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第403号 秩序は家庭でしか作られない

こんばんは。パピーいしがみです。今日のメルマガは「秩序」のお話です。

なぜ、今日、こんなお話をするのか、と言いますと、先日、ご相談を頂いた方にお返事している時、「今まで、これについてきちんとお話して無かったな~」と気がついたからです。

「認める・褒める・包む」と聞くと、『そうか、叱ったり、怒ったりしてはいけないんだな・・・』とお感じになるかもしれません。

ですが、そうではないんですね。

確かに、叱らなくていい事を叱りすぎ、本当は褒めて欲しい事を、あたりまえとして過ごしてしまう。

結果、自尊心を削られ、そこから問題が起きていく・・・。そういう場合がとても多く、今までもそういうケースについて、ご説明する事が多かったと思います。

ですが、私も、かなり厳しく子供に接し、絶対に許さなかった事があるんです。

少しでもその兆候を感じた時には、即座に厳しく!そのようにする事がありました。

そこで、今日は、私が「ほんの少しでもその兆候があった時には許さなかったこと」それについてお話したいと思うのです。

ただ、本当に気をつけて欲しいのですが、「厳しい躾」や「叱る」を推奨するのではないんです。

くれぐれも「叱る」をする時には、それ以上に「褒める」を意識してくださいね。叱るは「2」、褒めるは「3」!ですからね(^^)

まず・・・、全然話は違いますが、

高視聴率で、長寿番組と言ったら、あなたは何を思い出しますか?多分、多くの方が、こう言われると思うのです。

「サザエさん」って。

サザエさんは、今年で、40年、平均視聴率20%だそうです。

なぜ、「サザエさん」がこれほどの高視聴率を保ち、長寿であり続けるのでしょう?

実は、そこには、私たちが持つ、家庭に対する「安心感」があるからなのだそうです。

アニメ番組“サザエさん”の家庭には、波平さんがお父さん、そしてお母さんのフネさん。その長女にサザエさん。そして弟で長男のカツオ君。末っ子のワカメちゃん。

それからサザエさんの息子で、カツオ君やワカメちゃんの“いとこ”になる、タラちゃんがいます。

この家庭の中で、いろんなエピソードが起るのですが、絶対に変わらないのは“家庭内の秩序”なんですね。

頑固なお父さんですが、お父さんが常にイニシアチブを持っていて、お母さんがそれをサポートしているんです。

子供達は、年上は年上として振る舞い、年下は年上を敬う。

もちろん、意見の衝突はありますが「長幼の序」と言うのでしょうか、この秩序が逆転する事はありません。

もし、子供達が少しでもお父さんを愚弄したりすれば、即座にお母さんがそれを叱り、たしなめ、乱れそうになった秩序が即時、修正されます。

この乱れない秩序こそが、私たちを安心させるのだそうです。

では、なぜ“家庭の秩序”が私たちを安心させるのでしょう?

私たち人間が成長する上で、欠かせないのが「自立」です。

前回のメルマガの中で、私は、「子供は超未熟児で生まれてくる」と言いましたね。

動物は生まれおちて、すぐ立ち上がったり、おっぱいを探したり、生まれた時にはすでに、生きる力が備わっているけれど、

人は、目も見えず、耳も聞こえず、生きる為のすべてを、親に依存して生まれる・・・って。

超未熟児で生まれた人間は、自分の生命を含め、全てを依存して、生まれ、生まれてから自分で生きる事ができるように自立を覚えていくのです。

1歳半から2歳・・・、その頃から自我が芽生え、何でも自分でやろうとする。それが自立の始まりです。

ですが、今まで全くの依存状態だったのですから、自分でやろうとしたって、うまく行く事ばかりではありません。

怖い思いをしてびっくりしたり、うまく行かなくて癇癪を起こしたり・・・。自我が出始めて自分でやりだしたものの、恐怖や不安を感じます。

子供は、その恐怖や不安から逃れる為に、母親に安心を求ます。自立をしたものの、すぐに母親に甘え、依存するんですね。

このように、子供は、

自分でやろう(自立)→うまく行かない→恐怖・不安・落胆→甘え(依存)→安心→自分でやろう(自立)・・・・と、自立と依存を繰り返しながら、成長していきます。

私たちは、親に完全に身を任せることで、成長し、その成長の過程で、親を、安心できる大きな存在として認識するんです。

式で言えば、親>子 という形です。これが「家庭内の秩序」ですよね。

生まれてからずっとこの秩序によって育てられていくはずなんですね。

ところが、もし、この秩序が崩れ、親よりも子の方が権限を持ったらどうなるでしょう?

“親<子”となった場合です。

具体的には、子供が親に対して「〇〇しろ!」などと命令して、又、それを親が良しとして、子供に命令されるままに動いたら・・・。

実は、子供は自分の要求が叶いながらも、大きな不安を感じることになるんです。

なぜなら、今まで自分が成長をするにあたり、完全な依存をしていて、全てを投げ出していた、親>子の環境。その環境を失うからなんですね。

安心できる大きな存在が、なくなってしまうんです。そうなると、自分が苦しい時、頼る事ができません。

未だ全てを自分で判断、行動できない時期の子供にとって、安心できる存在・頼れる存在を失う。

それは、とてつもない不安と恐怖を覚える事になるのですね。そんな環境では決して「安心」などは生まれないのです。

そうなんです。子供達が完全に自立して、子供自身が、自分で考えて、自分で判断が出来て、自分で行動ができるようになるまでは、

その時点での、子供自身が居る場所をしっかり作ってあげる事。「家庭内での秩序」がとっても大事なんですね。

家庭内の秩序があるからこそ、『包む』もできるのです。

それでは、もし子供がそのまま、育ってしまったらどうでしょうね。目上の人に対しての秩序を知らずに育ったら・・・?

多くの先輩方は、反感を持ち、その子を攻撃をするかもしれません。もしくは、何も言わず離れていくかもしれません。

どちらにしても、協力してくれる人は減り、しかし子供自身は、なぜ周りの人が自分に対してそうするのが分かない、そういう状況になるでしょうね。

「秩序」を教えてもらえないこと、それは余りにもかわいそうです。

そう。私がとても厳しく子供に接した「絶対に許さなかったこと」とは、子供が親に対して、指図や命令するような言い方をしたり、

親の名前を呼び捨てにしたり、お父さん>お母さん>子供という“家庭の秩序”を乱しそうになる兆候を感じた時だったのです。

絶対に許さなかった・・・と言っても、くどくど説教をしたり、大声で張り上げたのではありません。

真剣に子供と向かい、鋭い形相で、しっかり目を見て、「お前、今何て言った?」と睨みつけます。

今度そんなそぶりをしたら、ただじゃ置かないぞ!という雰囲気で・・・。

子供が泣こうが喚こうが構いません。自分が嫌われようが構いません。絶対に譲れない一線がそこにあったのです。

ですが、今、それは正しかったと思っています。

というのは、彼ら、彼女らが、学校の先輩達にとても可愛がられ、部活や、アルバイトをしている仕事先でも、とても大事にされているからです。

「秩序」は家庭で作られる・・・。いえ、私は・・・「秩序」だけは、家庭でしか作られない!と思っています。

そして、その「秩序」があるからこそ、安心を与えることができ、「認める・褒める」も生きてくるんですね。

ご興味のある方はこちらをお読みください。

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