第241号 いじめについて(補足2)
こんばんは。パピーいしがみです。
ゴールデンウィークの第一目。いかがお過ごしですか?静岡では、今日は朝から雲ひとつなく、素晴らしい天気でした。
ハイキングに行かれたり、潮干狩りをしたり、楽しく過ごされた方も多いと思います。
・・・うらやましいです(笑)・・・
さて、4週に渡って、いじめのお話をしてきました。今日はその最終日とさせて頂きます。
前回のメルマガでは、「いじめは非常に簡単に起こりうる」という事と、「いじめられる側だけでなく、いじめる側にもなりうる」という二つについてお話しました。
今日は大事なもう1つをお話したいと思っています。
それは「いじめは人によってその概念が異なる」という事です。
前回、からかいがエスカレートしたもの、それが『いじめ』だと私は考える、と言いましたよね。
そして、「私だったらこうする」の中にもこのようにありました。
“先方のお母さんが言われていた・・・「後ろで殴る真似や、鼻をつまんで・・・」・・これが、「いじめ」になるのでしょうか?”
“嫌いなやつに、見えないように「アッカンベー」するのと同じレベルだと思うのですが(笑)”
ほんとうにそうですね。
でも、それはその子にとって、その行為がものすごく嫌で、精神的に、そうされる事が辛いのなら、それはまさに、その子にとっては「いじめ」なのだと思うのですね。
又、学校から帰ってきて、ショボンとしている我が子に、「何かあったの?」って聞いてみた時・・・
子供の「○○ちゃんに無視された・・・・」という言葉を聞いて、「それって、いじめじゃないの!許せない!」と思う人もいるかもしれません。
実はたまたま、声を掛けた時、その子の言葉が聞こえなかったり、何かに集中していて返事ができなかったりしたのかもしれません。
ココで重要なのは『その子にとって』という部分です。
私がよく知っている子で、こんな女の子(A子さんとします)がいます。
A子さんはとっても活発で、元気な子です。
集中するのが苦手で、授業を中断したり、脱線させるのもしょっちゅうです。
でも天真爛漫な子なんです。いつもニコニコ(ゲラゲラ?)しています。
誰にでも平気で声を掛け、誰とでも同じようなしゃべり方をします。
そんな子ですから、周りの人全てに受け入れられる子ではありません。
毛嫌いする人も多く「野蛮」「品が無い」と言うお母さんもいますし、「あの子を家に呼ばないで」と言う声も聞きました。
同級生達からも「ウザイ」と言われていました。ですから無視される事も頻繁にありました。
ところが、A子さんは、全くへこたれなかったんです。
A子さんは、だれかれ全く関係なく、同じ態度で接しますので、無視する子の肩を抱いて「なんだよ~!この頃冷たいじゃーん!」なんて言うんです。(満面の笑みで!)
そうすると、無視してた方も笑っちゃって「ウザインダヨー、A子!お前無視されているって解れよな~!」(これ、女の子の言葉です)なんて言うんです。
A子さんは「わかんね~!」って言います。
「全く、お前は神経ないんかよ!」で爆笑です。そう。A子さんには「無視」は『いじめ』ではないんですね。
かと思うと、こんな子(B子さんとします)もいました。
B子さんは体格も大柄で、なんでもそつなくこなします。
友達と一緒にキャーキャーやっている時は、ものすごく楽しそうだし、声は大きいし、ハイテンションなんだけど、
仲のいい友達に他の友達ができたり、自分から離れていくように感じると、すぐに、「私ってもしかして、嫌われてる?」って考えてしまうんですね。
常にマイナス・マイナスに考えるんです。
そんなB子さんだから、ふと目をそらされるだけで「意図的にやっているのかな?」って考えちゃうんです。
「いじめ」をされたわけでもないのに、自分がそうされていると思い込んじゃうんですね。
A子さんは今は高校3年生。
時々その元気な姿を今でも見ますし、相変わらず元気でゲラゲラ笑っていて、私と目が合うと「ニヤッ」と笑ってくれます。
でも、B子さんは、中学2年生の時に、学校に行けなくなって、今はどうしているのか、私は知りません。
同じ年、同じ次女、の2人なのに、これだけの違いがあるのです。
両極端の例かもしれません。
これについて、どうしてこんな差がでるの?という事は今日のお話とずれますので、割愛しますが「いじめの概念は人によってこんなに違う」というのを今日はご理解頂きたいのですね。
さて、ココからが本題なのですが、どんなに素晴らしい能力を持った子でも、又、どんなに素晴らしい教育を与えても、
B子さんのように、ほんの小さな出来事で、全てを失う事もあるし、能力を発揮できないほどのダメージを受ける事もあります。
又、その為、社会に復帰(進出)できない事もあります。
「学校」へ通う子供達にとって、一番解りやすいのが、この「いじめ」なのですが、子供が成長するに従って、それだけではなくなります。
落胆・失望・裏切り・・・。本当にさまざまです。
今回は「いじめ」についてお話をしましたが、いじめと同じように、子供達が育ち、いつかは入る大人の世界には、もっともっと、いっぱいいっぱい試練があるんです。
A子ちゃんはきっと、どんな事があっても、くじけず這い上がると思うのですが、B子ちゃんはどうでしょう?大丈夫かなぁ?とっても心配です。
私達、多くの親は「子育て」を「子供を育てる」と思っておられるでしょうし、なるべく辛い思いをさせずに育ててあげたい、と思われている方が多いです。
でも「子供を育てる」のではなく、「大人に育てる」のが子育てだと考えると、こういった試練にも「耐えられるように」していかなくてはならないですよね。
だから私は、「自分で考え、自分で判断して、自分で行動して、自分で乗り越え、自分で喜びを得ていく・・・」それを教えるのが『子育て』だと思っているんです。
試練は必ず訪れます。落胆・失望・裏切り・暴力・詐欺・誘惑・そしていじめ・・・
これらがあっても、そこから乗り越えられるよう、『這い上がる強さを身に着けさせてあげなければいけない』と私は思うのです。
その為に必要なのが『自信』なのですね。
何度も言っていますが、自信をつけるためには、成功体験を何度も積まなければなりません。(ただ、褒めるだけでは自信は育まれません)
成功体験を何度も積むという事は、いろんな事にチャレンジをして、何度も失敗をして、何度もやり直すという事です。
出来る事が重要ではないんです。
『何度も失敗して、何度もやり直す』事なんです。そして、繰り返し、繰り返しやってみて『達成の喜びを味わう』事なんです。
新しい事にチャレンジする時、その勇気を与えるのは、お母さんの言葉。
失敗して、凹んだ時『もう一度やってみよう!』という元気を与えてくれるのも、お母さんの言葉。
そして苦しみから乗り越えて、味わう喜び、「やった!」という達成感を感じるのもお母さんの言葉なのです。
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