第580号 友達と自信
こんにちは。パピーいしがみです。今日のメルマガは「友達と自信」です。
子供達の友達についてはよくご相談を頂きます。友達は大切・・・でも、友達と一緒にいたいから、自分の意思を持たず、流されっぱなしだったり、友達でいたいが為に悪い事をしたり、いいなりになったり・・・では、やはり親としては心配です。
友達とは上下関係がなく、お互いに自分の意思や考えをしっかり持って、言いたい事を言いあえる関係で有ってほしいと思いますよね。
今日ご紹介する、すまいるママさんの息子さんは、保育園の頃から、友達と仲良くなると、その子だけに執着してしまう、という傾向が有ったようです。
小学校に上がってからもその傾向は続いていて、少しご心配になって、このようなメールを下さいました。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。お元気ですか?大変ご無沙汰しております。すまいるママです。( 中 略 )
最近になって、担任の先生から友達関係のことでご指摘がありました。私も以前から気になっていたことなのですが、保育園からの友達とのことです。
仲がいいのはいいことなのですが、二人揃って授業に遅れたり、授業中ふざけたり、休み時間上履きで外に出て走り回ったり、登校途中で会った日は寄り道や、おしゃべりに夢中になり遅刻したりと、
二人でやれば怖くないのかルールを守らず二人で勝手な行動をとることが多くなってきているようなのです。
先生の話によると、息子は自分から何か(悪さ)をするのではなく一緒にいてすることがほとんどらしいです。
先生からはいつも「自分で考えて行動しなさい」と注意されているようです。
私も先生がおっしゃるように、自分で考えず何でも人に付いてするところがとても心配です。人に影響されやすい性格なのでしょうか?
今はだんだん二人で悪い方向に向かっているように思います。せっかく気の合うお友達なので、二人で成長できたらいいのになあと思います。
なので、今まではついつい口出していました。友達のことについて親があれこれ口出しせず、相談されない限り見守るのが大切だとは思うのですが、世界が二人で完結してしまっているようでそのことに不安をおぼえます。
(いつもいつも二人だけで遊ぶということではないようですが・・・。)
息子は自分にとって嫌なことを言わずに一緒にやんちゃしてくれる存在であるYくんが居心地がよく、Yくんもまた然りで、二人で嫌なことから逃げ、二人の世界を作っているようで、それでいいのかと心配です。お互いのためにならないのでは?・・・と思ってしまいます。
ココまで・・・
誰かと一緒にいると、楽しいし、安心します。でも、その「誰か」がマイナス方向に引っ張り、我が子がそれに引っ張られてしまっていると、やはり親としては心配です。
本当は友達に引っ張られずに「それは違うよ」「こうしなきゃダメだよ」と言えるぐらいだと嬉しいのですが、それが言えないのは、何かしらの理由がある・・・のだと思うのです。
すまいるママさんは、さらに詳しくこんなエピソードをお話し下さいました。
ココから・・・
息子の人に流されやすいところを心配していましたが、しばらく様子を見て、またパピーさんに報告させていただこうと思っていたのですが、またもや心配な出来事がいろいろ起こりました。
それは児童クラブ(放課後児童クラブ)での出来事です。児童クラブには、夏休みに入ってから毎日通っています(一日中)。
児童クラブの指導員の先生からお聞きした話ですが、どうやら仲良し三人組(Yくん、Nくん、息子)の関係が普通の友達関係とは少し違うようなのです。
大きな特徴は、Yくんと息子達の間には絶対的な上下関係があるということと、息子達が過剰にYくんの真似をするということです。
真似に関して言えば、例えば、おやつの時間、好きなアイスを選べるらしいのですが、息子とNくんはYくんがアイスを選ぶまで絶対に手を出さない。
Yくんが選んだアイスと同じものを選ぶ。Yくんが一口食べると息子達も一口食べるなど、食べるスピードまで合わせているらしいのです。
アイスが大好きな息子が自分で選ばないなんて、とても信じられません。またどこへ行くのもYくんを先頭に三人並んで移動しているそうです。何をするのも一緒。
上級生の子からはY軍団なんて呼ばれているほど。小学校と同じで、Yくんが決まった勉強の時間に座らないで隠れていると息子も同じように隠れる。
Yくんがおやつの時間に部屋に戻らないと息子も戻らないといった感じです。
Nくんは時々違う友達とも遊ぶことがあるらしく、その時は「Nくんは裏切り者だ。仲間とは違う」というようなことを言っているようです。
いつも一緒にいるのが仲間だという認識でしょうか。
それからお弁当を届けに行った時、たまたま先生に叱られ反抗している息子達を見ることができたのですが、その時の息子の口調やテンションなどがYくんとそっくりで驚きました。
家でも反抗する時はあるのですが、また違った雰囲気でした。同調しているというか、まるで何かにとりつかれている?ようにも感じました。
また大好きだったプールもYくんが行かないと息子たちも行かないと言い出し、指導員の先生がいろいろ説得しても聞かなかったのに、Yくんが「行ってきて」と言うと、すんなりプールに行くというように、
指導員の先生よりYくんの言うことが絶対でYくんの言うことなら“何でも聞く”そうなのです。
ある時は、YくんもNくんもプールをしない日があり、息子も1人だと寂しいから僕も行かないと言っていたのですが、私が「もしYくんが行ってきなよ」と言ったらどうする?と聞くと、一人でも行く!と即答しました。
結局、自分がどうしたいかではなく、Yくんがすべてのようで何か薄気味悪ささえ感じてしまいました。
指導員の先生も、表立ってYくんが命令しているようなところは見たことがないので一見普通に見えるけど、そこには絶対的な上下関係がありそんなに強いものがどこから来ているのか分からないとおっしゃっています。
Yくんは情緒不安定なところがあるらしく、笑っていたかと思えば、急に怒ったり可愛らしい口調で喋っている時もあれば、乱暴的な言動をしたりするので、息子達はいつも顔色を伺っていて、振り回されているようだとのことです。
Yくんが怒って「もうあっちへ行け」と言った時には、本当に絵に描いたようにションボリするそうです。
Yくんはケンカの時など全力で殴ったり蹴ったりすることがあるらしいので、もしかしたら息子達も怖い目にあったことがあり、“自分を守るためにYくんの機嫌を損なわないようにしているのかもしれない”というお話もありました。
本当のことは分かりませんが、何か裏にあるのでは?と思うほど、Yくんへの忠実心が徹底しているらしいのです。
そんなに気を遣って一緒に居て楽しいのかな?と思いますが、不思議なことにYくんのことは大好きだといつも話しています。怒らせると怖いけど、大好きだというのです。
今の状況は善悪に関しても自分がどう考えるかで行動するのではなくYくんが言う事・する事が絶対です。そこが心配です。
どうしてこんな人間関係になってしまったのか?息子の人に影響されやすい性格もあると思います。
講座の10章の「いじめはぜったいになくならない」を読んで、最初が肝心だから、嫌なことは嫌と言える子になってほしいと思い、今まで話もしてきたのですが、こんな状況です。
今のところ、息子には「Yくんとはほんまに友達かな。それは親分と子分の関係みたいやなあ。いかんことはいかんって言えるのがほんまの友達だと思うよ」ということと
「お母さんは自分で考えて行動できる子が好き」という話はしています。
それから、息子達の上下関係のことは、学校の担任の先生、児童クラブの先生、Yくんのお母さん、Nくんのお母さんもご存知で(受け止め方はそれぞれだと思いますが)それぞれ気をつけてみていこうという話はしています。
ここまで固まってしまった上下関係、息子の行動はどのように考えたらいいですか?今のところ喜んで児童クラブにも行っていますし、家で特別変わった様子もありません。
Yくんのことも好きというのでしばらく様子をみていいものか、もっといい関係が作れるように何か出来ることはあるのか、私が過剰に心配しすぎなのか、何に気をつけたらいいのか、悩んでいます。
パピーさんはどのように感じられましたか?何か気付かれたことがあれば、アドバイスいただきたいです。よろしくお願いします。
これを読んで、私はこんな風にお返事しました。
ココから・・・
すまいるママさん、こんにちは。パピーいしがみです。メール、拝見しました。息子さんのY君に対する忠誠心は相当のものなんですね(^^)
息子さんにとってY君は「あこがれ」の存在なのかもしれません。
でも、お母さんの好きな人はこういう人・・・という事を常々子供さんに話し、そして機会あるごとに、息子さんを認め、褒めてくれれば、成長とともに自分の考え方、を持つようになると思いますよ(^^)
Y君もY君で、いつも同じ子ばかりでなく、他の事も遊びたい、と思うでしょうし、成長にしたがって好きな事や興味も変わってくるでしょう。
なので・・・今は、こういう状態でも、無理に引きはがそうとしたり、外部から力を掛けずとも、時間が解決してくれるのでは?と私は思います。
ただ・・・一つ・・・息子さんは、何かスポーツをやっていますか?小さいころの運動って、できない子にとって出来る子は「あこがれ」になります。
年齢を重ねるに従って“スポーツや運動だけが人の価値を決めるものではない”という事は分かってくるのですが
「○○君、すごい!!」という意識は、やっぱり、子供心に大きな影響があると思います。
そういう運動面で「僕はY君よりもこれができる」「あれ?Y君って、あんまり大したことないじゃん」って自分で状況把握ができてくると、
「何で僕はこんなにY君の言う事を聞いていたんだろう?」「もういいなりになっているのはや~めた」のようになっていくのでは?とも思うのですね。
何か「僕にはこれが有る」っていうものがあるといいんだけどな~とちょっと感じたのですが・・・。
ココまで・・・
それから数ヵ月後、すまいるママさんからのメールです。
ココから・・・
パピーさんへ
こんにちは。すまいるママです。
Yくんに絶対服従だった息子ですが、運動会の練習を始めた頃から少しずつ変化が見られるようになりました。
パピーさんから、“息子さんは、何かスポーツをやっていますか?何か「僕にはこれが有る」っていうものがあるといいんだけどな~とちょっと感じたのですが・・・。”
というアドバイスをいただいた少し後のことです。体を動かすのが大好きな息子ですが、学校の休み時間にサッカーをする以外これといったスポーツはやっていませんでした。
何かないかなあ?と思っていたところ、ある日帰ってくるなり声を弾ませて「あのな、今日、かけっこの練習(運動会)でYくんを追い抜かしたんよ」と話してくれました。
今までは、「Yくん走るの速いけん、絶対勝てない」と言っていたので、よっぽど嬉しかったのだと思います。私も主人も「すごいでー。やったな」と一緒に喜びました。
その後の練習でも勝てるようになり、“自分はかけっこならYくんに負けない”という気持ちが生まれたようです。
その頃から児童クラブでも「この頃、前みたいに何もかもYくんと一緒ということはなくなりましたよ」とか
「今日はYくんが遊びに行っても一緒に行かず、Rくん(息子)は宿題を先にしていました」という嬉しいお話も時々聞けるようになりました。
パピーさんのお話がタイムリーで、しかも息子にはまりすぎていて本当にびっくりしました。
思いおこせば、それまでは「Yくんってサッカーうまいんよ」とか「走るのめっちゃ速いんで」とよく言っていました。
そんなYくんをかけっこで追い抜いたことで自信がついたんですね。小さい頃の運動って大きな影響力があるんだなあ・・・と改めて感じました。
まだ時々一緒にやんちゃもしているようですが、しばらく様子をみていきたいと思います。アドバイス本当にありがとうございました。
それから・・・三年と少しかかってしまいましたが、先月ついに通信講座を終えることが出来ました。感無量です。本当に本当にありがとうございました。
長男のことで悩み、つらくて出口のないトンネルの中を彷徨っているような気持ちでいた三年前。
その状況をなんとかしたいと思い、泣きながら「子育て、悩み」の言葉で検索して見つけた“幸せなお母さんになる為の子育て”のサイトでした。
恥ずかしながら、講座を始める前は、幼稚園の先生をしていたこともあり、子どものことは学んできたし、子どもの気持ちも分かっているはずなのに、「なぜ子育てが思うようにいかないのか?」と思っていました。
また子育ての悩みを親に打ち明けても「(子供の為の)勉強もしてきてるし、あんたは(上手に)出来ないとおかしいよ」と言われ、
周りの人からも「子ども好きだから上手に子育て出来てるんでしょうね」と言われてきたこともあり、“私は(上手に)出来ないといけない!”という気持ちが強かったのだと思います。
でも、パピーさんに“知識はあっても子育てとは違う”ということを教えていただき、目からうろこでした。
今まで元幼稚園の先生ということで「子どもの気持ちが分かっているから子育てもうまくいくはずだ」というような思い上がった気持ちがあった事に気付かされました。
でも、それに気付けたことでとても楽になりました。出来なくて当たり前、一から学んでいこうと思いました。パピーさんに出会えて、勉強する事ができて本当によかったです。
何度も息子のことで相談させていただきましたが、まさに「認める」「褒める」「包む」でアドバイスいただき、私自身が何度も救われました。
講座を終了して思うこと、それはまさに「お母さんの為」の講座だったということです。
最後の53章を読んだ後、パピーさんの温かいお気持ちに改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。
最後の「だいじょうぶ。 いつもわたしはあなたの傍にいますよ。」というメッセージに感動しました。
なんともいえない安心感、嬉しさ、ふんわりと温かい毛布でくるまれているような気持ちになりました。これがまさに「包まれる」ということなんだと実感しました。
私はパピーさんのようになりたいです。一歩でも近づけるように、私も子ども達に温かい気持ちを与えられるように学び続けていきたいです。これからもどうぞよろしくお願いします。
長くなってしまいましたが、読んで下さりありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いします。朝夕はめっきり寒くなってきましたが、お体ご自愛くださいませ。
すまいるママより
ココまで・・・
Yくんとの心配になっちゃうほどの上下関係ですが、やっぱり、そこには、息子さんのYくんに対する「あこがれ」や「リスペクト(尊敬)」のようなものが有ったみたいですね。
それって決して悪いことではないのですが、「僕には出来ない事がYくんはできる」「Yくんはすごい子」「僕はそんなYくんと仲間なんだ」のような意識が強くて自分との差を感じていたのかもしれません。
でも・・・“ある日帰ってくるなり声を弾ませて「あのな、今日、かけっこの練習(運動会)でYくんを追い抜かしたんよ」と話してくれました。”と有ったように、そのあこがれのYくんを僕が負かす事もある。
「僕もすごいじゃん♪」「僕っていいかもしれない♪」って思い始めてくれたみたいです。それ以後・・・
“その後の練習でも勝てるようになり、 “自分はかけっこならYくんに負けない”という気持ちが生まれたようです。
その頃から児童クラブでも「この頃、前みたいに何もかもYくんと一緒ということはなくなりましたよ」とか「今日はYくんが遊びに行っても一緒に行かず、Rくん(息子)は宿題を先にしていました」という嬉しいお話も時々聞けるようになりました。”
と有ったように、今までと違い、Yくんの言動に左右されるのではなく、自分の意思を尊重し、自分の考えで行動できるようになったのは、自分の中に「確かな自信」が育ってきている、という事なんだろうな~って思いました(^^)。
その後、すまいるママさんから頂いたメールには、こんな風にありました。
“今回のことでは絶対的だと思っていた上下関係が、ほんの少しのきっかけで変わるんだなと驚きましたし、改めて自信を持つことの大切さを実感しました・・・。”って。
ほんと、良かったですね~♪小さいころから、人に影響されやすかった息子さんにとって、今回の事(「僕ってやるじゃん♪」って思えた事)って、とても大きな発見だったと思います。
大きな自信になったでしょうし、将来への大きな転機になったと思いますよ♪これからがとっても楽しみです。
それと・・・講座の方、「3年かかったけど、最後までやり遂げた」とありましたね。お疲れ様でした。良く頑張りましたね♪すまいるママさんは、幼稚園の先生をした経験もあって、だからこそなおさらプレッシャーもあり、お悩みもあったのだ、と書かれていました。
その気持ち、とっても良くわかります(^^)。もちろん、勉強と実践とは違いますが、知識が豊富な、すまいるママさんだからこそ、実際に子供さんをお育てになることで、勉強した事と実践をリンクさせて、より具体的に理解できていくと思います♪
学んだことは絶対に!無駄にならないですからね(^^)素敵なご報告、ありがとうございました。又、楽しいエピソードなどありましたら、教えてくださいね♪メルマガへの掲載のご許可も、ありがとうございました。
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