第620号 レールと車輪
こんばんは。パピーいしがみです。
お盆休みは、連日35℃を超えるの酷暑だったのに、今は・・・何と24℃です。
いきなり涼しくなりましたね~♪もう秋のようです(^^)
このまま、秋に突入してくれると、すごく有り難いですが、気温の変化が激しい時は、風邪をひきやすいですから、どうぞ、お気を付け下さいね♪
さてさて、今日、ご紹介する内容なのですが、実は突然、昔の会員さんからメールを頂きました。
私が一番最初にホームページを作ったのが2003年。
テキストを作ったのが翌年の2004年ですから、私の会員さんで最も古い方は、勉強を始めて、もう7年も経過している事になります。
今日ご紹介するごろやんさんは、ホントに久しぶりにご連絡を下さったのでした。
当時、1年生だったお子さんは、もう中学2年生なんだそうです。
本当は次男さんのことでも嬉しい結果が出ているようですが、少々長くなってしまうので、長男さんの部分だけを抜粋させていただきました。それではご紹介しますね。
ココから・・・
パピーさま、とってもご無沙汰しています。ごろやんです。
メルマガ、毎週楽しみにしています。
新しい会員さん達が頑張る姿を拝見して、いつも力をもらっています。
自分が始めたばかりだった時の事や、思い通りにならなかった育児。
イライラ・ガミガミしてパピーさんに泣きついた事を思い出しながら、「私もそうだった!」と、時には涙しながら読んでいます。
今も沢山のお母さんが学んでおられるようですが、“必ず、今の努力は実るから、頑張ってほしい” “努力し始めた事を続けてほしい♪” と私も影ながら応援しています(^^)。
私が「藁をもつかむ思いで」パピーさんにお世話になったのは、長男が小学2年生になる前の3月でしたので、なんと、あれから6年になります。
もう長男は中学2年生です(^^)
長男は、見違えるほどの変化を遂げましたよ♪
これもパピーさんが、私を優しく、時には厳しく、ご指導してくださったからと心から感謝しています。
ありがとうございました。
思えば、長男は幼稚園の頃から、癇癪やこだわりが強く、運動会にも参加できない、授業も集中できない子でした。
いつも袖をしゃぶっているので臭いが酷く、お友達から「きたない」とか「臭い」とか言われて、仲間外れにされたり・・・。
せめて他の子と同じようになってほしいと、他人と比べては落胆し、思い通りにならない子供に怒りを感じ、その度に叱ったり、怒ったり、叩いたりしていました。
小学校に上がっても、集中力は無いし、授業中はボーっと外ばかりを見ているし、運動もできない、勉強もできない、友達もいない。
これじゃあダメだ、絶対にこの子の将来はない! 「私が変わらなければこの子も変われない!!」と、最後の最後の頼みの綱として、パピーさんにすがる事にしたのでした。
パピーさんから、長男の様子は、「お母さんのせいというよりも、もしかしたら、先天的な傾向があるかもしれない」と言ってもらって、ふと心が軽くなったような気がしました。
(それまでは「子供がダメなのは母親のせい」と言われ続けていたからです)
また「もし先天的な問題があったとしても、お母さんしだいで、見違えるようになるんですよ♪」
『少々時間は掛かるかもしれませんが、その数年は、その後の数十年を変えるんです。今、頑張る時ですよ!』
というお返事で、私は絶対に自分を変えるんだ、この子の為に今までの自分を捨てるんだ!
と決意させてもらえました。
6年経ってみて、最もきつかったのは最初の1年でした。
ほぼ毎月パピーさんにメールを送り、ご相談させてもらって、でも、パピーさんは、その時その時だけの返事ではなく、以前からのメールを読み返して、「こんなに良くなってるね」「頑張ってるじゃない!」って言ってもらう事で、何度挫折から這い上がったか知れません。
甘ったれて、泣きごとやあきらめの言葉を口にすると、「結論を出すのが早すぎるのでは?!」と厳しくビシッと言って頂いて、そのたびに「はっ」と、気が引き締まり、決意した時点に戻れました。
この歳になるとなかなかはっきり言って下さる方はおらず、時には厳しく、時には満面の笑顔で喜んで下さる。
(お顔はもちろん見えないのですが)
いつも全力投球のパピーさんに、これが人を育てる、という姿勢なんだろうな~と、テキストだけではなく、パピーさんの姿勢も真似させてもらいました。
他の子と比べて劣っているいくつもの事を、いっぺんに身に着けさせようとすれば必ず無理が生じる。
「子供に自信がつけば自分から吸収していくから・・・」と教えてもらって、一番最初は「親と子の良好な関係」を意識して、とにかく肯定を増やす事を続けました。
でも、笑顔を作ること・・・大変でした(笑)
ずっと心配で不安で、叱ったり怒ったりし続けていたので、最初の頃は「心からの笑顔」なんて出なかったです。
“ひきつった作り笑い”でしかなく、「こんな事さえできない」と落ち込んでいたのですが、でも「それでいい♪」というパピーさんの言葉で、なんとか続ける事ができました。
半年ぐらいしたら、少し上手に笑えるようになりました。
その頃でしょうか、長男に変化が表れてきました。
袖を噛む癖が治まって、落ち着いてきたように感じました。
癇癪を起して暴れたり、パニックになるような事が減りました。
授業でも先生に迷惑を掛ける、という事が減ってきて、「この頃、とっても落ち着いてきました」と先生からも、お話しを頂くようになりました。
子供の変化のきざしを見て、光が差し込んだように感じたのですが、私は「これで子供は変われる」と強制・命令をし始めてしまいました。
自分の事は棚にあげて、子供に変化を求めてしまったので、そこから、長男は急激に不安定になり元に戻ってしまいました。
せっかく良くなった状態が、転げ落ちるのは本当に早かったです。
その時ですね。
パピーさんに私を変える一言を頂きました。
息子が大好きな電車を使った例えでした。
この時の言葉がとても印象的で、今でもはっきり覚えています。
> 同じ様に見える電車のレールでも、
> 全てが同じなのではないって事、ご存知ですか?
> 例えば都営新宿線のレールにJRの電車を乗せても走りません。
> なぜなら、レールと車輪の幅があわないからです。
> 同じ様に、お母さんが作ったレールに子供を乗せても走りません。
> そう。電車と同じようにレールと車輪があわないからです。
この言葉は私にとって、本当に衝撃でした。
私は今までずっと自分のレールを引いて、子供が動かない事にイライラしていました。
腹を立てていました。
でも、もともと子供の車輪にあっていないレールを引いていれば、走れるわけがないんですよね。
そこで頭がガラッと変わりました。
「叱らない」「怒らない」というただの方法ではなく、この子にぴったりのレールを作ろう!って。
よくパピーさんが「方法ではないですよ」「考え方ですよ」と言われていたのが、それが本当によくわかりました。
頭がガラッと切り変わったら、自分の態度や行動を変化させるのは思ったよりも難しくありませんでした。
パピーさんが言われていた「この子はこの子で良い」が、すとんと心に落ちた瞬間でした。
それまでは、私は子供の電車好きがオタクの様で嫌いでした。
でも「レールの広さはそれぞれ違う」を知って、私も興味を持ち、子供と一緒にミニチュア電車を扱っているお店に行ってみました。
一目見るなり、子供は大興奮。
今まで見た事が無いほど、目をキラキラ輝かせて、ウインドーに張り付いて見ています。
その時、パピーさんが「何か特に強い興味のある物があれば、そこから急激に開花する事がある」と言われていたのを思い出して、「一番、欲しい電車を1台だけ買おう」と言ったら、それはそれは喜んで2時間も真剣に悩んで・・・
悩んで悩んで決めました。
その時に思ったんです。
「この子は集中力が無いのではない!集中できる対象が無かっただけなんだ!!」って。
それからは休みの度に、次の電車をどれにしようか?
とお店に行ったり、子供が興味を持つ電車関係の本を買ったり、家の中は電車一色になりましたが、長男の本を読むスピードや文章の理解力は、飛躍的に向上しましたし、私が「電車の事を教えて」と言うと、次から次から言葉が出てきて、イキイキと話すのです。
子供は相変わらず学校の勉強も運動も苦手でしたが、電車だけは詳しい事を担任の先生にお話ししたら、「今度クラスで発表してもらおう」と言う事になり、先生が時間を作って下さいました。
いつもは一人でポツンとしている子が、電車の話しをする時には、人が違ったように話すので、周りの子どもたちがびっくりしてクラスでも「電車博士」と呼ばれる様になったそうです。
又、その電車をきっかけに仲の良い友達ができたり、お互いの家に行き来するようになったりした事も、今までは無かった事でした。
(その時、私は嬉しくて泣きましたよ・・・パピーさん)
私も自分のレールではなく、子供にあったレールを・・・と考え
(それでも口うるさいのは癖なので)
「子供にあったレール、子供にあったレール・・・」と念仏のように唱えながらでしたが、少しずつそれが抵抗なくできるようになっていったある日、子供がランニング部に入りたい、と言い出しました。
(子供は4年生になっていました)
どうやら、先生が新しい部活動を作ったらしく、誰でも良いから部員を欲しかったようなのです。
でも私からすると、運動を全くしてこなかった子ですから、チャレンジしてくれれば何でもいい!という思いで、「頑張って♪応援するよ」と二つ返事で賛成しました。
もちろん運動を全くやってこなかった子ですから、タイムも、大会での成績も決して良くありません。
ですが、先生がパピーさんのような方で、その子のいいところを見つけて褒めてくれるんです。
「楽をしようとしないで、自分の持っている力を出せた」
「苦しいけど、最後まであきらめなかったな、偉いぞ・・・」のように、タイムや成績ではなく、姿勢や真剣さ表情など、いろんな面を見て下さり、褒めてくださるのです。
タイムはぐんぐん・・・とは言いませんが、少しずつ少しずつ伸びて、体力テストなどでも「クラスでダントツびり」から、真ん中・・・上位10番ぐらい・・・と徐々に上がりました。
そして、これは本当に不思議なんですが、運動の成績が上がるに従って、勉強も少しずつ上がってきたのです。
これが自信の持つ力なのだと思います。
息子は中学になり、陸上部に入りました。
大会に出ても優勝などは無いですが、練習にも真面目に参加して、小さな大会では8位に入賞したりしました。
(初めて賞状を頂いた時は、感動して涙しました)
驚くのはまだあるんです。先日の事です。
「母さん、俺、勉強全然できないから塾に行きたいんだけど・・・」と言い出しました。もちろん、喜んで賛成しました。
それで、今までの事をずっと思い起してみたんです。
私が、怒ったり叱ったり強制していた毎日。
子供はどんどん萎縮して問題が増えていった。
↓
自分を変える事を決意して、「良い関係」を作る事、笑顔を心がけ、「安心」「のびのび」できる環境を作る!と決めた。
↓
子供の興味のある物を発見して、その興味に自分を合わるようにした。
子供が能力を発揮できる環境を意識して作った。
↓
子供の言葉が増え、集中力が増し、何より笑顔が増えた。
(電車関係限定だけど)本を読むようになった。
自分の得意分野をアピールできるようになった。
↓
友達ができ、運動もするようになり、運動ができるようになると勉強の成績も少しずつ、上がり始めた。
↓
今、自分から「勉強をしなくちゃ」という気持ちになった。
思い返すと、これって、私が「こうしなさい」「ああしなさい」とか、以前のように「勉強させたい」「運動させたい」と、私が子供を動かそうと頑張って何かをしたのではなく、子供が自分から動き出すのをただ待っていただけだった、という事が解ったのです。
もちろん、最初の「笑顔を作る」事や、自分の思い通りにならないイライラに耐えた、という事はしましたが、それは子供が劣っていたのではなく、『私ができなかった』だけのことで、特別、私は頑張った!って誇るほどの事などほとんどなかったのですね。
パピーさんが「自信ができれば自分から吸収し始める」と言われたのが、6年経って、目の前で体験することができたのでした。
テキストに書かれていた内容も、「本当にそんな風になるのだろうか?」と疑心暗鬼だったのですが、テキストにあったように、子供は立派に成長していたのでした。
6年というとパピーさんの会員の中では古い方だと思いますが、(でももっと長い方もおられるんですよね)
私自身が無くしてしまった相談内容も、きちんと取っておられて、相談をすると、以前のメールを読み返してお返事して下さる。
そんなパピーさんの姿勢には、本当に頭が下がります。
とても丁寧で私にはすごく有り難かったけど、会員さん、一人一人に同じ様にされているとしたら、それは大変な作業だろうと思います。
パピーさんは、私より5つ年上ですから、今年、50歳になられたのでは?と思います。
まだお元気だとは思いますが、無理をなさらないで、くれぐれもお体には気を付けてください。
いつかお礼のメールを出したい・・・と思っていたのですが、やっとご連絡することができました。
これからもどうぞ、今のお仕事を続けてくださいね。
私はパピーさんに救われました。
子供達とも、主人ともとても良い関係になっています。
私は「幸せなお母さん」にして頂きました。
ほんとうに感謝しています。ありがとうございました。
ココまで・・・
ごろやんさん、メールありがとうございました。
他の会員さんへのメッセージ
> 今も沢山のお母さんが学んでおられるようですが、
> “必ず、今の努力は実るから、頑張ってほしい”
> “努力し始めた事を続けてほしい♪”
> と私も影ながら応援しています(^^)。
も、ありがとうございました。
6年もお続けになったんですものね♪
「続けることが大事」という実際に経験した方の言葉は、きっと今学んでおられる方々に響くと思います(^^)
長男さん、素晴らしい変化を遂げてくださったんですね。
今は、まさに頼もしい「スーパーマン」ですよね♪
頂いたメールの中でいいな~と思ったのはココです。
> これは本当に不思議なんですが、
> 運動の成績が上がるに従って、
> 勉強も少しずつ上がってきたのです。
> これが自信の持つ力なのだと思います。
はい、本当にそうなんですね。
きっと息子さんは、今まで自分の苦手なものが
つぎつぎと克服していくことで、「まだまだ自分には力が有る♪」って事を感じてくれているのだと思いますよ。
でも、早いですね~♪もう6年なんですね。
あの時の長男さんは、もう中学2年生。
きっとすぐに高校生になって、すぐ大学生になって、一人立ちをしますよ。
私の子どもたちも中学生からが早かったです(^^)
ごろやんさんは、
> 特別、私は頑張った!って誇るほどの事など
> ほとんどなかったのですね。
と言われていましたが、そんなことはありません。
私達は「親」の勉強をしてきていません。
子供ができて突然親になるのですから、どうやったらいいのか解らなくて当然なんですね。
今までの考え方が通用しなくて当然なんです。
私だって、人材育成の仕事をして、従業員教育を通じて、失敗を重ねて、沢山の従業員たちに迷惑をかけたからこそ、やっとそれに気付けたのです。
もし、私がその機会を与えられずに子育てをしていたら、ずっと失敗をし続けていたと思います。
ごろやんさんは、ほんと頑張って下さった♪と思いますよ。
でも『少々時間は掛かるかもしれませんが、その数年は、その後の数十年を変えるんです。今、頑張る時ですよ!』
は、まさしくその通りになりそうですね(^^)
「あの時頑張っておいてよかった♪」と思って下さると幸いです。
それと・・・
> 私は「幸せなお母さん」にして頂きました。
この言葉を聞けて本当に良かったです。
この言葉こそ、私が最も元気になれる言葉です。
年齢もそうですが、ご心配いただいたように、そろそろ私も健康に気を付けるようにしています。
ごろやんさんも、そろそろベテランの域のようですから、ご自愛くださいね(笑)
今回は貴重なご報告、そしてメルマガのご許可を頂きまして、ありがとうございました。
※ご興味がありましたら、ご覧ください。