第603号 こんな私なんて
こんばんは。パピーいしがみです。
この頃、いきなり暖かくなりましたね。静岡の土曜日の気温は、なんと27.7度だったそうです。7月並みの気温らしかったです。
なかなか桜が咲かないな~と思っていましたが、暖かくなったと思ったらいきなり夏日。
今後も気温の変化が激しそうですから、どうぞお体に気を付けて下さいね。
さてさて、今日のメルマガは「こんな私なんて」としました。
ちょっと分かりにくい題名かもしれませんが、
「こんな私が子育てをして子供が幸せになれるのだろうか?」「こんな私なんて、親になって良かったのだろうか?」というご相談に対するお返事を紹介します。
もちろん「こんな私なんて」と思う必要は全くありません。
良く「子育てに自信がありません」とか、「自信のない私が、子供に自信を付けられる訳ありません」と言われる方がおられるのですが、
親が自信を持っているから、子供が自信を持てる、という事では決してないんですね。
でも、このお悩みは、とてもよく頂く相談でもあるんです。
今日、ご紹介させて頂くマシェリさんは、
小さい頃、お母さんに「あなたは運動が苦手。だから運動をしなくていいよ。運動以外で頑張ろう!」と言われて育ったそうです。
でも、運動って学校ではついて回りますよね。
運動を避け、どんどん運動嫌いになって行ったマシェリさん。それがご自分の性格を作る程の影響が有ったのだそうです。
まずはマシェリさんからのご相談内容を紹介します。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。マシェリです。
( 中 略 )
テキストを読んで、すごく共感したところがありました。
でも、強く共感するからこそ、これから私はどうしたらいいか悩んでいます。アドバイスを頂けたら嬉しいです。
すごく共感しているところ。
それは、幼少期の運動に関してのことです。
パピーさんは、幼少期「できた♪」という気持ちがとても大事ですよ、と言われていますよね。
例として縄跳びや園でのイベントなどを上げられていました。
そこにこう書かれていました。
“できない子はできる子に尊敬の気持ちを抱きます”
“「どうやったらできるんだろう?」「なぜ私(僕)はできないんだろう?」と悩み、悲しくなります”
“できない最後の一人になろうものなら、その悲しみはどん底になってしまいます”
“反対にできる子はとっても鼻が高いのです”
“最終的に、ある程度の時間が経過すれば、できない子もできるようになるのですが、それまでの間、できる子とできない子では、心理的に雲泥の差があるのです”
私は、その「できない子」でした。私は一人っ子で生まれ、私の両親はとても優しく、私自身もめったに叱られた事が有りません。
母は褒める事も上手でした。でも、私はいつも強いコンプレックスを持っていました。
私は父も母も好きでした。でも「これだけはやめてほしかった」と今、思う事があるのです。
私はこう言われて育ちました。
「誰にも苦手はあるんだよ♪運動はしなくていいから、それ以外を頑張ろう!」
幼稚園の時にいつも最後の一人だった私は、親から「運動は諦めていい」と言われて育ったのです。
そう言ってもらえた私は、確かに少し気持ちは楽になりました。
ですが、運動って必ず付いて回ります。幼稚園では竹馬や縄跳びがありました。
小学校では、スポーツテスト、運動会、マラソン大会。それに週に3・4日は体育の授業があります。
水泳大会もありました。中学の運動会ではクラス全員によるクラス対抗リレーがあったり、
高校のレクレーションでは、クラス対抗のバレーボールなどもありました。
自分ができないのは、まだ我慢できます。
でも、自分の為にみんなに迷惑を掛けるのは、本当に苦しかったです。その場所から逃げ出したい。自分の存在を消したい・・・と思うほどでした。
私がいるチームは、私が足を引っ張り負けてしまうのです。面と向かっては言われなくても
「○○のせいで勝てない・・・」と言う声が聞こえると、体を小さくして、下を向いているしかありませんでした。
運動は苦手、運動は嫌い、苦手・嫌いだから避ける・・・
そうやっていつも運動から逃げていた私は、小学校・中学・高校と、楽しいはずの十数年。
辛くて辛くて、運動の事を考えると胃が痛くなり、いつも不安と苦しみばかりでした。心から笑った事など・・・なかったと思います。
パピーさんの仰る「最も大事な成長期」をそのように過ごしてきた私の性格は、いつもうつむき、自信がなく、内向的で、マイナス思考。
ピアノやお習字や勉強が少々できても、もっと上手な人や、優秀な人はいくらでもいました。
私は、決して自分を誇らしく思う事はなかったのです。
なんとか大学まで卒業することはできましたが、私に染みついたこの性格は変わる事はありませんでした。
この性格を「なんとかしたい、変わりたい」と思って、自己啓発セミナーに出かけたり、いろんな本を読みましたが、決して・・・変わることはありませんでした。
そんな私でも結婚してほしいと言う人が現れ、有り難いことに子供も授かりました。
子供は本当に可愛くて「この子の為なら何でもする♪」と思えるほどの喜びで、暗かった私の人生に、まぶしい程の光を与えてくれました。
ですが、子供が成長するにつれ、いっしょに不安も大きくなっていったのです。
子供は今、一歳半。とても可愛い愛娘です。でも、私と同じようになってしまったら・・・と思うと怖いのです。
私は心から笑う事が有りませんでした。
でも、娘には、子供らしくはしゃいだり、いたずらしたり、お腹を抱えて笑ったり、楽しい子供時代を過ごしてほしい。
そう願ってはいましたが、「私にそれができるだろうか?」と考えた時に自信が無く、
コンプレックスの塊の私には、子供の模範となれない、子供に自信を付けてなんか上げられない・・。
「私が育てたら、私のようになってしまうのでは?」という不安に夜な夜な襲われるようになったのです。
そんな時、インターネットで見つけたのがパピーさんのホームページでした。衝撃でした。
メルマガのバックナンバーを涙を流しながら読み、「もしかしたら、私は変われるかもしれない」と感じました。
申し込みをさせて頂き、テキストを読んだ時に、私のこの自信のなさ、内向的でマイナス思考の原点は『幼稚園の時からの運動から逃げていた事』だったんだ。と分かったのです。
その時・・・
「誰にも苦手はあるんだよ♪運動はしなくていいから、それ以外を頑張ろう!」
それを言ってもらった私は、気は楽になったけど、
でも、この時に逃げることではなく、乗り越える事を教えてもらえていたら・・・。私のこの性格にはならなかったのでは?と今はすごく思うのです。
でも、過去は変えられません。
パピーさんがいつも仰っているように、「これからどうするか?」ですよね(^^)
そこで、ご相談があるのです。
たぶん、私は子供に運動を教えてあげる事ができません。
こんな私はどうやって子供を運動好きにできるでしょうか?何とかして「運動好き」にしてあげたいです。
( 後 略 )
ココまで・・・
「自信のない私が子供に自信を付ける事ができるわけがない」
このようなお悩みは、実は沢山の方がお持ちです。
でも、私は声を大にして言いたいです。
それは・・・
「ほとんどの方が、子育てに自信をお持ちではないんですよ♪」
「自信を持って子育てしている人(幼稚園や学校の先生)が失敗されている例は、自信を持っていない人のそれよりもずっと多いんです」という事。
そして・・・
「全てを自分で教えようと思わなくていいんですよ♪」「親が完璧である必要はないんです!!」という事です。
私達は、自信があったり「教えよう」とすると、どうしても「上から」指導しようとしてしまいます。
その時には、厳しく言ってみたり、失敗を指摘したりします。イライラして怒りをぶつけたりするかもしれません。
すると返って大事な【やる気】を失わせてしまうのですね。
何かができるようになる、その為に最も重要なのは、この【やる気】です。
自信をもって子育てをされている方で多い失敗が、知らず知らずのうちに「強制、命令、指摘(否定)」などが増えてしまって、『子供の【やる気】を失わせてしまう』事なんですね。
ですから、「あまり自信が無い・・・」ぐらいがちょうどいいんです。
マシェリさんには、このようにお返事しました。
ココから・・・
マシェリさん、こんにちは。パピーいしがみです。
メール、拝見しました。
マシェリさんは、小さい頃に「運動はしなくていい」と言われて、いつも運動を避けてこられたのですね♪
メールにも書かれていましたが、学校では、本当におつらかったと思います。
でも・・・よく頑張りましたね(^^)ずっとずっと頑張って来れられたんだと思います。
大変でしたね。でも、本当に頑張りぬいてくれました。まず、それをお伝えしたいです。
辛く苦しい中、よく頑張りぬきましたね♪立派ですよ(^^)
マシェリさんも言われていたように、小学校・中学校・高校でも運動は必ずついて回ります。
ですから運動を避ける事など、絶対にできないのですね。
運動の苦手なマシェリさんとしたら、体育の時間は逃げ出したい、という気持ちがあったでしょう。
運動会や、クラス対抗のリレーなどは欠席したい、仮病を使ってでも休みたい、という思いもあったと思います。
又、ご自分のせいで負けてしまったゲームの翌日などは、学校に行くのも辛かったと思います。針のむしろのようにも感じたでしょう。
毎日、学校にいく足取りが重かったはずです。でも、よくぞ頑張りぬいてくれました。
今回、ご相談のメールに書かれていました
“自信が無く、コンプレックスの塊の私には、子供の模範となれない、子供に自信を付けてなんか上げられない・・・”
ですが、これは安心してほしいです。
それは『親が自信をもっているから、子供に自信を与えられる』という事はないからなのです。
『子供の模範になれなければいけない・・・』という事もありません。
私は、何でも完璧にできるスーパーママよりも、すこしドジで失敗が多いお母さんの方が、ずっとずっと子供達には良い影響を与えると思いますよ♪
それが証拠に、子育てのエキスパートだと(多くの方が)考えられている、幼稚園の先生や、学校の先生の子供達が、ドロップアウトをしてしまう例って、とても多いのです。
(私の父も小学校の先生で、私もドロップアウトした一人です)
テキストの第48章に「あなたの失敗を話してあげて」というお話しがありますが、これなんかまさに、
『少しドジで失敗が多いお母さんの方が良い』という典型な例なのですが、
お母さんの失敗を話すことで、「お母さんも、こんな失敗するんだな」と子供たちを安心させてあげる事ができるんです。
それは親が完璧に模範を示す事よりも、ずっと大事だったりするんですね♪
それで・・・マシェリさんのご質問にこうありましたね。
“たぶん、私は子供に運動を教えてあげる事ができません。こんな私はどうやって子供を運動好きにできるでしょうか?何とかして「運動好き」にしてあげたいです”
マシェリさんの娘さんは、今、1歳半とありましたね。
それなら、こんな風にされてみたらいかがでしょう?
幼稚園に入るまでの間は、特別な運動をしようとするのではなく、子供さんとの「良い関係」を意識的に作るようにしてください。
これは子供にとって一番大事な「安心」を築く事です。
安心は全ての基礎になりますので、能力(運動も能力です)を高めるうえでは、とても重要なんですね。
そして、次に大事なのが興味を肯定することです。
体を動かせる環境を作る上で、子供が様々な興味を抱いた時に、「それはダメ、やめて」とするのではなく、やりたい事をやらせてあげる事を意識してください。
触られて困るものは、手の届かない場所に移せばいいですからね♪
お母さんとのいい関係が作れて、興味を持つことを肯定されて、いろんな行動ができるようになれば、
子供はどんどん動きまわり、その「動く」事で、必要な筋肉やバランス感覚は養われます。
何かができるようになる為には、「やりたい」という気持ちと、その気持ちを『持ち続ける』ことです。
なので「よごれる」とか「仕事が増える」とか思わずに、汚れても濡れても、やらせてあげてください。興味があれば、体は動きますからね。
それから、家の中で活発に動けるようになったら、外に出るようにもしてみてくださいね。
公園に行くまで歩いたりされるのもいいですね。(歩く事も立派な運動ですから♪)
そして、公園では是非、一緒に遊んでください。滑り台をしたがったら滑り台を・・・。ブランコをしたがったらブランコを・・・。
大変だとは思いますが、お母さんも一緒になって遊んでくださいね♪
そして一緒になって、沢山笑い、沢山喜んでください。
幼稚園に入るようになったら、たぶん、運動の量も増えて行くはずです。
「一緒にやろう」と子供が言うようでしたら、付き合ってくださいね♪
もしかしたら、マシェリさんの方が、体力的に辛くなるかもしれません。
でも、そこは頑張ってくださいね。
運動が苦手なお母さんとしては、子供に付き合うと、きっと息が切れたり、筋肉痛になるかもしれませんが、ご自分も「ダイエットだ!」と思って頑張ってください。
幼稚園に入ると、縄跳びや竹馬など、道具を使った遊びが入ってきます。
その時も、上手くできないかもしれませんが、上手くできない事を子供に見せるようにしてください。
そして、諦めずにチャレンジする姿を見せてください。
私は、ここがものすごく大事だと思っています。
運動が苦手がお母さんは、「上手く教えられないから」と、ご自分が努力をするのをやめます。
「誰か、上手な人に・・・」と探されます。
ですが、上手じゃないお母さんが、「諦めず何度もチャレンジする姿」を見せること。これが何よりも尊いのです。
子供は、それを見て「お母さんも、こんなに頑張っている」「すぐにあきらめちゃいけないんだな」と学びます。
そして「私も、お母さんのようにもう少し頑張ってみよう」と思います。
(この時に、お母さんと良い関係を築いた意味が現れます)
子供は、大人よりも、ずっと吸収が早いです。ですから、きっと努力を重ねているお母さんより、ずっと早くできるようになるはずです。
その時、子供は思うのです。
「あ、できた!!私ってすごいかも?!」って。
頑張っているお母さんに触発されて、「もう少し頑張ろう」と言う気持ちになれる。
そして、お母さんよりも早くできるようになる。「私って良いかも?」って思う。
どうですか?これってすごいでしょ(^^)
子供がお母さんよりも早くできるようになったら、その頑張りを認め、自分の事のように喜んでくださいね。
子供はさらにチャレンジや努力が好きになるはずです。(でも、お母さんも諦めずに頑張るんですよ♪)
頑張ろうという気持ちを持ち、何度もチャレンジする事の大切さを知り、繰り返し練習することで「できる」楽しさを覚え、
お母さんよりも早くマスターすることで、「私って、いいかも?」という小さな自信を得る。
これって運動の苦手なお母さんだからこそ、できる事なんです。
「上手く教えられる」事ができなくたって、「模範的なお母さん」でなくたって、子供に積極性ややる気や自信を付けることは、十分にできるんですね。
是非、頑張ってやってみて下さい。
マシェリさんの決意しだいで、きっと子供さんは、運動大好き!になってくれますから(^^)
ココまで・・・・
このようにお返事しました。
そして・・・結果は・・・?
マシェリさんからは、その後も何度かメールを頂きましたが、このメールから2年後、喜びの声が届きました。
それがまた、感動的なので、それは次回にご紹介しますね♪
ご興味のある方はこちらをお読みください。
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