第644号 与えると返ってくる
こんばんは。パピーいしがみです。
インフルエンザが大変な事になっているようですね。全国的に猛威をふるっているそうです。来週には雨も降り、気温も上がってくるようですので、ひと段落するかも知れません。
もう少しの間、うがい・手洗いで乗り切りましょう(^^)
さて、今日ご紹介するメールは、もしもさんから頂いた内容です。私の子ども時代の事はホームページでも紹介していますが、もしもさんも、かなり辛い子供時代を過ごされたそうです。
そして感じたのは「私なんていらない子なんだ」という思い。
もしもさんは、ずっとそんな気持ちを抱いて生きて、「変わりたい」と切望してきたのだそうです。
ココから・・・
パピーさん、こんにちは。ずっと迷っていたパピーさんの講座を始める事ができました。これからよろしくお願いします。
今回、なぜ、私がパピーさんの勉強をさせて頂く事になったのか、その理由を聞いて頂きたくメールをさせて頂きました。
私がパピーさんのホームページを見た時、涙が止まりませんでした。
その涙とは「私もこんな風に育ててほしかった」という思いでした。
私は、医者の娘として生まれました。母は看護師でした。父も母も男の子を望んでいましたが、一番上の姉が生まれ、
二番目の姉が生まれ「次こそ男の子を」と願って生まれたのが私でした。
父も、祖母も「こればっかりはしょうがない」と言ってくれたそうですが、物心ついたころから、母だけは私を邪険にしているように感じていました。
私が6歳の時、弟が生まれました。母が私を見る目と、弟を見る目は全く違い、母が弟を見る時はとても優しい笑顔なのに、
私への表情はいつも怒っていて、言葉はいつもきつく、命令をされているように感じました。
ある時、後片付けをしている母の背中に聞いてみました。「お母さんは、私の事が嫌いなの?」と。
母の肩はぴくっと動きました。でも、返事はありませんでした。その時、私は感じたのです。
私はいらない子なんだ・・・と。
それでも母に好かれたい一心で、勉強も頑張りました。100点のテストを見せても母は喜びませんでした。
お習字で金賞をもらったり、絵画で表彰されても、母は一度も喜んでくれませんでした。
運動会で一番になっても、マラソン大会で頑張っても、「お母さん、大好き」の作文を書いても母が私に笑顔を向けてくれる事はありませんでした。
弟の為には何でもするのに、私の為に参観日に来てくれる事も、発表会を見に来てくれる事も、運動会に来てくれる事もありません。
みんなが校庭で、家族でお弁当を食べている姿がうらやましくて、私だけがたった一人でいる事が辛く、寂しく、教室で涙をこらえながらひっそりとお弁当を食べました。
小学校の頃は、頑張ればお母さんも振り向いてくれる。そう思っていましたが、すこしずつそれも諦めるようになり、私は頑張ろうという気持ちが無くなって行きました。
中学では、全くやる気が無く、成績は酷いものでした。でも、母は、私の成績がよかろうが悪かろうが関係ない。
弟ばかりを見て、過剰に干渉し、その姿はまさに『溺愛』でした。
幸いな事に私は、友達に恵まれて、いろんな面で助けてもらいましたが、私の心はいつも風が通り抜けるようにぽっかりと穴が開いていました。
自信なんて全くありませんでした。自分なんてどうなってもいいと思っていました。自殺未遂もしましたが、死ぬ事もできず、無気力なまま大人になりました。
そんな私も結婚をし、子供を産みました。一人目の子は女の子でしたが、絶対に母のようにはならない。
『私は、男でも、女でも、心を込めて育てる!』と決意して、大事に大事に心をこめて育てたつもりでした。
長女を産んだ2年後、男の子が生まれました。にっこり笑う笑顔がとてもかわいかったです。
あやす為に抱き上げると、すぐにニコニコとし、私の腕の中ですやすや眠るその顔を見ると、この子の為なら死んでもいい・・・と思うほどでした。
ですが、下の子を可愛いと感じるようになると、上の子が可愛く感じなくなってしまったのです。
あれだけ大事に育てた子なのに、疎ましくさえ感じてしまいます。
赤ちゃん返りをするしぐさも頭では理解できます。でもその姿に怒りを感じてしまうのです。
私は私が育てられたように娘を育ててしまっています。私があれだけ苦しい思いをして、絶対に同じような気持ちにさせない、と誓ったのに母と同じ事をしているのです。
私は「変わらなければならない」と、いろいろな本も読みました。子育てセミナーにも行きました。カウンセリングも受けました。沢山の人に相談しても、解決はしていません。
私は変われないのだろうか?このまま娘を傷つけて行ってしまうのか?と思うと、私なんかいない方がいいのでは?と思うようになり、
本当に辛くい日々を過ごしていたところ、偶然にパピーさんのメルマガを知り、ホームページを読ませていただきました。
読みながら昔の事を思い出してとめどなく涙が流れ・・・。でも、勉強する決意がなかなかできなかったのです。
今まで本、セミナー、相談、カウンセリングなど、良いと言われるものはやってきたのに、結局、変わる事ができなかった私。主人にも迷惑を掛けています。
そんな私が勉強する事で変われるだろうか?もし今度、失敗したら・・・と思うととても怖くて、なかなか申し込みをする事ができませんでした。
迷い始めて、2年経ちました。娘は関係がぎくしゃくしたまま5歳になりました。
ある日、娘に言われてしまったのです。「お母さんは私の事が嫌いなの?」ショックでした。
なぜならこれは、私が母に言った全く同じ言葉だったからです。そして私も、母と同じように、何も言えなくなってしまっていました。
「絶対に母のようにはならない」と誓ったのに、どんどん母と同じ様になっていく自分に恐怖さえ感じました。
こんな母親ならいない方が良いのかもしれない。そんな事も本気で考えました。こんな私では娘はどうなってしまうのだろう?これから娘は私と同じ人生を歩むのでしょうか?
私は、あんなに辛い子供時代を娘に過ごさせてしまうのでしょうか?いえ、それだけは絶対にイヤです。
ですから、勇気を持って申し込みしました。これから、一生懸命勉強したいと思います。できるかどうか全く自信はありません。落ちこぼれてしまうかもしれません。
でも私だけの人生ではなく、娘の人生が掛かっているんです。ですから必死になって頑張ります。
初メールでこんなに重い話、その上長々と申し訳ありません。でも是非、パピーさんに私の気持ちを聞いて欲しかったのです。
自分の中でくすぶっていた思いを、吐き出させて頂いて、今、迷いが消えたような気がします。これからよろしくお願いします。
ココまで・・・
このメールを頂いて、私はこんな風にお返事をしました。
ココから・・・
もしもさん、おはようございます。パピーいしがみです。メール、拝見しました。
子供時代、本当におつらい思いをされたんですね。メールを読みながら、私も胸が痛くなりました。
特に運動会で、沢山の子どもたちが家族皆でお弁当を食べている中で、たった一人、ひっそりと教室で隠れるように食べていた。
その時の事を思い浮かべたら、どれだけ辛かったろう、どれだけ寂しかったろう?と小さいもしもさんの気持ちを考えると、本当にいたたまれない思いでした。
でも・・・よく頑張ってきましたね。「私はいらない子なんだ・・・」と感じてもお母さんに振り向いて欲しくて努力を重ねた事。偉かったな~、よく頑張ったな~と思います。
小さいながらに、何とかして・・・という思いがひしひしと伝わりました。頂いたメールに、こうありましたね。
“こんな私では娘はどうなってしまうのだろう?これから娘は私と同じ人生を歩むのでしょうか?私は、あんなに辛い子供時代を娘に過ごさせてしまうのでしょうか?いえ、それだけは絶対にイヤです。”
私はこの文面に、もしもさんの意思の強さを感じましたよ♪
それに“私だけの人生ではなく、娘の人生が掛かっているんです”とありましたね。
自分の為だけでなく子供の為に何とかしたい、というお気持ちがあれば、私はきっと改善するだろう!と思いますよ(^^)一緒に頑張っていきましょう。
それで、今日、せっかくメールを頂いたので、1つ、これから勉強を始めるにおいて、心にとどめておいて欲しい事があります。
それは「完璧を目指さない」「すぐの変化を求めない」という事です。
これは「多分」ですが、もしもさんは、今まで「変わりたい」「変わるんだ」と思って、頑張ってこられてきたと思うのです。
でも、それってご自分にとって、とても大きな壁だったり、とても壮大な目標だったりしたはずなんです。
今まで、沢山の本を読んだり、セミナーに行ったり、相談をされた事も、そこには「自分を変える」という大きな壁に対して立ち向かっていった経緯があったと思うのです。
でもね。いきなり大きな壁を突き抜けようとしても、それはとても難しいんですよ。
もし、それが薄い木の板でできた壁だとしても、生身の体では大けがをしますよね。
もしそれがコンクリートでできていたとしたらどうでしょう?突き破ろうとするのはまず不可能です。
でも、どうですか?壁を突き破らなくても、目的は、壁の向こうに行けばいいだけですよね。
だとしたら、勢いをつけて突き破ろうとしなくても、壁の高さになるまで階段を作ってしまえば、とんとんとん、と登ってしまえるのではないでしょうか?
「変わろう」とか、いっぺんに解決しようとするのではなく、1つ1つ、レンガを積んでいくんです。
ご自分が持てる重さだけを運んで、1つ1つ並べていくだけでいいんですね。それは、確かに時間はかかるでしょう。
でも、間違いなく階段は積み上がり、最後には、ただ階段を上るだけで壁を乗り越える事ができるんです。
もしもさんは、娘さんが生まれた時、「大事に大事に心をこめて育てた」と書かれていましたね。
という事は、すでにもしもさんは、娘さんを受け入れる事ができていたって事です。
それは、お母さんがもしもさんにされていた態度とは全然違っている、という事なんです♪
私はきっと、もしもさんは娘さんと良い関係が作れるようになると思いますよ。
もちろん「すぐに!」とは言いません。ゆっくりゆっくりです。まずは勉強を始めてみて、自分のできる事を探しましょう。
そしてできることから1つ1つ積み重ねていきましょう。きっとくじけそうな時も有ると思います。でも、負けないで続けましょうね♪一緒に!!
ココまで・・・
そのようなお返事をした約半年後、もしもさんからこのようなお返事を頂きました。
ココから・・・
パピーさん、こんばんは。もしもです。
今年になって、とっても嬉しい事が続いているので、ご報告したくなりました。まだまだですが、読んで頂けると嬉しいです。
先日、長女の幼稚園でバザーと、絵画や工作の展示があって行ってきました。
子供たちの作品は思い思いに絵を描いたり、紙粘土をこねて色をつけたり、幼稚園で作った作品が並べられているのですが、娘の絵には、大きく、私の顔が描かれていました。
お父さんの顔、弟の顔、そして娘本人の顔があって、大きな顔の私がニコニコして、その3人を抱きかかえているような、そんな絵でした。
そこに園長先生がお見えになって、こう言われました。
“ ○ちゃんのこの絵はとっても素敵ですね。お母さんが、太陽のように皆に笑顔を振りまいて、みんながとっても楽しそう。
子供の絵って、その時の気持ちをとても素直に表すんです。○ちゃんのおうちは、お母さんが中心になって、とってもいい雰囲気なんでしょうね。
私も長い事、子供たちの絵を見ていますが、これほど、のびのびと楽しそうに書かれている絵は、なかなか見られないんですよ♪”
私は、その言葉を聞いて、もう涙が止まりませんでした。勉強を始めたばかりの頃、パピーさんから頂いたお返事に、
“すでにもしもさんは、娘さんを受け入れる事ができていたって事です。それは、お母さんがもしもさんにされていた態度とは全然違っている、という事なんです♪
私はきっと、もしもさんは娘さんと良い関係が作れるようになると思いますよ”
と書かれていて、その時に、本当に嬉しくて、パピーさんがそう言って下さるのだから、「頑張ればきっと何とかなる」と信じてやってきました。
「心から可愛い」と思えなくても、形だけでも・・と笑顔を作ったり、話を聞くようにしたり。
でも、本当にこれでいいんだろうか?っていつも不安でした。
ですが、決してその頑張りは無駄じゃなかったんだ。ほんの少しでも、娘には届いていたんだ、と思うと、今スグにでも娘を抱きしめたい気持ちになりました。
主人に下の子を預け、幼稚園のトイレでしばらく泣いて、真っ赤に目を腫らして出てくると、娘が心配そうにそこにいました。
すぐに娘を抱っこして「すごくいい絵だったよ」「お母さん、嬉しくて泣いちゃったよ」
と強く抱きしめて、涙でぐずぐずの声で伝えました。
娘は「ぐるじい・・・」と言いながらもとても嬉しそうでした。その時、はっと思ったのです。これほど真剣に喜びを感じた事は今までなかった。
いつだって私は自分の気持ちを正直に表す事はなかった。拒否されるのではと怖かったり喜ぶ事も泣く事もなかった。
いつも自分を作っていたのでした。でも正直に自分の気持ちを表してもいいんだ。笑いたい時には笑って、泣きたい時には泣いていいんだ、と思ったら、
すごく楽になって、娘の前でも自分を正直に出せるようになった気がします。
それまでは「こうしたらダメかな?」「ああした方が良いかな?」とあれこれ考えていましたが、それからは自分が感じるままに、「あ、それいいね」とか「お母さん、それ好き」
又は、「でも、それは嫌だな」のように、自分の素直な気持ちを伝える事ができるようになりました。
そうしたら、何となくよそよそしかった娘が、とても近く感じるようになったのです。
眠る時にも私の布団にごそごそ入ってくるようになったり、お風呂に一緒に入ると、ぴとって張り付いてきたり。弟と私の膝をとりあってケンカになったり・・・。テレビを見て声をあげて笑うようになったり。
私は「変わりたい」とずっと思ってきました。でも変われませんでした。
でも、パピーさんから「時間を掛けて階段を作りましょう」と言われ、「変わる」事をやめ「壁を越える為の階段づくり」に変えました。
その結果、私は本当に欲しかったものが手に入った気がします。
私は「私なんていなくてもいい人間」だとずっと思ってきました。でも、ここ(家庭)には私の居場所があります。
私の事を必要としてくれる子供達や夫がいます。それを感じただけでも、とても幸せです。パピーさん、本当にありがとうございます。
私はすでに「幸せなお母さん」を感じていますが、これからもさらに勉強して、もっともっと子供たちを、そして主人を幸せにしていきたいと思っています。
これからもどうぞ、よろしくお願いします。
追伸:長女の描いた絵は、今、額に入ってリビングに飾ってあります。私の一生の宝ものです。
携帯で写真を取りましたので、メールに添付して送りますね。是非、ご覧ください。
ココまで・・・
もしもさん、とても素敵なご報告、ありがとうございます。
娘さんの絵の写真もありがとうございました。本当に良い絵ですね♪園長先生が絶賛されるのが分かります。
お母さんの顔がみんなの3倍ぐらいありましたね♪その笑顔はとても輝いていましたよ(^^)娘さんにとって、お母さんはこんなに大きな存在なんですね。
頂いたメールにこうありましたね。
“私は「私なんていなくてもいい人間」だとずっと思ってきました。でも、ここ(家庭)には私の居場所があります。私の事を必要としてくれる子供達や夫がいます。それを感じただけでも、本当に幸せです”
そう感じて下さった事。私はとても嬉しく感じます。
辛く苦しかった子供時代。お母さんにしてほしかった事。してもらえなかった事。是非、これから子供たちに沢山してあげてくださいね。
「与える」事って必ず、同時に「返って」きます。もしもさんが、子供たちに「喜び」を与えると、同じ様に子供達からも「喜び」が返ってくるんですね。
それは、(ぽっかり空いてしまった心の穴も)満たしてくれると思いますよ♪
これからも又、ご報告くださいね♪メルマガへの掲載のご許可、ありがとうございました。
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