思いますので、ちょっといいヒントをお教えしたいと思いますが、
お姉ちゃんが、誰にも負けないいいところって何ですか?小さな頃からこれだけは誰にも負けない!という所。
例えば、集中力とか、本が好きなところとか、熱意だとか継続ができるとか、小さな事が継続できるとか・・・?妹よりも間違いなく上回っているもの。
それを、クローズアップしてあげて、「あなたのこういう所が素晴らしいところだよ」「それは誰も持っていないあなただけの長所なの。お母さんはそこがものすごく好きよ」と伝えて欲しいのですね。
すると子供はあえてそれをお母さんに見せます。その時には必ず見つけて、褒めてあげるんです。
たぶん、今、叱ると褒めるの比重は『叱る』がかなり多いのではないですか?
『可愛くば、5つ教えて3つ褒め、2つ叱ってよき人とせよ』という言葉がありましたね。
でも今は、叱るを意識的に減らして、褒める・認めるを増やしてあげてくださいね。
ここまで・・・
このようにお返事したところ、ご連絡を頂きました。
ココから・・・
こんばんは!!
先日は、再度の返信ありがとうございます♪
メールを読み、涙が出ました。私は少し焦り過ぎていた様で、周りを意識し過ぎたのかも知れません・・・
というのも、先日返事をもらい、私が見てきた長女の長所、これに間違いない!!自分も親として子供を見る眼を持っていたのかな?と思いました。
パピーさんのご指摘の通り、私は褒める事よりも、叱る事の割合がダントツに多かったと思います。
そこで、昨日から、子供達を叱らない様にしよう!!と思ったんです。
まず、一番に心がけたことは、テレビを消す事。
4歳の次女がトランプをしたいと言い出し、トランプで一緒に遊びました。
お姉ちゃんは宿題などであまり遊ぶ時間はなく・・・でも、いつもより沢山話をしたと思います。
寝る前の「本の読み聞かせ」も復活しました。
昨日は「今日は二人のキンキン声を聞いていないな~」位に思って、それだけでも幸せでした。
すると???今朝は、寝るのが遅くなったのに、妹は気持ちの良い挨拶で起床。
お姉ちゃんは、寝不足気味なのか・・・なかなか起きずにいましたが・・・ご飯を食べ、自分達で洋服を着替え、時間配分をしながら動いていました。
何を言っても「ハイ」という気持ちの良い返事が聞こえてきたんです。
夕飯前に友達から電話があり、切るに切れない内容で、夕飯がとっても遅くなったのですが、
子供達は「いいよ、平気だよ」と言ってくれて、食事の後はお風呂に三人で入り、大きな声で笑いながらの楽しいお風呂でした。
お風呂の後、お姉ちゃんが「お手伝いを一個増やすよ」と言って、歯磨きの後の洗面所の掃除というのを、自ら約束してくれました。
それをきいていて、妹は鏡を拭く!!と約束をしてくれました。
普段なら、子供が部屋を散らかす度に、大声で怒鳴っていたのを、「じゃー、寝る時間だから、皆で片付けようね」と言うと少しも嫌がらず、せっせと片付けていました。
お布団に入って、本を読み・・・終わった後、「今日、ママに怒られた人は?」聞くと、二人ともニヤニヤしながら首を振りました。
私も「そうだね~、ママは二人がとってもいい子だったから、何一つ怒らずにとっても幸せだったよ、ありがとう!!明日も遊ぼうね」と言うよ
「おやすみ~」と言って、すぐに寝ています。
私の気持ちを切り替えただけで、子供は素直に反応してくれているんですね~。
親だから偉いのではなく・・・やはり、日々勉強ですね。叱ることが無いと、子供のいい所が沢山見えてきますね。
子供か話し掛けてくれた時に、何をしていても手を止めて話しを聞く。
そうしたら、その瞬間答えられなくても、嫌がることがなくなりました。
また、すぐに相談をしてしまうかも知れません。その時は、また、よろしくお願いします。
ここまで・・・
ma-mi.mamaさん、めるまが掲載のご許可、ありがとうございます。
このメールのやり取りでお気づきになったかもしれませんが、私は、質問を1つ、そして、提案を1つ、していますね。
質問は、「叱るの比重が多くないですか?」でした。
そして提案は「良いところを探して褒めてあげて」でした。
でも、ma-mi.mamaさんから頂いたメールには、「良いところを探して褒めた」とはありませんでしたよね。
そう。ma-mi.mamaさんは、「あ、私って叱りすぎていたんだ!」ってすぐにわかって
『新しい事をする』のではなく、『間違いを直そう』とされたのですね。
前回のメルマガでも、『方法』ではないですよ。『考え方』ですよ!と言ったのですが、
まさにma-mi.mamaさんは、『考え方』を修正されたのです。
するとどうでしょう?
たった、それだけ、たったそれだけの意識の変化が子供達への大きな変化になっていますよね。
ココが、すごい事なんですね。
私は、『気づき』をお持ちになった方をものすごく褒めます。それは、これがあるからなんです。
自分が発見した事、見つけた事、やってみて体得した事。これらは忘れないんです。そして応用が利くんです。
このメールは夏休み終わり頃のメールです。
そう、もう1ヶ月以上前のことですね。その後はどうだったのでしょうか?気になりますよね。
実は、・・・つい先日、ご報告を頂きました。そこには、こうありました。
“子供達を叱る事がへり、精神的にとても気が楽になりました。そして、長女はどんどん変化があり、とても素直で、物分りのいい子になってきたと思います”
他にも積極的な言葉が出てくるようになったそうです。すごいよね。ma-mi.mamaさんがんばっていますよね(笑)。
でもきっと「もう!『叱る』よりずっと簡単で楽しい!」と思っていらっしゃる事でしょう。
又、楽しい報告、お待ちしています!
※ご興味がありましたら、ご覧ください。
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【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。