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第212号 子供と一緒に、親も乗り越える。

こんばんは、パピーいしがみです。さて、あなたは、子供さんが「習い事をやめる!」と言ったらどうしますか?

「はいはい、嫌ならやめな!」と言いますか?それとも、「一回始めたんだから続けなさい!」と言いますか?それとも・・・悩みますか?

え?解答ですか?

解答は無いのですが、私は、是非悩んで欲しいのです。そして、悩んで悩んであなた自身が決めて欲しいのですね。

今日は、ドロシーさんからのご報告で、ドロシーさんも悩んで悩んで、そして決めたんです。どういうように決めたのか、今日は参考にさせてもらいましょう。

ココから・・・

パピーさんへ
こんにちは。ドロシーです。

この頃、相談メールが多くて、ますますご多忙のようですね。ご多忙と知りつつ、またなが~いメールを送ることになって恐縮していますが・・・

とうとう娘が『不安』という、ハードルを乗り越えました。また一歩を歩き始め、嬉しくてメールをしています。

娘は小さい頃から、お風呂でゴーグルを付けて潜るほど水が大好きです。年長になり5月、スイミングの体験教室に参加をし、「やる!」と意気揚々で、スイミングを始めました。

それが9月に入り、突然「スイミングやめる!」と言いだしたのです。

スイミングをしている時の娘は楽しそうで、顔が輝いていたので、突然の『やめる宣言』にただ驚くばかりの私・・・最初、理由を聞いても答えませんでした。

ただ以前から、気になっていたのはスイミングの前に、必ず下痢をするようになっていた事と、友達がいないので、プールサイドでの待ち時間一人ぼっちで、いつも不安そうな顔をしていました。

『やめる宣言』をした以降スイミングに行く時間になると、大泣きをする娘に「どうしてやめたいか 教えて!」「○○が自分の気持ちを言ってくれんと分からん・・・」

(娘)「先生と友達がイヤ!」(母)「時間を変更しよう」(娘)「お母さんと離れたくない(母)「上からず~と見てるよ!」(娘)「水が冷たい」(母)「10月から温泉みたいに温かいらしいよ」

聞くたびに違う理由がかえってきました。これは本心(核心)ではない様な気がしました。

主人は、「子供が小さいうちは親が決めるべき」と続けさせる方がいいと言いました。私は、バックメールマガジンの87号・88号を読み返す。「あなたが子供だったら、どうして欲しいか?」を考える。

「やめさせよう!」「いや!ハードルを乗り越えて、大好きな水泳で自信をつけてほしい」との思いが、やじろベー状態になっていました。答えはでませんでした。

何度、パピーさんに相談しようかと思ったことでしょう・・・

私が行くと甘えるからと、義姉にスイミングに連れて行ってもらったり(実行)、弟も一緒にスイミングをやらせてみようかと考えたりしたけど(想像)、

でもこれは、小手先の手段であってたぶん問題は解決しないだろなぁ~と思い、私にできることは、いつも時間ギリギリに行って、娘を急かすのはやめよう。」「観覧室から見る時は、笑顔で手を振ろう。」と、行動しました。

相変わらず、スイミングに行くと不安な顔をして泣き出す。「行っといで!上で見てるよ」背中を押すと泣きながらプールへ行く。→泣きながら体操をする。→プールに入る頃には泣きやみ、だんだん笑顔になり母に向かって、満面の笑顔で手を振る。→終わってからも機嫌がよい。

でも、9月は休ませたり、泣いても行かせたりの繰り返しでした。

10月のテストの日・・・
「先生がね。○○ちゃんがどれだけ上手になったか見せに来てね。」と言ってたから(嘘)、行こう!」と声をかけしぶしぶOKしました。

車中、シクシク泣きながら「今度の土曜でスイミングやめる!」「どうしてやめたいろう?」
「・・・・。先生とお友達の事、知らんき不安なが・・・」(核心だと思いました。)

「分かったよ!不安やったんやねぇ。そうだよねぇ~不安よねぇ~」「今日はスイミングが始まるまでに、時間がたっぷりあるから、うんちもできるし、いっぱい泣いてもいいよ。」と話しながら、スイミングへ行きました。

やはり泣きながら、母と別れプールへ行きましたが体操をする頃には泣きやみ、笑顔でテストを受けました。

娘が、テスト結果の封筒を開けると、進級バッチが入っていて、「バッチがはいっちゅう~」と、ビックリ(゜o゜)・大喜びをしました。

私自身、合格するなんて想像もしていなかったので、ビックリしたやら嬉しいやら・・・「がんばったもんねぇ。テスト受けてよかったろう?」ギュ~と抱きしめました。

帰りの車中で、「級が変わるろう。コーチが違うかもしれないから、前と同じ時間に行ってみる。イヤだったら時間変える。」と、前向きな発言と

「いまねぇ~運動会の太鼓(鼓隊)が終わった時と同じ気持ちがしゆう」『あ!達成感(満足感)を味わったなぁ~』と直感しました。

翌日、登園する車中で、「小学校になる頃、何級になっているかな・・・」と、ワクワクした笑顔で言った娘に一つハードルを乗り越えたかな・・・と思いました。

この時、嬉しくて「パピーさんに早く報告したい」と思ったんです。

でも、よ~く考えてみると・・・スイミングをやめたい一番の理由は、『不安』ですよね。テストを合格したことで、達成感を味わっても『不安』というハードルは、まだ越えていないのでは・・・

まだ、「スイミングやめる!」と言うのではないかと不安はありました。

進級した翌週、「泣く時間ある?」「不安だ~」と、少し泣きましたが、やめるとは言いませんでした。

『不安』を取り除くにはどうすればいいのか・・・考えた末、『いい事探し』を始めました。

「○○はもう6ヶ月もスイミングに通ったよ。がんばったね。えらいね」「最初はコーチの名前や顔も知らんかったけど、今はコーチの顔を見ただけで名前いえるろう。

上手になって進級したら、コーチも友達も変わるから不安かも知れんけど、○○なら大丈夫だと思うよ。」「Yコーチ・Wコーチ・Tコーチ・しっちゅうで!私、Fコーチが好き。」少し納得した顔で、ニッコリ笑っていました。

また、スイミングへ行く途中いつも赤信号で止まる信号で、青信号で進めたとき(げんをかつぐ)(母)「ラッキー!今日はいい事がある予感がする~」(娘)「なにが~?」(母)「お母さんにもわ・か・ら・な・い。なんだろう~」と、ワクワクしながら言っていました。

そんなある日、(母)「今日はいい事があったよ!○○が泣かんかった。嬉しいな~」(娘)「私もいい事があった。」(母)「なに?」(娘)「下痢せんかった・・・」(母)「本当!それはよかった。お母さんも嬉しいよ。」と、一緒に喜びました。

達成感(満足感)を味わってから2ヶ月・・・次の進級テストに合格しました。自信があったのでしょうか・・・今回はずっと、テストを心待ちにしていました。

意気揚々でテストを受け、(母)「テストの時って、緊張しない?」(娘)「ぜ~んぜん。プールに入ったら、なんか体の力が抜けたで。」度胸のよさを感じました。次週からは、新しい泳法のクロールに挑戦するので、今からワクワクしているみたいです。

《スイミングだけでなく、保育園でも今、勢いに乗っているそうです。先生談》

そして・・・☆スイミングをやめると言わなくなりました。☆もう泣かずに通っています。☆プールの前には、必ずウンチをしますが下痢はしなくなりました。(娘は下痢をしなくなったことが、一番の自信になったようです。)

☆一人だけですが、お友達ができました。☆娘との会話で知った事なんですけど、どうやらスイミング中に、以前同じ級だった顔見知りの小学生に自分から話しかけている様なんです。(恥ずかしがり屋の娘がですよ・・・(゜o゜))

娘が全然『不安』を感じなくなったかといえば???なのですが『不安な気持ちを乗り越える力・乗り越えようとする気持ち』が出てきたのかなと思います。

「スイミングやめる!」娘のたった一言で、私自身こんなに動揺し、悩むとは思いませんでした。

振り返れば、たった1~2ヵ月程のことだったのですが、私自身悩んで行動した分、喜びは何倍にもふくれ、「やった~!私にもできた!!」と達成感を味わえることができました。

でも・・・一つ気になることが・・・

「やめる」といった時、水泳が嫌いになって言っているのではないと判断して娘のやめたい気持ちを無視して、続けさせたのですがこれでよかったのでしょうか? 今回は結果オーライでしたが・・・パピーさん、どう思われますか?

ドロシーより

ココまで・・・

最後は疑問形(笑)で終わっています。今回のお返事とその後の内容は次回にしたいと思いますが、私は、ドロシーさんに「よくがんばったね」というメールを送りました。

私は、子供達の「乗り越える力」を育ててあげて!とよく言いますよね。自分で乗り越える為には、悩んだり、苦しんだり、そして、こうやってみよう、ああやってみよう、って、そういうチャレンジを何度もやって、

『出来なかった事ができるようになる』とか、『うまくいった』とかそういう成功体験を積む事によってそれが自信になり、そして、最終的に・・・『何でも乗り越えよう』とする。そういう力が付いて来るんですね。

でも、子供が乗り越える為には、実は、私達親も悩み、考え、いろんなチャレンジをしなければならないのです。

親も、悩み、考え、いろいろなチャレンジをした結果、「うまくいった」「これだ!」って気づき、発見して、親自身も同じ様に、乗り越えていくんです。

そしてそれが、『親』としての自信になっていくんですね。子供だけに「頑張れ」と言ったり、子供だけが学ぶのではないのですね。

ドロシーさんは、ご自分で考え、そしてやってみていますよね。「スイミングが嫌!」という娘さんに、短絡的に答えを出していません。

そこにはかなりの葛藤があって、正しいのだろうか?間違っているのかな?これでいいのか?不安だ・・・。そんな気もちが見え隠れしています。

でも、それでいいんです。不安の中で、葛藤の中で、いろいろ考えて、出来る事をされています。私にメールをして、「どうしたらいいでしょう?」と聞くのは簡単だったろうと思います。

でも、あえてそれをせず、ご自分で悩んでみた。考えてみた。そして、やってみた。これが素晴らしいのですね。

それを重ねる事で、ご自分に力が付いてくるからです。(注)もちろん、誰でも、最初からは出来ません。だから、最初は学ばなければならないのです。「まずい?」と思った会員さん?遠慮は不要ですよ(笑)。

実は、人にアドバイスをするのはとっても簡単です。でも、そればかりをしていては、人は育たないのです。

車のナビゲーターは便利ですが、ナビに頼っていると、私達は、その場所を覚えません。ナビに誘導された場所に、ナビなしで行こうとすると、到着する事ができないんです。

子育ても同じ。親に教えてもらうばっかりでは、子供の力になりません。だから失敗させなければならないのです。

自分で考えてやってみなければならないのです。それは、私達、親にとっても同じこと。うまくいかなくてもいいんです。失敗してもいいんです。

いえ、失敗しなくちゃいけません。自分で考え、悩み、いろんなチャレンジをしてみるんですね。親も、誰かに教えてもらうばっかりでは、自分の判断ができません。

常に誰かに頼らなければならないのです。でも、それじゃあ、感動や喜びなんて無いんですね。自分(私達、親としての)の存在価値も感じられません。

たとえ、私達自身が苦労したとしても、出来なかった子供ができるようになった時、乗り越えた時の子供の表情、笑顔を見る、喜びを感じる。それは、親にとって、ものすごく大きな感動なんです。

自分の事よりも、ずっとずっと嬉しいのですね。心の底から「ぐわ~っ」って来る思いがあるんです。その時、必ず、「あ~、私って『幸せだ~!』」って絶対に感じます!(笑)

私は、それを、あなたにも実感して欲しいのです。ドロシーさんの言葉にもありました。“振り返れば、たった1~2ヵ月程のことだったのですが、私自身悩んで行動した分、喜びは何倍にもふくれ、「やった~!私にもできた!!」と達成感を味わえることができました。”
って。

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