第627号 華麗なる方向転換
こんばんは。パピーいしがみです。
連休の日曜日ですね♪全国的にすがすがしい秋晴れで、運動会が開かれたところも多かったようですね♪
でも暦を見ると、もう10月も中旬に差し掛かろうとしているんですね。今年もあと2月ちょっとで終わっちゃうんですね。月日の立つのは本当に早いです。
さて、そんな中、今日は“華麗なる方向転換”をされた方のお話しをさせて頂こうと思います。
私達が「正しい」「間違っていない」と思って突き進んでいた時、その方向が間違っている、と気付いたら、ものすごいショックだと思います。
もしかしたら、そこで力尽きちゃうかもしれません。
今日、ご紹介させて頂くメールは、いつもとはちょっと違っていて、姉妹で勉強をされている、妹さんからのメールなんです。
そして、華麗な方向転換されたのは、お姉さんでした。とても貴重なご報告なので、是非、お読みくださいね♪
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。シャロ~ンです。いつもお世話になっています(^^)
パピーさんにお世話になって約半年。すごく嬉しい報告があって、メールしました。
是非、お伝えしたかったので読んで頂くだけで結構です。
私は二人姉妹の末っ子です。姉は、私よりも6つ年上で、私が小さいころからとてもよく私の面倒を見てくれました。
姉は勉強もできて、運動神経も良かったし、なにしろ綺麗だし面倒見がよくて誰からも好かれていました。
私はどちらかというと勉強が苦手でどんくさくあまり美人でも有りません。
少し太っていたので、からかわれる事もあったのですが、近所の子にからかわれると姉が敵を取ってくれたり、勉強も丁寧に教えてくれたり、マラソン大会の前には一緒に走ってくれたりもしてくれました。
私はそんな姉を慕って、とても頼りにしていました。
姉はお医者さんの家の嫁ぎ、男の子(Kくん)を生みました。
お姑さんからもとても褒められ、喜ばれてKくんも、とてもいい子に育って行きました。
幼稚園では、誰にでも挨拶ができて、みんなに優しくて、ピアノとバイオリンを習い、幼稚園で披露したり、絵を描いて賞をもらったり、運動会では宣誓をしたり。
癇癪を起す事も無いし、とても素直に姉の言う事を聞き、運動も年中さんで逆上がりができるようになったり、駒なし自転車も一番に乗れるようになったり・・・。
それなのに、決して威張る事がないKくんは、先生達からも周りのお母さん達からも褒められるし、非の打ちどころのない、みんなのあこがれ的な存在でした。
私はKくんのそんな成長ぶりをずっと見ていましたので、「姉はやっぱりすごい、姉の子育て法を学ばせてもらおう!」と今までもずっと相談にのってもらっていました。
私には二人の子供がいます。一人は年長の男の子、もう一人は3歳(来年幼稚園に入ります)の女の子です。
下の子が生まれたぐらいから上の子が荒れ始めました。
赤ちゃん返りが酷かったり、わがままや癇癪が激しくて、どこでも誰がいても大声で泣き叫ぶし、「バカ」とか「ウゼエ」とか使ってほしくない言葉を使うし、
女の子をいじめたり、あげればきりがないぐらい、私が「してほしくない」と思う事をわざとするようになったのです。
そんな私への姉のアドバイスは「あなたは甘すぎるのよ」「しっかり叱っている?」「叱る事、躾をきちんとすることは愛情なのよ!」という言葉でした。
私としては、かなり厳しく叱っているつもりなのですが、叱っても叱っても、治らないし、余計に悪くなっていくようにも感じていました。
姉も時々、私の代わりに叱ってくれた事もあったのですが、姉が叱ると「ごめんなさい」と素直に謝るのです。
それを見るとやっぱり私が甘いんだ、と反省する事しきりでした。
姉はとにかく「甘やかしたらいけない!」という事を常に言っていて、Kくんもそうやって厳しい躾をしたり、しっかり叱って育てたんだ、という事で、私もそれを守ってきました。
ですが、ある時期、今まで正しいと思っていた事が、もしかしたら正しくなかったのかもしれない、と思う事が起きました。
それは、Kくんが中学に入ってからの事です。(Kくんは有名私立中学に合格しています)
どうやら、それは6年生ぐらいからあったようなのですが、「学校に行きたくない」とか「お腹が痛い」「眠れない」と言うようになって、
家での勉強中に大きな声を出したり、学校でも「落ち着きがないが何かあったか?」と聞かれたりするようになったのだそうです。
成績はどんどん下がり、部活にも参加しないようになり、それを姉が注意すると、何も言わず部屋にこもり、
次第に朝も起きなくなって、学校も休みがちになり、生活もどんどん乱れていきました。
両親といる事を極端に嫌い、その為、食事も取ったり取らなかったりで、体を心配した姉は、仕方なく食事を部屋に届けたりしたそうです。
Kくんが寝静まった頃、夜にこっそり部屋をのぞいてみると、ノートに「死ね」「死ね」「死ね」とびっしり書いてあって、それを見た姉は、今まで感じたことのない恐怖を感じたそうです。
最初の頃は「今、反抗期だからね」と余裕だった姉も、だんだん余裕がなくなり、このままでは・・・と焦り、姉の人相もどんどん変わって行ったのです。
美人だった姉がどんどん痩せ、深いしわや白髪が目立つようになり、憔悴しきった表情や、生気のない顔色がとても心配でした。
Kくんを学校に行かせようといろんな手を使ったようですが、あるカウンセラーさんに相談した時に、「叱る事が多すぎたり、躾が厳しすぎたりしませんでしたか?」と聞かれたそうです。
カウンセラーさんとの話の中で、幼少期に甘えられる事や、わがままや、癇癪や、自己主張がすごく大事なんだ、と言う事を、
説明してもらった姉は、参考になる本を何冊か紹介してもらい、図書館に行って本を読んで、私に連絡してくれました。
「今まで、厳しく躾ける事が大事だと言ってきたけど、それは間違いだった事が解った。あなたの子どもたちはまだ小さいから、すぐにやり方を変えた方がいい!」と、
図書館で借りた本の一冊を私に「読みなさい」と渡してくれました。それがパピーさんの「くじけない子に育てる本」でした。
姉は、すぐにパピーさんのサイトを訪問して、沢山のバックナンバーや、会員さん達の努力や頑張りで、子供たちが変わっていく様子などを読んで、「もっと早く気付いていたら・・・」と悔やんだそうです。
そしてパピーさんに連絡をしたのは・・・もうご存知かもしれません。
「今、中学生の子供がいますが勉強を始めるには遅すぎるでしょうか?」とお問い合わせをした時、
パピーさんは、「始めるに遅すぎるはないと思う。すぐの変化はないかもしれないけど、
ご自分がやってきた事が間違いだったと感じたら、できるだけ早いうちに方向転換される事をお勧めします。もし、私でよければ協力しますよ」
と言われて、姉はすぐに勉強を始め、その後、姉からの紹介で私も一緒に勉強を始めたのでした。
すると・・・姉の所にも、私の所にも、変化が現れたのです。
「叱る」事を減らして、笑ったり「聞く」事を増やすだけで、子供の表情はどんどん明るくなるんですね。
命令をするのではなく「これしてくれると嬉しいな~」って言うと、パッとして「お母さんうれしい?」って聞いてくれたり・・・。
ええっ?これがあの忌々しかった息子?って驚きました。
下の子をいじめたり、酷い癇癪を起す事も減ってきましたし、特に「お兄ちゃんをお兄ちゃんとして褒める」は絶大な効果で、「助かる~」「ありがとう」の言葉には喜々として反応します。
主人も、この頃(長男が)ものすごく成長した♪
今まで赤ちゃんだったのがいきなりお兄ちゃんになったみたいで、びっくりする。と驚いています。
そして、Kくんは・・・なんと学校に行くようになったんですよ。
どんなやり方をしてもダメだったのが、姉が「今まで叱ってばかりでごめんね」「お母さんが悪かった」と謝って
「これからは私が変わるように頑張るから・・・」という言葉通り、強制していた塾なども一度全部やめて、
パピーさんのアドバイス通り「学校なんて大人になる為の1つのルートでしかない」という事を何度も何度も自分に言い聞かせ、
「学校に行かせる」よりも安心できる家庭、ホッとできる雰囲気を作る事に意識して、私が変わらなくちゃ・・・と相当努力をしたようです。
それは義兄(ご主人さま)にも好評だそうで、「前は家に帰るとピリピリしていて嫌だった。今は、すごく優しい雰囲気を感じる」と言ってもらえるそうです。
そんな努力の結果でしょうか?
Kくんは、今、食事もちゃんと取れるようになって、家族の皆とも談笑するようになって、「まだ、学校に戻れるかな?」と自分から言い出して、つい先日から、復帰したのだそうです。
でも、長年染み付いた癖はなかなか抜けず、つい怒りたくなってしまう事はあるのですが、少しずつ少しずつ・・・ですよね。私も頑張ります。
それで・・・今回、私がメールしたのは、Kくんの事もそうですが、私が大好きだった姉が壊れていく様子を見ているのが、本当に辛くて、切なくて苦しくて・・・。
でも私にはどうする事もできなかったのですが、パピーさんと知り合えて、姉がとっても明るくなってくれた事。
以前のようにはつらつとした明るい姿が返ってきた事が嬉しくて、メールさせてもらいました。
今、姉と話しをする時には、かならずパピーさんの事や、考え方、人の感情の話になります。(かなりパピーさんに影響されています・笑)
自分の失敗をも話してくれる姉に感謝して、どこに向かえばいいのかの道しるべを与えてくださるパピーさんに、心から「ありがとうございます」とお伝えしたかったのです。
長いメールを読んで頂きましてありがとうございます。
これからも姉と一緒に勉強、続けていきますね♪又、ご報告させて下さい。ありがとうございました。
ココまで・・・
そうだったんですね。
以前、ご相談頂いた時に「妹と一緒に勉強を始めました」と言われていたその妹さんがシャロ~ンさんだったんですね(^^)。
シャロ~ンさんの息子さんの変化もそうですが、お姉さん、明るくなったようで本当に良かったです。
お姉さんとしたら、ご自分が「正しい」と思って付き進んでいた事が「真逆だった」と感じた時、相当のショックが有ったと思いますし、
Kくんの様子も自分のせいだと責任をお感じになったことと思います。
その時のお姉さんの気持ちを想像すると、もし、私だったら這い上がれないほど落ち込んだと思います。
でも、すぐに方向転換をなさったその決意と、行動力。
そして、ご自分の失敗までも、妹であるシャロ~ンさんに教え、「同じ間違いをしないように」と教えてくださった事。これは本当に素晴らしいと思います。
とても強い方だと思います(^^)
不登校は、様々な要因が絡んでいるので、簡単には解決しないのですが、Kくんが自分で学校に行く事を選んでくれた事。本当に良かったと思います。
この「自分で選ぶ」という事がすごく大事なんですね。
私達親は、何が最善かを、すでに自分で経験して知っています。ですから「こうしなさい」「ああしなさい」と言ってしまいます。
ところがそれをしてしまうと、二つの面で危険があるんです。1つは、人から指示されないと動けない、自分の意思を持つことをやめてしまう事。
そして、もう一つは、自分が納得しない事をし続けるために、鬱積やストレスが何らかの形を変えて現れてしまう事です。
Kくんの場合、それが落ち着きの無さ、やる気の欠如、そして“ノートに「死ね」「死ね」「死ね」とびっしり書いてあった”という形になったのだと思うのですね。
でも、これも早く気付いてよかったと思いますよ。
もし、人から指示されないと動けない、自分で判断する意思を捨ててしまう方になっていたら・・・
「いい子」かもしれませんが、起きた問題を乗り越える、という事ができなくなってしまいます。
それこそ・・・社会に出る事が難しくなってしまうのです。
少し前に放映された「ほんまでっかTVスペシャル」で教育評論家の尾木ママが、こんな事を言っていましたね。
「教授会などで『素晴らしい子が入ってきた』と評判になる子の場合、私はとても心配するの。
なぜなら『すばらしい』というのは「親や先生」にとってすばらしいのであって、その素晴らしさは一般では通用しないから。
だから、そうやって名前の挙がった子でドロップアウトしなかった子はいないの。全ての子が潰れていくの。
大事なのは『いい子』でいることではなくて、『自分の意思』を持つこと。『自己主張ができる事』よ」
って。
それを、たまたま見ていて思わず唸ってしまいました。
「そうそう。そうだよ~♪そうなんだよね~!!(^^)」って。
人に言われた事をそのままやって、例え、失敗が無く上手くいってもそこにはなんとなくもやもやした物が残ります。
でも、自分で考え行動した事は、例え失敗してもすっきりしています。
その違いは、そこに自分の意思があるか、ないか?だと思うのですね。
今、子供に手がかかる、言う事を聞かない!とお嘆きのお母さんは沢山おられると思います。
でも、それは決していけないことではないんですよ。
子供達は「自分の意思を持っている」って事だからです。
要はそんな子供たちが自分から「僕はこれをしたい」って、自分で選ぶようにしてあげればいいだけなんです。
間違って選んだら失敗させてあげればいいんです。
失敗をすることで、これを選んじゃダメなんだな、って解るからです。「どうしたらいいだろう?」って考えるからです。
これだって「自分の意思」が有るからこそ♪なんですね。
私達は、子供を誘導したり、思い通りに動かそうとする必要ないんですね。
自分で選んだものがうまくいけばそれを繰り返すし、失敗したら次はそれを選ばないと学習します。
沢山の学習が経験になって、自分判断、自分の考え、自分の選択に繋がるんですね。
ご参考にして頂けたら幸いです(^^)
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