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第356号 あなたの失敗は取り戻せる 2

こんばんは、パピーいしがみです。

今日は、前回の続き、をお話させて頂くのでしたね。

前回は、幼稚園での課題(なわとび)をクリアする為に、お母さんも一生懸命頑張ってきたのですが、

一生懸命になるあまり、命令・強制・スパルタになってしまい、その為に子供さんは、「もう、縄跳びなんか大嫌い」とまで言うようになってしまった、という事でした。

お母さんご自身も「まずい、やりすぎた!」って分って、お知り合いに相談したところ、大変な非難をされてしまいます。

そして私にも相談がありました。

私は、こんなお返事をするのです。

「あなたは、このやり方を何度も何度も繰り返してしまうかもしれない。」と・・・。

命令・強制・スパルタで子供を動かすことを、私たちが覚えてしまうと、私たちは、その方法をいろんなケースで、幾度となく繰り返します。

そして、効果が薄くなるともっとエスカレートしてしまいます。それによる子供の心への影響は計り知れないものです。

今だけではなく、この先、もっともっと、大きな問題が起きてしまう可能性がある。私は、それをどうしても阻止したかったのですね。

この失敗をチャンスに変えて、子供が自らやる気になる方法を学んで欲しかったのです。

私は、子供に縄跳びをさせるのではなく、ご自分が子供さんと同じように、いえ、それ以上、縄跳びの練習をされることをお願いしました。

今日はその後の、お母さんの努力と、息子さんの変化のお話です。

ココから・・・

いつも、お返事をすぐにいただき、ありがとうございます。

今日、縄跳びをやってみました。

何も言わず、前とびをやりだしたら、すぐに息子が「オレもやる」って寄ってきました。

一緒にやったり、交互にやったり、私が何回跳べるか、タイムをはかってもらったり。すごく疲れたけど、楽しいんですね。

一緒にやるって、体力使うけど、共感できるんだなって思いました。

そして、すごく素直に「○ちゃんよくそんなに跳べるね♪なんでそんなに上手なん、すごいね!!」って口にしていました。素直な気持ちです。

なんで、今まで一緒にやらなかったんだろう?って思いました。

久しぶりに汗をかきました。

妹が、一緒にやりたがって、時々、練習も中断します。その時、息子は妹の相手をしてあげるんですね。私は、それを今まで怒っていたんです。

妹には「練習してるんだから、邪魔しないで!」、お兄ちゃんには「集中してやりなさい!」と。でも、それもまた、私の間違いだったと思いました。

お兄ちゃんだけじゃない、妹にもかわいそうなことをしてきたんだって。

お兄ちゃんは、寄ってきた妹を邪魔者扱いせず、遊んであげる。縄跳びが中断。でも、それは、とても当たり前の行動だったんですよね。

縄跳びをしていたら、汗をかき、喉も渇きます。ケンケンとびなんて、1分間もやっていたら足が痛くなります。

かけあしとびが1番とびやすいことも今日知りました。

やったら1日でわかることでも、今まで2ヶ月もやってて、本当にわかってあげてなかったと思います。

きっと、たった1日やそこらでは、全てがわかるわけではないでしょう。まずは2ヶ月、毎日続けてみようと思います。

ココまで・・・

これが、あんずさんの1通目のメールでした。

たった1日、子供と同じようにやってみただけで、沢山のことが分り、心からの賞賛や面白さ、そして、一緒に楽しみながらやってみることでしか分らない喜びや雰囲気まで分ったのですね。

そして2通目のメールはこうでした。

ココから・・・

今までの私は、子供に自信をつけさせたいと思っていました。

そのために、縄跳びを教えないといけないし、ひらがなや数字だって!・・・大変だぁ・・・。って思っていました。

でも、違うんですね。大変にしていたのは、私だったんですね。

私は何もしないで、やらせようとしたり、私は何も学ぼうとしないで、覚えさせるだけ。

私の母がこんな人だったら、私は絶対に運動嫌い・勉強嫌いになっていたと思います。

今日も、夕方になって、縄跳びをしました。

子供達は、夢中で遊んでいたので、一緒にしなくても、一人でするつもりでした。

でも、昨日と同じように、すぐに「オレもやる!」って寄ってきたんです。

そして、交互に、前とび・かけあしとび・ケンケンとびをした後、「次はあやとびやって」と言うので、「は~い」と言って私はやりだしました。

あやとびって、難しいです。

こんなの無理矢理やらせていたんだって、後悔しながら跳んでいたら、「遅いよ~」とカツを入れられ、「はい、次はうしろとび」・・・と、立場は逆転。(笑)

そういえば、あやとびの練習には、フラフープがいいと書いてあったから以前買っておいたのを思い出して、

フラフープであやとびの練習を私がやりだしたら、息子がとても興味を持ちました。

「ちょっと貸して」っていうので息子にバトンタッチ。

その後、私がフラフープを腰でまわしたり・・・そんな練習をやっていたら息子も楽しそうにやりだしました。

自分もフープと一緒にまわってしまいます。

以前の私だったら「違う違う!」って、口をはさんでいたと思うけど、不思議と笑って見ている自分がいました。私よりはうまいかも?って思いながら・・・。

夜、私は、でんぐり返しや、逆立ちをしてみました。といっても逆立ちは出来るわけではありません。

恥ずかしいんですが、壁に向かってやるのが怖いんです。そのくせ、以前の私だったら、自分はやりもしないで「怖がらないでやってごらん」なんて言ってたんじゃないかと思います。

別に子供にやらせたくて、でんぐり返しをやってみたんじゃなくて、私がたんに身体を動かしてみたいなって思っただけなんです。

そしたら、息子がまたやってきて、「オレできるよ!」って、やってみせてくれました。

逆立ちは、まだ出来ませんし、壁とは反対方向に顔を向け、足を少しずつ上に持っていって、手に力がないせいか頭をついているんですが、どうみても私よりは、頑張っていたと思います。

見てて、とても微笑ましかったです。

パピーさん、私は自分で自分がとても恥ずかしいです。

パピーさんが、“あなたは同じことを繰り返す”と仰った言葉が、ずっと心に残っています。

でも、縄跳びを始めたことで、私の何かが変わってきたと思います。

言葉にするのが難しいんですが・・・

いつも、私は子供達の上の立場にいたと思います。上から目線で接していました。

でも、それは間違いでした。とてもよく分りました。子供から学ぶって、よく聞く言葉なので、頭では理解していました。

でも、その意味がわかりかけた気がします。

パピーさんに宣言した以上、縄跳びは毎日やってみようと思います。

2ヶ月後に、幸せなお母さんになっていることが目標です。

最後に。

私は、自分が息子になった気分でいました。でも、それが1番の間違いでした。

自分は、息子ではなく、自分でしかないんですよね。当たり前だけど。

縄跳びを通して、息子に厳しすぎてしまったのも、私がやっている気分になっていたんです。

でも、やっていたのは、息子であって、自分ではないんですよね。

これからも、私の人生に登場してくれた子供達は、大きな存在だけど、子供達の人生は、子供達のものでしかない。

親は、大きな影響力があるとしても、子供の人生を生きるわけではないし、のっとることなんて出来ない。そんなことしちゃダメですよね。

2か月後に、またメールさせてください。他に気付くことがあっても、2ヶ月後まで我慢しておきます。

ここまで・・・

いかがでしょう?もう全然、あんずさんの気持ちって変わってきていますよね。

縄跳びだって、それに向かって一直線ではなく、フラフープに脱線したり、立場が逆転したり・・・。とても楽しくやっています。

夜のでんぐり返しのワンシーンも目に浮かぶようです。うん、これなら大丈夫。

私は、2ヵ月後のご報告、楽しみだな、と思いました。そして2ヵ月後、このようなメールが届きました。

ココから・・・

お久しぶりです。あんずです。

縄跳びの件で、何度かメールさせていただいていました。覚えていらっしゃいますか?

今日は、あれから約2ヶ月が経ったので、報告をと思ってメールさせていただいています。

パピーさんも、お忙しいと思いますので、単に報告だけですので、返信くださらなくても、読んでいただけるだけで、有難く思います。

さて、縄跳びの件ですが、体操教室でも、縄跳びの練習がひとまず終わったこともあり、私もパピーさんに言われたことが胸に突き刺さり、とても反省しました。

あれから、強制してやらせたことは1度もありません。

そして、この2ヶ月、私が縄跳びを練習していたら、必ず「オレもする!」と言って、寄ってきて一緒に練習していました。

そして、幼稚園の先生から聞いた話ですが、息子は幼稚園でも、時々縄跳びをやっていたらしいんですね。

もちろん、誰から言われたわけでもなく、自発的に。

そして、あまりにも早く前とびが出来るので、先生やお友達から「すごい!」って言われ、注目されたのが恥ずかしくて、水道の陰に隠れてしまった。その姿がとてもかわいかったと仰っていました。

家では、時々、突然「縄跳びしたい!」と言って、「もう夜遅いから、下の階の人に迷惑だよ。明日、明るいうちにしようね」って、私から止められるくらいです。

そして、体を動かして遊ぶよりも、ブロック遊びなどの方が好きだった息子でしたが、「鬼ごっこや、外遊びも増え、お友達との関わりも増えたんですよ!」と園の先生が教えてくださいました。

( 後 略 )

ココまで・・・

あんずさん、メルマガへの紹介のご許可、ありがとうございました。

無理にお願いをしたようで、申し訳ありませんでした。

でも、息子さん、縄跳びで自信を付ける事ができて、その上、自分の世界も広がったようで、本当によかったです。

さて、2回にわたってお届けした、「失敗は取り戻せる」でしたが、いかがでしたか?

あんずさんとは、今、とても親子の関係が良好のようです。

本題から外れないように最後にこれだけを・・・・。

私たちは、つい私たち、親の都合で、子供を動かそうとします。そして、子供が私たちの思うようにならないと腹が立ちます。

子供の意思を無視して、無理やりやらせようとしてしまいます。

当然、子供達は抵抗をします。反発を持つのです。誰でも、無理やりやらされたくありません。力でねじ伏せられたくはないのです。

しかし、私たち親は、それでも力で押し通します。子供は、屈辱を感じ、恨みを持ち、自尊心が傷つきます。

そして、子供には、無理やりさせる親が嫌い、やらされている事が嫌い。そういう思いがどんどん強くなっていきます。

でも、怒られ、叩かれ、命令されて・・・、なにより、やらされている自分自身が嫌いになってしまうんです。

これって、命令・強制・スパルタで、間違いなく発生するパターンなんです。

良かれと思ってやっている事がどんどん子供の自発的な気持ちを削ぎ、やる気をなくし、喜びや楽しみを奪っていくんです。

そして親と子になくてはならない『信頼』をぼろぼろにしていくんです。

私はそれが分っていたからこそ、今回の件では、早い段階で手を打って欲しかったのです。

厳しい言い方をしましたが、あんずさんは、努力なさいました。

2ヶ月間、子供さんに強制することなく、「自分だけでもやり遂げるんだ!」という気持ちを貫徹されました。

そして、どれだけ子供さんが頑張っていたのか、それを、自分の身をもって理解されたのです。

身をもって理解した上で心から出た、賞賛の言葉、共感する思い、雰囲気・・・。子供さんは、グッと来たと思いますよ。

そして、お母さんをより好きになってくれたと思います。

こんな文面がありましたね。

“そして、この2ヶ月、私が縄跳びを練習していたら、必ず「オレもする!」と言って、寄ってきて一緒に練習していました。って。”

お母さんと一緒に出来ることが楽しいんです。笑ってくれるお母さんといることが嬉しいんですよ。

大好きなお母さんと、一緒に笑い合える、その楽しい時間を共有したいんです。

私は子育てはテクニックじゃない、ってよく言います。それは、頭で理解できているのと、心・体で理解できているのでは、発する言葉や、思いが全然違うからです。

だから、行動し、体験してほしいのですね。

自発的にやり始めたことは、とてつもない力を生んでくれます。自発的にやる事は、楽しく、そして喜びにあふれています。

是非、子供達が自発的にやりたくなるように、考えて、工夫してみてくださいね。

それは、きっとあなたに喜びを運んでくれますよ(^^)

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