第621号 相反する願望
こんばんは。パピーいしがみです。
今日のお話しは「相反する願望」としました。
実はこれって多くの方のジレンマ、というか、いつも頭の中にある「悩み」になっていると思うのです。
例えば・・・
「自分を守る為には、自己主張ができるようになってほしい、でも自己主張しすぎて嫌われてしまうようでは困る」など。
このように「こうなってほしいけど、なり過ぎては困る」という相反する願望については、きっと誰もが考えた事のある事だと思うのです。
今日はそれについてお話をしたいと思っています。
そこで、少し思い出してみてください。
ちょっと季節的には合わないのですが(^^)あなたはスキーやスノーボードってやった事がありますか?
(技術を高めることであればみんな同じなのですが、ここではスキーやスノーボードを例にお話しします)
スキーやスノーボードって最初はなかなか「滑る」まで行きませんよね。
いえいえ「滑る」どころか、初めての時は「スキーやボードを付けて雪の上に立つ」のでさえ、とても大変です。
やっと立つことができるようになると、斜面に沿って「滑り」たいと思っても、怖くてとてもできません。
エッジを立てながらずりずりと坂を下る。
でも、全く何もできなかった時から考えると、「すごい進歩!」と嬉しくなったと思います。
自分の側を、気持ち良さそうに滑る人を横目で見ながら、ゲレンデの小さな坂道でスキーをかついでは登り、頂上で履いて、ずりずりと下る。
それを繰り返すうちに少しずつ「ずりずり」ではなく、「す~」とか「さ~っ」とか滑れたりすると、すごく感激して「うわ~いい感じ♪」なんて喜んじゃいます。
何度も何度も繰り返していくうちに上達して、少しずつ転ぶ事が減ってきて、「滑れている」事の方が多くなって、時々、体を傾けてカーブを曲がれたり、思い通りに止まれたり、進路を取れるようになります。
すると、スキーやスノーボードの面白さを感じて、少し冒険をしたくなりますよね。
今までの練習用の低い斜度では物足りなくなって、少し長いスロープや、もう少しスピードがでそうな坂でやってみたくなります。
いざ、新しい場面でのチャレンジをした時、ワクワクしながら滑りだすと、思いのほかにスピードが出過ぎて恐怖を感じたり、
腰が引けてコントロールできなくなったり、上手くカーブが曲がれなくて突っ込んだり、ブレーキが思うようにできなくて人とぶつかったり、という事が必ず起きます。
少々の「やり過ぎ」が羽目をはずしてしまうんですね。でも、そこでやめてしまうと、絶対に上達はありません。
反対に言うと、スキーやスノーボードをある程度使いこなせる人は、誰もが必ず、このプロセスを経験している、ってことなんです。
「スキーやスノーボードなどを使いこなせる」
その技術を高めるためには必ず、暴走したり失敗したり、コントロールできなかった時があったんです。
それは自転車などでも同じです。
自転車を使いこなせるまでには、誰もがひやっとする事もあったはずなんですね。
このお話しを、なぜ今したのか?というと、子育ても全く同じだからです。
もし、少々の「やりすぎ」によってやる気を失ったら、残念ながら決して“技術を習得”できるようにはなりません。
「○○はしてほしいけど、しすぎたらいけない」
という相反する考え方は、まさにこの「少々のやり過ぎをさせない」という事になるんです。
先ほどのスキーの技術なら、生きてく上で必要ではないので、やる気を失っても、できなくても構いません。
でも、子供が大人になった時“持っていなければならない事”だとしたら、これでは困るのです。
例えば、先ほどの「自己主張」。
子供がこれから大きくなって、いろんな問題が起こった時、いつまでも親が出ていくことはできません。
子供には自分で解決できるようになってもらわなくては困ります。
その為には子供が自己主張できる事は絶対に必要なのですが、その「自己主張」という技術を使いこなせるようになるまでには、
自己主張が強すぎて、人とぶつかったり、迷惑を掛けたり、親として「カチン」と来ることが必ずある、ってことなんです。
そして、そういう「ぶつかったり」「迷惑を掛ける」事をしながら『どうやってコントロールをすればいいのか』を、自分で感じながら自分で調整する事を覚えるのです。
いくら親が口を酸っぱくして教えたとしても教えられません。その調整方法は“自分で習得する”しかないんですね。
ところが親が「自己主張はできるようになってほしい、だけど自己主張しすぎてはいけない」という相反する願望を一緒に持っていると、
子供は、自己主張ができない事に小言を言われ、自己主張すればまた怒られる・・・となり、
子供からすると「どうすればいいのか解らない」その結果・・・何もしないのが一番・・となってしまうんです。
せっかく生じたやる気、せっかく動き出した行動が、「少々のやり過ぎをさせない」が為に、ストップさせてしまうのです。
せっかくスキーに興味を持って、ほんの少し、滑れる楽しさを知ったのに「もうやめた」となってしまうのと全く同じなんです。
だからね。私は言うんです。
まずは“し過ぎ”てもいいから、子供の向かう方向を示してあげてください。って。
最初は「ココまで」をしないで方向だけを教えてあげて♪って。「相反する願望」を持たないで♪って。
おとなしくってなかなか自分を出せない子がいたら、積極的に行動することを肯定してあげる。
時々、乱暴に感じたり、言葉づかいが悪いと思う事があっても、今、求める方向に向かい始めたところなら、あえてそれを注意せず“し過ぎ”を容認してあげるんです。
子供が“し過ぎ”をしていれば必ずどこかでぶつかります。ぶつかったら自分で考えるんです。
「ここまでやったらいけなかったな」って。
“マルモのおきて”の芦田愛菜ちゃんの相棒、 鈴木福くんが、有名カーテン会社(サン○ツ)のコマーシャルでこう言っているのを見た事が有りますか?
「やりすぎちゃいました♪」って。
私は、これで良いと思うのです。子供自身が「やりすぎちゃった」って分かること。そうすれば、自分で調整するようになるんです。
自分で考えて自分で自分をコントロールします。それが「我慢」にも繋がるんですね。
親は方向性を示してあげるだけで良いんです。相反する願望が、子供の能力に蓋をします。
もうすぐ夏休みが終わって、又学校が始まりますね。子供がすでに持っている能力を高めるためにも、どうぞ、ご参考になさってくださいね♪
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