第617号 根気がない?
こんばんは。パピーいしがみです。
今日はちょっと突然ですが、皆さんにお知らせがあります。
実は、PHP研究所さんから、私の3冊目の本、“「続ける力」を持てる子に”が発売されました。
これは、昨年末にお話を頂いて書き始めたのですが、今まで、テキストやメルマガでもお話しした事がない内容にまで触れています。
「飽きっぽい」「すぐに嫌になる」そんな子供の様子は私たちをとても不安にさせ、私たち親は強制してでも続けさせようとしてしまいがちです。
ですが、すぐに嫌になる・・・には、それなりの理由があったりするんですね。
強制したり命令して続けさせるよりも、その理由を取り除いてあげた方が、ずっと良い結果になるんです。
この本については、もうすでに何人かの方にお読み頂き、ご感想も頂いていますので、どうぞご覧になってください。
https://www.age18.jp/book2.html
それで・・・今日、このメルマガでご紹介する内容は、きあらさんからのご相談の一部です。
きあらさんも、娘さんに「根気がない」とお困りだったのです。
ですから、今回の“「続ける力」を持てる子に”の中から、一つの例を紹介しながらお返事してみましたら、嬉しい変化があったのだそうです。
早速、ご相談の内容からご紹介しますね。
ココから・・・
(前略)
それともうひとつ、困っていることが、根気のなさです。
ピアノですが、練習して上手になって、先生にもほめられて、家族の前でも弾いて、喜んでもらえる・・・ということは経験して、自分でも嬉しいと感じているはずなのに、
ちょっと難しいところがあると、すぐに「もう絶対練習しない!辞める!」というのです。
たまたま仲の良いお友達が、習い事を割と短期間で辞めるのをみていて、「なんで自分は続けないとだめなの?」と思っているようです。
そう言いつつ、ちょっとでもできるようになると、(というか、こちらがうまく練習させることができると)得意になって練習したり、楽しそうに弾いたり、
レッスン後は「楽しかった」と言っているので、本当にピアノが嫌いなわけではないと思っています。
ですが、結構な頻度で上記のようなことがあって、そのたびに「ママは、○○ちゃんのピアノの練習ききながら、ご飯つくったりするのが好きやねん!」
「練習の曲じゃなくても、好きなできる曲を楽しく弾いてくれたらうれしいよ」
「次のレッスンまでにできなくてもいいし、少しずつでも練習したらちょっとづつでも上手になるよ」などと伝えて、無理に練習させることはしていません。
日が変われば、気分も変わることもありますが・・・
先生にお話しして、もう少し易しい内容にしてもらうことも考えていますが、すぐ辞めると口にすることに対して、どのような対応をすればいいのでしょうか・・・
もともと、めんどくさがりで、なかなか気分をのせるのが難しいところがあり、なにかにつけて、受け身な感じが気になります。
受け身というか、「やってみる?」と聞いても、まず「やらない」と返されるので・・・
これも、自信がつけば改善してくるのだとは思うのですが、練習してうまくなって嬉しい、ということを実感して、傍目にはうまくいってると感じても、
なかなかやる気が継続しない(気分による)のは、やはり、私の対応がどこか悪いからなのでしょうか・・・
それとも、本人の興味がそれほどないのに、無理にさせているんでしょうか。
両親がせっかくピアノを買ってくれたので、できたら、楽しく弾いてくれたら・・・と思うのですが、私のエゴなのでしょうか。
長々と本当に申し訳ありません。いろいろ考えているうちに、わからなくなってしまって・・・
どうぞよろしくお願いいたします。
ココまで・・・
という内容でした。
私は“「続ける力」を持てる子に”に記載した内容の一部。『目的を明確にしよう』のところで紹介しています、ノッチさんの例をお話ししました。
ノッチさんも、小さい頃、ピアノを習っていました。
でも練習曲を弾くのが嫌で嫌で、進度も相当遅かったそうです。
「嫌だからやめたい」とお母さんに言ってもお母さんは、「細く長く続けなさい。大人になった時、音楽が楽しめると心の支えになるから」だったのですね。
もちろん、ピアノの先生はなかなか上手にならないノッチさんに、ため息ばかりだったそうですが、「心の支えになるように、細く長く続けなさい」と言ったお母さんは、怒って弾かせたり、上達を強いる事はなかったと思うのです。
それでノッチさんはその言葉通り、細く、長く、結局13年間、ピアノを続けたそうです。
ノッチさんは、こんな風に言われていました。
ココから・・・
それでも13年続けた最後の方は、好きな曲も弾けるようになってようやく少しずつですが楽しめるようになりました。
「自発的」にピアノの楽しんだのはピアノから随分と遠ざかった結婚式の時。
これまで、こんな私にお金をかけてピアノを続けさせてくれたことに感謝の気持ちが芽生えてきました。
両親にありがとうを伝えたい一心で、今まで弾いたことのない憧れの曲(私には難度が高く手をつけられなかった)を練習したのです。
弾きたい曲だったし、両親に伝えたい思いもあった。だから自発的でものすごく頑張れたんです。しかも楽しく!
結婚式では緊張でたくさん間違えたけれど、何とか形にはなった!
これか自信となり今では子育ての合間にピアノを楽しんでいます。
そう。母親が言っていた「音楽は心の支えになる」というのを実感しながら….
ココまで・・・
良いですよね~
お母さんの「音楽は心の支えになる」まさにその思いはノッチさんに育まれたんですね♪
ノッチさんのお母さんの子供にピアノを習わせる目的は明確でした。
「音楽は心の支えになる」だから「細く長く続けなさい」
そしてその目的が明確だからこそ、ノッチさんも長く続いたんです。
そんなお話をして、きあらさんには、「きあらさんが、子供さんにピアノを勧めた理由は何ですか?」とお聞きしたのです。
そうしたら、こんなお返事が返ってきました。
ココから・・・
(前略)
ピアノを始めた理由ですが・・・
子供ひとりにつき1冊、生まれた日から、育児日記をつけているので、めくりながら、思い出してみました。
ちょうど去年の6月から始めたのですが、その頃は、なんとか長女に自信をつけてやりたい、そればかり考えていました。
体を動かすことが好きだから、幼稚園の体操教室なら喜ぶかも!?と思ったのですが、体験で、鉄棒からポトンと落ちてしまい、号泣して「絶対行かない!」となってしまいました。
(後に先生のご配慮で、授業を通してみんなの前で成功体験をさせてもらい、克服して、秋から体操教室に行き始めました。その後、縄跳び名人になってかなり自信がついたようです)
体操をやらないなら、私も4歳から始めたピアノ!?
学校で、楽譜がなくても、CMソングやアニメの主題歌を弾けた私は、みんなに「すごーい!」と言われて、嬉しかったこともあって、長女にも、ピアノが得意になってほしいなと思っていました。
本人も実家のピアノに興味を持っているようでしたので、習わせることになったのですが・・・
自信をつけるのが目的であって、できることが目的ではない、とパピーさんもおっしゃっているのに、私も元々まじめな性格で、
先生が「来週までにこのページを」とおっしゃれば、絶対に仕上げなければならない、という気持ちが強くて、長女に練習を強いていました・・・
本末転倒ですよね・・・
よくよく長女に聞いてみたところ「むずかしくていや」というので、難易度高めの練習曲の本2冊のうちから、どっちだったら頑張れるか?と聞いたら、一冊を選んだので、先生にお話しして、一冊減らしていただきました。
それからです。
一切「練習しなさい」と口にしなくても、毎日、自分から弾くようになりました。
「むずかしいなあ~、でも自分で決めたからなあ~」とつぶやきながら。
いつも「この曲教えて~」と最初から受け身なのですが、今日はなんと、初めて自分だけで楽譜を見て、何度も練習をして、一曲弾けるようになりました!
泣きそうになりました!
まだまだ、短期間ですし『いいご報告』とまではいきませんが、このいい兆候が続くように、頑張ってみようと思います。
ココまで・・・
良いですね~♪すごく良いです。
“一切「練習しなさい」と口にしなくても、毎日自分から弾くようになりました。「むずかしいなあ~、でも自分で決めたからなあ~」とつぶやきながら”
偉いな~(^^)「自分から言いだしたことなんだからちゃんとやらなきゃ♪」って思ってくれたんですね。うれしいですね~。
でも、娘さんがそう思う前に、きあらさんの行動が良かった。
ちゃーんとご自分の目的を思い出されて、先生のペースに合わせて練習を強いていたご自分の姿勢を省みて、娘さんの進む速さに、ご自分を合わせるようにし、先生にもご相談をされたんですね(^^)
このメルマガをお読みの方の中には、「先生のレッスンに親が口を出すのは失礼では?」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、
目的を持って習い事をしているのですから、親の考えを先生にお伝えしたり、「こうして頂けませんか?」とお願いすることは、決していけないことでは有りません。
いえ、ピアノのレッスンが個人で受けているのならば、先生のやり方に従うだけではなく、家庭での様子もお伝えしつつ、先生と相談しながら、その子にぴったりのやり方を探してほしいのですね。
その為には、是非、親の気持ちや考え方を先生にお伝えすることは必要な事だと思うのです。
ですから、今回のきあらさんの対処は、とてもよかったと思いますよ(^^)
“いつも「この曲教えて~」と最初から受け身なのですが、今日はなんと、初めて自分だけで楽譜を見て、何度も練習をして、曲弾けるようになりました!泣きそうになりました!”
とありましたので、娘さんは、又一つ、ピアノの面白さを知ったと思います。
それに、こんな風に自ら頑張ろうとする姿は、とても良い「褒める」対象になりますものね♪
娘さんのペースで結構です。沢山褒めて、是非、そのやる気を持続させてあげてくださいね♪
きっとピアノも「楽しく」続ける事ができると思いますよ(^^)貴重なご報告、ありがとうございました。
ご興味のある方はこちらをお読みください。
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