第421号 厳しい言葉
こんばんは。パピーいしがみです。
今日はちょっといつもと違った内容かもしれません。
というのは、今回ご紹介するメルマガは、私が厳しい対応をした時のお話だからです。
私は「厳しさ」をあまり好みません。そしてこのメルマガでも、厳しいお話をした事については、あまり紹介していませんよね。(^^)
それは、1つには「厳しさ」を前面に出すと、マイナスイメージを抱き、気持ちがなえてしまう、萎縮してしまう、自らを駆り立てる意欲を削いでしまう、という、いくつものデメリットがあるからなんです。
そして、もう1つは「厳しくすること」を間違って認識し、簡単に使おうとする方が増えてしまうのではないか?という懸念からです。
ですが、今回のお話は是非、お伝えしたくて、いつ、どのようにお伝えしたらよいか、しばらく機会を待っていました。
私は、ご相談を頂いた時、苦渋の選択から、厳しいお話をする事が、ごくたまにあります。
それは、(子供に)タイムリミットが迫っている時、なかなか一歩を踏み出せなず、背中を押してあげる必要がある時、今のチャンスを逃すと、必ず後悔する、と私が感じる時などです。
ところが、私にとって、それはとても大きな賭けでもあります。
それは、先ほども言いましたように、デメリットが大きいからです。
「何とか今の状況から脱出したい」と、ご自分から「頑張ろう!努力しよう!」と行動し始めた方々を、萎縮させてしまったり、ふてくされさせてしまったりして、
続ける事が重要な“一歩・一歩 あゆむこと”“「小さな積みかさね」を継続すること”を、放棄させる事になってしまいかねないからなんです。
ですから、厳しい言葉でお返事をした時には、“その後に、お返事が返って来るか?”“その言葉をプラスに受け止めてくださったか?”がとても心配で、その後の様子がとても気になるのです。
今日は、そんな私が厳しい話をさせて頂いた後も、ちゃんと、それを真摯に受け止め、努力されて、ご自分の苦しみや悩みを、見事、乗り越えてくださった方のお話なんです。
その方のお名前は、あこさん。
あこさんとのやり取りはいつも携帯でした。
ご存知のように、携帯電話で長い文章を打つのはとても大変です。でも、あこさんは、いつもびっしりと、本当に詳しく、細かなところまで、状況を教えてくださいました。
ですから、私も把握しやすく、お返事もしやすかったのです。
あこさんのお子さんは、長男さん、長女さん、そして、まだ2歳に満たない次女さんの3人でした。
ご実家のご協力も頂けず、その頃は本当に本当に苦労をされていました。では、ご紹介させて頂きますね。
ココから・・・
こんにちは。あこです。
最近、行き詰まってます。最悪です。
うちには10才の男の子、6才の女の子、1才7ヶ月の女の子がいます。
今年に入ってから真ん中の女の子の聞き分けが悪くなり、もうすぐ1年生になるプレッシャーと、妹ができたのとで、何を言ってもイヤ!としか言わなくなりました
私も3時間おきの授乳と、産後すぐも誰も手伝いに来てもらえず、独りで家事をしている疲れからずっとイライラしていました。
そして子供を怒鳴りつけ、強制的に何でもやらせ、いうことが聞けないと、「もう言うこと聞かれへん子はイランから出て行って!」と外に出したりしてました。
子供は泣き叫び「言うこと聞くから入れて!!」と、ドアを叩き、お兄ちゃんは部屋の隅で怯えています。
毎日毎日こんな感じで、どうすれば・・・と日々育児書を読みあさり、色々試してはこれじゃない・・・という感じでした。
真ん中の女の子はアトピー性皮膚炎になり、夜中に何度も痒くて起きるようになり、通院することになりました。
医者からは「心の問題だからお母さん、この子をよく観察してあげて」と言われました。
そんな時パピーさんの本に出会いました。入会して、2ヶ月位でお互い心が穏やかになり、アトピーもだいぶよくなり夜中も起きなくなりました。
6月半ばまでいい感じに過ごしてたんですが、色々なことが重なり、イライラする日が増え、ついに爆発してしまいました。
「あ~っ!イライラする、もう出て行きたい!家出したい!」って叫んでしまったんです。子供達はさぞ不安に思ったでしょうね。
長女は、今までとは比べものにならないくらい、酷いアトピーが全身に出ました。もちろん夜中も痒くて1時間位掻かされる日々が続いています。
学校から帰っても宿題も明日の用意も何もしません。お兄ちゃんも生真面目で頭が良くて、優しくて私にはもったいない息子なのに、否定的なことばかり言って育ててしまいました。
最近のお兄ちゃんは、その日の出来事も言わなくなってしまいました。
先日、野球の当番で練習を見に行った時も、休憩中に友達と過ごさず、離れたところに独りでポツンといたのです。
それを見て何ともいえない気持ちになったのですが、何も言わず黙って見ていました。
その姿が目に焼き付いてて・・・、「私のせいだな」と痛感しています。お兄ちゃんは、放課後も一切遊びに行かなくなってしまいました。
下の子は私がお姉ちゃんに手を掛けるようになってから、何か察知したかのように私から離れず、必要以上にお乳をくわえ、断乳どころではありません。
こんな毎日が続き、私の思い通りにならないことがあると「コイツ(お姉ちゃん)がいなければ上手くいくのに」とか、出先でお姉ちゃんを見失った時に
(よく黙ってどこかへ行ってしまうので)
“このまま置いて帰りたい”とフト思ったり・・・“いつか、殺してしまうんじゃないか?!”・・・と思うこともたびたびあります。
お姉ちゃんを抱きしめて、「いつもかわいいね。大好き!」と言ってもイマイチ響いてないみたい。
どうすればみんな大切に思ってるということが伝わるんでしょうか?
家族のなかで誰が好き?と、子ども達に聞かれたらなんと答えたら良いのでしょうか?
( 後 略 )
ココまで・・・
これは、今から約1年半前(おととし)のお便りです。
当時は、本当に苦しみ、悩み、お辛い毎日だったと思います。何度かのやり取りをして、私はあこさんに厳しい内容のメールをしました。
上記の内容では、長女さんがクローズアップされていますが、私は、お兄ちゃんの事がとても気になったのです。
お兄ちゃんは、もう10歳でした。
「今のままではまずい・・」そう感じた私には、苦渋の決断でした。
ですが、あこさんは、それをキチンと受け入れてくださり、決して諦めず、何度もアップダウンを繰り返しながらも、地味な努力を継続してくださったのです。
昨年末に頂いたメールには、このようにありました。
ココから・・・
おはようございますあこです。早くも2周目の5章になりました。
子ども達の近況報告をさせていただきますと、末っ子で来月3才になる女の子は、とにかく、お姉ちゃんのマネです。
保育所でも体はちいさいほうなのに、大きな男の子と競って給食を食べているそうです。
生活面でも率先して行動しているようです。とてもかわいいです。
真ん中の来月8才になるお姉ちゃんは今年の春を過ぎた辺りから、アトピーがみるみる良くなり、「今までのは何だったの?!」と言うくらい、何に対してもやる気満々♪。
大嫌いだった給食もおかわりしています。
去年は掃除の時間も食べ終わらず、5時間目が始まる前に給食室に食器を返しに行ってたのに・・・
武道を学んで欲しくて、色々見学に行き(私は合気道を希望なのですが)「剣道がいい」と、自分で選び、習い始めました。
大きな声を出して発散できることや、先生が誉めて下さること。
何よりその時間中、私がお姉ちゃんをジッと見ていることが良い?のでしょうか、娘の中のカンの虫がどこかへ行ってしまいました。
妹に対しても、今までは何かと突き飛ばしたり、吹っ飛ぶくらい蹴ったりしていましたが、取りあえず、言って聞かせるようになってきました。
そして今まで貸せなかったおもちゃを妹にあげたり・・・良い面をあげるとキリがありません。(^^)
そして一番嬉しいのが“「ありがとう」と言う言葉をよく言ってくれる”のです。
たまの遠足のお弁当も、いつもギリギリまでかかってたので「お母さん、早く、早く」だったのが・・・、遅刻しそうなくらいギリギリなのに「ありがとう」と言って持って行く。
本当に些細なこと何ですが、よく言ってくれるのです。
この年になって初めて気づいたかもしれません。“「ありがとう」って言われるとこんなに嬉しい”なんて。
受講し始めた頃は、“いなくなって欲しい”と思っていた娘が、愛おしくてたまりません。
何度、出先で捨てて帰ろうと思ったことか・・・。捨てなくてよかった。過ちを犯さなくてよかった。本当に感謝の気持ちで一杯です。
ココまで・・・
このメールを頂いた時、本当に「よかった~」と思いました。そんな時が、この仕事の喜びを感じる一番の瞬間です。
今回は、長くなってしまいますので、“始め”と“終わり”にさせていただきまして、詳しい内容については、次回、お話させて頂きますが、今日は、あこさんに私がお返事したメールを最後に記載しますね。
ココから・・・
あこさん、こんにちは。パピーいしがみです。いつも携帯からありがとうございます。
これだけの文字を打つのは大変だと思います。時間がかかったでしょう。ありがとうございました。
もうあこさんも2年目ですか~。(^^)
思い返せば、あこさんにも、厳しいメールを送ったりしていましたっけね。(笑)ショックを与えてしまった事もあったと思います。すみません。
でも、今、とっても良い感じ?ですね(^^)特にお姉ちゃんの変化は目を見張るようです。
アトピーは良くなるわ、給食は大好きになるし、自分から剣道を始めてやる気満々だし、妹さんへの態度の変化、それから「ありがとう」の言葉・・・。
なにしろ、“いなくなって欲しいと思っていた娘が愛おしくてたまりません”とあった言葉には、ほんとうに感動しましたよ(^^)
( 後 略 )
ココまで・・・
1年半前、あこさんのメールには、こうありました。
“「コイツ(お姉ちゃん)がいなければ上手くいくのに」とか、出先でお姉ちゃんを見失った時に “このまま置いて帰りたい”とフト思ったり・・・“いつか、殺してしまうんじゃないか?!”・・・と思うこともたびたびあります。“って・・・。
でも、よかった。
“いなくなって欲しいと思っていた娘が、愛おしくてたまりません。何度出先で捨てて帰ろうと思ったことか・・・。 捨てなくてよかった。過ちを犯さなくてよかった。”
“愛おしくてたまらない・・・”なんていい言葉なんでしょう?
あこさんも、娘さんも、本当によかった。(^^)
でも、何度も言いますが、そこには、私の厳しい言葉にも、へそを曲げず受け止めてくださった、あこさんの真摯な姿勢と、地道な継続があったんです。
どんな事があっても、諦めず継続なさった。それは本当に立派なことだと思います。きっととても参考になると思いますので、次回も、是非、お読みくださいね。
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