第188号 お母さんは僕を見ていてくれていた
こんばんは、パピーいしがみです。
時々、2人兄弟の上の子のかんしゃくやイヤイヤなどを題材にするのですが、今日もそんな上の子の「嫌!」に頭を抱え、
「小さな反抗期」というお便りを下さった、ひらり~さんからのメールです。
ひらり~さんは、下の子が生まれてから、あまり上の子に手を掛けてあげられず、とっても負い目を感じていたのだそうです。
可愛そう・・・って。
ココから・・・
こんにちは、パピーいしがみさん。とんとご無沙汰してるひらり~です。
先日から少しづつ「くじけない子に育てる本」を読んでいます。
本の中に、
“子育てが終わったと感じる時期に『大抵の母親が2人目が生まれた時』と言う人が多く「いきなりかよ!!」と思う”
とパピ-さんの感想が書かれてあり、「クリームシチューの三村(お笑い芸人です)」のようなパピ-さんの突っ込みに吹き出しそうになりながら、
自分の日常を振り返って「本当、いきなりだな」って思いました。・・・反省。
他にも本の中には目からうろこの言葉が沢山ありました。
『子どもはいつまでも今と同じではない、必ず大きくなるんだ』と言うこともその1つです。
今、私は息子(3歳)の小さな反抗期?に悩んでいます。
2人目が生まれて少し前まではゆとりがありました。
長男が何でも出来る子に見えて(下と比べるからでしょうが)大きくなったなぁ。成長したな!と嬉しく思っていました。
おっぱいばかり飲んでいた(今の下の子の状態から)頃からたったの3年でこんなに成長するなんて・・・と。
ですが、最近は朝と夕方に、泣きながら怒り出すのです。
私が「パンツは着替えて」とか「お風呂入ろう」と言うと「嫌だ!」に始まり、怒った口調で言ってるわけでもないのに
何度か促すと・・・
「もう、嫌だって言ってるでしょ!もうお母さんと遊んであげない・・・」となってしまうんです。
10分くらいはそんなやり取りも余裕でいられるのです。
口調を荒げない様にしているのですが、もう20分くらい続くと「いい加減にしなさい!!」となってしまうんです。
結局泣きながらお風呂に入ったり、パンツを取り替えたりってことになり・・・
毎日、毎日、これが続くので、子どもを保育園に送った後や、寝かしつけた後に自己嫌悪に陥って、
「どうしたらこれを抜け出すことが出来るんだろう?」って頭を抱え込んでるんです。
たぶん、私に指示されるのが嫌なんだろうと思い、なるべく命令口調はやめているんです。
「パンツおいとくね」とか・・・。
それとついお小言みたいにグチグチ言ってしまうので、それも辞めるようにしたんですけど・・・。
あの本を読んで私も『子供の日本一のお母さんになりたい!』と思って、
どうしたら日本一のお母さんになれるか、書き出してみたりしている最中です。
ず~と『3歳のまま(今のまま)ではない』とわかっているのですが、「日々の繰り返しを見ていると、いつまでこれが続くんだろう?」と途方もないことに思えてしまったりして疲れてしまうこともあるのです。
でも、今、悩んでいる時がチャンスなんですよね。
どんな10歳の息子に出会いたいのか、もう一度考えてみようと思っています。
ココまで・・・・
そして私はこのようなお返事をしました。
ココから・・・
こんにちは。三村です。いえ、パピーいしがみです(笑)。
メールありがとうございます。
ほんと。ご無沙汰でしたね。でも、元気そうで安心しました。
小さな反抗期ですか?
お兄ちゃんは、自分の気持ちを表したい。という時期ですよね。『たくましくなってきた!』って感じですね。
ただ、お兄ちゃんの気持ちの中に「僕だけのお母さんだったのに・・・」という思いがあるような気もします。
ご自分で考えて、やってみる。
とっても大事ですばらしい姿勢ですが、ちょっと私なら・・・とお話させてください。
私は、お兄ちゃんは「ちょっと寂しい」と思ったのですが、私ならこうしてみます。
「ちょっとおいで」って言って、膝まくらで耳を掃除してあげるんです。
お母さんに包まれて「僕だけのお母さんの暖かさ」をしばらく独り占めさせてあげるんです。
耳掃除が終わったら、優しく撫でてあげたり、体をさすってあげたり、「大きくなったね」とか「頑張ってるね」とか「○○が小さかった頃はね・・・」なんてお話をするんです。
しばらくして、じゃあ一緒にお風呂はいろうか?なんて言えば、喜んですると思います。
あ。でも、これはいつもやらなくてもいいんです。
ただ、お兄ちゃんの気持ちが揺れ動いている今は、時々された方がいいかもしれませんね。
ココまで・・・
こんにちは、パピ-いしがみさま。ひらり~です。
早速の返信ありがとうございます。実はパピ-さんのアドバイスを期待していました(笑)。
「でも忙しいだろうし、返信はこないかな?」なんて思っていましたが本当に返信がきて、アドバイスがもらえて、すごく嬉しく思いました。
「どんなメールも目を通しています!!」と言われていたのは本当なんですね。
いや!別に疑っているわけではなく(笑)忙しいことが想像つくので大変だろうと思うからです・・・。
「ほんと。ご無沙汰でしたね。」とパピ-さんからも言われるとおりお恥ずかしいです。
長男はパピ-さんがおっしゃる通り「たくましくなってきた!!」って感じです。
今でもですが、以前から慎重派の長男は男の子にしては無茶をしないタイプです。
でも、仲のよい友達がやったりすると、少しの無茶も調子に乗ってやってしまう。
「怖い」と言っていたのに、お友達とやっているうちにできちゃった・・・みたいなタイプです。
だから激しく怒ったりすることも乱暴をすることもあまりありませんでした。だからこそ最近の変化に、私が驚いてしまったのかもしれません。
『自分の気持ちを表したい。』という時期なんですね。納得です。
そう考えると、多少の自己主張も、裏を返せば「自分の気持ちを言える人に育ってきているんだな」と、成長として受け止めることが出来ます。
又、
“ただ、お兄ちゃんの気持ちの中に、「僕だけのお母さんだったのに・・・」という思いがあるような気もします”
ともありました。そうなんですね、やっぱり。
最初の頃は態度として、はっきりと「見て!」とか「今、きて」と言ったりしていたので
「自分だけを見て欲しいんだな」と気をつけていたのですが、落ち着いてきたので、徐々に意識しなくなっていた様にも思います。
また、以前の職業柄、私は“段取り子”なのです。
だからつい、「長男が保育園から帰ってきたら5時半まで遊んで、5時半から夕飯の仕度、6時前にはお風呂に入り始めて6時半には出る・・・」
と段取りを組んでしまう為、ゆとりがなくなってしまうんですね。
つい自分の都合で子どもを動かしてしまう。
パピーさんのアドバイスの“「ちょっとおいで」って言って、膝まくらで耳を掃除してあげるんです。
お母さんに包まれて、「僕だけのお母さんの暖かさ」を、しばらく独り占めさせてあげるんです。
耳掃除が終わったら、優しく撫でてあげたり、体をさすってあげたり、「大きくなったね」とか「頑張ってるね」とか「○○が小さかった頃はね・・・」なんてお話をするんです。”
なるほど~!!と思いました。この場面を想像するだけで温かな親子の空気が感じられました。
長男が嬉しそうに甘えてニッコリしている顔が浮かびました。幸せな空間。今日はやって見ようと思います。
最近は私の忙しさ(下の子のお世話で)を知って、自分から甘える事が少なくなったお兄ちゃん。
こっちから甘えられる雰囲気をつくってあげるといいんですね。
それでこの場面を想像してたら、私が『どんな日本一のお母さんになりたいか』が思いついたんです。
日本一“安心できるお母さん”になろう!って「な~んか落ち着く~」なんて
大きくなって一人立ちした息子達が帰ってきた時、そう言ってくれるようなお母さん。
これは簡単な様で難しいですが、私1人では安心できるお母さんにはなれません。
そう言う意味では夫婦円満で、夫も子どもも安心できるそんな家庭を作ることが日本一安心できるお母さんにつながって行くのだろうと思います。
長くなりましたがパピ-さんのアドバイスを実行することと同時に私の覚悟を聞いてもらいたいと思いメールしました。
また結果をメールしますね。
ココまで・・・
しばらくして、ひらりーさんからメールが届きました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。
前回のアドバイスの通りにやって見ようと思ったのですが、耳かきを誘う時点で失敗。
「いやだよ~!!」と避けられてしまいました。
・・・ 中 略 ・・・
以前にも書きましたが、長男が生まれた後、保育園に預けて働くつもりが妊娠してしまって 、つわりや体調不良などもあり、
長男の相手をしてあげることが出来なかったと長男に対して負い目を感じていました。
そのことを引きづったまま、長男のことを『可哀想!』と思ってず~とみていました。
しかし日常では次男の世話をしたり、長男の遊びに付き合ってあげたくても付き合ってあげられない、
怒らないようにしようと思っても次男にちょっかいを出すので怒ってしまう。
寝不足とやることが多くてイライラするあまり、小言を言うように長男を怒ってしまう。
そして自己嫌悪とまたまた長男を『可哀想に!』と思ってしまう。
だからしっかり叱ることが出来ず・・・そんな事の繰り返しでした。
友達に「子育てでいきずまってる」とメールすると、何人かのママ友がすぐに時間を作って話を聞いてくれました。
話してみると「同じよ!私も負い目感じてる」とか共感してくれて・・・みんな同じなんだなって楽になりました。
包まれたんでしょうね、友達に。自分を認めてもらえたと感じたんだと思います。
子どもが出来てからの友達だけど、私にはこんなにいい友達がいてくれてありがたいな~と思いました。
ママ友って世間では、なんとなくうわべの友達ってとこあるじゃないですか?
でも“「まずは自分を認めることも必要だ」とパピ-さんも言ってたな!”と思い出しました。
そして「可哀想」だと思われる息子が「可哀想」じゃないかと思いました。
長男は私や主人、爺や友達みんなに好かれてる、愛されて育っている。ちっとも可哀想じゃない。と思ったんです。
過去のことに負い目を感じても仕方がない。
これから先どうしてあげたらいいのかを考えた方がいい、と思いました。
それからパピ-さんのメルマガを読み、自分もみなさんのように実践してみよう!と前向きになりました。
今日、いつものように1年前は履けていた靴下を「できないよ~!!」と大きな声を出しながら手に力を入れず
「ん~」とまるで力を入れてやっているかのように唸りながら「やって~」とせがんでいる息子に
「チャレンジしてみよう!」「やり方を教えるから、見て!」「こうだよ」となるべく穏やかな口調で、時には笑いも交えながら、
「でもお母さんは見てるだけだよ、最後までやり通そう」という強い意志を態度で示しながらやってみました。
そしたら・・・出来ました。勿論、誉めました。
こんな感じです。
「良く最後までやれたね、やれば出来るんだよね。お母さんは○○ができるってわかってたよ。
チャレンジできる勇気もあるし最後までやって辛抱強かったね。○○のそう言う所が大好きだよ」
その様に言うと息子は・・・私の膝に抱き付きながら、うなずいていました。
耳かきさえできなかったのに・・・(笑)
今までなら負い目を感じるあまり靴下をすぐに履かせてあげていたと思います。
別に履かせてもいいとは思うのですが、頼らず出来る自分で出来る。
辛抱ずよくやってみることもして欲しかったので、少し強引だったかもしれないけどやり通しました。
そして誉めてあげることが出来た。良かったです。
今まで、『甘やかすこと』と『甘えさせてあげること』を混同していたのですが、
可哀想だと思わなくなってから、私自身も吹っ切れて、それに気づいた今は、簡単に『甘やかしていた部分』を、励ましながら見てあげられる様になってきました。
まだまだ感情的になったり、待つことが出来なかったりする事もあるのですが、少しづつ変化してきた気がします。私も息子も。
・・・ 後 略 ・・・
ココまで・・・
ひらり~さん、メルマガへの掲載のご許可、ありがとうございます。
ひらり~さんも、このように言われていましたね。
“以前の職業柄、私は”段取り子”なのです。
だからつい「長男が保育園から帰ってきたら5時半まで遊んで5時半から夕飯の仕度、6時前にはお風呂に入り始めて6時半には出る・・・」
と段取りを組んでしまう為、ゆとりがなくなってしまうんですね。つい自分の都合で子どもを動かしてしまう。”って。
そうなんですね。
沢山仕事のある私達。特にお母さんは次から次から仕事があります。休む暇が無いほどなんですね。
だから、一番効率よく事を済ませたいし、無意識に段取りを組んで、段取りどおりにチャッチャって済ませたいんです。
よーく分かります。
ところが、下の子が生まれたばかりだったり、なかなか以前のように手を掛けられない状態が続いた、お兄ちゃん・お姉ちゃんの場合、
そんな時ほど、お母さんの気持ちを確認したくなっちゃうんですよね。「本当に僕のこと、大切なの・・・?」って。
上の子が不憫で、何でもやってあげてしまっていたひらり~さん。そんなひらり~さんの優しさに甘えてしまっていた子供さん。
それをちょっと時間が掛かっても、丁寧に「やってみせ、言って聞かせて、させてみて・・・」をされたのですね。
そして、きちんとやり遂げた。その時の言葉がよかったですね。
「良く最後までやれたね、やれば出来るんだよね。お母さんは○○ができるってわかってたよ。
チャレンジできる勇気もあるし、最後までやって辛抱強かったね。○○のそう言う所が大好きだよ」
すばらしいじゃないですか!
そして、ココ。
“その様に言うと息子は・・・私の膝に抱き付きながら、うなずいていました。”
子供さんは分かっているんですね。お母さんが忙しかったんだという事。
そして、感じたんですね。「お母さんは僕をちゃんと見てくれていた!」って。
本当はちゃんと見てあげているんだけど、言葉にしなければ伝わらないんですね。
だから、伝えるんです。言葉にするんです。
「あなたは頑張ってるね」「お母さんは知ってるよ」「そんなあなたが大好きよ」って。
※ご興味のある方はこちらをお読みください。
★★★ 通信講座「幸せなお母さんになる為の子育て」★★★
【 パピーいしがみ 】人材育成の現場から、育児・子育てこそが、本人の一生のベースになると痛感し、吸収したノウハウやアイデアを自分の3人の子育てに応用。子供達が喜びと自信を持って成長していく中で、親としての充実感と予想をはるかに上回る結果に驚愕する。2003年あまりの少年犯罪の多さ、幼児虐待の事件に心を痛め、その子育て育児方法をインターネットで公開。熱烈なサイトのファンからの要望で、テキストを作成し通信講座として紹介。著書も好評で現在は会員さんから毎日届く悩みや相談に応えている。