第658号 プライドを保ちながら
こんばんは。パピーいしがみです。
今日は、いつもとはちょっと違った内容かもしれませんが、10歳以上のお子さんをお持ちの方、中学生・高校生のお子さんで困っておられる方にとっては、きっと参考になる内容だと思います。
それでは、ご相談の内容からご紹介しますね。
ココから・・・
パピーさん、おはようございます。SSです。勉強を始めさせて頂いて、まだ6ヶ月ですが、
癇癪が酷かかった長男がとても穏やかになったり、人みしりが激しく手のかかる長女もおさまってきて、「認める」「褒める」「包む」のすばらしさを感じています。
特に長男は、今ではほとんど癇癪が無くなり、とても落ち着いています。
自分の思い通りにならないと、すぐにキレて、届くものを手当たり次第に投げ、危ないから止めるように言っても全く聞き入れず、叱れば叱るほどひどくなっていて
「この子と生活するのはもうムリ」という状態でしたので、わずか6ヶ月でのこの変化にとても驚いています。
お正月に実家に帰った時も、母に「○○ちゃんは、すごく落ち着いたね。突然、お兄ちゃんになってびっくりした」と夏以来の再会でしたが急激な成長に驚いていました。
おかげで今は、毎日が平穏で私もにこやかでいられる事が多く、気持ちも落ち着いています。ありがとうございます。
それで、今日は1つ、パピーさんに教えてほしい事があってメールしました。
子育ての悩みはほぼ解決しているのですが、もう一つ、私にはずっと悩んでいる問題があります。
それは主人との関係なんです。私は、主人よりも年上と言う事もあって、どうも彼の考え方や行動が幼く見えてしまい、
もっと一家の主として責任を持ってほしい、もっとしっかりしてほしい、とつい口を出してしまっていました。
そのせいか主人は徐々に家で口を開く事が無くなり、昨日はとうとう「俺はもうこの家に居たくない」と言われてしまいました。
「ずっと考えてきたけど、やはり君との結婚は失敗だった」「離婚を前提に考えてほしい・・・」と。
私も以前から、私がこんな状態(上から物を言う)でいたら、もしかしたら愛想を尽かされるかもしれない、とうすうす感じていたのですが、心のどこかで「そんな事は無いだろう」という慢心もありました。
ですから、いけないと思いながら、自分を変えられなかったのです。
今回、主人の口からはっきり言われたことで、私自身が“絶対に変わらなくちゃいけない”と決意して、なんとか思いとどまってもらいました。
主人には「私は絶対に変わるから、1年待ってほしい」とお願いしたのですが主人は
「1年なんて待てない。本当にその気になれば、3か月や半年でも変化があるはず」「3ヶ月たっても変化がなければ1年たってもできっこない」と3ヶ月だけは待ってくれる、という事になりました。
でも・・・パピーさん、私は3ヶ月で変わる、という自信はありません。
子供たちの為にも、私自身の為にも主人が必要ですし、パピーさんのおかげで、やっと幸せを掴めそうになってきたのに。そう思うと、残念でたまりません。
あまりにも独りよがりなご相談だと言う事は分かっています。でも、他に相談できる方がいないので、ご迷惑を覚悟でメールさせていただきました。
子育てとは直接関係ないので、申し訳無いのですが、アドバイス頂けましたら有り難いです。よろしくお願いします。
ココまで・・・
今までメルマガで、あまりお話をした事がない内容なのですが、実は、こういう(夫婦間の)ご相談は結構いただきます。
もちろん専門ではないのですが、“お母さんに「幸せ」になってもらう”これが私のコンセプトなので、そこに関連する様々な相談には、私もできる限りお返事するようにしています。
他にも私が総務系の仕事をしてきた事もあって、仕事に関する事や、労働基準法に関する事などもご相談頂くのですが、
今回、この件をメルマガでご紹介しようと思ったのは、年下のご主人さまに抱いている感情が、10歳を超えたお子さんや、中学生、高校生を持つお母さんの気持ちにとっても近く、思春期のお子さんへの対応の仕方にとても参考になるからです。
(もちろん年上の旦那さんへの対応にも参考になるはずです)
SSさんから、上記のメールを頂いた内容について、もう少し詳しくお聞きしたところ、こんなお返事を頂きました。
ココから・・・
パピーさん、早速のお返事、ありがとうございます。お返事を頂けるかどうか不安だったので、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
ご質問についてお返事させていただきます。主人は、私より6つ年下です。彼が新卒で私の部署に配属されてきました。
仕事を教えてきた事もあって、その時の関係がずっと続いていました。私は妊娠を期に仕事を辞めて今は専業主婦です。
彼の考え方や行動が幼く見えてしまう、という部分ですが、まずは、お金の使い方です。
主人の趣味はミニカーやゲームです。以前2人で働いている時には少々の余裕もあったので、そんな趣味(無駄遣い)もそれほど気になりませんでした。
ですが私が仕事を辞め、主人一人の収入で家計を賄うには、そんな趣味に使うお金などありません。
それでも「あれが欲しい」「これが欲しい」という子供の様な態度にイライラしてしまいます。
同様にそんな態度が「子供たちの将来を考えているのか?」「一家の主としての責任があるのか?」と不安に思ってしまいます。
子供に対してもそうです。主人が子供を叱る事はほとんどありません。癇癪が激しかった長男も、元をたどれば、欲しがるものを何でも与える事に問題があったと思います。
私の「もっとしっかりしてよ」という言葉に、「は~」という深いため息をついたり、「どうせ、俺はガキですよ・・・」などと言う、
その言い方にも「それが幼い!んだよ(怒)」と言いたくなりますが、そこはグッとこらえています。私は・・・小言が多いと思います。
特に「しっかりして」「お父さんらしくして」「頼りない」「ちゃんとしてほしい」などと言っていました。
自分でもやめようと思うのですが、口を突いてしまうのです。
それでも以前は、会話もあったのですが、徐々に会話が減ってきて、主人から口を開く事は減り、笑う事もとても少なくなりました。
帰りもだんだん遅くなってきて、それからはさらに私の小言が増えました。
「何で毎日こんなに遅くなるの?」「毎日、毎日こんなに残業がある訳ないじゃない」追求すればするほど、主人は口数が減り、用意している食事も取らなくなったり私を避けるようになりました。
食事を用意しても食べない・・・なら作る必要が無い、と私も意地になってしまい、お互いに話しをしない・・・ような今の状態になってしまっています。
今、こうやって書いてみると、ひどい妻ですよね。パピーさん、修復する方法はあるでしょうか?そして、どこから始めればいいでしょうか?お手数をお掛けしますが、よろしくお願いします。
ココまで・・・
SSさん、こんにちは。パピーいしがみです。メール、拝見しました。なるほどなるほど・・・大体見えてきました。
お返事を頂いて、私が強く感じたのは、SSさんご自身が、ご主人様の事をいまだに「部下」のような感覚があるのではないかな?と言う事です。
SSさんは「お父さんらしくなってほしい」とは思っても、ご主人に対する態度は以前のままではないかな?と感じるのです。
以前の関係と今の関係は違っていますよね。でも、それをきちんと線引きしてこなかったのでは?と感じたんですね。
もし、そこがあったとしたら、まずそこの部分から、違う考え方をお持ちになる事が必要かと思いますよ。
現状は、ご主人様が毎日働いてくださって、それで毎日のやりくりができていますよね。
ご主人さまは、SSさんと子供達を養うために、毎日、会社に行って仕事をして下さっていますよね。
ご主人さまが「あなた達の為に働くのはもういや」と思ったら、当然ですが、安定した今の状態は無くなります。
・・・と考えた場合、ご主人が一人で頑張って下さっている事は、決して「当たり前」ではないんですね。
そう。「しっかりして」「お父さんらしくして」の前に、「お仕事、お疲れ様」「いつもありがとう」があるべき、だと思うのです。
もう以前の「後輩-先輩」の間柄は終わり、「夫-妻」という間柄に変わった事をSSさんにしっかり認識してほしいんですね。
一番大事な事がこの「今の関係を認識する」事です。そこが明確になると、今までやってきたことで改善すべき事が、見えてくると思いますが、
私がもう一つ、お話しするとしたら、「ご主人を育ててほしい」という事です。
どうやらSSさんとしては、ご主人様に「一家の主として強いイニシアチブを持ってほしい」「子供達や家族の将来まで考えて行動をしてほしい」というようにお考えのようですね。
でも、ご自分の思うレベルにまでご主人は達していないようです。実はこれって、10歳以上のお子さんや、中学生・高校生がいらっしゃる方が、お悩みになる内容にとても近いのですが、
SSさんの場合は、奥さまが年上であるがゆえに、本人よりも高いレベルの知識や認識があり、そこに到達していないように見えるご主人に物足りなさを感じるていると思います。
SSさんとしては「もっとこうしてほしい、ああなってほしい」という期待、要望、願いがあるのですが、でも、それを言われた方は、
自分への批判、足りない部分の指摘等、非常に強い『否定』を感じるのです。
『否定』されると人はどうなるんでしたっけ?自信を無くし、やる気を無くし、自尊心を失い、明るさ・笑顔を失い、マイナスに向かうんですよね。
それが「俺はもうこの家に居たくない」の言葉になっているような気がします。SSさんは、どうやらそちらの方向に向かわせてしまった?ようですよ(^^)
ここではっきりしておかなければならないのですが、同じ年齢であっても“男性は女性よりも幼い”と思って間違いない事です。
多くの場合、女性の方が男性よりも精神年齢が高いです。又、家計を預かっている女性はより現実的で、リスク管理に長けていますが、男性はどちらかと言うとその能力が低い場合が多いです。
6歳の年齢差があるとしたら、SSさんはご主人よりも、かなり精神年齢が高く、より現実的なので、ご主人の至らない部分が見えやすい、という事でもあるんですね。
だから、SSさんご自身がそれを納得の上で、ご主人を“育てていく”事が必要になるのです。
例えば・・・二代目社長に会社経営を任せる、という事は良くあることですよね。
副社長や新社長をサポートする人達は、前社長と比べて「ココがダメだ」「あそこが足りない」とは言いません。
みんな、二代目社長は第一線で引っ張ってきた、前社長の足元にも及ばない事は知っています。
だからこそ、前社長のように会社を引っ張れる、本当に力のある社長になってもらうように、状況を詳しく説明し、相談・提案をしながら、なるべく正解に近い判断ができるように、周りが育てていくのです。
ご主人を育てる、という事も全く同じです。まだしばらくはSSさんが納得するようには変身しないでしょう。
でも数年後、ご主人様が自信をもってイニシアチブをとれるSSさんが望む「お父さん」になってもらえるように、ご主人の気持ち(プライド)を考えながら接してほしいんですね。
その為にはまず「認める」事ですよね。それが「お仕事、お疲れ様」「いつもありがとう」の姿勢です。
もし、趣味にお金を使いたい、と仰るのなら、SSさんがお一人で「無駄遣い」と決めてしまうのではなく、
これから子供たちが大きくなるにしたがって、どんな事にどれだけかかるのか、今、貯蓄がどれだけあって、どのくらい余裕があるのか、という事も含めて、
ご主人さまと“相談”しながらご理解頂いたり“提案”しながら了解してもらう、という方向でお話しされたらいかがでしょう?
その中で、お小遣いの枠内でやってもらうなど、ご理解を頂いたらどうかな?と思うのです。私はそんな風に感じましたが、いかがでしょうね(^^)
ココまで・・・
今回、メルマガで紹介するに当たり、私は、10歳を超えたお子さんや、中学生、高校生を持つお母さんの気持ちにとっても近く、思春期のお子さんへの対応の仕方にとても参考になる、と言いましたね。
それでは、どこがとても似ていて、どういう部分が参考になるのか、説明しますね。
まず、SSさんにはこうお願しました。
“以前の「後輩-先輩」の間柄は終わり、「夫-妻」という間柄に変わった事をSSさんにしっかり認識してほしいんですね。一番大事な事がこの「今の関係を認識する」事です。”
子供たちが10歳以上になると、子供たちは自分の考え方を持つようになります。その時は私たち(大人)と同じような考え方をします。
それまでは「親-子」という間柄を子供は重々分かっいて、親に「○○しなさい」と言われる事も、嬉しくは無かったけど『従わざるを得ない』という状態でした。
ところが10歳を過ぎ、中学・高校になってくれば、「親-子」ではなく「人-人」という感覚になってくるのです。
親からするといつまでたっても子供は子供ですが、子供本人からすると「俺はもう子供じゃないんだ!」という気持ちが強いのです。
それが親がいつまでも小さい子を扱うようにあれこれ指示をしたり、小言や命令をすれば、当然そこに反発が生まれる、というわけなんですね。
そう。子供が10歳を超えたら、しっかり新しい「今の関係を認識する」ようにしてほしいのです。
そして・・・もう一つ。
「俺だって子供じゃないんだ」と思いながらも、親からすれば子供はまだまだ半人前。親から見ると至らない部分が沢山見えるはずです。
でもそれを直接、指摘したり非難したり、命令すれば、とたんにやる気を失うでしょう。
だから「二代目社長の育て方」のように、足りないところを補いながら、でも自分で判断できるように、「命令」「指摘」「強制」ではなく、理由を話し「相談」や「提案」をしていくのです。
その人のプライドを保ちながら“育てる”ようにしてほしいのですね。
説教、命令、強制というのは、相手の気持ちを無視した行為ですよね。すべてこちら側だけの主張です。
でも、仲の良い友達だったり、ご近所さんだったりしたら、そんなことしませんよね。だって、それをすれば険悪なムードになるって分かっているからです。
でも、自分の子どもにはやってしまうんです。そう。それは私たちがいつまでも「親-子」の関係だと思ってしまっているからなんです。
そうそう。先ほどのお返事をさしあげたSSさんですが・・・大丈夫だったそうですよ(^^)
こんなメールを頂きました。
ココから・・・
パピーさん、お久しぶりです。あれから約4ヶ月経ちました・・・が、「俺はもうこの家に居たくない」「離婚を前提に考えてほしい・・・」の話は今のところありません(^^)
パピーさんにお返事を頂いた時、その鋭さに「当たってる」とちょっとトリハダでした。
確かに私と主人の関係は、ずっと「後輩-先輩」でしたし、ずっと主人を指摘し、否定し、足りないところばかりを見ていました。
主人一人が働いて家族を養う事も「当たり前」と思っていたし、「お仕事、お疲れ様」「いつもありがとう」も、言った事はもちろん、思った事さえありませんでした。
パピーさんが言われていた、「今の関係を認識する」で、今までできなかった線引きが、きちんとできたような気がします。
「認める」「褒める」「包む」を勉強して、子供たちの問題は解決したのに主人にそれを応用できなかったのは、やっぱりこの「線引き」ができていなかったからだと思います。
主人は、いいところがいっぱいあるんです。時間があれば、子供達の世話をしてくれますし、自分の事よりも子供達を優先してくれます。
もちろん、子供ともとても仲良しです。それを私は「当たり前」「もっともっと」と要求していました。
私の方が高いなどとは決して思っていないつもりでしたが、結果としてそうなってしまっていたかもしれません。深く反省しました。
それから二代目の社長を育てる・・・のところは、とても分かりやすかったです。今は、何でも相談するようにしています。
「ありがとう」「お疲れ様」も言うようにしました。そうすると、やはりとてもうまく行きますね(^^)大事な事を教えて頂いてありがとうございました。
パピーさんの講座はとっても勉強になります。こうやって個人的な相談ができる事もとても心強いです。
これからも気を引き締めて、今の状態を持続できるように頑張ります。又、ご報告させて頂きますね。ありがとうございました。
ココまで・・・
SSさん、良かったです♪
本当は私も3ヶ月という期間ではどうなるか分からなかったのですが、とりあえず、ご主人もその変化を認めてくださったようで、ほっと安心しました。
今回、メルマガに・・・とご相談した時も、子育てとはちょっと違うので、どうかな?と思ったのですが、
「ちょっと恥ずかしいですが、お役に立てるなら・・・」とご了解頂いて嬉しかったです。ありがとうございました。
10歳以上のお子さん、もしくは大人に対しては、やはりその方の「プライド」も考慮して頂くと上手く行きます。
プライドを尊重する事が「認める」事になるんですね。ご参考になったら嬉しいです♪
ご興味のある方はこちらをお読みください。
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