第465号 一枚の写真
こんばんは。パピーいしがみです。
あなたはアダルトチルドレンという言葉をご存知でしょうか?
大きな概念としては、既に成長し、大人ではあるけれど、子供のころに負った心の傷(家庭内のトラブルなど)によりトラウマを抱え、社会生活に困難をきたす・・・
もしかしたら「私もそうなんです」とおっしゃる方もおられるかもしれません。
今日、ご紹介するミ~シャさんは、ご自分を「私はアダルトチルドレンですから・・」とよくおっしゃる方でした。
お話を伺うと、ミ~シャさんは、跡継ぎが必要なご家庭に、次女として生まれたのだそうです。
長女さんは初孫として可愛がられ、次に生まれてくる子供は、絶対に男の子を!という期待の中で、ミ~シャさんがお生まれになった。
お舅・お姑さんにもガッカリされて、ミ~シャさんのお母さんは、周りから責められるような状態だったそうです。
幸い、3番目の子供は男の子だったので、お母さんは、とてもホッとしたそうですが、ミ~シャさんご自身は常々「あんたはいらない子だった」と言われて育ち、親の愛情を感じた事がなかった、と言われておりました。
愛情を受けて育ってこなかった。楽しかった思い出がない。だから、子供が出来た今、愛情の掛け方が分からない。
子供は2人できたけど、お姉ちゃんが私そっくり。私は、どうやっていいか分からない・・・。と、頂いたメールには、切々とした思いが綴られていました。
ミ~シャさんの娘さんは4歳。下の男の子は1歳半。お姉ちゃんは、ぐずり、わがまま、理不尽な要求、気に入らない事があると大声で泣き叫ぶ。
子供(友達)でも大人(親や先生)でも叩いたり蹴ったり・・・。
強く叱ると、ひざを抱えて貝の様に閉じこもる。ミ~シャさんが、なだめても怒ってもだめ。
何をやっても思い通りにならず、このままでは・・・?!と、長女さんを置いて、しばらく頭を冷やしに家をでる。そんな事もあったようです。
もちろん、長女さんを置いて、下の子だけを抱いて家を出るなんて・・・それがよくないことは重々分かっている。
でも、「私はアダルトチルドレンだから、親の資格がないんだ」「私はアダルトチルドレンだから、愛情が掛けられないんだ」そうおっしゃるのでした。
でも、私は“「アダルトチルドレンだから・・・」というのは関係なく、誰でも親になるのは初めてなんだから、
知らない事は学べば良いし、親だから子供だから、と考えずに、一緒に成長する事も出来ると思いますよ・・・。”とお話していたのでした。
だって、「〇〇だから××はできない」って、自分から蓋をしちゃったら、もったいないですもの・・・。
でもそんなミ~シャさんが、勉強をし始めて約半年後、転機がやってくるのです。
それは、あの茂木健一郎さんの「育ての極意」の内容をメルマガで紹介した時だったそうです。
それでは、頂いたメールをご紹介しますね。
ココから・・・
パピーさん、いつもいつも、ありがとうございます。
お久しぶりです。ご無沙汰していました。実は、私にも善循環が訪れたようで・・・。
でも、すぐにだめになるかもしれない・・・とも思っていて、約1ヶ月ほど、様子を見ていました。
でも、どうやらこの感じは、安心してもいいみたい、と思って、ちょっと信じられない気持ちがあるのですが、こわごわ、メールさせてもらいました。
今、毎日がとても楽しいんです。今まで、こんな気持ちになった事はありませんでした。
だからすぐに失いそうで、とても不安でもあるんです。
以前、パピーさんにも指摘されましたが、「アダルトチルドレンだから」という言葉を発しない。「アダルトチルドレンだから」って逃げるのを止める。その2つを決意して、約束させてもらいました。
でも、今まで自分の身の回りで起るほとんどを、そのせいにしてきた私にとって、子供をちゃんと受け止める、目の前にある辛さから逃げずに立ち向かう、って事は、はっきりいって恐怖でした。出来るかどうかわかりませんでした。
ですが、パピーさんと約束したのですから、怖くてもがんばりました。
長女が泣き叫んでも、下の子だけを抱いて外へ出るのは絶対にダメ。その場から逃げたい自分との葛藤は本当に大変でした。
ですが、泣き止むまで付き合うことが出来た時、「あ、私にもできたじゃん」という・・・なんといいますか、
壁を破ったような、ちょっと誇らしい(大げさですよね)ようなそんな気持ちがしたんです。
パピーさんが言われていた「子供と一緒に成長する」って、こういう事かな?ってちょっと分かりました。
そこからです。
私の子供に対する恐怖心は徐々に薄らいで行きました。
「なだめなくてもいいから、泣きやむまで付き合って」というパピーさんの言葉どおり、私は、何をするでもなく、娘の横に居ました。
最初、そんな事をしたって・・・と思っていましたが、娘にとっては、それが大事だったんですね。
どんなに泣いても、もうこの人は私を置いて出て行かない、って思ったんでしょうか?ちらちら私の方を見ながら、泣きやむ時間が短くなっていったんです。
ひとしきり泣いた後は、機嫌も良く、私は不思議だな~、と思っていました。
その頃です。パピーさんがメルマガで茂木先生のテレビの特集。「育ての極意」について、メルマガで説明してくださいましたよね。
私もテレビは見たのですが、その時には良く分からなかった事が、パピーさんの解説だと何度も何度も読めるからでしょうか?「あッ」と思ったことがあったんです。
それは、「安全基地」という言葉でした。
私には「安全基地」がない。小さい頃はもちろん。今もない。そう思っていました・・・。でも、違っていました。
だって、困った時、ちゃんと話を聞いてくれて、褒めてくれたり、叱ってくれたり、応援してくれたりする人がいるじゃない!!
パピーさんが私の安全基地だって、わかったんです。そして、こんな言葉を思い出しました。
「私は、自分の子供達を育てたのと同じように、皆さんと接するつもりです」
これは、何で見たのか、読んだのか、ホームページだったか、本だったのか、CDだったか、メルマガだったのかは、思い出せないんですが、パピーさんの言葉だったと記憶しているんです。
なぜか、その言葉、とても印象的だったんです。
そして、私の安全基地はパピーさんだ!と思ったら、涙がボロボロこぼれてきたんです。
「私にも安全基地があるんだ!」って、この時、体が震えるほど「喜び」を感じました。
その時、娘が「お母さん、どうしたの?」と声を掛けてきました。その顔は、いつもと違う、私を包んでくれるような優しい顔でした。
「あ、ココにもいた。私の安全基地。」うれしくて、娘を抱いて泣きました。
ひとしきり泣いて、言ったのです。「あなたがいてくれてよかった」って。
なぜ、こんな言葉が口から出たのか分かりません。でも、すごく正直な気持ちでした。
娘が言いました。
「私がいてくれて嬉しい?」
私は即答しました。「うん。とっても嬉しいよ♪」娘は、今まで見せたことがないような笑顔を見せてくれました。
そこで「あ、今、写真を撮ろう」って思ったのです。
最初は、私が娘を抱っこして包み込んでいるポーズをしていたのですが、「おかあさん、〇くん(下の子)も入れてあげよう」と娘が言い出しました。
そして、下の子(眠っていました)を娘が抱っこして包み、そして、私が娘を包み、写真を撮りました。
私も娘も、ほんとうに素晴らしい笑顔のいい写真ができました。
今もその写真は、リビングに飾ってあります。私も毎日それを見ますし、娘も毎日それを見ています。
その度「お母さん、泣いたっけね。でもその後、笑ったね。」「私の事、いてくれて嬉しいって言ったね。」と嬉しそうに言います。
あれから、1ヶ月以上、余裕で経っていますが、今でも、毎日その写真を見て、二人で笑いあっています。
そして、それから、いろんな変化が現れているんです。
まず、夜のオムツが取れました。
(娘は4歳過ぎてもまだ夜はオムツでした。私はそれを常に指摘していました。ですが、その日から止めたんです。オムツぐらいどうでもいい、という気になっていました)
そして、理不尽な要求が減りました。
泣き出しても、泣き止むまでの時間が少しずつ短くなりました。
私が「この頃、すごいね。がんばってるね」と言うと、自分から「だってお姉ちゃんだしね♪」という事が増えました。
下の子の面倒を見たり、話しかけたり、遊んだり・・・そういう事が増えました。
そして、主人が早く返ってくるようになったんです。「この頃、家が居心地いいんだよね」って。もちろん、家族みんなに笑顔がとても増えています。
そうだ!主人も私にとっての安全基地だった、って今気付いています。
パピーさん?私に善循環は訪れていますか?それとも、この状態は今だけでしょうか?以前から比べると本当に毎日が楽しくて、充実しています。
でも、なんかすぐに消えてしまいそうで・・・。毎朝、起きるたびに「夢でありませんように・・・」って思うんです。
だって、今まで経験したことがないことですから・・・。
ココまで・・・
ミ~シャさんからこのようなメールを頂いて、私はこんな風にお返事をしました。
ココから・・・
ミ~シャさん、こんにちは。パピーいしがみです。
メール、拝見しましたよ~♪
この頃、ご相談がないから、どうしているかな?大丈夫かな~?なんて思っていたところでした。でも、素晴らしい出来事があったんですね。
今、過去のミ~シャさんからのお便りを読んでいましたが、本当に、全然印象が違いますね。活字から、幸せオーラがあふれ出ていますよ(^^)
こんな言葉がありましたね。
“以前、パピーさんにも指摘されましたが、「アダルトチルドレンだから」という言葉を発しない。「アダルトチルドレンだから」って逃げるのを止める。
その2つを決意して、約束させてもらいました。
でも、今まで自分の身の回りで起るほとんどを、そのせいにしてきた私にとって、子供をちゃんと受け止める、目の前にあるつらさから逃げずに立ち向かう、って事は、
はっきりいって、恐怖でした。出来るかどうかわかりませんでした。”
これって、本当に怖かったと思います。
だって、「私はアダルトチルドレンだから」という盾(たて)が、今まで自分を守ってくれていたんですからね。
盾(たて)を捨てたら、自分を守ってくれるものがありません。素の自分をさらけ出したんですから、相当の恐怖があったと思います。
でも、それをちゃんと乗り越えられた。私は立派だと思いますよ。すごいです!!
そして、もう1つ。「写真を撮る」これは素晴らしいアイデアですね~♪
以前“お姉ちゃんをお姉ちゃんとして褒める”を説明させていただいた時、小さい頃の写真を見せて、
「あなたはこんなに可愛かったんだよ。あなたの周りにいる、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、おかあさんは、こんなに嬉しかったんだよ。って、見せて、話してあげるといいですよ。」
とお話ししましたが、その発展型ですね。
「なるほど!こういう使い方があったか♪」とミーシャさんのアイデアには、ほんと脱帽!敬服しました(^^)すごく良いですよ。そしてきっと子供達にとっても、
一生の宝物であり、苦しい時に元気をくれる1枚になると思います。(データはCDに焼いて、大切にしておいた方がいいです・笑)
でも、すごいですよね。その後の変化。
オムツが取れて、理不尽な要求が減って、泣き止むまでの時間が短くなって、お姉ちゃんという自覚が芽生えて・・・。本当に嬉しく思います。(^^)
そして、最後にこういう質問がありましたね。
“パピーさん?私に善循環は訪れていますか?それとも、この状態は今だけでしょうか?以前から比べると本当に毎日が楽しくて、充実しています。でも、なんかすぐに消えてしまいそうで・・・。”
はい、間違いなく、善循環が訪れているようですよ♪
でも、油断しないでくださいね。この状態が「あたりまえ」だと思ったら、すぐに元にもどります。
ですが、
“毎朝、起きるたびに「夢でありませんように・・・」って思うんです。だって、今まで経験したことがないことですから・・・。”
って思ってくださっているのなら大丈夫です。
是非、「あたりまえ」にならないように、事あるごとに、写真を見続けてくださいね。そしてその時の事。常に思い出すようにしてください。(^^)
“娘が言いました。「私がいてくれて嬉しい?」私は即答しました。「うん。とっても嬉しいよ♪」”
ミ~シャさんの、その言葉が、子供さんにとっての、「お母さん=安全基地」を確信させてくれたんですね。
常に原点を忘れずにいることで、ミ~シャさんの気持ちはぶれる事がないと思います。(^^)
ココまで・・・
ミ~シャさん、メルマガ紹介へのご許可、ありがとうございます。
さて、ココで、お読みくださった皆さんの為に、ちょっと追記をしておく必要があると思います。
私は、精神科医でもなければ、カウンセラーでもありません。
アダルトチルドレンについて研究したわけでもありませんし、それについて深く知っているわけでもありません。
なので、アダルトチルドレンと診断される方が、どれだけの重荷を背負っているかは、多分、きちんと認識できていないと思います。
でも「私は〇〇だから××できない」というマイナスの呪縛に、縛られているのは、本当にもったいないと思うのです。
いっぺんに解決する事がなくても、ほんの少しずつ、私たちは、私たちの未来を創っていけると思うのです。
だって、私たちには、子供達がいますもの。子供と一緒に育てば良いじゃないですか?子供が育つスピードで、私たちも育てばいいと思うのです。
そこには、恐怖があるでしょう。きっと大きな不安もあると思います。でも、子供達も一緒。初めての事は誰でも怖いし不安なんです。
子供も親も最初の一歩、それが未来を作っていくと、私は考えています。
あ、それで・・・話は元に戻りますが・・・。
ミ~シャさんのその写真、メールに添付して送って下さったので、私も拝見させて頂きました。
本当~にいい写真なんです。ミ~シャさんの穏やかな優しい笑顔、娘さんの屈託のない笑い顔。そして、毛布に包まれて眠る弟さんの安心しきった寝顔・・・。
幸せオーラ満開でした。(^^)
「ご主人が“やきもち”焼きませんでしたか?」と伺ったら、案の定、「今度、俺も入れて撮って欲しい!」とおっしゃったそうです。
こんどは4人の写真ができそうですね。ミ~シャさん。その時はまた、写真を見せてくださいね。楽しみに待ってます(^^)
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