第375号 子供にぴったりのお母さんになる
こんばんは。パピーいしがみです。
夏休み、1/3ぐらいが過ぎたところでしょうか?なかなかはかどらない宿題に、気をもんでいるお母さんも多いかもしれません。
宿題とか学校の勉強って、どうしたって気になりますよね。
勉強が嫌い。宿題をやろうとしない。でも、もしかしたら、それには理由があるのかもしれません。
その理由の一つには、分からない、って言う事です。
実は、この「分からない」について、私自身も、理解できていなかった、と、つい先日知りました。
以前から「ひまわりのかっちゃん」についてはお話をしていますが、
ひまわり学級にいたかっちゃんは、5年生になるまで、ひらがなも満足に書けない。1+1=が分からない・・・。こういう状態だったのです。
しかし、その分からない状態を、かっちゃんご本人、西川つかささんからお聞きしたのでした。
まず、ひらがなですが、「あ」とか「い」とか・・・目に入ってくる、それらの文字が一本の棒線が重なったり、長さがいろいろだったり、まがったり、まるくなったり・・・、
まずは図形としてその違いがよくわからない・・・。
又、1+1= についても、ひらがなと見方は同じだったそうなんです。同じように棒が重なっている。または曲がっている。
1は棒が1本だから、1・・・。でも、棒がふたつなのに、なぜ、「2」なんだろう?
又、記号の存在も分からなかったそうです。「+」はなぜ、「加える」という意味で、「=」はなぜ「いくつですか?」意味なのか?
例えば、1+1=の“1=”の部分。“1=”って「にしかわ」の“に”に似ているな~、って思っていたのだそうです。
ひらがなも、算数も、記号も、かっちゃんにとっては、みんな同じ、棒の組み合わせであって、その組み合わせが、ある時はひらがなとして読み、ある時は数に、そして記号が入ると数式に・・・。それが分からなかったようなのです。
西川さんは、大人になった今だからこそ、その分からなかった事を「こういう風に分からなかったんだ」と分析して教えてくださったのですが、
きっとその当時は“何がわからないのかもわからない”。解決の糸口さえ見えない。という状態だったのだと思います。
今日、あなたにご紹介させて頂くのは、そんな子供の「分からない」を理解するヒントになれば?というpooh mamaさんからのお便りです。
このお便りを拝見して、「おー!すごいな~!って思ったのです。それでは始めましょう。
ここから・・・
こんにちは。パピーさん。
今日は最近の我が家の報告をしたくて、メールしました。
息子は(宿題)漢字の書き取りが苦手です。
書く事が好きではないし、同じ事をずっと繰り返して書くので、余計に手が進みません。
「今日はもうやらずにいく?」と私が聞いても、「ううん、やっていく!」との返事。
それを聞いて、「じゃあ、どんどんやんなきゃ!」って、私もイライラして、強制の言葉で動かそうとしてしまうのですが、宿題は進まず、
夕食後や寝る時間の間際まで宿題の時間になってしまって、お互いストレスのぶつけ合いになってしまいました。
そしてその後に残っているのは、「また、やってしまった…」という自己嫌悪と後悔の気持ちだけ。
そこで、息子の様子をよく考えてみました。
3年生になって、漢字の習う文字が急に増えてきました。漢字の小テストは毎週一回。又、その合格点も十問中九点。
息子本人は、そのハードルがかなり高いと感じてしまっているようで、やる前から「諦めた」と言う感じでした。
息子はテストで点数が取れない事にかなり落ち込んでしまっていましたし、本人も「何とかしたい」と思っていたけど、「どうしたらいいのかわからない」と思っているようでした。
そこで、私は息子の部屋にある、ドラえもんの漢字字典をコピーして、習う順番に並べて、メモ帳に貼って、息子用に漢字字典を作りました。
(学校で使っているドリルには、書き順が数字で書かれていますが、息子自身が、数字で覚えるのはちょっと・・・と感じているので、余計に嫌いになるような気がして)
そうしたら、息子は「これなら、どこにでも持ち歩けるし、見るにもいい感じ!」と言ってました。私も心の中でガッツポーズでした。
そして、漢字の書き取りは、先生とのお約束でノート1ページをやる事になっているのですが、
息子はノートを開いても、そこから進まず、止まってしまうので「お母さんもやるから、一緒にやってみよう!」と提案をしました。
そうしたら、息子は「一緒にやる!」と言うので、ノートを用意して、(息子は百字ノート、私は二百字です)
始めは三分をタイマーで計り、その間は口を開かないという事、でも何か言いたい事や気になる事は三分が終わってから、というルールを決めて始めました。
そうしたら、「ゲームみたいだね。」と言いながら楽しくできるようになりました。
さらに続けていると、「三分では短い」と言うようになり、五分に伸ばしたりしてみました。
そんなやり方をしていったら、それまで2時間もかかかってやっていたのが、50分位で終わるようになったんです。
息子も、早く終われる様になったので、気分がいいみたいで、「明日もやろうね!」と自分から言うようになりました。
一緒にやる事で、私も自分自身が書き順が違っていたりしていた事に気付いてみたり、色んな発見がありました。
でも、私の考えで決めてしまっている事や、甘やかしてしまっているんじゃないのかな・・・と思ってしまう事もあって・・・
今は息子のやる気を信じていこうと思います。
始めのうちは卵(0点)だったり、ひよこ(2点)だったのが、少しづつ点数が上がってきて、先日は8点でした。
私:「おっし~い!凄いよ~!がんばったね~♪」「間違った所も、止める、はねる、が足りなかっただけだったね~♪」
息子:「うん、そうなんだよ、ちょっと悔しかった」
なんて、少しづつ前向きになっています。
ここまで・・・
私たちは、漢字を覚える時、何度も何度も書けば覚える、と思っていませんか?(はい。私もそう思っていました。^^)
とすると、テストが悪かったりしたら、「ノロノロしてるからだ!」「嫌々やってるからだ!」なんて思い「どんどんやりなさい!」って言いたくなります。
でも、pooh mamaさんのは違ったんですね。
「どうしたらいいかわからない」を、自分なりに分かりやすくしてあげるとともに、少しでも子供が楽しくできるように工夫したんです。
すでに嫌いになって抵抗を感じている息子さんに、その抵抗を少しでも軽くしてあげようと、手作りの漢字辞典を作ったり、ゲームのように一緒にやってみたり、短い時間に集中できるようにしてみたり・・・。
実は、このメールには記載していませんが、こんな声かけもされていたんです。
“点数が悪くても、攻めてしまっては逆効果だろうと思い、0点でも怒る気は無かったんです。その次のテストは2点だったので、「タマゴ(0点)がひよこ(2点)になったね」と軽く言ってました。”
子供にとって0点というのは、たとえ小テストでもかなりショックですよね。ガッカリしちゃいます。
又、そんな点数を見た私たちは、きっと、のびた君のママのように、「こんな点数を取ってきて~!」なんて、怒鳴り散らすかもしれません。
ですが、pooh mamaさんのように、「タマゴ(0点)がひよこ(2点)になったね」なんて、軽く言ってもらえば、
「こんなの何でもないよ」「すぐにいい点が取れるようになるさ~♪」って言ってもらえているようで、勇気が湧いてきます。
実際、息子さんは、お母さんと楽しく漢字を勉強することで、ぐんぐんできるようになってきました。
実は、今日のメルマガは紙面上、お兄ちゃんの事だけを記載させて頂きましたが、
pooh mamaさんのご報告には、妹さんのことも書かれていたのです。
妹さんは、何度自転車の補助輪外しに誘っても、「嫌だ」の一点張り。
でも、「友達も練習し始めた」の一言で、ガラッと態度が変わり、pooh mamaさんのちょっとした工夫で、「あっ」という間に・・・、本当に、あっさりと補助輪が外れてしまって、
今は、「あんなに拒否していたのはなんだったの?」という状態だったそうです。
pooh mamaさんは、そこでまた、いくつかを学びます。
それは、娘さんの場合、「練習」という言葉と「教えてあげる」という言葉で誘ってみると、「嫌だ」と、拒否するという事。
また、一生懸命集中している時に「がんばって」と言ってはいけない、という事だったそうです。
練習していた時に、お友達が「がんばって~」と応援してくれたのに、「わかってる~(そう言わないで)」というような態度だったそうです。
「言われなくてもがんばってるの!」とでも言いたげな様子だった、と教えて下さいました。
子供達は、いろいろです。
このメルマガの事例などを応用して、とてもうまい具合に“やる気”になる子もいれば、全然うまく行かない、という場合もちろんあります。
でも、それで当り前だと思うのですね。だって、ひとりひとり、みんな違いますから(^^)。
ところが、私たちは、どうしても私たちの範疇でものを考え、子供の「分からない」や「できない」が、私たちの理解を超えていると、すぐに「なぜ?」「どうして?」と思ってしまいます。
そして憤りをぶつけてしまいます。(先ほどのかっちゃんの「分からない」は私の理解を超えていました)
でも、怒りをぶつけたって何も始まりません。
それって当然、解決にもならないし、「分からない」は、「分からない」まま。よけいに自信を失わせ、自尊心を傷つけるだけなのですね。
pooh mamaさんのメールには、“私の考えで決めてしまっている事や、甘やかしてしまっているんじゃないのかな・・・と思ってしまう事もあって・・・”とありましたが、私はそうは思いません。
ほんのちょっと助けてあげることで、その子が、大きく開花するのであれば、それは甘やかしではない、とても適切な『きっかけだ作り』と思うのです。
それに、私は、いろいろと工夫したり、試してみるという事は、とても良いことだと思っています。
いろいろと試してみることで、子供が何が分からなかったのか?が分かったり、工夫をしてみることで、
その子がやる気になったり、目が輝くようなポイントが見えてくるからです。
今日のメルマガのタイトルは、「子供にぴったりのお母さんになる」としました。
子供はいろいろです。だから、いろいろ試してみて、工夫してみて、その子、その子に、ぴったりのポイントを見つけ、その子に“ぴったりのお母さん”になって欲しいと思うのです。
子供達は、みんな違うんですから、マニュアルや育児書どおりにはいかない事も多いはずです。
こうやったらどうだろう?じゃあ、こうしてみたら・・・?そんな工夫から「この子にはこれがぴったり!」を見つけられると、全く違った毎日が訪れるかもしれません。
pooh mamaさん、楽しいお便り、そして、メルマガ紹介へのご許可、ありがとうございました。
ご興味のある方はこちらをお読みください。
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