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第200号 難しかったら細分化

こんばんは。パピーいしがみです。

今日は、メルマガ200号です。

「早いなー!もう200回になるんだ・・・。」と感慨もひとしおです。

そういえば、11月に、『まぐまぐ殿堂入り』したみたいです。皆さんのおかげです。ありがとうございます。

さて、記念の200回には何をお話しようか?と思っていましたが、

今までお話していなくて、でも、かなりご相談の多かった「自転車の補助輪はずし」についてお話したいと思います。

自転車の補助輪はずしは、皆さんとっても苦労されると思います。子供達にとっても、最初の乗り越える壁なんでしょうね。

何度も転び、「もうやらない」なんて泣き叫んで、教えているお父さん、お母さんもイライラして・・・。

でも、ものすごく楽しく、そして簡単に乗れるようになる方法ってあるんですよ。

その方法をお話しする前に、どうして難しいのか、そして、どうすれば楽なのかについてお話しますね。

自転車の難しさって、何だと思いますか?

それは『自転車を乗るためには、いっぺんに3つの仕事をしなければならない』そこが難しいんですね。

その3つの仕事っていうのは・・・、

1、ハンドルを切る仕事

2、バランスを取る仕事

3、前に進む仕事

この3つです。いっぺんに3つの事をやるのですから、大変なんです。

又、この3つはそれぞれが複雑に絡みあっているんです。

たとえば、スピードが出ると、バランスが取れやすいですよね。

ある程度のスピードが出ていると、ふらふらしないでしょ。その時には、ほとんどハンドル操作はしませんよね。

でも、スピードが足りないと、ふらふらしてきます。

ふらふらしてきても、ハンドルを切るとバランスを保つ事ができます。

バランスが取れてきて、足に力を込めて漕ぎ出すと又、調子よく走れますね。

子供達が補助輪付の自転車を乗っていて、いきなり補助輪を外すのですから、すぐにバランスを崩すんですね。

今までバランスの練習をしないでいたのですから、あたりまえなんです。

できると思っていたことが突然できなくなる。ちょっと進んでは倒れる。これは恐怖なんですよね。

当然、スピードがでない。スピードが出ないと言うことは、バランスが取れない。バランスが取れなければ倒れる。

そうなんですね。

自転車ってかなり高度な乗り物なんですよ。でも、原理を知っていると案外簡単にできるようになるんです。

自転車の前輪をちょっと見て欲しいのですが、ハンドルから前輪の真ん中まで、車輪にまたがって付いている部品がありますよね。

ハンドルを動かすと、いっしょに動いて車輪の方向を変える部品です。

これをフロントフォークって言うんですが、このフロントフォークってちょっと傾いているのが分かりますか?

この傾きのことをキャスターって言うんですが、全ての前輪にはこのキャスター(傾き)が付けられているんです。

自転車もそうですが、オートバイも同じです。

そして、四輪の自動車も、見えない部分ですが使われています。

このキャスターが何のためにあるのか?って言うと『直進の安定性』の為にあるんですね。

そう。この傾きこそが、まっすぐ走れる原理なんです。

そうなんです。自転車は、前に進んでいればまっすぐ走るようにできているんです。

小学校のころ、よく男の子達が両手離しで自転車に乗っていませんでしたか?

又は、自転車に乗っていても、それほど強くハンドルを握りませんよね。ほとんどハンドルに手を添えているだけだと思います。

それでも自転車は進むんですね。

自転車って、前に進みさえすれば、まっすぐ走るようにできている。それさえ知っていると、後は早いです。

もともとまっすぐ走るようにできている自転車ならば、自転車がまっすぐ走ることを邪魔しなければ、『乗れる』と言うことなんです。

そこでこんな風にやってみるんです。

まず補助輪を両方はずしてください。

そしてサドル(座る部分)を一番下に下げてみます。

すると、足が地面にペッタリついて、恐怖感はかなり改善されますよね。

そしたらペダル(足でこぐ部分)をはずします。

「ええー!」って思いますか?

今、私は何をしようとしているか?と言いますと、いっぺんにやらなければならなかった仕事を1つだけに絞ろうとしているんです。

先ほどの3つの仕事をもう一度確認してみましょう。

1、ハンドルを切る仕事

2、バランスを取る仕事

3、前に進む仕事

この中で、2、バランスを取る仕事、これだけができるようにしたいんです。

さて、話を元に戻しますよ。

ペダルをはずすことによって、足の部分がすっきりしますね。邪魔なものがなくなったわけです。

そして、両足が地面にペッタリつくのですから、恐怖心もありません。

そうしたら、サドルに座って、ハンドルを持って、体をまっすぐにして、両足で地面を軽く蹴ってみましょう。

あ、もちろん、車が来ない安全なところでやってくださいね。

両足で地面を蹴ると、ちょっとづつ前に進みますよね。最初はちょこちょこ歩くように進んでみてください。

スピードはそうですね。ひよこぐらいの速さでどうですか?

慣れてきたら、蹴り方を強くしてもうちょっと早くしてみましょうか?そうだな。歩くぐらいのスピードでできるかな?

歩くぐらいのスピードでできるようになると、もうかなりバランスは取れていますね。

もうちょっと蹴りを強くして「よいしょ」ってやってみると、1度で50センチぐらい進めるようになります。

そうなったら、今度は連続してやってみます。いっかーい、にかーい。さんかーい・・・。

10回ぐらいまでできるようになったら、もうかなり上手くなっています。

ちゃんとフォローしてくださいね。「すごい!すごい!どんどん、上手になってるよ!」ってね。

そこまでいけたら、今度は、もう一つ、仕事を増やしてみましょう。

次の仕事は、ハンドル操作です。

まっすぐは走れるようになったのですから、今度は、目標に向かって右や左に曲がってみましょう。

緩やかなS字を地面に書いてみて、その書いたS字に沿って「よいしょ」「よいしょ」って足で蹴って進むんです。

この時、ちょっと難しくなるので、お母さんも一緒にやってみたり、みんなで楽しくやるのがコツです。

気持ちが萎えてしまわないように、ゲーム感覚で楽しくやってくださいね。

このS字ができるようになったら、もうかなりバランスが取れるようになっています。

多少バランスを崩してもハンドル操作で、修復できるようになっています。ここまでで2つの仕事ができるようになったんです。

さあ、次は・・・?

3つめの仕事をさせる?

いえ、違います。もう一度、まっすぐをやってみるんです。

ハンドル操作ができなかったとき、一つの仕事しかしなかった時は、バランスの修復ができなかったんですね。

ところが、今はその技術もついたわけです。

やってみると驚きますが、子供達は、まっすぐ走ることがもうめちゃめちゃ上手くなっているんです。

これは、親もびっくりしますが、子供自身も驚きます。「すごーい!こんなに上手くなっちゃった!」って感動するんです。

そうしたら、一回の足こぎでどの位進めるのか、又、何回連続でまっすぐ走れるのかやってみてください。

たぶん、比べ物にならないほど、そして、エンドレスで足漕ぎができるようになっているはずです。

さて、そこまでできたら、もうオッケーですね。最後にペダルを踏んで、前に進む仕事をします。

実は、この『前に進む仕事』は、補助輪を付けていた時に、かなりやっているんですね。

又、補助輪がついている時というのは、補助輪の「転がり抵抗(車輪を回す時の負荷)」が掛かっているから、かなり重かったはずなのです。

今回、補助輪を外した事で、転がり抵抗が減り、今までよりもずっと少ない踏力で車輪が回る事になるんです。

さて、ペダルを付けてやってみましょう。

ペダルを付ける事で、地面を蹴る足漕ぎがしにくくなりますね。ペダルが邪魔になって、最初は恐怖心を感じると思います。

ですから、最初の頃は常に車体を持ってあげてくださいね。

ペダルに足を乗せ、絶対に倒れないように後ろで車体を持って、少しスピードに乗せて、ペダルを踏む練習をしてみましょう。

もうバランスを取るのも、ハンドルで修復するのも体が覚えていますから「あ、いける」って子供が思ったら、その時は、乗れているんです。

車体を持っている私達の手に重さを感じなくなったら、もう子供達は自分で自転車を運転しているんですね。

握っていた手を緩めてみましょう。触っていないのに自転車は動いているのを感じるはずです。

そう。この時点で自分で運転しているんですね。・・・感動ですよ!

ね~。3つの仕事をいっぺんにやる自転車。ものすごく高度でものすごく難しくて、大きくて大変な壁なんです。

でも、一つ一つ、一歩一歩、ゆっくりゆっくり練習することで、誰もが必ず、できるようになるんです。

これが、テキストにも書いています「難しかったら細分化」という事なんです。

全ては自転車と同じです。

どんなに難しいと思っても、全ては細分化できて、一歩、一歩進んでいくことで、必ず乗り越えることができる。

たとえ、それが不可能だと思うようなことでも、全ては乗り越えることができる。

あきらめることなく、何度も何度もチャレンジすれば、どんな事でも乗り越えることができるんですよ。

そして、子供達には『乗り越え力』があるんです。

ご興味のある方はこちらをお読みください。

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